申し訳ない、最初はイドラじゃなくてアカリさんの話しになります。
次はイドラの話しになります。
「おまたせしました。」
うちはマダラは、部屋に颯爽と入ってきた女に戸惑いを覚える。
それは、あくまで淡々とした態度でマダラの前に座った。
「おお・・・」
思わず返した後、部屋の中には沈黙が訪れる。
殆ど勢いのままに結婚した自覚はある。
敵対していたはずの千手一族の、千手扉間と、妹のうちはイドラが結婚し、里が出来る目処もついた。そうして、同盟相手の長である千手柱間も婚姻が決まっていた。
となれば、さすがのマダラもそれを望まれる。
元より、弟の方が先に結婚し、子どもまでいるのだからマダラにもそれ相応のプレッシャーがあったのだが。
それはそれとして、当時は千手との戦いが激しくなっており、どうしてもそんな余裕はなかった。
けれど、戦もひとまず収まり、さてどうするかとなった時。
話に上がったのは、目の前のその女である。
女との結婚をごり押ししたのは、もちろん、女の弟である千手柱間である。
姉上は怖いが、美人だろう?それに、千手の家を切り盛りしておった手腕は保証する。いいや、うちはからだけ嫁を貰うのは不公平というもの!マダラはまだ、結婚もしておらんし!
そうして、それを後押ししてきたのはうちはの人間でもあった。
千手兄弟を尻に敷いた苛烈さと、イドラからの評判も有り、婚姻と相成った。
マダラといえば、まあ、政略結婚としては納得できる。
順当と言っていいだろう。
(・・・何話すんだ。)
マダラは少しだけ頭を抱えたくなった。何と言っても、目の前のそれとは事務的な、仕事の話しかしてこなかった。
マダラは後悔した。
もう少し、話題になるようなことを聞いていればよかったと。
どうしたものかと目の前の女を眺める。
見目はいいのだろう。
切れ長の赤い瞳に、ぼんやりとした火に照らされた髪はそれこそ紅蓮のような朱い髪だ。
赤い色は嫌いではない。
炎の色であるそれは、マダラにとってもなじみ深いもののはずだ。
初夜である。
なのだが、お世辞にも心を通わせての婚姻でないのなら、どこまでも気まずい時間だ。
妻になった千手、いいや、すでにうちはアカリは無言で自分を見つめている。
どうしたものか、とそこまで考えたとき、ふと、女の肩がかすかに震えていることを理解した。
そうして、その瞳孔の動きも。
「はあ・・・」
マダラは軽くため息を吐いて、そうして、そのまま座っていた布団に潜り込んだ。
「マダラ様?」
「・・・・今日は、このまま寝るぞ。」
マダラはそう言って布団に潜り込んだ。
思えばと。
その女も、いくら顔が好みでも、よく知りもしない男に抱かれるのは恐ろしかろう。
「別に無理はしなくていい。お前も初めてのことで疲れてるだろう?こういったことは式のおまけ見てえなもんだ。そんなに緊張してるなら、また今度でいいだろう。」
マダラなりに気を遣い、女が気を病まないようにとそう言った。少しの間、沈黙が訪れる。マダラはそのまま、てっきり、女が布団に潜り込んでくるのだと思っていた。
が、予想に反して、マダラの被っていた布団が勢いよく剥がされた。
「うおっ!?」
「気を遣っていただかなくとも結構です。無理もしておりません。」
揺るがず、淡々と言い切って仁王立ちした女に、マダラはなんだこいつはと目を白黒させた。
アカリはそのまま、マダラの目の前に膝を突く。それに、マダラは起き上がり、怒鳴った。
「肩まで震えてるってのに、無理してねえって何だよ!?今日はさっさと寝ろ!」
「無理はしておりません!ただ。一つだけ、お願いがありまして。」
それにマダラはやはりかとため息を吐いた。
なんだと、改めてマダラがアカリを見た。それに、アカリは気まずそうに、視線をうろうろさせた。
アカリという女は基本として鉄仮面で、感情の起伏というものは把握しにくい。それでもマダラが女の考えていることを察せられるのは目の動きと、瞳孔のおかげだ。
基本的に、千手の人間は彼女と目を合わせるのを恐れるので、全力で視線そらすのだが。マダラは特別、女のことを恐れていなかったのでそんなことはなかった。
「・・・どうした?」
マダラが願うことを再度聞くと、アカリは思い悩むように口元を引きつらせた。
「・・・・寝間着を、脱がさずに、ことをすすめていただきたく。」
それにマダラはため息を吐いた。自分たちが着ている寝間着は、どう足掻いても袷の部分がはだけてしまうだろう。
マダラは断り方としても、もう少し素直にすればいいのにと呆れる。
が、すぐに思い直す。もしや、体に傷でもあるのではないかと。
「・・・・体に傷等があるのなら、俺は気にせんぞ。」
「いえ、そういったことは、ないのですが。」
アカリはもごもごと、口ごもる。それに、マダラは何があるのだと疑問に思う。今まで話した女の態度からして、何かしら、もっと素直にさっぱりと言い切るはずだ。
「・・・何かあるなら、理由を言え。」
マダラは苛立ち混じりにそう言った。それに、アカリは覚悟を決めたのか、顔を伏せて、蚊の鳴くような声で言った。
「その、お恥ずかしい話なのですが。胸が、小さいのです・・・・」
「は?」
鳩が豆鉄砲を喰らったような顔で、マダラは改めて女の胸を見た。
確かに、服の上から見ても、それこそ薄着の寝間着、豊かな山地というものを見られなかった。
自分の胸に視線が向かっていることを理解したのか、アカリはそっと、己の胸を庇う。
「・・・・いや、気にはしねえが。」
「マダラ様は!よくとも!私は!気にするんです!」
くわっと叫んだその様は、据わった眼と、ギラつく瞳のおかげで迫力は満天だ。それに、マダラは思わず体をのけぞらせながら、なんとなく気になり聞いてみた。
「つーか。なんで、そんなこと気にするんだよ?」
「ええ!知っております!イドラから、マダラ様は足派であることは聞いておりますので!ですが、これは、私の個人的な羞恥であるので・・・・」
何気なく妹に自分の性癖をばらされ、それと同時に、妹に知られていたことにショックを受ける。
(あの馬鹿!)
マダラも羞恥で倒れたくなったが、それに被せるようにアカリがぼそぼそと口を開く。
「幼い頃に、いいえ、幼いと言っても、私も結婚を考える年齢ではあったのですが。その、柱間に。私の胸が小さすぎて、赤ん坊の乳に困りそうだと言われてから、妙に気になってしまい・・・・」
マダラはそれに頭を抱えたくなった。
妙齢の女にどんな言葉をかけているんだ!?
自分の弟だったら叱り飛ばしているような事実に、脳裏で脳天気に笑う義弟に怒り狂う。けれど、改めて、男と付き合うようになってマダラも理解していた。
あの男は、近しい人間になるほどデリカシーというか、扱いが雑になることに。
「・・・・真に、綺麗な、平野でして。ですので。見ても楽しくないでしょうから。」
そういって、自分の胸を庇う姿はなんだか切なくなる光景だった。
そうして、自分の妻になった女が他の男に振り回されている事実は、正直面白くはない。
「・・・・アカリよ。」
「はい?」
「胸、でかくしたいか?」
「・・・・本当に、大きくなりますか?」
「まあ、よく言われるだろう?」
マダラは現在、アカリを後ろから抱きしめるような格好になっている。アカリは半信半疑ではあるものの、わらにも縋るというのか、マダラに従っている。
マダラは息を吐き、寝間着の中に手を突っ込んだ。
それに、びくりをアカリの体が震えた。
女の肌というのは、なるほど、女衆が世話を焼いたのだろう。すべすべしており、さわり心地がいい。そうして、問題の胸はというと、確かに小さい。
手のひらから零れんばかり、とはいかない。すっぽりと包める程度のものだ。けれど、柔らかく、且つ適度な弾力がある。
別段、マダラとて経験が無いわけでは無いが、何となしに興味深げに弄ぶ。
下からすくい上げるように持ち上げる。
自分の腕の中で、がちがちに固まった女を見れば、普段以上に顔は強ばっている。
「痛いか?」
「よ、よくわかりません・・・・」
首元に刃物でも突きつけられているのではないかと思われうようなこわばりようだ。
マダラはそれに、胸の先を爪で軽くひっかいた。
「あっん・・・・・」
鼻を抜けるような甘ったるい声が女の口から漏れ出した。
それに、思わず女の顔を見下ろした。女にしては長身ではあるが、さすがにマダラよりも小さい女の顔をのぞき込むのは難しくない。
女の顔は、暗い中でもわかる程に、真っ赤に染まっている。
「ち、違います!」
それはわたわたと、マダラの腕の中から這い出ようともがく。それは、お世辞にも、マダラのことを振り払うに足りるほどの力は無い。
女は千手の男達を尻に敷いているが、お世辞にも戦闘のセンスはない。この世界の上澄み中の上澄みの部分に当たるマダラからすれば赤ん坊にも等しい。
が、いつもは毅然としている女がどういった仕草をするのか。好奇心のままに手を離してやった。
そうすると、女は違うのですと言いながら、ずるずると、掛け布団に頭を突っ込んだ。
「違うのです・・・・」
「何がだ?」
「こ、こんな・・・・」
マダラは自分がされたように布団を引っぺがした。そうすれば、逃げた際に着物が乱れた女が顔出した。そうすれば、すでに小ぶりなそれが顔を出していた。
が、アカリはそれを気にすることもなく、顔を朱くして首を振る。
「ち、違います。その、こんな・・・・」
マダラはそれに、面白くなって耳に囁いてやった。
「感じるだなんて思ってなかったか?」
それに、女は顔をさらに赤くして、口をはくはくと開け閉めした。
それに、マダラはうっすらと微笑み、そのままアカリの足を掴んで自分に方に引き寄せた。
「あっ、あっ、ご、ごめんなさい・・・・」
女は普段の様子から考えられないような甘ったるい声を上げながら体を震わせた。
マダラは変わらず、女の小ぶりな胸をいじくり回していた。かりかりと、胸の先をひっかき続けるだけのそれに、アカリはぐずぐずと泣きながら謝罪の言葉を吐き出していた。
それと同時に、媚びを売るような甘ったるい声を上げる。
「何がだ?」
アカリの背後から覆い被さるようにして耳元で囁けば、女は弱々しく首をふる。マダラは、どうしたものかと考える。
女はひたすら謝るだけだ。混乱しているらしいそれに、まともな回答など期待してもむだなのだが。
それに、マダラは胸の先をひっかき続けていた片方の手を、アカリの股の間に伸ばした。
アカリはそれを理解してか、足を閉じようとしたが、すでに遅い。
くちゃりと、生々しい水音がする。けして大きな音ではないのに、アカリの耳には確実に届いていた。
「なんだ、もう濡れてるのか。」
マダラはある意味で感心した。生娘というのは良くも悪くも面倒なことが多い。色事に熱心ではない男はわざわざそれを抱きたがるに奴の心情が理解できなかった。
「いれるぞ。」
「え、あ、え?」
アカリは意味も無く声を上げる。それに、マダラは特別反応もなく、そこに指をいれた。元より、何をしても必要な行為だ。
狭いそこはマダラの指を締め付ける。ぬかるんだそこに、マダラは無意識のように喉を鳴らした。
そこで、顔をこれ以上無いほどに赤くして、生理的なのか、こらえきれなかったのか、涙ぐんだ女の顔に。
弱さも、それこそ、女という匂いさえも感じなかったそれに。
マダラは、唐突に意地の悪いことをしたくなった。
「胸をいじられただけで、これだけ濡れたのか?」
それにアカリはマダラの顔を振り返った。
「ち、違います!だって、マダラ様が、だって・・・・」
子どものようにだってとわめく女に、マダラの中で過剰な加虐心といえるものが湧き上がる。
マダラはわざといれた指先で動かして、盛大にぐちぐちと耳を覆いたくなるような音を立てた。
「違うって何がだ?俺はただ、胸いじくってただけなんだがな?」
それにアカリはわなわなと口元を震わせた。
そこで、マダラの寝間着の裾を掴んでいたアカリの手が、股の間に差し込んだ手を引き抜こうとする。
「おい、抵抗するな!」
「もう、十分でしょう!さっさといれてください!」
「は?んなことしたら痛むのはお前だろうが?」
幼い子どものようにひゃんひゃん泣く女に、マダラはどうしたものかと考える。
強気で、それこそ、大の男二人を叱り飛ばしている豪傑な姿しか浮ばないのだからなおさらに。
マダラがどうしたものか、今日はここでやめるかと考えたが、そこでアカリが口を開いた。
「どうせ、痛いのだろうと、最初から期待などしておりません!」
まるで子どもの駄々のような声に、マダラの眉間がピクリと震えた。
「そうか、そうか。わかった。」
アカリの言葉は、まあ、マダラがそういった方面に下手くそなのだろうと言っているように聞こえたわけで。
「なら、やってほしいと言うまでよくしてやろうじゃねえか。」
男は非常に、意地っ張りであった。
そういったことに興味は無かった。
弟分である千手柱間との婚約を解消した後、アカリは自分が結婚をすることも、処女なんてものを捨てることもないのだと思っていた。
血統は良くとも、女は千手においてあまりにも影響力が強すぎた。千手内のパワーバランスを崩すことを恐れて、扉間と婚約と相成った。
そうであっても、扉間とそう言った関係になる気はなかった。ならば、永遠に宙ぶらりんなのだと思っていた。
なのに、だ。
「ほら、どうだ。」
「あっ、あっ、や、だ、めです・・・・」
どうしてこんなことになってるのだろうか?
アカリはぐずぐずと泣きながら、下半身からせり上がってくる感覚にそうなげきたくなった。
最初はとても痛いから、抵抗などしないように。
それは、花嫁教育で年上のねえ様たちに言われたことだ。
アカリは、それにふーんと思った。出産にも立ち会ったが、まあ、あれぐらい痛がるのだから、作る行為もそれ相応に痛いのだろうと思っていた。
そうして、年かさの女達に混じるようになれば、もっときわどい話も聞いた。
そういったことが気持ちいいのだと聞いても、アカリはとんと興味は無かった。そういったことに興味を持つには、アカリの周りは余裕がなかった。
まあ、その時になってからなのだろうと思っていた。
ただ、改めて、婚姻が決まったとき、アカリは顔を青くした。まあ、実際は無表情であるのだが。
アカリは下を向いた。
そこには、隔てる壁など無く、スムーズに下を見下ろせた。
こんな貧相な体を、見せる?あの、マダラに?
(無理だ!!!)
忍の一族の端くれとして、ある程度の肉体の管理というのはしていた。
アカリも、極端に醜いと言うことは無いと思っていた。けれど、改めて見た自分の体というのは、何というか、貧相の一言に尽きた。
腹も、尻も薄く、足なんて棒きれのようだ。
アカリの脳裏に浮んだのは、彼の妹のうちはイドラだ。
(イドラは、胸があったな・・・)
身支度を手伝ったとき、あのぽよんとした胸を思い出す。普段から見ていたのがあれならば、自分は相当貧相に映るはずだ。
マダラに好かれたいなどと贅沢は言わないが、する気も起こらないなんて言われたらさすがにショックだ。
(いや、どうせ、初夜なんてさっさと終る。なら、胸が見えないようになんとか。)
処女なんて面倒だとよく聞いた。
うちはの人間や、イドラに探りを入れたが、マダラは色事に熱心ではないようだ。それに関して安心した。
多情と、博愛の精神なんてものがあるせいで、多数に手を出してあげく身内の後始末をしてきたアカリからすれば面倒ごとは少ないだろう。
それならば、あっさりと終るだろう。自分の体にも興味も持たずに、あっさりと。
だというのに、アカリはなぜだと、覆い被さる男の体温を感じながら逃げ出したい気持ちで一杯だった。
胸を大きく出来ると聞いて、興味と、そうしてやっぱりデカい方がいいのかと切なくなりながらマダラに委ねたとき、後悔した。
マダラに胸をいじくられると、何か、腰の辺りがぞわぞわとすると同時に、未知の感覚に思わず声が漏れ出した。
それに、アカリは思わず否定の言葉を吐いた。
それも仕方が無い。
だって、最初は痛く、よくわからないだろうと言われていたのに。
「や、あん!」
自分の口から漏れ出た、甘ったるい声は、何よりもアカリの羞恥心が湧き上がらせる。
そんなはずない、こんなことは初めてのはずだ。なのに、胸の先をいじくられる度に、ぞわぞわとした感覚が腰の辺りに走る。
否定しなくてはいけないのに、ずっと、胸をいじくられると思考がうまくまとまらない。そうして、等々、男が自分の股の間に手を伸ばしたとき、絶望した。
聞いてはいたが、改めてされると、何もかもが吹き飛んで止めて欲しいと請いたかった。
そうして、そこから聞こえた耳を覆いたくなるような音に、アカリは顔から火が出そうだった。
止めて欲しいと懇願して、さっさといれて欲しいと請うたのだ。
なのに、それにマダラは機嫌が悪そうな顔をする。
ぐちぐちと、ずっと音がする。
「ほら、どうだ?」
マダラは楽しそうにそう耳元で囁く。それにそんなことはないと、アカリは首を振るが、そうすればまさぐる指の動きが速くなる。
せっかく貰った千手の嫁に痛い目見せたなんて知れりゃあうちはの恥だ。だからな、お前がちゃんと感じて、気持ちがいいと思えたらいれてやろう。
拷問でしかない。
気持ちがいいなんて言えるはずがない。感じていて、体がどんどんと過敏になる。
特に指先で中をいじられていると、一点、ぞわぞわと背中に何かが走る場所が合った。
マダラをそこでをとんとんと指先で叩くと、腹の奥がうずくような感覚に襲われる。
腹の奥、下っ腹の辺りが切なくてたまらない。
何か、突き抜けるような、感覚がして体がわななき、足が震える。
マダラはアカリを足の間に座らせて、背後から女の様子をうかがっている。
いいや、中をいじくられるぐらい何だと言うのだと、アカリはとけていきそうな思考に渇を入れる。
「あ、ああ!やあ!」
アカリの口から嬌声が上がる。その、媚びきった声はひたすらにアカリの羞恥心を煽り続ける。
本音ならば、それさえも口を閉じてこらえたいと思うのだ。けれど、それはマダラに禁じられている。
なによりもだ、そんなことをすると。
「なんだ、黙るなんて寂しいだろう?」
そう言いながら、指でまさぐっている場所の少し上、その突起をぐりっと潰すのだ。
それをされるとたまらない。
腹の奥の切なさが、決壊するように体がわななく。
中に入れられた指をより鮮明に感じるように締め付ける。それが、自分の浅ましさのようで嫌でたまらない。
思わず漏れ出す嬌声を吐き出していた方が、まだ、腹の切なさが溜まらないためましだ。
気持ちいい、腹が切ない、なんとかして欲しい。
そうだ、このまま委ねた方が楽になれるのだろう。
けれど、今まで、散々に積み上げた、姉、いいや、母親役の建前というか、精神性が委ねることをはしたないと拒絶している。
(意地っ張りめ。)
マダラは苦々しく思いながら、アカリのことを見た。
指で探る中は、もうどろどろだ。狭く、暖かで、尚且つすでに解けきっているらしいそこに、マダラはさっさといれてしまいたいと喉が鳴る。
けれど、それ以上に、アカリにまるで自分が下手くそであると思われていることについて腹立たしい。
認めてしまえば、終らせてやろうと思っていたのに、それは頑なに認めない。
その間に聞こえてくる、強情な女の甘ったるい声に欲が煽られる。
マダラは胸をいじくっていた片方の手で、女の顔を己の方に向けさせた。
(また、物欲しそうな顔をしているな。)
アカリの目は呆けて、ぼやぼやとしている。けれど、口元だけは最後の砦と食いしばっていた。これは、相当のことが無い限り口にすることはないのだろうなと理解した。
さすがは、あの二人の姉だ。
無意味な精神的な意地の張り方は大した物だ。
「・・・・わかった。」
マダラはそう言ってアカリから手を離した。
「え?」
唐突になくなった体温にアカリは声を上げた。背後の体温がなくなったことに気づき、振り返れば、マダラは布団に潜り込もうとしていた。
「あ、の、ま、だらさま?」
「今日は寝るぞ。」
それに、アカリは思わずマダラの服の裾を掴んだ。マダラはそれに、どうしたとアカリを見た。
「な、なぜ、ですか?だって、まだ・・・・」
「だが、お前は感じていないようだしな。無理はするものじゃねえだろう。それに、下手にすれば傷つくのはお前だ。それは俺も望んでいない。」
マダラは極めて穏やかに、優しげにそう言った。
それに、アカリは絶望した。
だって、腹の底はずっとうずいている。切なくてたまらない、もう、することをして欲しい。
いれて欲しい。
腹の中が熱いのに、このまま放置をされる?
「ひ、ひどい・・・」
「何がだ?」
言わないとわからんぞ?
そんなことを言ってくるのだ。アカリはもう、泣きたくなった。
股の間は、もうどろどろで漏らしたかのように濡れている。そうして、切なくてたまらない。どうにでもしてほしい、好きにして欲しい。
なのに、マダラはお預けをするというのだ。
アカリはぐずぐずに泣きながら、マダラに縋る。
「うん、どうした?アカリ。」
いわんとわからんぞ?
マダラがアカリの顔をのぞき込んだ。その時、男は興奮のためか、その瞳を赤くしていた。
それを、間近でのぞき込まれたアカリは、その赤い、瞳に。
アカリは、何か、腹の奥の熱や切なさが、苛烈になった。
きゅーと、わななくような感覚がした。
いいや、何というのだろうか。
その瞳に、女が、魅入られたように美しいと思った赤い瞳に見つめられたその時、アカリは何か、そうだ、屈服したと言っていい。
弟たちのために、かぶり、装った母親としての一面がその瞬間外れた。
「ま、マダラ様、いれて・・・」
アカリは、小さく、囁くように言った。
「腹の、奥が、切なくて。ずっと、うずいて、熱くて、溜まらなくて。ずっと、気持ちよくて、我慢が出来ないのです!」
懇願するようにそう言えば、マダラはにんまりと、楽しそうに微笑んだ。欲に濡れた目をして、男はアカリを押し倒した。
「ようし、いい子だ。言えたな。」
何か、熱い棒のようなものがいれられた瞬間、確かに痛みがあった。けれど、それ以上に、腹の奥の切なさが少しだけ薄まる感じがしてたまらない。
引きつるような感覚と、肉が無理矢理に開かれる感覚は痛いが、最初から痛みを予想していたアカリからすれば安堵さえあった。
けれど、そんな痛みよりも、その熱が一番奥に到達したときの瞬間、全てが飛んでいく。
「ああ、やっぱしキツいなあ。」
マダラの声が聞こえるが、それ以上に、奥をぐりと突かれる感覚に全てが持って行かれる。
ぞわぞわと、背筋にわななきが広がる。
「あ、ああ、やあ!あ、だめ、それ、だめ!」
「何がダメだ?痛いのか?なあ、ちゃんと言わないと。」
アカリは、もうとっくに呆けた思考の中で、それにちゃんと言わないといけないと、口を開く。
またお預けされたくない、我慢は辛い。
「あ、気持ち、気持ちよくて!あつくて、おくが、きもちよくて!」
普段ならば絶対に言わないだろう言葉ではあるが、その時は素直に嬌声混じりの、それこそ媚びに媚びた声を出す。
ぐちぐちと、音がする。覆い被さったマダラの体温が心地がいい。
何よりも、奥を突かれる度に、腰に重い快感がせり上がってくる。
気持ちいい、気持ちよくてたまらない。
千手の男衆がいくら言っても女遊びを止められないのかについて少しだけ理解できる気がした。
腹に溜まったうずきや切なさが解消されて、脳髄に響くような快感にアカリはさらにマダラのそれを締め付ける。
「はは!大分素直になった!」
マダラの楽しそうな声が聞こえる。それと同時に、はあと色っぽくて熱い息を吐いた。
マダラはそのまま、中をこすり上げる。
中を行き来する感覚が、溜まらなくてアカリはマダラの腰に足を絡みつける。
腹の奥がきゅーきゅーする、粘膜同士がこすり合う感覚に、何か、上り詰めるような感覚がした。
「・・・・おい、口開けろ。」
何がしたいのかわからないが、アカリはそれに素直に口を開けた。
それにマダラは己の口を重ね、そうして、ずるりと舌を滑り込ませた。
アカリはそれに一瞬だけ正気に戻り、体を震わせたが、すぐにそんなことを考えられなくなる。
薄い舌が、口の中をまさぐる。
舌同士が絡まり、そうして、口の中をなめられる。そのくせ、腰が止まらず、奥を叩かれるともうだめだった。
マダラのそれを締め付ける力が強くなる。
酸欠気味の思考の中で、一際、奥をマダラが抉った。
それに、ばちりと火花が頭に走った気がした。目の前がチカチカとして、体が強ばる。
腹の奥がきゅーきゅーと唸るように、マダラのそれを締め付ける。
びりびりと、しびれるような快感が腹の奥に走った。
嬌声がふさがれていた口から零れなかったのが幸いだ。
何か、上り詰めて、がくがくと体が震える瞬間に、奥に暖かな感覚広がった。
「よし、上手にいけたな。」
口を離したマダラのどろどろとした甘い声が聞こえた。
体は疲労困憊で、体力に自信があったはずだというのに、もうまぶたを落ちそうだった。
体が小刻みに震えて、腹の奥が伸縮していることがわかる。
思考が快感に支配されているが、それ以上に疲労感が勝った。
「ん、まあ、今度するときはもっと素直にさせねえとなあ。」
アカリは己の夫が何が言っているのを聞こうと耳をそばだてたが、その前に女の意識は眠りの中に落ちていった。