※この作品はR-18です。

ユー・アー・マイ・スペシャル   作:グリム・グリルグリン・グリーングリップ

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 呪術廻戦のスケベ読みてえなあって思いながら書きました。
























01 ここ、【呪術廻戦】かよ!


 

 

 

 1.

 

 

 

 かつて奥州にその者ありと尊ばれた呪術師の一族は、明治維新の動乱期に、血の力とそれに伴う権威を失ったことで没落した。

 

 少年が生まれた家系は年月を経ていたこともあって傍流も傍流であり、己らの血族が実は呪術師の名家であったと知る者はおらず、故に少年が呪力に秀でた幼児であると聞きつけた本家を名乗る翁が一般人である坂本夫婦を(おとな)ったのは、当人らにとって寝耳に水以外の何物でもなかった。

 とはいえ普通ではない(・・・・・・)、呪力を与り知らぬ者からすれば不可解で不気味な少年を扱いかねていた両親でもあったので、本家を名乗る翁との交渉はとんとん拍子で進み、最終的に少年は多額の資金と引き換えに養子として坂本家から売り払われることになった。

 

 かくして五歳の折に生みの親から遠く離れて暮らし始めた少年だったが、例の如く一族の本流は明治には没落してしまっていたので、引き取られた先は本家名家とは名ばかりの、人里離れた田舎の一般家屋でしかなかった。

 しかも暮らしているのは翁以外には誰もおらず、これは事前に聞いていた話とだいぶ違うぜと少年が指摘すると、翁は歯を剥き出しにしてわらいながら、少年が辿る運命を口にした。

 

 ――「おぬしはこれから儂の下で呪術を学び、呪詛師として腕を磨き、いまだ御三家などと愚昧どもに囃されておる、あの憎き加茂の血に贖わせるのだ」

 

 そこから少年の苦難は一〇年(・・・)にも亘って続き、長い〃々地獄を生き抜くために、少年は不断の努力を強いられることになった。

 

 少年には才能があった。呪力操作、術式への理解、呪術と体術を交えた戦闘センス。呪力を扱う者として卓越した素養を有しており、それらは、肉体と共に鍛えれば鍛えるほどに伸び続けた。

 

 当然、そこには幾つかの理由がある。

 

 まず一つ目。

 それは翁が、術師の指導者として優れていたという点が挙げられる。

 

 歴史ある呪術師一族にとって、優れた術師を当主に育てるための技術(ノウハウ)は本来ならば門外不出であり、であればこそ没落の折に失われることは珍しくなかった。しかし翁はそれを余さずに継承していた――他ならぬ翁こそが、一族の最後の継承者であったが故に。

 御三家ならびに呪術高専に対して憎しみを隠さない翁ではあったが、その指導は確かに、少年の能力を開花させた。

 

 そして二つ目。

 

 ――「〈天与呪縛〉。おぬしの体質のことだ」

 

 “強大な能力を得るのと引き換えに、強制的に、何かを犠牲にする〈縛り〉を課されて生まれてくる存在”。

 

 生まれた時から、少年には「味覚」が無かった。「触覚」も無かった。

 少年の目には、呪力を扱えず、呪いを視認できない生き物――非術師の姿が、三次元の幅や厚みを持たないぺらぺらな二次元的存在に見えていた。まるで悪い冗談のように、紙絵にかいた落書きが、そのままの絵柄で現実世界を闊歩しているように見えて仕方がなかった。

 

 ――「〈天与呪縛〉を解く方法はない」

 

 味覚と触覚と、認知機能の障害。それら〈縛り〉によって失ったものを取り戻すことはできない、と翁に教わった。

 医学ではどうにもならないのだと。外に助けを求めても無意味なのだと。あるいは呪術を極めれば解決が拓けるやもしれぬ、と。

 ならば引き換えに得た天賦の才を頼りにして、この終わらない悪夢を泳ぎながら地獄を生き延びるために。少年は呪力の神髄を追求し続けた。

 少年はまず「無痛」による受傷を始めとする様々な疾患を防止するために呪術の基本である呪力制御を極めた。すると己と他人や呪具の持つ呪力の微細な変化(ゆらぎ)を感知することで新たな「触覚」――呪力経由の疑似神経を再現できるようになり、その頃には本家相伝であった術式は、少年の従来の枠に囚われない発想によって非常識なまでの性能に拡張され果てていた。

 呪詛師として活動する傍ら全国の一級呪霊を討伐して回ることで実戦を重ね、やがて遭遇した特級呪霊との死闘の最中に発現した〈黒閃〉を経て〈呪力の核心〉を掴み〈反転術式〉を会得してからは、己を巡る呪力を〈六眼〉を持たない身ながら分子レベルで効率的に掌握できるようにまでなり、その後も少年は思いつく限りの、それまで以上に非道徳的かつ残忍な要素目白押しの肉体改造を施されるなどして進化をし続けた。

 

 そして一五歳の誕生日を迎えた朝。少年は習得した呪術の極致である〈領域展開〉をお披露目し、翁を殺害した。

 

 遺体を残さずにこの世から絶尽させた少年は、翁が行方不明になったことで一時的に施設で保護され、その後生みの両親である坂本夫婦が九年前に失踪していることを知らされた。

 

 もう生きちゃいないのだろう。少年はうっすらと理解していた。それに顔も、ぼんやりとしか思い出せない。

 笑顔を向けられたこともあった気がする。だがもう、今となっては、あまりにも遠くなってしまった。

 

「ばいばい、ってね」

 

 かくして本家の血筋は断絶し、ひとりぼっちになった少年には、しかし金と時間、そして自由だけはあった。

 

「好きにするさ。ようやくの自由なんだからな」

 

 加茂に対する復讐なんざどうだっていい。俺の知ったことじゃない。俺は俺が幸せになるために生きることにするよ。そのためにずっと頑張ってきたんだからさ。頑張ってきたやつが報われないのはおかしいだろ? いくらこの世がクソ溜めだとしても。

 そう、胸に誓ってから数年後。

 

「おいおい、嘘だろ?」

 

 ところがある存在(・・・・)と遭遇したのがきっかけで、少年――坂本は呪詛師としての活動に見切りをつけることになった。

 

 坂本は翁の下ではそれまで戦闘や鍛錬漬けで一度も勉学に触れる機会はなかったが、一通りの一般的な社会常識は身に着けていたので、以降(・・)は呪詛師というよりも祓い屋に近い依頼をこなしながら、ツテを使って高校と大学の卒業資格を偽装し、緩い雰囲気の税理士事務所に就職して経験を積んだ。

 三年後には独立し、現在は自身の事務所を開いて一般人に紛れながら、高専関係者とはほどほどの距離を保ちつつ活動している。

 

 ところで、なぜ一度も勉学に触れる機会のなかった坂本が社会常識を持ち合わせていたのか。そもそも人間社会の大多数を占める非術師の姿がコミックのぺらぺらなキャラクターにしか見えないという問題を抱えているのに、警察や児童相談所が知れば卒倒噴飯確実な劣悪環境下で育てられた坂本は、一体どこでコミュニケーション能力を磨いたというのか。

 

 それは、三つ目の理由に起因している。

 

 

「……五条悟(・・・)……」

 

 

 ――ここ、【呪術廻戦】かよ!

 

 

 

 坂本には、前世の記憶があったのだ。

 

 

 

 

 2.

 

 

 

 薄暗い寝室に、女の嬌声が響いている。

 

 ぱんっ♡♡ ぱんっ♡♡ ぱんっ♡♡ ぱんっ♡♡

 

 肉と肉のぶつかり合う淫靡な音が絶え間なく繰り返され、そのたびにベッドに四つん這いになった菅田真奈美(すだまなみ)の喉からは、艶めかしく湿った唸り声がこぼれてゆく。

 まるで捧げもののように突き出された菅田真奈美の桃尻を両手で鷲掴み、後背位で見下ろしながら女の敏感な箇所めがけて抽送し続ける坂本は、無防備な背中に汗玉を浮かべる菅田真奈美が「もうやだっ♡♡ やだあっ、イキたくないぃっ♡♡」と泣き喚きながら懇願しても無視し、容赦なくマラ棒で突き立ててゆく。

 

 オ”オ”ォッ♡♡♡♡ ォ”オ”オオオオッ♡♡♡♡ ン”ォ”オオオッ♡♡♡♡ ホォ”オオオオッ”♡♡♡♡

 

 菅田真奈美は快楽に打ち震え、奥歯を噛み締めながら打ち寄せる絶頂の波を何とか乗り越えようとするが、その努力の甲斐もなく瞬く間に絶頂を迎え、白い肌を朱に染めている。抵抗しようにもオスの腕力で上から完全に押さえ込まれているため、菅田真奈美に許されているのは、坂本の寛大な慈悲を願うか、肉竿の律動と熱量を受け止めることぐらいしかない。

 

 髪を振り乱し、豊満で重たげな乳房をみだらに揺らし、その先端を(つぼみ)のように膨らませ、ぷしゅ♡♡ぷしゅっ♡♡と追加のアクメ潮をシーツに撒き散らしてオホ声する菅田真奈美とは対照的に、坂本の表情は快楽で崩れていなかった。

 一般的な無痛症と違い「触覚」そのものを持たない坂本にとって、性器結合の反復運動は直接的な快楽(しげき)には繋がらない。視覚的には、普段は強気な女がベッドで快楽に泣き乱れているさまを観賞するというサディスティックな刺激は得られるが。それだけでは、絶頂に達するのには不足していた。

 

 坂本はぐぐぐっ♡♡と奥まで押し込んだ状態で一旦ピストンを止めると、息を荒げる菅田真奈美の頭を掴んだ。〈反転術式〉の要領で菅田真奈美の肉体に干渉し、快楽中枢に正のエネルギーを流し込むことで一瞬だけ感度を一〇倍(・・・)に引き上げる。

 

 ひぃ”っ―――あ”あ”ァあ”ああああ~~~~~~~♡♡♡♡

 

 絶頂の瞬間、仰け反った菅田真奈美のうなじ(・・・)から、汗に混じるようにして猛烈なフェロモンのにおい(・・・)が湧き出した。そのフェロモンはメスがひときわ強い絶頂に達した際にしか分泌されない特殊なものであり、坂本の味覚と触覚を持たないが故に常人と比べれば飛躍的に研ぎ澄まされた嗅覚からすると、間違いなく強い性的刺激を与えてくれる効果があった。

 

 坂本は菅田真奈美のうなじ(・・・)に鼻先を寄せてフェロモンを吸い込み、堪能し、舌を這わせると、耳元で最後の射精が近いことを告げた。喘ぎながら膣内射精(なかだし)を切望する菅田真奈美の頭を撫でてやり、再び一瞬だけ感度を引き上げると、腰と腰を密着させ、亀頭にベロちゅーする如く吸い付いてくる健気な子宮口(ポルチオ)を貫き、存分に欲望を開放した。

 

 びゅくびゅくびゅるるるぅうううぅぅぅぅぅ~~~~~~~♡♡♡♡

 

 

 

 3.

 

 

 

 菅田真奈美が目を覚ますと、ベッドに坂本の姿はなかった。

 

 かぶせられていたシーツの下は、昨夜の激しい情事そのものが夢であったかのように綺麗にされている。菅田真奈美の身体も同様で、残っているのはハードな運動のあとの気だるさだけだ。

 菅田真奈美は、ぼふん、と起こしかけた頭を枕に戻した。いつものことだ、と心のなかで呟く。いつも菅田真奈美は最後は失神してしまうので、坂本が寝ている姿を見たことが無い。そのうち絶対みてやろうと考えているものの、今まで一度だって成功した試しはない。

 

 そこそこ見慣れてしまった他人の寝室の天井を眺めていると、フライパンで何かを焼くジューシーな音が聞こえてくる。これも、いつものことだった。朝食の用意。勤勉でさえある。本人は「味覚」が無いにもかかわらず。

 坂本と迎えるセックスの翌日の朝は、菅田真奈美にとってホテルのモーニングのようなものだったが、慣れているとはいえ多少の罪悪感を感じないでもない。正直なところ、甘えてるなあ、と思ったり。

 

 もうすぐすると、坂本が起こしに来る時間になる。それまで寝ていようとシーツを引き寄せた菅田真奈美は、ふと床に落ちているハガキを見つけた。本棚――シェイクスピアや筒井康隆といった国内外の文庫本が収まっている――の上に置かれていたものが、風に吹かれでもしたのだろう。

 

「む、ぐ、ぐ……」

 

 できるだけベッドから降りたくなかった菅田真奈美は、寝転んだまま床に手を伸ばし、何とか指先で触れようとするが。

 

「ふぎゅっ」

 

 けっきょく顔面からフローリングに落ち、だらしない声が漏れてしまった。幸いにも、キッチンには聞こえなかったらしい。シーツごと着地した菅田真奈美は、ひんやりした感覚を味わいながらハガキを拾うと、何気なく目を通し、それから首を傾げた。

 

「ふうん?」

 

 誰かが亡くなったことを伝える、死亡通知状だった。菅田真奈美は髪を耳に掛け直し、宛先を確認した。

 間違っていない。坂本宛で合っている。

 坂本の身内の話は聞いたことが無かった。菅田真奈美も坂本も、同じ呪詛師であるから、その辺りの話題は避けるようにしていた節がある。

 

 送り主の住所は、少なくとも有名な都市部ではなかった。田舎だろうか。葬儀は既に近親者のみで執り行ったと記載されていた。ただし、ハガキの到着した日付はひと月以上も前になっている。なぜそんなハガキが捨てずに取ってあるのか。

 

「………、」

 

 菅田真奈美は。それ以上考えるのはやめにしてハガキを戻すと、二度寝は諦め、起きることにした。

 

「おはよ」

 

 料理中の坂本の背中に声をかけ、おう、という不愛想な返事を背中で受けてから、シャワーを借りる。

 熱い湯で身体を流しつつ、ふと菅田真奈美は、書かれていた故人の姓が珍しいものだったことを思い出した。

 

 

枷場(はさば)、ね」

 

 

 なんとなく印象に残る苗字だったが、次の日の朝には、すっかり忘れてしまっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





・坂本 … オリ主。転生者。チート持ち。デカチン。絶倫。マジカルチンポ。呪術師/呪詛師にしか勃起できない悲しき定めを背負っている。

・翁 … 没落した名家。加茂に恨みがあったらしい。坂本によって殺害される。今際の際に見た光景は、自身がかつて挑んで諦め、しかし己の血族が辿り着いた呪術の極致だった。

・菅田真奈美 … 坂本のセフレ。昼でも夜でも朝でも坂本に勝ったことがないし今後も勝てそうにない。坂本相手だと常にクソザコ敗北オナホまんこと化す。もとからマゾ気質があったわけではなく、坂本と出会ってから嗜好が変化した。実はそこそこ幸せを感じていたりする。

・枷場 … とある田舎で暮らしている、双子の苗字。















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