「先生!もっとあたしらに構って!」 作:アキラゼミ
「──私は誰にでも平等です。何故なら、ハナから他者に大して興味が無いからです。ですが、良くも悪くも他者に興味が無いからこそ、全種族に対して平等な政治を実現できると私は考えます」
「
「でも、アガリちゃんなりに『平等』に接してるとアピールする為のパフォーマンスじゃないですか? 種族差別っていう根深〜い問題が、今回の総選挙の根底にありますから……」
「サエ、あんたは何でも好意的に受け取り過ぎよ。アガリがそこまで考えてるワケない。姉だからこそ分かるってものよ」
「──予算分配について不平、不満がある生徒は、きっとこの学園にかなり多く存在すると思います。そこで私は、私が議長に選出された暁には、現在、我々技術開発部が部活と並行してキヴォトスに展開している『事業』を、学園の名を用いた公共事業に発展させようと考えています。──ただしこれは、技術開発部に多くの予算を流す為の施策ではなく、学園の立場を用いた事業に発展させてしまう事で、学園としての新たな収入源になると見込んでの事。学園の名前を利用する事で、対外的には『信用』を得ることにも繋がりますし、新たな顧客に、新たなパトロンなども狙えることでしょう」
「難しくて分からん」
「でも、なんか凄いのは分かるね」
「それしか分からんとも言う」
「分かんな過ぎてバカになっちゃう」
「バナナ」
「え、えっと、まだ1年生の私ですがっ! 人間族代表として、この学園をより良い学園に発展させ、ゲヘナの姉妹校という肩書きには頼らない、新たなハドマ学園として発展させていきたいと思います! えっと、その──ご静聴ありがとうございました! 1年2組、平井カナン」
「アレ誰?」
「知らん。所詮2組、我ら1組より後ろはモブよ」
「言うて私らも七天魔達に比べればモブのような」
「やめやめろ!!」
「猫田姉妹が来るまで、ガチで七天魔唯一の人間族だった先輩の妹さん──らしいよ。ルビーちゃんが言ってた」
「「はぇー」」
「スズ先輩が1年生だった時、学園が半壊する程の超絶バトルを繰り広げて、統治委員長の座を巡ってバトったんだって。スズ先輩がギリ勝って、3年のその先輩──あの子のお姉ちゃんを副委員長にして従えてたらしいよ」
「「スズ先輩パネェ……」」
「来年の七天魔筆頭は、このマコラだからねっ!! 七天魔と一緒に、学園もマコラに任せちゃった方がいいと思うな! この学園はこの私、白羽マコラが議長として受け継ぐよっ!」
「リエ亡き後の七天魔筆頭はあたしでしょーがッ! 七天魔経験ゼロのガキンチョが、筆頭とかなんとか抜かしてんじゃないわよッ!」
「スズ先輩、リエ先輩は死んでませんよ」
「マコラちゃんねぇ……。ああ見えてルビーちゃんに限りなく近いレベルで優等生だから困る」
「なんで今のうちから七天魔にならないの? って質問を真っ先にぶつけたい生徒の筆頭だしね」
「全校生徒の皆。よ〜く聞きなさい。──この私についてきなさい。以上」
「Fooooooooooo!!!!!」
「ルーシィ! ルーシィ!! ルーシィ!!!」
「ついて行きます、総長〜〜〜っっ!!!」
「もう総長じゃないし、再起を疑われかねないからそう呼ぶのはやめてほしいなぁ……」
「3年1組、猫田ナルミです。この総選挙について提案した責任があると思い、人間族の代表として、短い任期ではありますが立候補しました。人間側に何かしらノウハウを遺せれば、と思っています」
「あの人、3組のナルコと同一人物なんだっけ?」
「そうらしいね。つまり、あれこそがハドマ最強のスケバン『
「『生徒会長ですが、実は自治区を代表するほどの超絶ハイパー強いスケバンです』って面白くね?」
「やば、何そのギャップ! ウケるんだけど」
「でも面白さで投票するのは良くないんじゃ……」
「いやいや、考えてもみなよ。生徒会長ってのは、他学園との外交の場に出るワケじゃん。その時に、下手すれば武力衝突も起こり得るワケじゃん」
「そうそう。七天魔より最前線に立つ立場だしさ。リエ議長本人がクソ強いのと同じ事だよ?」
「そっか。じゃ……人間代表は、もう決まりだね」
「天河アンナです。今は書記、ですが、次は議長、または副議長を頑張りたいと、思います。えっと、これまで、先輩方の仕事を、間近で見てきました。生徒会については経験者です。なので、私にドッと任せてください……っ!」
「演説内容はともかく生徒会経験者ってのはデカいアドバンテージだろうね」
「悪魔代表はルーシィ、天使代表はアンナ安定?」
「それしかないっしょ」
「けどさ、議長にしても副議長にしても、前に出る仕事もあるワケじゃん。連邦生徒会相手にとかさ、他の学園を相手にして、でもさ。気の弱いアンナで大丈夫なのかな」
「そこはほら、ルーシィがどうにかするでしょ」
「まぁルーシィだしなぁ」
「ん〜……とりあえず、頑張りま〜す♪」
「誰?」
「ほら、博愛神社の妹巫女だよ」
「あ〜。強気な姉に比べて温厚だけど一度キレたら姉よりヤバいっていう、
「悪魔代表はルーシィ確定だから無しだね」
◆
誰に投票しようかと、一切の裏工作なども無しに盛り上がる中で、後輩に全てを託しながらも新たな企画を打ち立てる者が、1人。
「応援演説、ですか?」
「そっ。立候補者の意識と、投票者からの好感度を高めるには、それがいいと思わない?」
「……確かに。しかし、誰がそれを……」
「ん? 私には議長がついてくれればよくなーい? アンナ先輩にはシエル先輩でいいでしょ?」
「しかし……」
「それにさァ。どうせ、この選挙で選出するのは、議長と副議長の
「そう、ですかね……」
「大丈夫。議長さえ居てくれれば、この私が次代の議長にまっしぐらだよん。そういうワケで、色んな意味でよろしくね、お姉ちゃん♡」
「こら。学園内で『お姉ちゃん』はダメですわよ。その服装もおやめなさい。せめて私服は、七天魔に昇格して以降にお楽しみなさい?」
「七天魔、学園内の権限はあるけど、外交の権限が無いのがね〜。色んな意味で学園をデッカくしたい私には、七天魔になる意味があまり無いのだよん。お姉ちゃんならこの気持ち、分かるでしょ?」
「ですから、その『お姉ちゃん』はやめなさいと。はぁ……分かりました。やりますよ、妹の後見人」
「あははっ! ありがと、議長お姉ちゃん♪」