「先生!もっとあたしらに構って!」 作:アキラゼミ
早急に対応を願います……。
てか運営さんこの数日間ずっと反応無いが大丈夫?
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ルビーから連絡を貰った私は、急遽ハドマ学園へ急行する。彼女の文から何やら「良くない」ものを感じ取った。これは何だろう。一種の勘だろうか。第六感が働いた、虫の知らせと感じ取った、とでも言うべきか──そう、胸騒ぎがしたのだ。
待ち合わせ場所である校門前に行くと、ルビーが俯きながら塀に寄りかかっていた。モデルだけあり黙っていても非常に絵になる少女だ。
しかしどこか彼女の様子がおかしい。
「や、ルビー」
「先生……。待って、ました……」
「……何か、あったの?」
「……歩きながら、話せますか?」
「うん」
学園前を出発、適当に近くの河川敷を歩く事に。
晴れの昼間なのに吐く息も真っ白な寒空の下で、川のせせらぎを聞きながら、ゆったり歩く。自然に身を任せるようなこの空気感は、激しく泣いた後のような彼女の心を落ち着かせるのに十分であった。
「実は今日、というかさっき──リンチに遭って」
「……え」
「まぁそれ自体は割といつもの事なんです。例えば数だけ多い
「飂熾冘巫髏に強いヤツが居た、とか?」
「いえ、飂熾冘巫髏は関係無くて。あ、いや、関係ある事はありますが、ちょっと事情が違くて……」
「?」
「────以前、議長が先生を初めてハドマ学園にお招きした時に、こう言ったのを覚えていますか?
『私以外の吸血鬼は全員が飂熾冘巫髏だ』……と」
「覚えているよ。寧ろ、どうしてルビーだけずっと統治委員会に居るんだろうって疑問に感じたくらいだからね、忘れるハズないよ」
「その飂熾冘巫髏の吸血鬼──同族が、私に『この裏切り者』だの『吸血鬼の面汚し』と、それはもう酷い八つ当たりをしてきたんです」
「……酷い」
「そもそも裏切ってなんかないんですけどね、私。飂熾冘巫髏に入った事も無いし。でも『同族の者は全員が飂熾冘巫髏に加入してるからそれに倣わないお前は裏切り者だ』と。吸血鬼のコミュニティからハブられて久しいですけど、まさか飂熾冘巫髏との決戦の後に、改めてこんなリンチされるだなんて、全く……思いもよりませんでしたよ」
騙されて呼び出されたりなんかしたのだろうか。とても自嘲的に思える笑いをフッと小さく漏らす。
大きな溜め息をつき遠い目をしながら話し出す。
「──現代のキヴォトスは、自治区は別れていても民族的にはそこまで大差ありません。なんなら今は
『天使』や『悪魔』や『獣人』という実に大雑把な括りがある程度ですから。そんな中、どうして私達だけが自ら『吸血鬼』と固有の名称で自称するか、分かりますか……?」
「……ごめん、分からない」
「私自身はこのハドマ自治区が地元です。ですが、私の家はゲヘナ自治区が由来です。そしてハドマに籍を置いている他の吸血鬼の子も。──かつては、どの吸血鬼の家もゲヘナにありました。ある時期を境に、このハドマに『民族大移動』をしたんです。治安が悪くなりつつあったかつてのゲヘナを捨て、安穏としていたハドマを選んだのだと思いますが」
「……ふむ」
「どうして私達が『悪魔』ではなく『吸血鬼』だと名乗るのか。それは、私達が、純血の吸血鬼だからなんです。現代のキヴォトスには、もう、私達しか純血の吸血鬼は残ってはいません。唯一の例外は、ゲヘナ学園にお住まいの──モルモさんでしたか。その方だけなんです」
「モルモ以外は、純血の吸血鬼の子はハドマにしか居ない……?」
「少なくとも私はそういう認識です。他の自治区に吸血鬼なんて居ないでしょう。──この『純血』が何を意味するのか……先生、ご存知ですか?」
「……純血……『血』だし……血の繋がり、とか?」
「はい。血にこだわる
「ッ!!」
「そんな中、飂熾冘巫髏に加入しない零得ルビーの存在はどれだけ一族のコミュニティの中で目立ち、どれだけ目障りなことでしょうか……」
「……えらく目立ちそうだね」
「現在進行形でえらく目立ってます、リンチされるくらいですし。ふふっ……」
「いや笑えないよ……」
「────先生。私は、一体どうするべきだったんでしょうか」
「!」
「一族の流れに身を任せて、統治委員会──先輩を裏切ってでも、飂熾冘巫髏に加入して、あの戦争でスズ先輩と戦うべきだったんでしょうか。だけど、それをした所で、先輩との関係が崩れるばかりか、指名手配されるだけだと思うんです。
「……それでいいと思う。時には流されることも必要かもしれない、だけど流されるばかりじゃダメだ。特に、飂熾冘巫髏はテロ組織なんだから。ルビーはよくやってるよ。よく、自分で考えて決断したよ」
「私も、例え嫌われようと、ハブられようと、私の決断は間違ってなかったって思ってますよ。でも、あの子達も、この世界中で数少ない同族なんです。仲良くしたいって思うのは……変でしょうか……?」
「変ではないよ。ルビーらしい優しさだって思う。だけどそれを実現するには──まずは飂熾冘巫髏を解体しなくちゃね」
「ッ!!」
「組織を潰せば加入するしないの問題も消えるし、少しは変わるんじゃないかな……って思うよ」
「やっぱり、統治委員会の副委員長として、もっと頑張るしかない、ですねっ……!」
「そうだね。応援してるよ」
「ありがとうございます、先生」
「何かあったら、すぐに頼ってね。いつでも君達の力になるから」
「……はいっ♪」
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