「先生!もっとあたしらに構って!」 作:アキラゼミ
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ある日「ハドマ自治区」で日課のスケジュールをこなしていると、ルビーから座標が送られてきた。
今朝の会話からするに、ルビーが見せたいというその場所の座標なのだろう。とりあえずいつも通りスケジュールをこなしてから予定に取り掛かろうとシッテムの箱に目をやると、ロケーションランクが上がった事で新しいスポットが解放されていた。
ハドマ自治区で最大手のフォトスタジオとのことだったので、ルビーとの予定の前に、先にこちらに行ってハドマでの仕事を終わらせてしまおう。
◆
「こんにちは〜!撮影ですか?製本ですか?予約はされてますでしょうか?」
「あ、えっと……」
到着後、フォトスタジオに入るなり、受付を担当しているらしいロボットに矢継ぎ早に質問される。いつも通り、ラグビーボールみたいな頭のロボだ。コイツどこにでも居るな。
「シャーレの先生です。今日はスケジュー……」
「ああっ!先生でしたか!これは失礼致しました、どうぞこちらへ!予定より随分と早いですが、まぁ大丈夫でしょう!」
「え?」
スケジュールと言えばシッテムの箱に登録済みの大抵の施設には普通に入れてしまう。だから今日も普通にそうするつもりだった──が、今回は少し、いつもと違うようだ。
別に案内される事は無いのだが、案内してくれるようなので、折角なので案内してもらおう。
施設に関する解説を聞きながら、施設の中をただひたすら歩く。やがて大きな扉の前にやって来るとそれを開けるなり……。
「シャーレの先生、入られまーーーす!!」
「「「ハァーイ!!」」」
案内人に誘導されるがままに、スタジオに入る。スクリーン?の向こうからは、シャッターを連続で切る音が絶え間なく聞こえてくる。誰かが向こうで撮影中らしい。
しかし私が入って間もなく、そのシャッター音が止み、代わりに少女の声が聞こえてくるように。
「先生が到着したんですか?なら休憩入りますね」
「休憩入られまーーーす!!」
「「「ハァーイ!!」」」
いそいそとロボ達が片付けを開始し、別の機材や道具なんかを、あちこちから引っ張り出してくる。
案内人までそちらに加わってしまった事もあり、こんな空気の中で私だけポツンと突っ立ってるのもおかしいな──と思い、彼らを手伝おうとすると、ロボ達の流れに逆らうようにして、汗を拭きながら1人の少女がやってきた。
「お疲れ様です、先生」
「あれ……ルビー!?どうしたの!?」
「どうしたのって……。私が先生を呼んだからここに来たのではないんですか?」
「ここには仕事の一環で来たんだけど……」
「そうだったんですね。私が送った座標ですけど、アレ、このスタジオですよ」
「えっ」
「ここ、私のバ先なので」
「!!」
そういえばルビーはモデルだったか読者モデルをバイトにしているんだったか。その違いは、私にはよく分からないが……。
「今日は主に、私の本に付けられる袋とじの撮影をする予定なんですが……」
「袋とじ!?……大丈夫なのかな……!?」
「まぁ大丈夫だろうとは思うんですが、初めてって事もあってちょっと不安ではあるので、念の為に、先生に見守ってもらおうと思いまして」
「でも、そういう事ならもっと早く来たのに……」
「あー……確かにそうでしたね、迂闊でした」
久しぶりにルビーの言葉足らずっぷりが見れた、そんな気がした。
袋とじとは言っても、ほんのちょっっっぴりだけエッチっぽいようなエッチっぽくないような──と思えるような要素を入れるくらいのものらしい。
休憩を終えて撮影に戻っていった彼女を、私も、スタッフに混ざりながら見守る。
「先生、先生。本日撮影したルビーちゃんの写真、見てみます?」
「あ、良いんですか?それなら是非」
「これが先生が来られる前に撮影してたものです。どうですか、凄いでしょう?」
「ほぉお〜……こりゃあ……中々……」
体操服ルビーの破壊力は、こちらの想像を絶するものがあった。子供のように元気いっぱいな様子で跳び箱を跳ぶその写真なんか、子供のような純粋さだけでなく、左右に広げられた両翼からは、まるで魔王のように佇むヒナのような力強さも感じられるくらいだ。
汗を拭いて微笑む仕草なんかは、体操服マリーに近いレベルの、かなりレベルの高い清楚さなんかも感じ取れる。
「今の撮影は、袋とじ用の、ちょいエロってところでしょうか。まぁ、彼女はまだ学生ですから、エロなんて言った所でタカが知れてますけど」
「……」
前屈みになり、腕で胸を寄せる。首元の隙間から見える、微かに存在する彼女の2つの膨らみ……。
もし彼女の単体の雑誌が販売されたら、買おう。というか本屋で予約しておこう。保存用、観賞用、使用用、ヒヨリへのプレゼント用、布教用の5部で大丈夫だろうか。
「彼女に変な事はさせてないですよね?」
「させてませんさせてませんっ!力関係では完全にルビーちゃんの方が上ですし!現場指揮でさえ我々じゃなくて彼女の主導ですからね!?」
「!?」
「そんな中で彼女に変な撮影をさせようものなら、完全に
「あはは……」
さ、流石は悪魔の中でも凶暴な吸血鬼──彼らがこう言うって事は過去に実際にあったんだろうな。血も通ってないから容赦なく
◆
「──じゃ、後はよろしくお願いします。お疲れ様でした」
「「「お疲れ様でーーーす!!」」」
撮影を終えたルビーは、スタジオ内のシャワーを浴びるらしいので、楽屋で待ち合わせることに。
やがて、タオルを首に巻いて水を滴らせる彼女が楽屋に戻ってきた。肌着は着ている、というか殆ど下着にも近いような────。
「お疲れ様です、先生」
「お疲れ──って、着てない!?」
「下着も着てますよ、ほら」
「み、見せなくてイイから!」
「ホントですか?目線がチラチラ下の方に……」
「向いてません!向いてませんから!」
「向いてもいいのに……。今の私は、水も滴る良い女ですよ?」
「ルビーも元々良い女だから……」
「っ!……そ、そーですか……」
ラックに掛けられているハンガーから服を取り、それに着替えていく。着替えなどはシャワールームではなく楽屋に置いてあるようで、どうしてそこに私を呼んだのやら彼女の意図が分からない。
「着替えシーンですよ?見なくていいんですか?」
「音で聞いてるから……」
「音で知覚するつもりですか?先生は蝙蝠か吸血鬼ですか……?」
やがて彼女の着替えが終わると、今日のバイトも終わりということで、スタジオを後にする事に。
「先生も、私のファンになってくださいね?」
「……もうなってるよ」
「本当に?」
「もちろん。ルビーが載ってる雑誌、可能な限りは集めるさ。今度発売されるのも購入する予定だし」
「
「会いに行けるアイドルってヤツ?」
「まぁ……そんな感じのを目指していたりしますね。本を持ってきてくれたらサインもしますよ」
「おっ、それは良いかも。お願いしてみようかな。それなら色紙にもお願いできる?」
「構いませんよ。……あ。転売は禁止ですよ?」
「もちろん。額縁に入れて日焼けとかケアした上でシャーレの執務室とか休憩所に飾らせてもらうよ」
「ま……そういう人にしかサインはしませんけどね。私、『生活に困ったらコレ売ってね』なんて言えるような聖人みたいなメンタルしていないので」
「そんな人は中々居ないよ……」
この日はそのまま、ルビーをハドマ学園の寮まで送り届けて解散した。
◆
次回──スズ編2話目。デートリベンジなるか!?