「先生!もっとあたしらに構って!」 作:アキラゼミ
第8話:絶望の淵に立たされて
シャーレの先生が到着する少し前────。
「っ……アンナ!アンナッ!起きてアンナッ!!」
「アンナもとっくに
「っ……!!アガリッ!!あんた、なんで飂熾冘巫髏なんかに……!!」
「だって……楽しそうだもの」
「……は?楽し……そう……?」
「そうっ!悪魔はさ、暴れてなんぼだと思うのっ♪ 折角、普通の人間より強めに生まれたんだしさ?」
「なに……言ってんの…………?」
「……副総長〜、やっぱ私にお姉ちゃんの勧誘は無理ですよ。考えが合わないもん」
「あんたがアスカに合わせなさすぎなのよ。バカ。勧誘ってぇのは、こうやんのよ」
「……ッ!?」
「──三重アスカ。あんた、飂熾冘巫髏に来な」
「行くワケないでしょ!?ゲヘナのヤツなんかと、同じ空気なんか吸えないわ!というか誰があんたらなんかに手を貸すものですか……!!」
「うんうん、アスカが美食研究会のヤツを憎んでる話は知ってるよ。だからこそ、私達についてきな」
「はあ……!?」
「飂熾冘巫髏の目的はゲヘナを乗っ取る事よ!前に言ったわよねェ?風紀委員会も何もかも、邪魔者をブッ潰して私達が新たな生徒会として君臨するの、それが目的よ」
「……」
「あんたの憎む美食研究会もブッ潰せるわ。私ら、飂熾冘巫髏の力なら……!!」
「っっ!!」
「あんたのお菓子って、甘々で美味しいんでしょ?よくルーちゃ……ルーシィから聞かされてるのよね。そんな美味しいお菓子を酷評されて、貶されてさ。ムカつくわよね、悔しいわよねェ。私達があんたの復讐に、手ェ貸してやるわ」
「…………ッ」
「あんたは七天魔だし、幹部の座は確約したげる。副総長である、この私のお墨付きよ。──どう?」
「かッ……幹部なんか、興味無いわよ……!」
「……てか、なんか反応薄くない?」
「…………」
「ま、いいや。そろそろ撤退するわ。もしその気になったら、妹に連絡しなよ。そんときゃ、アガリ。あんたがアスカを連れてくるのよ?」
「はーい。……じゃーね、お姉ちゃん。
「…………」
◆
「そんな……アスカさんまで、なんて……」
「委員長ぉ……うわあああぁぁぁっっ!!なんでっ、なんで!どうしてですかぁ……私、委員長達に、何かしちゃったんですか……?ああぁぁっっ……!!」
親友のアガリの裏切りに続き、自分が慕っていた委員長のアスカまでハドマを裏切り、飂熾冘巫髏に味方してしまう事態に、2人と同じ委員会であったサエは悲しみに暮れる。
同日、しかも殆ど同時に慕っていた2人がこうも裏切ったとなっては、リエすら、サエをどのように慰めたものかと言葉が見つからない様子だ。
幾つものベッドが詰め込まれている保健室にて、手当された少女達は、悲しみに暮れる……。
「アスカの妹も飂熾冘巫髏だったのなら、その妹に勧誘された──と見るのが自然かな?」
「先生はアガリに会ったことは無さそうだからアレだけど、アガリとアスカって、姉妹だけどあんまし仲は良くなかったハズよ」
「ですね。アガリは──何と言うかプライベートに踏み込むようなところがあって。アスカさんは天然みたいな所がありますが、そういう所については、人一倍敏感なんです。だから、あの姉妹はあんまり仲は良くない。それが私達の中での、三重姉妹への共通認識でした。……サエさん、委員会の活動中でのあの2人は、仲良さそうでしたか?」
「ひぐっ……ぐすっ…………え、と、そんなに、話す、事とかも……無くって……いつも、間に私が居て……。私の隣には……いつも、あの、2人が居て……ッ!」
それ以上は言葉を紡ぐ事ができず、ただひたすら泣く事しかできなかった。
私も、どうにか慰めの言葉を掛けたいが────ダメだ、今は何を言っても彼女を傷付けそうだ。
「んなコト言ってさ。あんたも、あたしらハドマを裏切って飂熾冘巫髏に加入しそーな勢いねェ」
「そんな事ッ……無いです!!」
「スズ先輩、待って……」
「親友に続き敬愛する委員長まで。知ってるわよ、サエ。アスカってあんたを可愛がってたでしょう?委員長委員長ってついてくるあんたを妹みたいに。だからこそ、実の妹のアガリを差し置いて、自分の補佐役にする為にあんたを副委員長に据えてさ」
「そん……な……事……っ…………」
「ハッキリ言ったらどうなん?『私も飂熾冘巫髏に加入しちゃいたいです』って────」
閃光の如きビンタが迸る。特に何の前触れもなく発せられたビンタは、スズの頬でバチィッと派手な音を立てて振り抜かれる。
ビンタをしたのはルビー。スズに重い感情を抱く後輩、ルビーであった。
「…………」
「る、ルビー……?」
「どうして、2人に裏切られたばっかりのサエに……そんなこと、言えるんですか……?」
「別に……思ったこと言っただけよ……!」
「最ッ低!なら私にも同じこと言ってくださいよ!私だって何人もの友達が飂熾冘巫髏に流れたっ!!それでも先輩が統治委員会で踏ん張ってるから!!私だって耐えてたのに……っ」
「──っ」
瞬間、スズの脳裏に去来するのは、先程ルビーが言っていた「吸血鬼は軒並み飂熾冘巫髏」の言葉。同族だけのコミュニティがあり、そこからドンドン友人が飂熾冘巫髏へと流れて行き、今のルビーは、言わば「コミュニティからハブられている」状態。
つまり今のスズの言葉は、そんな孤独なルビーに対し「なんであんたは飂熾冘巫髏に行かないの」と言っているようなものでもあったのだ。
「っ……ごめ……」
「謝るなら私よりサエに謝ってください、ハッキリ言いますが今の先輩の発言は最低です、マジ本気で見損ないました」
「ごッ……ごめんなさい、サエ………………私、その……あなたに、酷い事言った……」
「……いいんです。飂熾冘巫髏の2人に挟まれてたんですから……疑われるのは、仕方ないですから」
「いや!……あれはその……疑ってたんじゃないの!そうじゃなくて、なんていうか、ヤケクソで……!!どいつもこいつも裏切ってくるからっ、おかしく、なりそうで……だから…………ごめん、なさい……」
「……大丈夫ですよ。それより、皆さん。お菓子でも食べませんか?落ち込んでばかりも良くないです!作戦会議の前にちょっとお菓子タイムにしましょ!ちょっと待っててくださいっ、お菓子のストック、持ってきますから!」
無理に笑顔を作っているのが何となく分かった。そっとしておきたい気持ちもあったものの、サエに飂熾冘巫髏の構成員が接触してこないとも限らないハズなので、私はサエについて行く事にした。
「……」
「ストックなんて言ったら聞こえはいいですけど、実際は廃棄する手前なんです……。私、まだ、委員長みたいには美味しく作れないから……」
「それでも、今の皆には、染み渡ると思うよ」
「そう、ですかね……」
そんな話をしている内に家庭科室に到着。校内は荒れてはいるが、全体が荒廃しているワケでもないらしい。何と言うか荒れ方まで中途半端に思えた。
まるで売り物のように個包装にされて、缶の中に並べられていた彼女の手作りクッキー等のお菓子は見た目の綺麗さだけで言うのなら売り物と遜色ない完成度に思える。
「先生、1つ食べてみてください。ダメそうなら、委員長の置き土産の方でも持って行きますし……」
「頂きます」
サエのお菓子は美味しかった。飛び抜けた甘さは無いが、砂糖の甘みの主張が強くなく、材料本来の風味や甘みが、砂糖に引き立てられていて、上手く効いている。放課後スイーツ部の子が食べても私と似た反応になりそうな気さえする。
「美味しいよ。これ全部、持っていこうか」
「えっ、ええっ!?」
「アスカの置き土産の方を持って行ったら、余計に空気が荒れそうってのもあるけど、サエのお菓子も美味しいよ」
「そうですかね……先輩の作る方が美味しいと思うんですけど……」
「甘さだけが美味しさじゃないよ。自信持って!」
「っ!……ありがとうございますっ……!」
アスカやアガリのお菓子はまた後日、私達2人で消費する事で合意し、今はサエのお菓子だけ持って皆の待つ保健室に戻る事にした。
その道中は、先輩との思い出話に花を咲かせた。サエから見たアスカやアガリなどなどについても、色々と教えてもらった……。
私達が保健室に戻ると、これからどうするのか、という議論が白熱しているようだった。スズ達は、統治委員の情報網や人数の多さを駆使して今すぐに飂熾冘巫髏を探しに行こうとしているし、シエルやリエなどは、まだ早すぎると、もう少し待つべきと窘めたりなどしている。
「奴らの目的はゲヘナの乗っ取りでしょ?そんならさっさと奴らを止めないと今よりヤバい事になるに決まってんじゃん!追撃よ、追撃!」
「逃がしてしまったとはいえ、深手を負わせたので今すぐにゲヘナに侵攻される可能性は低いですわ」
「それに加えて、今は私達の方がボロボロでしょ。この状態で飂熾冘巫髏と決戦とか無理に決まってんじゃん。本気出したとして、スズ1人でアイツらに勝てんの?」
「統治委員会はスズ先輩や私の強さよりも、人数がウリです。人数の差を活かした人海戦術なら……」
「人数の差?何言ってんの?飂熾冘巫髏がどこに、何人居るかなんて分かんないでしょうがよ?初めてレイコと戦ったあの時みたいに、一気に60人くらい攻めてくるかもよ?勝てんの?統治委員長さん?」
「勝てるに決まってんでしょ、私はハドマ最きょ……結構強い方なんだから!」
「あー良かった、自覚はあったんだ?これでもし、まだ『最強』とか言おうものなら殴ってたわ」
「っ……このッ………………クソッ!!」
「シエルさんっ!……今はとにかく、私達だけでも、纏まりましょう。我々がこんな様では、皆様にも、示しがつきませんわ」
「……ちぇっ。リエの言う通りではあるけどさー」
「実際問題どうすんのよ、これから……」
スズとシエルの言い合いは相変わらず。アンナは布団を被って寝ている──いや震えているようだ。流石にアンナにこんな言い合いに割って入るなんてことはできないか……。
しかし私もサエもそれは同じで、こうして2人でお菓子を持ってきたのはいいものの、中々、議論の白熱する保健室に入れないでいた。
すると曇りガラスに映る私の影に気付いたのか、議論を中断させようとするルビーの声が……。
「まぁとりあえず、お菓子が届いたようですから、甘い物でも食べて落ち着きませんか?」
「「!!」」
ナイスルビー!と、心の中で彼女にグッと親指を立てる。持ってきたお菓子を小皿に移して皆に配る私達だったが──皆の顔は曇るばかりだった。
「よりによってクッキーか……」
「美味しいですけど……」
「サエさんのも美味しいですわね……」
「……何だかんだ、あの甘さも嫌いじゃなかったよ」
クッキーだったが故に逆にアスカを思い出させてしまったようだ。しんみりとお通夜モードになるが次の瞬間、スズはバチッと自らの頬を叩く。
「よしっ!さっさと回復して、さっさと決戦よッ!そんでアスカのことは連れ戻そうっ!!ルーシィは飂熾冘巫髏のボスだから、連れ戻すも何も、倒して矯正局にブチ込む!これでどーよ!完璧っしょ!」
「……それしかないですね」
「ったく、私が言おうとしてた事だっつの。ホントスズってば生意気な後輩ね」
「ええ、そう致しましょう。矯正局へと送るのは、主犯格だけで……ルーシィさんとレイコさんだけで、事足りるでしょう」
「そうね!」
「そうですね」
「……そーと決まりゃあ……サエ!おかわり!」
「ふぇっ!?……あっ、は、はいっ!!ありったけのお菓子、持ってきますね!」
「アスカ達の分も食べてやりましょ!甘ったる〜い砂糖だらけのねッ!連れ戻したら、嫌になるくらい作らせてやるんだから!」
「……ですって、先生!」
「はいっ!!」
◆
一方、現在より少し前、連邦生徒会の記者会見が始まった頃のゲヘナ学園、万魔殿では────。
「みんな集まれ〜って、何があったんだろーね?」
「さて……。マコト先輩ですから、まぁたロクなこと企んでないでしょうね……」
万魔殿の主なメンバーが集められて、記者会見を皆で視聴することに。当然ながら、イロハ達とて、マコトから「ハドマ学園と併合した」という事など聞かされてはいない。
そう、ゲヘナ学園もまた、当事者であるマコトは連邦生徒会からの発表まで全て秘密にしていた。
当然──そんな会見を見せられては誰もが困惑、驚きを隠せない。事態をよく分かっていないイブキなどはともかく普段から飄々としているイロハさえ困惑が隠せないでいた。
「マコト、先輩……?」
「キキキ、まァそういう事だ。あの細長い自治区を有するハドマ学園は、既にッ!!──我らがゲヘナ学園の一部となった……!!ハドマ学園第1校舎は、ゲヘナ学園第3校舎に──ハドマ学園第2校舎は、ゲヘナ学園第4校舎となったのだ!!」
「副会長と、調印式を執り行ったと……?」
「あァ、ハドマ学園崩壊の直後にな」
「ハドマ学園生徒会の副会長────確か、名は、針村ルーシィ……でしたか」
「お?流石はイロハ、知っていたか」
「まぁ……姉妹校だった過去があるようですからね。知識だけで、顔も知りませんし、当然、会った事もありませんけど……」
「────いいや。お前は会った事があるぞ」
「え……?」
マコトの言葉にイロハは再度困惑してしまった。会った事がある、一体どこで?記憶を巡らせるも、全くそんな記憶は無い。ふと思い立って、スマホでハドマ学園のホームページにアクセス──生徒会の役員の写真を見ても、やはりルーシィに見覚えなど欠片も無かった。
首を傾げ、マコトに「やっぱり知りませんよ」と言葉を返そうとした、その時。
「イロハ。……確かお前は、シャーレの先生の誕生日パーティとやらに顔を出してたハズだ、違うか?」
「行きましたけど……それが何か?」
「あの場に居たんだよ。針村ルーシィはな」
「!?」
「ま、シャーレの先生とやらは教職員でありながらハーレムなんぞ作っているものだから、彼女やら、そういう女の対応でいっぱいいっぱいだったろう。元の関わりなんて皆無な
「副会長自ら、密偵に行っていたとでも……?」
「そんな所だろうな。あの女は生徒会の副会長だ、会長がシャーレの先生へ救援の手紙を出そうと計画していた事も知っていたハズ。故に……」
「──副会長という立場であるが故、先生に救援を求めるのを止めるのは不自然。それならば、先生が来る事を見越して計画を立てよう、と……?」
「そ、そういう事だ。だからあの場に堂々と参加、先生の言動などから性格などを大まかだが把握し、それも含めて計画を立てたんだ。それでも急ピッチだったがな。やはり『先生』という異分子は可能な限り排除したかったそうだが、奴は、未知の部分が大きすぎるそうだ。だから、奴が深入りする前に、事を起こしたんだそうだぞ」
「…………悪知恵が働きますね、その女」
「全くだ」
「ですが先輩、また、騙されていませんか?その、針村ルーシィという女に。アリウスの時みたいに、爆破されたりしません?」
「大丈夫だろう。何か贈り物を受け取ったワケでも無いからな。それに、ハドマとゲヘナの併合後は、奴らと風紀委員会をぶつける計画、いや、そういう契約になっているんだ。これで風紀委員会とも遂にオサラバというワケさ!キキキキッ……!!」
「風紀委員会、かなり強いですけど。勝てます?」
「ハドマ学園を乗っ取った、針村ルーシィの率いるテロ組織『
周囲がザワつく。生徒会の副会長が、テロ組織を率いている──にわかには信じ難い話だし、普通、有り得ない事だ。それは常識的に考えてもそうだし荒れまくっているゲヘナにおいてもそうであった。
「副会長の率いるテロ組織?──イマイチ、先輩の話だと全貌が見えませんね。ただそれでも、ハドマ学園崩壊からゲヘナとの併合については、ハドマの副会長とマコト先輩の2人による、あまりに悪質な出来レース……という所までは、理解しましたよ」
「フンッ。──今頃、ハドマでは、あの女が会長に最後の復讐を果たしている頃さ。それが終わり次第ゲヘナにやってくる計画だ。その後は風紀委員会と交戦────そして現在モルモとイオリは都市部、風紀委員会支部に派遣済み!切り込み隊長2人抜きという現状を鑑みるに、完全に、ヒナのワンマンで戦うしかなくなるッ!数も質も飂熾冘巫髏が上だ、ヒナでさえ敗色濃厚さ……!」
「……マコト先輩らしくない程に計画的ですね」
「これはルーシィの案さ、悔しいがな。風紀委員会支部をシャーレの近所に設置し、そこにモルモを、そして幹部格1人を目付け役として派遣させるのも全てはルーシィの計画の内さ!何故か副総長の方はそれを知らないようだったが、まあどうでもいい」
(これは……少々、まずいですね……)
◆
その頃、風紀委員会では────。
「はぁ!?ゲヘナ学園とハドマ学園が併合した!?そんな、
「……あのクソタヌキ、行く所まで行ったわね」
「どっ、どうするんですかヒナ委員長……!?」
「アコ。モルモとイオリにすぐ連絡を。今すぐに、あの2人をD.U.から呼び戻す」
「は、はいっ!」
「委員長──恐らく議長は、ハドマ学園を使って、何か企んでいますよ」
「分かってる。チナツはとりあえず2個、いや3個小隊くらいで編成して、出撃準備しなさい」
「3個小隊ですか!?……万魔殿に、ですか?」
「違う。私達に何の相談も通達も無く──ってのは別にどうでもいいけど、こんな急に併合だなんて、どう考えても怪しい。ハドマ学園崩壊と、何らかの関係があると考えて動いた方が良さそう。──もし最悪の場合は……ハドマ学園を崩壊させた連中との、戦争になりかねないわ」
「「────ッ!?」」
「ハドマ学園を崩壊させた奴らにゲヘナ学園も崩壊させられるかもしれない。各自そのつもりで警戒。迅速に動きなさい。私も、すぐに戦闘用意につく」
「「了解っ!!」」
「アコ、ハドマ学園生徒会のデータと、ハドマ学園崩壊事件の犯人と思しき奴らのデータを寄越して。確か事件捜査にヴァルキューレが関わってたハズ。データ共有だとか、ハドマ学園はもうゲヘナ学園の一部になったからみたいに、ヴァルキューレから、事件に関する情報を引き出して私のスマホに共有。モルモとイオリへの連絡を終えたら、急ピッチで。いいわね」
「はっ、はい!すぐに!!」
ヒナの懸念は、当たっていた。
現に、針村ルーシィ率いる飂熾冘巫髏はゲヘナの乗っ取り、つまり「現体制の崩壊」を目論んで行動しているからである。
ハドマの場合と1つ違う所があるとすれば「学園自体の崩壊」は望んでいない、という所のみ。
そして、ヒナの懸念の通り────飂熾冘巫髏の魔の手は既に、ヒナ率いる風紀委員会のすぐそばに迫っていた。
次回────風紀委員会vs飂熾冘巫髏