※この作品はR-18です。

「先生!もっとあたしらに構って!」   作:アキラゼミ

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第6話:我こそは

 

「──私は誰にでも平等です。何故なら、ハナから他者に大して興味が無いからです。ですが、良くも悪くも他者に興味が無いからこそ、全種族に対して平等な政治を実現できると私は考えます」

 

「アガリ(アイツ)、バカなの? 興味が無いなんて言ってるヤツに学園を任せたいと思うワケないでしょ……」

 

「でも、アガリちゃんなりに『平等』に接してるとアピールする為のパフォーマンスじゃないですか? 種族差別っていう根深〜い問題が、今回の総選挙の根底にありますから……」

 

「サエ、あんたは何でも好意的に受け取り過ぎよ。アガリがそこまで考えてるワケない。姉だからこそ分かるってものよ」

 

 

 

「──予算分配について不平、不満がある生徒は、きっとこの学園にかなり多く存在すると思います。そこで私は、私が議長に選出された暁には、現在、我々技術開発部が部活と並行してキヴォトスに展開している『事業』を、学園の名を用いた公共事業に発展させようと考えています。──ただしこれは、技術開発部に多くの予算を流す為の施策ではなく、学園の立場を用いた事業に発展させてしまう事で、学園としての新たな収入源になると見込んでの事。学園の名前を利用する事で、対外的には『信用』を得ることにも繋がりますし、新たな顧客に、新たなパトロンなども狙えることでしょう」

 

「難しくて分からん」

 

「でも、なんか凄いのは分かるね」

 

「それしか分からんとも言う」

 

「分かんな過ぎてバカになっちゃう」

 

「バナナ」

 

 

 

「え、えっと、まだ1年生の私ですがっ! 人間族代表として、この学園をより良い学園に発展させ、ゲヘナの姉妹校という肩書きには頼らない、新たなハドマ学園として発展させていきたいと思います! えっと、その──ご静聴ありがとうございました! 1年2組、平井カナン」

 

「アレ誰?」

 

「知らん。所詮2組、我ら1組より後ろはモブよ」

 

「言うて私らも七天魔達に比べればモブのような」

 

「やめやめろ!!」

 

「猫田姉妹が来るまで、ガチで七天魔唯一の人間族だった先輩の妹さん──らしいよ。ルビーちゃんが言ってた」

 

「「はぇー」」

 

「スズ先輩が1年生だった時、学園が半壊する程の超絶バトルを繰り広げて、統治委員長の座を巡ってバトったんだって。スズ先輩がギリ勝って、3年のその先輩──あの子のお姉ちゃんを副委員長にして従えてたらしいよ」

 

「「スズ先輩パネェ……」」

 

 

 

「来年の七天魔筆頭は、このマコラだからねっ!! 七天魔と一緒に、学園もマコラに任せちゃった方がいいと思うな! この学園はこの私、白羽マコラが議長として受け継ぐよっ!」

 

「リエ亡き後の七天魔筆頭はあたしでしょーがッ! 七天魔経験ゼロのガキンチョが、筆頭とかなんとか抜かしてんじゃないわよッ!」

 

「スズ先輩、リエ先輩は死んでませんよ」

 

「マコラちゃんねぇ……。ああ見えてルビーちゃんに限りなく近いレベルで優等生だから困る」

 

「なんで今のうちから七天魔にならないの? って質問を真っ先にぶつけたい生徒の筆頭だしね」

 

 

 

「全校生徒の皆。よ〜く聞きなさい。──この私についてきなさい。以上」

 

「Fooooooooooo!!!!!」

 

「ルーシィ! ルーシィ!! ルーシィ!!!」

 

「ついて行きます、総長〜〜〜っっ!!!」

 

「もう総長じゃないし、再起を疑われかねないからそう呼ぶのはやめてほしいなぁ……」

 

 

 

「3年1組、猫田ナルミです。この総選挙について提案した責任があると思い、人間族の代表として、短い任期ではありますが立候補しました。人間側に何かしらノウハウを遺せれば、と思っています」

 

「あの人、3組のナルコと同一人物なんだっけ?」

 

「そうらしいね。つまり、あれこそがハドマ最強のスケバン『銀(しろがね)のミヌエット』の正体……!」

 

「『生徒会長ですが、実は自治区を代表するほどの超絶ハイパー強いスケバンです』って面白くね?」

 

「やば、何そのギャップ! ウケるんだけど」

 

「でも面白さで投票するのは良くないんじゃ……」

 

「いやいや、考えてもみなよ。生徒会長ってのは、他学園との外交の場に出るワケじゃん。その時に、下手すれば武力衝突も起こり得るワケじゃん」

 

「そうそう。七天魔より最前線に立つ立場だしさ。リエ議長本人がクソ強いのと同じ事だよ?」

 

「そっか。じゃ……人間代表は、もう決まりだね」

 

 

 

「天河アンナです。今は書記、ですが、次は議長、または副議長を頑張りたいと、思います。えっと、これまで、先輩方の仕事を、間近で見てきました。生徒会については経験者です。なので、私にドッと任せてください……っ!」

 

「演説内容はともかく生徒会経験者ってのはデカいアドバンテージだろうね」

 

「悪魔代表はルーシィ、天使代表はアンナ安定?」

 

「それしかないっしょ」

 

「けどさ、議長にしても副議長にしても、前に出る仕事もあるワケじゃん。連邦生徒会相手にとかさ、他の学園を相手にして、でもさ。気の弱いアンナで大丈夫なのかな」

 

「そこはほら、ルーシィがどうにかするでしょ」

 

「まぁルーシィだしなぁ」

 

 

 

「ん〜……とりあえず、頑張りま〜す♪」

 

「誰?」

 

「ほら、博愛神社の妹巫女だよ」

 

「あ〜。強気な姉に比べて温厚だけど一度キレたら姉よりヤバいっていう、あの(・・)妹巫女ね」

 

「悪魔代表はルーシィ確定だから無しだね」

 

 

 

 ◆

 

 誰に投票しようかと、一切の裏工作なども無しに盛り上がる中で、後輩に全てを託しながらも新たな企画を打ち立てる者が、1人。

 

「応援演説、ですか?」

 

「そっ。立候補者の意識と、投票者からの好感度を高めるには、それがいいと思わない?」

 

「……確かに。しかし、誰がそれを……」

 

「ん? 私には議長がついてくれればよくなーい? アンナ先輩にはシエル先輩でいいでしょ?」

 

「しかし……」

 

「それにさァ。どうせ、この選挙で選出するのは、議長と副議長の各種族2人ずつ(・・・・・・・)でしょ? 天使族は私とアンナ先輩、バックに議長と副議長。これで、色んな意味で有利になるでしょ」

 

「そう、ですかね……」

 

「大丈夫。議長さえ居てくれれば、この私が次代の議長にまっしぐらだよん。そういうワケで、色んな意味でよろしくね、お姉ちゃん♡」

 

「こら。学園内で『お姉ちゃん』はダメですわよ。その服装もおやめなさい。せめて私服は、七天魔に昇格して以降にお楽しみなさい?」

 

「七天魔、学園内の権限はあるけど、外交の権限が無いのがね〜。色んな意味で学園をデッカくしたい私には、七天魔になる意味があまり無いのだよん。お姉ちゃんならこの気持ち、分かるでしょ?」

 

「ですから、その『お姉ちゃん』はやめなさいと。はぁ……分かりました。やりますよ、妹の後見人」

 

「あははっ! ありがと、議長お姉ちゃん♪」

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