「先生!もっとあたしらに構って!」 作:アキラゼミ
「ん〜〜〜っ♡ やっぱ入学式の日って良いよね、初日ってのはこうでなくっちゃ♡」
ハドマ学園では、入学式の日は午前のみで放課を迎える。無論、新入生に限った話ではある。2年生以降は、入学式が終われば授業がある。──きっと大抵の学園はそういうものだろう。
ハドマ学園の新入生であるシエルは背伸びと共に上記の言葉を発し、リエの机に座る。机に座るとは何と行儀が悪い──昔のリエなら言っただろうが、今となってはもう慣れたものである。
そしてリエに「一緒に帰ろう?」と誘うものの、意外な事にリエは言葉を濁して、何か伝えたい事がある雰囲気を醸し出す。言い出しにくい──つまり誘いを断るつもりだと察したシエルは先手を打つ。
「何か、あったの? この前、入学式の日は何にも予定無いって言ってなかった?」
「えっと、少し前まで確かにそうだったのですが、実は、今日は残るようにと言われておりまして……。先輩方と顔合わせですとか、お手合わせですとか、色々と……」
「はぁ!? 当日になって急に? しかも、先輩の放課後って何時間後!? フツーに夕方じゃん!」
「いえ、私がシエルさんに伝え忘れていただけで、先輩方に非はありませんの。申し訳ありませんわ。それに本日は授業の時間に抜け出して、私達の為に時間を作って下さるそうですので──どうしても、そちらに伺わねばなりません」
「……私
「私のことだよっ☆」
そんなシエルの疑問に答えるように、リエの背後から、少し浮き足立つような様子で例のピンク髪の少女──リンコが、2人の話に割って入る。
「なんだ、あんたか。えっと……リンネ?」
「リンコだよぅっ! サタリンって呼んでね☆」
「いや呼ばないし。え、何? あんたも入学早々、先輩に呼ばれてんの?」
「七天魔の希望者は全員呼ばれてるハズだよ。確かうちのクラスだとナルミちゃんも呼ばれてたかな。ほら、入学手続きの書類の中にさ、あったじゃん?
『七天魔エントリーシート』! アレ提出した人は残るよう入学式ラストにアナウンスあったじゃん」
「あー。興味無さ過ぎて紙は捨てちゃったし、話も聞いてなかったわ」
「七天魔、魅力的だよ〜? 学年クラス関係なく、生徒会とほぼ同等の権限を得られるの! 部活とか委員会を立ち上げるのなら、必要になる資金も提供してもらえるし、何なら部費とかも優先的に回してもらえるらしいよ?」
「それから、生徒会にも選ばれやすくなりますの。私は生徒会幹部を目指していますから、まずはその足掛かりとして、七天魔に入らなくては……」
「んっふふ〜、負けないぞっ☆」
「ふふ、私も負けませんわ」
「負けない……って、勝負か何か?」
「そ! 七天魔は、入学時のクラス分けとは違ってその生徒の総合評価じゃなく、純粋な戦闘力のみで判断されるの!」
「有事の際、学園を守る役割を担うが故、ですね。守る者が強く在らねば、学園は守れませんから」
七天魔に関する説明をよく聞き、シエルは段々と興味が湧いてくるのを感じていた。普段の彼女なら素っ気なく「ふーん」と返して1人で帰宅していただろうが、今日は違う。
権力だの、そういったものに興味が無いリエが、珍しく目を輝かせている。生徒会幹部への近道だと聞かされれば確かにそうなるだろうが、意外な程に良い反応をしていると幼馴染目線でも感じていた。
それ故に、説明を聞いたシエルは2人に言った。見学だけでもしていく──と。
例の書類を提出していないので、今回、シエルはエントリーできない。しかしリンコの追加の説明を聞いた所、いつでも入れ替え戦を申し込めるので、特に影響は無いのだそうだ。
新入生、それも入学と同時に申し込む場合に限り書類を提出させるのは、その方がエンタメとしての盛り上がりを楽しめるからだろう──と、リンコは予想している。流石にそれは違うのだろうが……。
◆
────数時間後。
上級生達の準備が完了したとのことで、七天魔を希望する新入生達は、校内放送にて、グラウンドに招集をかけられる。
1年1組からはリエ、リンコ、ナルミ。そして、見学としてシエルの合計4人が。
隣の1年2組からは、リエやリンコよりも格段に背が低く、シエルくらい幼く見える少女が数人と、異様な色気を放つ少女がエントリーしていた。
3組、4組、5組────見た限りでは、殆どのクラスから平均5人はエントリーしているようだ。
「七天魔希望者諸君、よく来てくれた。先の入学式以来だな。私は
「「「よろしくお願いします!」」」
その生徒は、生徒会「失楽園」の議長であるのと同時に、七天魔も務めているらしい。生徒会には、他にも何人かはそういった生徒がいるようだ。
この場では、改めて七天魔制度についての説明がされた。1年生だろうと関係なく生徒会と同程度の権力が与えられ、資金などについても優先され──とにかく優遇されまくるという「良い面」を。
次いで、有事の際には学園を守る盾となり外敵を排除する矛となる責任を負うという「別の面」を。
七天魔がそういった事件に駆り出された事は実はあまり無い。しかし「ゼロ」ではない。権利だけを欲する無能は戦闘時にも足を引っ張る──そういう理念の元、制度「七天魔」は運用されているのだと改めて説明。
それを終えたルカは──「学園を守り外敵を排除できる者のみが七天魔を名乗れる。それが無理ならこの場を去れ」と強い口調で1年生を焚き付ける。
すると少々の間を置き、1人、また1人と生徒が帰宅していく。優越感の為か、それとも学園生活の彩りを豊かにする為か──どちらにせよ「特権」は欲しくとも、「責任」は背負いたくない──そんな生徒達が大半であった。
「わーお……5分の2は帰ったね?」
「バカ正直過ぎ。特権目当てなのバレバレじゃん。さっすが、3組以降はバカばっかだね〜」
「し、シエルさんっ……」
目の前に並ぶ七天魔の先輩6人を見て、リエは、ある疑問が脳裏に浮かぶ。七天魔は本来7人のはずなのに、目の前に居るのは6人──
しかしリエの心を読んだかのようなタイミンクでルカは自信たっぷりな様子で口を開く。
「現在、我々七天魔は、6人だけだ。7人目の席を空けてあるからな。普段であれば入れ替え戦を以て誰か1人を打倒してもらうのが必須条件なんだが、
「ひゃっ!? は、はいっ!!」
唐突に名を呼ばれて、上擦った声で返事をする。本人は勿論、友人のシエルも、そしてリンコなどのクラスメイトも他のクラスの生徒も初耳であった。
「いや〜彼女は中々に手強くてなぁ! 議長である私でさえ少々手間取ったよ」
「……あ、あの、赤津議長……?」
「んぁ? ルカでいいよ」
「……ルカ先輩。入試の際、私と戦った先輩は……」
「あァ、アイツね。さっき言ったろ、7人目の席は空けてあるって。アイツはもうクビだ。お前が座る席に、いつまでもアイツを座らせておけないしな。どうした、何かあったか?」
「あ……い、いえ。あれで本当に私が彼女を倒したと判定してよいものなのかと……」
「構わないさ。アイツは全力だったそうだし」
「へ?」
「つまり、まだ中学生だったお前に負けるくらいの実力しかなかったって事さ。改めて入れ替え戦とかする必要も無いくらいの、綺麗な惨敗だったよな」
「そ、んな……ことは……」
「──聞け、1年坊。我猛リエは入試の際に、対戦相手、つまり試験監督を務めた七天魔を打倒した。それによって、今回は特例的に、入試の際の戦闘を入れ替え戦と認識し、入学後の入れ替え戦はナシで七天魔加入だ。入試で倒せたのは、七天魔創設以来初めての事らしいぞ? 皆、拍手!!」
議長である彼女が促しても、パラパラとまばらな拍手が起きるだけ。まともに拍手しているのは同じクラスの3人だけであった。
「さっすがリエ、規格外〜♡ あんた……リンコは? 先輩、倒せなかったの?♡」
「あの時の私の対戦相手、ルカ議長でさ〜」
「!?」
「議長──つまり暫定的にハドマで最強の人だし、負けるのも仕方ないかなって思ってるよ」
「……」
他の先輩だったら倒せてたかもね──そう言わんばかりの自信たっぷりの様子に彼女の底知れなさを感じ、内心、舌を巻く。
リエが今ここに居ない先輩に勝ち、自分が議長に負けたからと、負け惜しみ等を言っているようには微塵も見えなかった。
が、この場に居る誰もが、リンコのように上手く割り切っているワケではなかった。
「そんな、ズルいですよ! 運ゲーだ!!」
「弱い先輩に当たったから勝てただけでしょ!?」
などなど、批判が噴出した。ビクリと肩を震わせ怖気付くリエ、リエに何言ってんだお前らと今にも飛び掛かりそうな気迫のシエルに、ケラケラと笑うリンコ──場が荒れ始めた。
しかしそれを見ても、平然とした様子で溜め息と同時に呟く。
「お前らの中の7分の1は、リエと同じその先輩と戦ってるがな?」
「「「「「!?」」」」」
「当然だ。七天魔希望者の人数を可能な限り平等に7人に分配して、七天魔それぞれが相手をする──そうしなくては入試がスムーズに進まないだろう」
「「「「「…………」」」」」
「他の6人、つまり今ここに残った七天魔に相手をしてもらった1年達もそうだ。運ゲー、確かにそうかもしれない。だが、運も実力のうちだ。そして、もし運が無く敗れてしまったら、次は他の七天魔に挑めばいいんだ。全員と戦い、己が勝利するまで、当たって砕け続けろ。それすらできないヤツには、七天魔は無理だ」
ルカの言葉に負け、1人、また1人、列を抜けて帰宅する生徒が。しかし逆に、誰を倒そうかと選別する生徒が現れ始めた。
それを見てルカはニィッと口元を歪め、嗤う。
「それでは新入生達よ、各々、適当な七天魔に挑み学園の『上に立つ』権利を手にして見せろ!!」
七天魔入れ替え戦は1対1、俗な言い方をすればタイマン勝負である。なので、リエとシエル以外の新入生は、目を付けていた七天魔の生徒の元へと、我先にと向かい────。
「やい、我猛リエ! アタシと勝負しろ!」
「私の方が早かったでしょ、順番守りなよ!」
「あぁ!? アタシの方が早かったろーがよ!」
などなど──多くの生徒がリエの前に群がった。シエルはそれを見て、クスクスと嘲るように笑う。リエと戦う事になれば秒殺される雑魚のクセに──などとは、思ったとしても決して口にはしないが。
「え、ええ!? る、ルカ先輩、私どうしたら……」
「受けろ。七天魔たるもの、申し込まれた勝負には応じなくてはならない」
「あ、私、もう七天魔ですのね……?」
「当然だ。お前は入試で、ヤツを蹴散らしたんだ。お前も立派に七天魔さ」
「────分かりました。末席ではありますが──私も誇り高き七天魔として。皆様のその申し込み、しかと受けますわ」
「よく言ったッ! ──が、新入生共、よく聞け! リエに申し込めるのは、1年1組の生徒だけだ!! 即ち──砂田リンコ、猫田ナルミ! 今この場で、入れ替え戦をリエに申し込む権利を持つのはお前達だけだ!」
「わーお。私とナルミちゃんだけ? ね〜、先輩? それってどうして?」
「端的に言うと、時間の無駄だからだな。入学時のクラス分けは、総合評価で決められる。1年1組は成績、戦闘力など全体的に秀でた生徒、2組以降はそうでもない。言わば、進学クラスと普通のクラスみたいなものだ。わざわざ勝負をするまでもない。ならば、リエが入試で『運ゲー』に勝ったように、リエではなく私達に挑んだ方が、新入生にとってもチャンスがあるだろう──という、配慮だ」
ほぇー、と息を漏らして感心するリンコと逆に、他の新入生達は、リエから蜘蛛の子を散らすように離れてしまった。
如何にも「温室育ちのお嬢様」にしか見えない、温和・温厚という言葉を体現したかのように見えるリエが、議長にそこまで言わせるほどの実力者には到底見えなかったから。
だからこそ、リエが恐ろしかった。同い年にして既にそこまで大きな力の差があるのかと。先輩方に挑む方がまだ少しでも可能性があるなんて、全く、思いもよらなかったから。
「んー、私はやめとこっかな☆ 別にリエちゃんに対抗心は無いし。それだったら、先輩と戦った方がまだ勝っても負けても有意義かも?」
「安全策を選ぶか。まぁ、それも一つの手だろう。もう1人……猫田ナルミはどうする?」
「…………やります。リエさんと、戦ってみます!」
「存分に戦うといい。リエ、返り討ちにしてやれ」
「承知致しましたわ。──ナルミさん、でしたね。まさかのクラスメイトとの戦闘になってしまい大変心苦しく思いますが……悪く思わないでください」
嫌味がまるで込められていない、柔らかな笑みを湛え、リエは先輩の元から離れ、ナルミと戦う事に同意し、戦闘の用意をする。
リエはSR、ナルミはARが使用武器であった。それを見たナルミは、近接戦に持ち込めば勝てると作戦を考える。SRを使う者は大抵が後方担当で、近距離の戦闘を苦手とする者が大半だからだ。
ルカの合図にて、グラウンドのあちこちで一斉に戦闘が開始した。同級生対決をしているのは、このリエvsナルミだけ。
「ん? お前、待機列に並ばないのか?」
「あ、見学でーす。リエと一緒に帰る予定なの」
「そうか、なら良かったな。すぐに終わるぞ」
「リエの勝利で、でしょ?」
「当然だ。アイツは七天魔創設以来の『天才』だ。アタシだけじゃない、他のヤツもリエを買ってる。しかし今後、七天魔としての仕事や義務に追われる機会が出てくる。故に友人のお前と居られる時間は自然と減るだろう。リエと仲が良いと言うのなら、それは覚悟しておくといい」
「……なら、私も七天魔になれば解決でしょ?」
「ククッ。あぁ、その通りさ。だがお前に七天魔の壁を越えられるかな? その壁を越えた者のみが、七天魔を名乗る事を許されるんだぞ」
「可能性はあるんじゃないかなぁ?」
「フン、大した自信だ。……お前、名前は?」
「1年1組、在籍番号3番、弖使魔シエル」
「3……リンコとナルミの間だな。何故、エントリーシートを提出しなかった?」
「特権とか別に興味無いから。創設したい部活とか委員会も特に無いしね」
「無欲なんだな。資金目当てに名ばかりの部を創設するようなヤツも中には居るんだが」
「そっちが欲まみれなだけでしょ。流石悪魔だね」
「お? 入学早々、種族差別かぁ? 先輩、それも学園の長である議長相手によく言えるなぁ?」
「この学園はその辺、適当というか平等でしょう? トリニティのような堅苦しさが無い」
「……フッ。見掛けによらず見る目があるガキだ」
「一言余計」
「差別発言のお返しだ、これでチャラにしてやる」
「そいつはどーも」
悪魔嫌いなシエルが、嫌味混じりとはいえ悪魔の生徒と楽しげに会話できたのは、これが初めての事だった。それ以降は──ルカのように気軽に流してくれる生徒は稀である事もあり争いに発展する事が殆どだった。
1年後、そして2年後──つまり「現在」でも、スズとよく言い合いをしているのはその為である。ルカやルビーのように温厚で、余計な発言を流せる器量の持ち主でないと、シエルとは相性が悪い。
そしてルカとシエルがそんな会話をしている中、リエとナルミの戦いはあっさり決着がついていた。実況するまでもなく、まさにあっという間に。
SRの懐に潜り込もうと距離を詰めたが、リエは近接戦をもこなせるオールマイティさを併せ持つ。それを知らなかったナルミはあっさりHPを削られ戦闘開始後間も無く決着がついたのだった。
「ふう……。立てますか、ナルミさん?」
「う……膝が笑って上手く立て……ひぁあっ!?」
「では保健室までお運びしますわね。しっかり私に掴まってくださいまし」
「は……はい……///」
お姫様抱っこで抱え上げられたナルミは保健室へ運ばれる。リエはそのお嬢様らしい見た目と裏腹にパワー系である。それは氷山をブン投げる所からも分かるであろうが、今この場でリエのパワーを知る生徒は、古い付き合いであるシエルのみである。
「ヒュ〜ゥ、やるねェ。お姫様に見えて、その実、王子様なんだな」
「そーそー! で、私がお姫様♪」
「ハハッ。なら、王子様に並べるように、さっさとお前も七天魔になれよ?」
「言われなくてもなるよーだ。ルカ先輩のことは、私が倒すからね♪」
「言ってろ。お前にアタシは倒せないさ」
「ぎゃっ、頭撫でんな! 馴れ馴れしいな!」
「それはこっちのセリフだバカ。──ほら、リエも保健室から戻ってきたぞ、さっさと帰れ」
「リエも帰っていいの? 七天魔の会議的なのとかあるんじゃないの?」
「入学式の日だというのに、夕方まで学校になんか居たくないだろ。議長権限で帰宅を許可したことにしてやるよ。ほら、さっさと帰りな」
「はぁ〜い♡ ねぇリエ、もう帰っていいってさ! さっさと帰ろっ♡」
「えっ? しかしまだ……」
「いーからいーから! じゃーね〜先輩っ!」
「はいはい、気ぃ付けてな」
「えっ? えっ、あの、先輩? シエルさん??」
リエは困惑しつつシエルに引っ張られていった。グラウンドには他の七天魔、その者達と戦っている生徒、それらを見守る議長だけが残された。
リエとシエルが帰宅し、ナルミがリエに倒された事によって、残った1年1組の生徒は────。
「……ん? お前、もう戦い終わったのか?」
「……あ。先輩、喋り終わったんだ?」
「質問に答えろ、もう終わったのかと聞いたんだ」
「まだだよ。だって、私の対戦相手は議長さん──あなただからさ♡」
「お前は確か……」
同じピンクでも髪よりも色素が薄めの瞳を覗かせながら、三日月の形に口を歪め笑う。その少女は、リエ達と同じ1年1組の生徒──リエに次ぐ成績で入学した、ゲヘナ出身の悪魔の生徒。
悪魔らしい角や翼、尻尾などの種族特有と言えるチャームポイントは何も無く、血液検査をしたり、本人の申告が無ければ人間に見えてしまうくらい、人間らしい少女だった。
「……砂田リンコか」
「暫定的というかただの予想だけどさ。リエちゃん以外の七天魔で一番強いのって、あなたでしょう? だって学園を統括する議長さんだもんね?」
「そうだと言ったら?」
「最強のあなたを倒した上で、私が七天魔になる。ま、あなたを倒したところで生徒会にはなれないんだろうけど、それはいいよ。面倒臭そうだからね。そういう面倒事はリエちゃんにやってもらうから、私は七天魔として──優雅に快適に、のんびりと、3年間過ごさせてもらうよ」
「そうか、できるといいな。だがどうやらお前は、入試でリエに負けたアイツと同じように、『欲』にまみれているらしいな。そんな欲まみれの弾丸で、このアタシを倒せると思うなよ」
「そういう前口上は別にいいからさ、早く
「……内覧だと?」
「七天魔になったらねぇ、学校のお金で私の会社を立ち上げるの。部活動の一環としての活動だから、少し多めの資金──つまり部費の提供もルール的に断れないハズだよね?」
「ほう、よく調べている。だが何故だろうな、嫌な予感がしてきた。是非とも阻止しなくては」
「
「勘違いするな。
「そう……それ聞いて安心した♡」
リンコはSRを構え、臨戦態勢に。それを見るやルカも背中に掛けていたARを手に取り臨戦態勢に入る。
他の七天魔と新入生の戦いも徐々に終わり始め、リンコとルカの周囲には、それらの生徒達が集まりつつあった。彼女らの見守る中で、2人の戦闘は、遂に幕を開けた────。