そこのオタクくん座談会来ない? ~秘密のギャル本さん~ 作:馬門戒明/輪島ライ
公民館に入った俺は受付で待っていた女性にホールへと通され、そこでは新興宗教団体「グレートサクリファイス学会」の信者たちがホールを借り切って座談会を開いていた。
床に敷かれたマットの上に20名ほどの若い男女が腰掛けており、そこには俺と同じく制服姿のままで来たらしい空本の姿もあった。
「オタクくん本当に来てくれたんだ。別に自己紹介とかしなくていいから、当てられたら適当に何か話してちょー」
「分かった分かった。まあ今日は見学に来ただけだから」
空本と二言三言話しているとここに集まっている人々のリーダーらしい中年女性が前に出てきて、パイプ椅子に腰掛けると話し始めた。
「今日は皆様お出で頂いてありがとうございます。私たちグレートサクリファイス学会は名誉会長たるグレートサクリファイス石橋先生のご指導のもと、やがて世界に訪れる大いなる破滅に備えて日夜勉強しています。それではギャル本さん、自分のこれまでの勉強の成果を教えてください」
「はいはーい、今から発表しまーす」
ここではギャル本さんと呼ばれているらしい空本はリーダーに指名されると前に出てきて、もう1つ置かれているパイプ椅子に腰掛けた。
「あーしは昔はイケてない女の子でいつもいじいじしながら暗い毎日を送ってました。でもうちのお母さんのママ友がお母さんにグレサク先生の本を勧めてくれて、それからは親子揃って明るい人間になれたんです。グレサク先生がいつも仰っている人類革新の教えはあーし自身を革新してくれて、今ではあーしが周りの暗い友達を導いていくようになってます。その一人が、今日から来てくれるそこの宗日くんです」
空本は信仰の喜びを語る中でいきなり俺の名前を呼んで指差し、俺はリーダーの中年女性の合図を受けてやむなく前に出た。
若い男性がパイプ椅子を持ってきてリーダーと空本の間に置いたので、俺は2人に挟まれる形でパイプ椅子に腰を下ろす。
「宗日くんはクラスではちょっとひねくれた感じのオタクで、今日だって意地悪な女子グループにいじめられてました。あーしは宗日くんに自分自身を革新して欲しいからここに来て貰ったんです。宗日くんはあーしと友達になってくれる?」
「それは、まあ……」
「グレートサクリファイスを生き延びる第一の方法は、お互いに理解し合える仲間を増やすことです。座談会の後は恒例の交流会がありますから、今日はギャル本さんと宗日くんに2人で交流して頂きましょう。それでは次の方」
リーダーの女性は別の信者2名を指名すると俺と空本が離れたパイプ椅子に座らせ、俺は空本と隣り合ってマットに腰掛けたまま他の信者が語る信仰の喜びについて聞いた。
その後も同じような内容が様々な信者から延々語られ、俺はあくびを噛み殺しつつも空本の手前居眠りしないよう努力した。
「それでは座談会はこれで終了となりますので、今からそれぞれのパートナーと交流会に行って頂きます。ギャル本さん、宗日くんを案内してあげてくださいね」
「分っかりましたー。じゃ、行こっか」
「はあ……」
今度はどこに連れて行かれるのかと思いつつ俺は空本に付いて公民館を出た。
母親は俺が9歳の時に膵癌で死んだし父親は日曜の夕方にしか家に帰ってこないから門限などは特にないが、流石に遠方に連れて行かれるのは避けたい。
そう思っていると空本が歩いていったのは街中にあるラブホテルで、他の信者たちもぞろぞろと同じラブホテルに入っていくのを見て俺は衝撃を受けていた。
「なあ……あれはそういうホテルだよな? この宗教ってそうなのか?」
「そうだよ。だって男女が2人で交流するならそうなるっしょー?」
「いやあ、何かなあ……」
このラブホテルはグレートサクリファイス学会の傘下にあるらしく、従業員さんは俺と空本も含めた信者たちの姿を見ると頭を下げて部屋のキーを渡していった。
料金は事前に支払われているのか、俺と空本はキーを渡されるとそのままエレベーターで部屋のある階まで移動するよう伝えられた。
部屋に入った俺は何とも言えない気分のまま広々とした
「どうオタクくん、興奮してきたっしょー? 童貞のオタクくんは今からあーしで卒業できるんだよ」
「悪いけど、俺は空本とこんな形でセックスしたくない。俺を入信させたいならもうちょっとまともなやり方で説得してくれ」
「他の会員が同じホテルにいるから嫌ってこと? じゃあオタクくんの家とかならいーの?」
「そういう意味じゃない。俺は宗教勧誘なんかで童貞を捨てたくないんだ」
「まーた強がっちゃってぇ。もしかしてオタクくんってホモなの?」
「そういう言い方は好きじゃないけど、俺は普通に女が好きだよ。今だって実は勃起してる」
「……ふーん、そうなんだ」
空本は俺が考えていることをある程度察したらしく、少し考え込むと何かを思いついた様子で俺の隣に腰掛けた。
「じゃあ、セックスはしなくていいからちょっとぐらい仲良くさせてよ。とりあえずお風呂入ろ?」
「あのなあ……そんなこと言われたら、俺だって……。分かったよ、風呂に入るだけだからな」
空本はやったぁ! と言うとそのまま制服を脱ぎ始め、俺も空本の下着姿を眺めながらブレザーの制服を脱いでいった。
お互い制服姿でもこのラブホテルには普通に入れたが、それもグレートサクリファイス学会の傘下にあるからだろうか。
「広いお風呂気持ちーねー。オタクくん、背中流してあげよっか?」
「どうせそれじゃ済まないだろ。自分で洗うよ」
「すぐそーゆーこと言うんだからぁ。我慢できなくなったらいつでも言ってちょー」
空本はそう言うと小麦色に日焼けした乳房を俺に見せつけるようにスポンジで洗い、俺はあえて空本の身体を凝視しながら自分の身体を洗った。
ペニスは既に苦しいほどに勃起していて、俺の本能は死にたくなるぐらいに空本の身体を求めていた。
空本はシャワーで身体を流し終えると先に浴槽に浸かっていた俺と向かい合うようにしてお湯に浸かり、透明な湯の中でいきり立っている俺のペニスをまじまじと眺めた。
「ここまで勃起してんのにあーしに襲いかからなかった男子なんてオタクくんが初めてだよ。まあこれまで2人しか連れてきてないけど」
「そうか。俺だってやっていいなら空本に挿入したいよ」
「そんなにあーしとセックスするの嫌? ピル飲んでるから妊娠とかは心配しなくて大丈夫だよ?」
「そういうことじゃ、なくてな」
俺はそう言うと両手を伸ばしてお湯に浮かんでいた空本の両乳を鷲掴みにし、突然の行為に驚いた空本ははっとした表情を浮かべた。
両手で空本の乳房を揉みしだき、指先を丸めて乳首をくりくりと刺激する。
「空本と俺はさ、今はまだセックスする時じゃないと思うんだよ。……何でか分からないけど、俺は空本を大事にしなきゃいけない気がする。グレートサクリファイス学会にだって今日から入ってやるよ」
「そんなに簡単に決めちゃっていーの? 大学生になったら会費かかるけど?」
「空本のためならそれぐらい払ってやるよ。会員やってれば空本と友達でいられるんだろ?」
「そりゃそーだけど……んっ……」
大きな乳房を揉み続ける俺の手つきに、空本は顔を真っ赤にしたままあえぎ声を上げ始めた。
ペニスが勃起のあまり痛くなってきて、俺は湧き上がる性欲と空本へのよく分からない感情で混乱した脳内のまま苦痛に表情を歪めた。
空本は無言で右手を伸ばすと、湯の中で勃起し続けている俺のペニスを握った。
そして空本が右手で優しく包皮を上下させると、俺はあっという間に射精してしまった。
お湯の中に精液が流れ散った瞬間に俺は何も考えられなくなって、向かい合っている空本に抱きついた。
空本ははあ、はあとあえぎながら自分を抱きしめる俺に身を任せ、そのまま両腕で俺の上半身をぎゅっと抱きしめた。
俺の精液と空本の愛液が混じった湯の中で抱きしめ合いながら、俺は空本と優しくキスをした。
俺と空本、そしてグレートサクリファイス学会とのファーストコンタクトはこの日で、俺はこの瞬間から空本の「友達」になった。