「先生!もっとあたしらに構って!」 作:アキラゼミ
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次の日、ハドマ学園の校門前にて、リエと合流を果たす。いつも通り、彼女はハドマの制服ではなく謎の白ロリータファッションだった。
「こんにちは、先生。まさか本当に来て頂けるとは思いませんでした。本当に急なお話でしたのに──ありがとうございます」
「大丈夫だよ、これくらい。気にしないで。それで今日はどうしたの?」
「実は、先生に選んで頂きたいものがありまして。どうしても自分で決めきれず、ズルズルとこの日を迎えてしまいましたの。一先ず……
「もちろん」
「ありがとうございます、先生♪」
それから彼女と一緒に、ハドマ自治区の中にあるそれなりに大きなショッピングモールに移動する。モールに入るなり、迷いなく目的地へと突き進む。
やがて到着したのは服屋。しかもそこでは……。
「『白ロリータファッションフェア』……?」
「そうなんですのっ!私、見ての通り白ロリータが好きでして、普段から着ているのですけど!こんなフェアが地元ハドマで開催されるだなんて、もう、夢みたいでっ!……ですが……ちょ〜っと……」
チラッと、どこかに目をやるリエ。彼女の視線の先を見るとそこにはただの服につけるには高すぎる値段が書かれた値札が。
「……ッ!?た、高ッ……!?」
「ええ、本当に……。学生の身で手を出すには、少し値が張るようでして……そこで……ねっ?」
「成程ね。まあリエも色々大変だったもんね。2着くらいなら私が────」
「そこで!先生には、私に一番……から十番に似合うモノを、選んで頂きたくって!」
「……え?」
「本当でしたら、展示されてる15種類、その全てを購入したかったのです。しかしバイトしても私では10着までが限界のようでして。どうせ買うのなら、似合うモノを買いたいでしょう?そこで先生には、私に似合う服を10種、選んで頂きたいのです!!」
「あれ……奢ってって話じゃなくて?」
「いやですわ、もうっ!先生に、私の趣味のモノにお金を出させるワケがないじゃないですか♪」
「少しくらいなら奢るよ」
「いえいえ、そんな……。というか私、自分のモノにするモノは、他でもない自分の力で手に入れないと気が済まないんですの。ですからそれは先生からのご厚意であろうと同じ事ですわ。私の、ちっぽけなプライドですの」
「……そっか。そういう事なら無理には言わないよ。ちっぽけなんて事ない、立派なプライドだよ」
「ありがとうございます。先生のお気持ちは本当に嬉しいのです、本当なら全て揃えたい所ですもの。ですがここは……取捨選択が必要ですものね」
「よしっ。リエに似合うのを選んであげるよ」
「ふふっ、お願いしますわ♪」
どうやらこのフェアの対象の白ロリ衣装は15種類あるらしい。フェアの存在を知ったリエは急遽単発などのバイトを始めてお金を稼ぎ、欲しい物を全て購入しようとするも、金銭的に無理があって……。
買える物の中から自分で選ぼうとするも自分では決めきれず、フェア最終日の今日を迎えてしまったらしい。私が昨日や今日にハドマに来れなかったら親友のシエルに服を見繕うのを頼んでいたそうだ。
「じゃっ、ちゃちゃっと着替えてきますわねっ!!少々お待ちになって!」
幾つかの服を掴み試着室に駆け込む。良かった、試着室に自分から行ってくれた。似たシチュでも、エイミの時みたいな事にはならなくて済みそうだ。
────しかし私が本気で困惑する事になるのはこれからだった。
「どうでしょうっ!」
「……おぉー……可愛いね……!」
「ですよねっ、そうですよねっ!うふふっ、どれも可愛くって、迷ってしまいますわ♪」
(リエ、もう着替えてたの?いや今のって通常衣装じゃないの?……違うって言うの?どうしよう……。まるで絵師さんがたまにアップする「差分」とか、そういうのにしか見えないんだけれど……)
「これはどうでしょうっ!?」
(間違い探しかな……?)
◆
その後、合計15着の試着をしたが、私には違いが殆ど分からず、シンプルで清楚感のあるデザインの物を数着、少し派手なデザインの物を数着選んで、リエに似合った順に10着選んだ。
リエは満足したようだった。
彼女をハドマ学園に送った帰り、カヤと人工天使4姉妹へのお土産として、ちょっぴり無理して5着購入してからシャーレに帰った。喜んでくれたのはヒエロニムスのローニィと、アンブロジウスのアンだけだった。