「先生!もっとあたしらに構って!」 作:アキラゼミ
「じゃ、私はそろそろ仕事に戻るからね」
「あ、はい。お疲れ様です」
「早くどっか行っちゃえ、このバカぁッ♡♡」
「そんな事言っていいの?」
「ひぐっ♡ いぁ゙っ、んああ゙ぁっ♡♡」
先生がポケットに手を入れると、レイコが喘ぐ。そんな様を見てルビーは内心「何をやっているんだこの人達は」とドン引きしているが、そんな内心はおくびにも出さず、澄ました顔をしている。
大方、レイコにローターが仕込まれていて、もし反抗的な態度を取ればそれのスイッチを入れる──みたいな事をしているんだろう、という事は予想ができていた。
「────あぁもうッ、クソッ!!どーして先生に勝てないのよ私はぁっ……!」
先生が帰ったのを見計らい、レイコはスカートの下から手を入れ、ピュッと愛液を飛び散らせる程に勢いよくピンクローターを引き抜き、踏み壊した。
「……
「そーよ、ったく!アンタ、私に負けた後、先生に連絡したんでしょ?援護を求めるなんて卑怯よ!!しかも先生になんて!──と言ってやりたいけど、先生が相手とはいえ負けたからには二言は無いわ!さっさと自分達──吸血鬼の出自を探るわよ!」
「と言っても、どうやって探るべきか……」
「アテならあるわ。私達より年上で、私達より深く
『吸血鬼』について知っている吸血鬼────」
「……それって、まさか」
「アンタも知ってるでしょ。ゲヘナ風紀委員会の、副委員長──
「確かに……」
アビドス自治区出身、現在はゲヘナ学園にて居を構える──というより廃校舎に住んでいる留年生。自ら望んで留年しているそうで、もし本人の言葉を全面的に信用するなら今の年齢は20歳を超えている可能性すらある、謎多き少女。
風紀委員会に助力していた過去があって、とある事件をきっかけに、数年間、風紀委員会とは関係を絶っていたが、シャーレの先生の提案を受け入れた風紀委員長・空崎ヒナによって、現在は正式に風紀委員会へ迎え入れられている。
過去の経験を活かす為、そしてヒナの代理として立てる為、副委員長という役職を与えられている。代理と言っても委員長業務全般ではなく、あくまで戦闘行為──暴動の鎮圧など。それ一辺倒である。
そんなモルモとレイコは、レイコが幼い頃からの知り合いであり、吸血鬼としての技能を鍛える為の師弟関係でもあった。
故に今のレイコが存在するのはかつてのモルモの指導があってのものだと言っても、過言ではない。
「それなら行きましょう、ゲヘナ学園に……」
「アンタバカァ?副委員長ってのぁ、中々に忙しいモンなのよ。アポ無し訪問はNGでしょ。ましてやゲヘナ学園の風紀委員会なのよ?他の委員会よりも忙しいに決まってるでしょ」
「あぁ……。すみません……」
「それに、今は解決して和解もしているとはいえ、少し前までルーちゃんがゲヘナを乗っ取ってたし。風紀委員会に直接乗り込むとしたらさ、敵対される可能性も割と高いと思わない?」
「──待ってください、そうなったらどうすれば……ああでも、レイコが居れば無双できますかね?」
「アンタはこの私をなんだと思ってんのよ……」
「……無敵の怪物?」
「あっそォ……」
怪物って何よ──そう反論したかったレイコではあったものの、最強を目指している彼女にとっては怪物だとかどうとかよりも「無敵」というワードに心惹かれるものがあった。
それに、最強である事に執着するレイコにとって戦闘スタイルなんてものは有って無いようなもの。敵味方問わず武器を奪って自らのものとする彼女の戦闘スタイルは、この広いキヴォトスと言えど他に類を見ない、まさに逸脱したスタイル。
そこまで自己分析を済ませたレイコは、むしろ、ルビーの「怪物」という評に納得してしまった。
気を良くした流れのまま、あまりの気分の良さに鼻歌すら歌い出しそうなテンションで、ルビーへと問い掛ける。
「ねっ。私達が手を組む事は決まったワケだけど、やっぱ手数が足りないわよね」
「それは……そうですね。しかし委員会活動でもないですし、恐らくスズ先輩を含む他の統治委員の力は借りられません」
「じゃ、飂熾冘巫髏の吸血鬼、吸収しますかぁ!!私達なら勝てるでしょ!」
「え、ええっ!?」
「アイツら、口は生意気だけど『力』には弱いし?まっ、俗に言うアレよ。『わからせ』ってヤツ!」
「さっきレイコが先生にヤラれたアレですね」
「うっ、うっさいわ!……いーからついてきなさい。飂熾冘巫髏吸血鬼部隊の根城を乗っ取って、今後の活動拠点にするわよ」
「根城……って、そんなものがあったんですか」
「統治委員会とかに追われた際の──飂熾冘巫髏の避難所の1つよ。そこ、色々と立地的に便利でさ。環境とかも相まって、吸血鬼にとって住み良い空間なのよ。だから、名目上は飂熾冘巫髏の公的な避難所なんだけど、今じゃ実質的には吸血鬼部隊の根城になってるわね」
「……」
「統治委員長に報告する?」
「えっ?」
「マジメなアンタだからさ。つーか、報告するのが筋だしね」
「報告……ですか」
レイコの言う通りだった。統治委員会の者として行動するのなら、宿敵である飂熾冘巫髏の避難所の存在や位置を知ったなら、委員長であるスズに報告するのが筋というもの。
しかし、ルビーの出した結論は、レイコの考えた答えとは正反対のものだった。
「……しませんよ、報告なんか」
「はっ?……正気?飂熾冘巫髏の情報とかもあるよ?避難所とはいえ支部とも言える場所だしさ」
「その『飂熾冘巫髏』を辞めさせる為の戦いをしに行くのでしょう?」
「っ!!」
「それなら、統治委員会の者として動いたって何も後ろめたい事なんかありません。ただただ『同族の者』として、テロ組織に染まってしまった同族達を救いに行く──それだけの事です」
「くふふっ♪ 大丈夫?『同族を救いに行く』って自分に言い聞かせてるように聞こえるけどォ?」
「……大丈夫です。これまで同族の誘いを断ってきた私がこんな事を言うのは烏滸がましいと、自分でもそう思いますけれど……ね」
◆
「あ、あの、レイコ……///」
「んー?」
「吸血鬼部隊の根城──基地に行くのでは……?」
「それがここなんだってば〜」
「え、えぇ……??」
ルビーが照れつつ困惑するのも無理は無かった。レイコに連れられてやってきたその場所はルビーもよく知っているあの場所。
ハドマ自治区6-9にあるラブホテルだからだ。
しかし困惑すると同時に訝しむ。これまで何度もパトロールや先生との逢瀬に訪れていたし、何度もここを使用している。それなのに、一度も吸血鬼と思しき生徒を見た覚えは無かったのだ。
そう──
「……!」
「気付いた?」
「違和感程度、ですが……」
キヴォトスの「吸血鬼」は、ゲヘナのモルモと、ゲマトリアのヴァンパイア・ロードを除き、全員がハドマ自治区に集中している。
人数にして100人はゆうに超えているだろうか。
ハドマの学内に居れば、嫌でも視界に入る。ただ1人1人潰してもキリがないという事で、個々人で吸血鬼狩りをしないというだけで、レイコ改心前はルビー以外の吸血鬼=飂熾冘巫髏という認識は統治委員会の生徒でなくとも誰もが知る常識であった。
ハドマ自治区内においてはかなりありふれた存在である「吸血鬼」──ショッピングに行けば嫌でも3人や4人くらいは目に入るだろう。
映画館、展望台、水族館、ゲームセンターなど、例を挙げればキリがない。飂熾冘巫髏が何かしらの戦争中でもない限りは、吸血鬼の生徒はあちこちに散っている。だから、どこに行っても目に入る。
だからこそ、おかしいと言える。このラブホテル周辺のみ、ただの1人の吸血鬼も見掛けないという事実が。
「出入りの痕跡を消している?──いいや、ここの出入りの際には警戒を強めている……?」
「そのとーり。まっ、地下から出入りしてるから、それが大きいのかもね」
「地下なんてあったんですか」
「技術開発部のリンコが飂熾冘巫髏だった頃、このラブホの地下を軽ゥ〜く工事してもらったのよね。トリニティの『
「そんなものがこの地下に……?」
「そ。まっ、入口や道中には『吸血鬼しか通れない仕掛け』もあるし、アンタが統治委員会にこの事を報告しても吸血鬼であるアンタが同行しない限りは無駄に終わると思うけどね」
「リンコ先輩は何故そんなものを……?」
「お金積まれて依頼されたら何でも作るんでしょ。作った頃は飂熾冘巫髏だったとはいえ、今だって、技術開発部は中立を守ってるしね」
「……基地に行くには、カタコンベモドキを突破する必要があるんですよね……?」
「それは『他の入口』からホテル地下の基地に直接入る場合よ。バレたくないからっつー、隠密行動の為のモノでしかない。つまり、ホテルの中に入ってそのまま地下に向かえば、ヨユーで辿り着けるわ」
「過去に一度、統治委員会としてこのホテルの中をあちこち点検しましたが、地下へ続く道なんてのはどこにも無かったような気が……」
「いーから、黙ってついてきなさいよ。いつまでもこんな所に突っ立ってたって始まらないわ。てか、私とラブホテルの前に居るトコロをどこかの誰かに見られたら、困るのはアンタじゃないの?」
「っっ!!」
顔を上げ、周囲をキョロキョロと見回す。幸い、今は誰もこの近くには居ないようだ。
周囲への警戒は継続したまま2人揃ってホテルのフロントへ。受付嬢はいつもの通り、技術開発部の部員──リンコの後輩である。
「あ、レイコさん。飂熾冘巫髏を脱退したのなら、もう飂熾冘巫髏割引は使えませんからね」
「もう分かってるっつの。この前、先生と来た時にそれ聞いたわ。今日は別の用で来たのよ」
「別の?」
「
「ッ!!……繰り返しになりますけど、レイコさんはもう飂熾冘巫髏を脱退されてますよね?……何故?」
「吸血鬼部隊に用事があンのよ」
「……ルビーさんを連れて、ですか?まさかとうとうルビーさんも飂熾冘巫髏に……?」
「違うわよ。元・飂熾冘巫髏の副総長──というか吸血鬼部隊の長としての、ケジメをつけにきたの。ルビーはその付き添いみたいな感じ」
「そう、ですか。まぁ、私としてはどうでもいいんですけどね。吸血鬼の方々は、どうしてか、独自のコミュニティを築きたがる傾向にある。あんまり、無闇には踏み込まない方が良いと感じてますしね」
「分かってんなら黙って通しなさいよ」
「……いいでしょう、どうぞお入りください」
何度かの問答を経て、フロントのすぐ隣にある、スタッフルーム──関係者以外立ち入り禁止区域へ続く扉が開かれる。
そこから中に入り、ホテル担当の部員達の賄いを作る為であろうキッチンに入る。何の変哲もない、ただのキッチンだ。
レイコは床下倉庫を開けると、その中の物を床下倉庫からガサゴソと取り出し始めた。
「えっ、れ、レイコ……?何してるんですか?基地に行く前に腹拵えでもするつもりですか?」
「バーカ。これを出さなきゃ入口が開かないのよ」
「へ……?ただの地下倉庫、ですよね?その辺の一般家庭にもあるような、キッチンなどによく見られるただの地下倉庫じゃ……?」
「『二重底』みたいになってんのよ。尤も、叩いて空洞みたいな音が出るとバレちゃうから、金庫並に分厚い、作り物の『底』なんだけど。……よっ!」
ドレッシングやその他多数の調味料などを出して空にした床下倉庫を、グイッと持ち上げた。取手のようなものは付いていない。完全に指先の力だけでほんの僅かな突起部をつまんで持ち上げる。
吸血鬼は怪力と言える程に力が強い。だからこそ開ける事ができる地下への入口なのである。
「……こんな仕掛けがあっては、家宅捜索してたって見つかるワケありません……頭が痛くなります……」
「でしょ?だーれも、何の変哲もないフツーの床下倉庫がカポッと外れるなんて思わないわよ♡」
第一のセキュリティ。離れた場所にある入口から地下に入り、簡易的な
第二のセキュリティ。受付嬢と交わす合言葉での認証。受付嬢も当然のように飂熾冘巫髏の構成員。もしくは賄賂を受け取っている飂熾冘巫髏側の者。構成員の情報などは当然のように頭に入っている。ただしこのホテルは技術開発部が公的に認証を受け運営しているので表向きには「中立」という立場を表明してはいるが……実際はお察しの通りである。
第三のセキュリティ。キッチンの床下倉庫。誰も床下倉庫が地下への入口になっているとは思わないだろう──という希望的観測に基づく仕掛けだが、事実、床下倉庫を普通に開けたって、中には調味料だったり、キッチンとして不自然ではないモノしか置いてはいない。
第四のセキュリティ。床下倉庫の二重底。これは吸血鬼クラスの怪力の持ち主でもないと、二重底を持ち上げる事すらも不可能な事を利用した物理的な仕掛けだ。しかも、持ち上げるという構造なのに、取手の1つも無い。取手なんか仕掛ければ、底面が持ち上げられるとバレてしまう事になるので、取手なんてモノは取り付けなくて当然だ。
「狭いッ……!?」
「アッハ!相変わらずギリギリだわ……もし少しでも太ったら通れないわよォ!」
地下へ続く通路へ身体を入れてから、床下倉庫の二重底を復旧し、冷たいハシゴを握り地下へ地下へ少しずつ降りていく。
コンクリートで舗装されているので、土汚れこそ無いものの、その無機質な冷たさは無類だ。しかも極めて狭いので、肩などは引っ掛かり、服が擦れてしまうのだった。
「何でこんな狭いんですか、セキュリティの為なら狭くするのは入口だけでいいでしょう……!?」
「我慢しなさいよ、
「どういう意味ですか……っ!」
「
「だからってこんな狭くする必要あります!?」
「う、うっさいわ!誰も、秘密基地感あるからって盛り上がって設計したワケじゃないんだからねっ!勘違いしないでよねっ!?そ、それに、外部からの
「一時の気分に任せて設計しないでください!後で苦しむ事になるのは自分達でしょう!?」
「だからうっさいっての、早く降りな!」
「レイコが先行したんですからレイコが降りなきゃ私も早く降りられませんって!」
「キェエエエエエエーーーーーッッ!!!」
狭さに苛立ち、発狂なんかもしながら、少しずつ地下深く潜っていく。やがて辿り着いたのはまるで地下牢の如き鉄の扉。
「ほら、行くわよ」
「なんですか、この厳重な扉……」
「これもクソ重いのよね。こんなん動かせるのは、怪力自慢と吸血鬼くらいだし……。そうやって逃走の時間も稼げたりするのよ。万一の脱出ルートは他にあるからさ」
「どこまでも準備がいいですね」
「飂熾冘巫髏としての基本だからね」
何枚かの扉を超えると、根城というにはあまりに大胆な、大きなホールのような部屋に行き着いた。よく見渡すとあちこち別の部屋に続く扉や道などがあるのが目に入る。トイレなんかの設備もあの中のどこかにあるに違いない。
そして──レイコとルビーの入室に気が付いた、吸血鬼部隊の生徒は。
「あっれぇ?レイコさんって、飂熾冘巫髏を抜けて生徒会なんかに入ったんじゃあ?」
「しかももう片方は
茶化す為か、わぁわぁと声を上げながらドンドン集まってくる。2人の入室を戦闘を以て強引に拒む素振りは見せないものの、言葉での攻撃が続く。
しかしレイコとルビーは……。
「えぇそうよ、組織の裏切り者よ────でも」
「私以外が飂熾冘巫髏に居た事ですし、確かにそう言われても仕方ないのかもしれません────が」
「「今日から
「「「「────ッ!?」」」」
「構えなさァい。アンタら倒したら、私達の目的を果たす為の駒になってもらうわよッ!!」
「まさか……逃げるとは言いませんよね?」
レイコとルビーの挑発を受けて、現在ここに居る全員が武器を構える。多勢に無勢、普通に見るならレイコとルビーの大敗北は確定だろう。しかしこの2人に限っては、決して「普通」などではない。
「じょッ……ジョートーじゃない!」
「やったるわよ!!」
「も、元副総長だろーと潰してやるッ!!」
レイコの屋内戦適正はA、ルビーはS。そして、敵対している吸血鬼の生徒達は──人数が多いのでまさに人それぞれと言わざるを得ないが、とにかく千差万別である。
地形適正の差を素のステータスと暴力的なまでの力、そしてこれまでに培ってきた「経験」で補い、数倍どころか、数十倍にも及ぶ圧倒的な人数差を、たったの2人でひっくり返した。
「うぅ……ま、負け、たあ……」
「バイバイ飂熾冘巫髏……うえぇぇん……」
「……負かしておいてアレですが、意思弱すぎでは?もっとこう……『それでも!!』みたいに……」
「吸血鬼って、大多数がそうなのよね。コイツら、ヴァンパイア・ロードに従ってたあの時もこんな、流されるがままだったのかしら……」
そういう習性もまたゴルコンダ達の実験の結果と矛盾は無い。寧ろ、彼らの実験結果を更に裏付けるような結果になったとさえ言える。
レイコが先生に「わからせ」られ大人しくなったアレもまた、同様である。
「さっ、これで駒は揃ったわ。どうすんの、ボス?次は何をすんの?」
「え?ぼ、ボス、ですか?」
「言い出しっぺはアンタなんだから、アンタがボスやりなさいよ?」
「え、えぇ……?」
「責任者を私にして、責任を押し付ける気ィ?」
「あ、いや、そんなつもりは」
「じゃあアンタがボスで私が副ね、ハイ決まり!」
「あぅ……」
「まぁ別にいいでしょ、飂熾冘巫髏みたいな学校や世間に反発するテロ組織じゃあなくて──自分達の出自を探る、言わば『調査隊』みたいなもんだし。それに、モデルとしての名声もあるアンタだったらネームバリュー的なのも利用できそーだしね」
「調査隊……確かに、そうかもしれませんね」
「じゃあね、後は組織名よね!実はもう幾つか候補考えてあんのよ、吸血鬼に由来した名前をさ?でも私は『副隊長』だし?『隊長』に決めてもらいたいワケよ。OK?」
「組織名……必要、ですかねぇ……?」
「必要よ!名前あった方がビシッとするし!名乗りなんかもできるしっ!」
子供っぽいなぁ──とは思いつつ、確かにと思う部分もあった。
レイコの考えたという候補を更に幾つかに絞り、ルビーもまた正式名称らしき名前も考案し、様々な組み合わせを試してみる。そこで生まれた名前が、これである。
「『吸血鬼調査隊ヴァンピール』……ふふ。悪くない響きですね」
「そのまんま過ぎるけど、まぁ、分かりやすい方が対外的にも良いかもだしね。んじゃ、ヴァンピール結成って事で!!」
「飂熾冘巫髏吸血鬼部隊の残党狩り、行きますか」
こうして今ホテルに来ていなかった吸血鬼部隊の残党狩りが始まった。しかし「他者に従う」傾向にある吸血鬼は複数人〜集団で行動しやすいからか、残党も簡単に見付かり、トントン拍子で進んだ。
その為か、調査隊を結成して3日も経つ頃には、飂熾冘巫髏吸血鬼部隊はそっくりそのまま調査隊へ綺麗さっぱり鞍替えしてしまった。