「もうちょっと考えさせて下さい……。」
「いきなり反社とつながりのある看護師長を騙して、警察のスパイになれと言われても⋯。」
「お願い!ヤマダくんしかいないの」アイザワさんは言う。
「そんなの警察の仕事でしょ⋯」
「それができないから君を頼ってるんだよ」
「……もう少し考えさせてください」そう言って僕は病室に戻った。そしてベッドの上で考える。
(僕がおとり捜査に協力すればいいのか?)
でも、おとりになるにはそれなりのリスクがある。もしも捕まったら、きっと酷い目に遭わされるに違いない。
なんだってあの看護師長とお局ナース達だ。
良くて拷問、悪くて輪姦、もしかしたら殺されるかもしれない。
僕は死にたくない。
「……そうだよ。無理だよ。例えスパイになっても、すぐにバレて殺されちゃうよ。だから断らなきゃ」
そう思って翌日アイザワさんの頼みを断ることにした。
「くっ⋯⋯仕方ないわね。そもそも一般市民のヤマダくんを巻き込むなんて間違ってたわ。」
「す、すみません」
「でもヤマダ君。看護師長の仲間になればあなたも犯罪者として追われることになるのよ」
「分かっています。だから一応頑張って断ろうと思います。」
「いやあやっぱり女性に搾精されるなんて恥ずかしいですよ。」
「……散々、うちのナースに搾精させといて、今更何言っているの?」
「あれは治療の一環ですし、そもそも嫌でしたよ……。もう、女性にあんな恥ずかしいことをして貰うなんて、お金を貰ってもやりたくありません」
「……なるほど裏目に出たわけね。なら、精液だけ提供するのはどうかしら?それなら良いでしょう?」
「ま、まあ⋯⋯。でも、搾精じゃなくて自分でします。お金もいりません。それと治療の一環ということでお願いします」
「なるほど責任は負いたくないということね。分かったわ。ただし、治験程度の適正報酬は払うわせもらうわ。こっちのほうがむしろあなたも安全性でしょう」
「はい。ありがとうございます。」
こうして僕は看護師長の誘いをのらくくらり躱し、なんとか断ることに成功した。
だが、数日後、自体は一変する。アイザワさんは一人で捜査をして突っ走り、看護師長とお局ナースに捕まる。
そして、恐ろしい輪姦が行われた。
だが、タチバナさん、ヤマグチさん、クロカワさんに現場が見つかって、警察に通報された。
女性刑事の輪姦事件として、ニュースで報道され、ヌマジリさんとキリタニさんが逮捕された。
「何よ!もう嫌になるわねえ!看護師長の尻尾切りじゃない」
「どうせ告発しても証拠もないんでしょうねえ、ちくしょう」
その通りだったアイザワさんが捜査していた薬物製造の証拠は見つからなかった。
ヌマジリさんは取り調べで自白したが、それは看護師長の罪は問えなかった。
また、ヌマジリさんやキリタニさんも強姦を指示しただけなので、数年の懲役のみだった。また、テンドウさんは薬物の乱用で入院した。
僕とは何の関わりもなくこの一件は終わった。
「まあ、あの二人がいなくなったのは良かったんじゃなーい」相変わらず僕の部屋でサボっているクロカワさんが言う。
「そうですね」
「それよりさぁ、ヤマダ君。今日はシないのぉ」
「えっ」
「ほら、最近全然相手してくれなかったじゃん」
「ああ……すみません。色々忙しくて」
「ふぅん……そっか……寂しかったよ」
「すみません」
「ヤマダ君は私のこと嫌いになったの?」
「そんなことは……」
「じゃあ好き?」
「はい……」
「じゃあしようよ。生でいいからさ」
「で、でも……」
「大丈夫だってぇ。私ピル飲んでるから妊娠しないよ」
「それに今日は気分がいいの。あのタチバナが彼氏と別れたんだってぇ」
「え?」
確かエリートの彼氏がいるとか噂に聞いていたけど……。
「でも、そういう問題じゃ……」
「ほらぁ、ヤマダ君。お願い……」
「ううっ……分かりました」
結局僕は押し切られてしまった。
「やったー。ヤマダ君、さあ脱いで!」
「はい」
「ヤマダ君のちんちん可愛いね」
「は、はぁ…」
「舐めてあげる」
「ちょっと待ってください。シャワー浴びたいです」
「いいからいいから」
「あっちょっと」
僕はベッドに押し倒された。そしてクロカワさんの口の中に僕のペニスが入った。
「うわあっ!!!」
クロカワさんの舌が僕のペニスを満遍なく刺激し、唾液が絡みつく。
やがて僕のペニスは大きくなっていった。
するとクロカワさんは口から離した。
そして今度は胸を使ってパイズリを始めた。
柔らかく温かい感触に包まれる。
しばらくすると、クロカワさんの手は優しく玉袋を揉み始めた。
快感が高まっていく。
そして限界に達した時、僕の精液は放出された。
クロカワさんの顔にかかった。
「あっ!?ちょっとヤマダ君出しすぎぃ」
「すみません」
「もう仕方ないなぁ」
クロカワさんは顔についた精子を拭いた。
「ヤマダ君。次はバックでやろうよ」
クロカワさんは下着を脱いで四つん這いになる。そして、後ろを向く。
「ほらぁ早く入れてよ」
クロカワさんの妖艶なお尻に誘惑される。我慢できず、そのまま入れた。
腰を打ち付けると、お尻にぶつかった。
柔らかい肉に挟み込まれ、ぎゅっと締め付けられる。
「あん♡いきなり激しいね。」
激しくピストンを繰り返す度にパンッパンッという音が鳴り響く。
「もうダメだ……イク……出る……」
「まだだよ♡もっと頑張れぇ」
「うっ……でももう……」
「しょうがないなぁじゃあイカせてあげる」そう言うとクロカワさんは膣内のヒダが僕のペニスを刺激するように動かした。
「ああっ!!それヤバい!!」
さらに強めた締めつけによって僕は果てた。大量の精液がクロカワさんの中へと流れ込んでいく。
「あ!ああああ!!!」絞られるようだ。
「ヤマダ君いっぱい出たね……ふふっヤマダ君って本当節操なしだよね」
「ははは……」
「ヤマダ君、今日はありがとう。またしてあげるねぇ」
「はい……」
こうして、今日も僕は搾り取られた。そして、誰もいない病室で考えた。
「色々あったけど、やっぱりさみしいな…」
来週には僕はこの病院から退院する。色々あった。無理矢理犯されたり、罵倒されたこともあった。でも……全部含めて楽しかった。
良い意味でも悪い意味も含めて、この病院での生活はエキサイティングだった。それに性格は最悪だけど、看護師さんたちはみんな魅力的だった。そんなナース達に犯されたことは嫌ではなかった。
瞼を閉じるとナース達の裸体を思い出す。あの豊満な体から、滑らかな肌、そして綺麗な顔立ち。全てが中毒性があった。
「……離れたくない」僕はそう思って看護学校の願書を取り寄せた。
看護師長から今回の事件で話があった。
「アイザワとかいう刑事とヤマダさんは接触していたそうですけど、何故私に言ってくれなかったんですか?」
「すみません。でも潜入捜査の刑事なんて信じられなくて」
「……まあ、そうですね。まあ、そろそろ潮時と思ってたし、十分稼いだし、あの二人も邪魔だったので、まあよしとします。」
「⋯⋯」
「それより退院おめでとうございます。また怪我をしたら、どうぞこの病院に⋯。」
「⋯」
退院後僕は看護学校に入学した。勉強は難しくて、ハードな実習だがやりがいはあった。何よりあのナース達に再会できるという目標のおかけでモチベーションは高かった。
在学中にクロカワさんやヤマグチさんが僕の家に遊びに来た。
遊びに来たというより病院に近い僕の家で、飲んで、タバコを吸って、騒いで、性欲が溜まったら僕を犯した。
ある日余りにどんちゃん騒ぎだったので「搾精したいので帰って下さい」とお願いしたら、「じゃあ、抜いてやる」「ヤマダァ君ほらぁ脱いでぇ」と二人に言われ、僕は裸にされてベッドに押し倒された。そして二人の口の中に僕のペニスが入った。二人は舌で僕のペニスを刺激し続けた。僕はすぐに果ててしまった。
さらに交互で僕をペニスを膣内に入れてセックスをした。
僕は何度も果てたが、二人は疲れることなく僕のペニスを勃起させた。
「ヤマダァ⋯お前看護師なりてぇのか?」ヤマグチさんが事の後、裸で僕を抱きしめて聞いてきた。
「は、はい⋯」
「看護師なんて止めとけ!激務で安月給だし、オマエみたいなヤツに勤まるわけねぇだろ!」
「⋯⋯でもやりたいんです!」
「たくっ。ヤマダはドMだからなぁ。変態野郎にはお似合いの仕事かもなぁ。しょうがねえ卒業したらウチに来いよ。面倒見てやっからよぉ」
僕はヤマグチさんの胸にうずくまり、誘ってくれて嬉しく思った。
それから1年が経過して、僕は無事に国家試験に受かり、新人看護師になった。
「あなたが看護師なるなんてねえ⋯」看護師長は驚いていた。
「それにわざわざウチにくるとは思わなかったわ」
「僕の病気のこと配慮してくれるのは、ここしかないと思ったので」
「なるほどね。分かりました。ヤマダさんあなたの持病の件タチバナに伝えておきます。考慮はしてくれると思いますよ」
「ありがとうございます」
僕はナースステーションで自己紹介した。僕の知り合いもいれば、初めて見る人もいる。前の事件で辞めたり、移動したりしているらしい。僕の搾精をしたヒラヌマさんとモチヅキさんも退職してしまった。
「みなさん初めまして。ヤマダといいます。よろしくお願いします」
「ヤマダさん⋯⋯今日からお願いしますね」タチバナさんは相変わらずそっけない対応を取る。
まあ、あんなことしたんだから嫌われて当然なんだろうけど……。
「ヤマダ君よろしくねえ」
「ヤマダァ⋯よく来たじゃねえか」クロカワさんとヤマグチさんは、なんだかんだで喜んでくれた。
それから僕は看護師として忙しい毎日だったが、充実していた。
相変わらずのブラック勤務だけど、みんなが支えてくれる。
「タチバナさん⋯その⋯⋯」
「はぁ⋯⋯いつもの持病ですか?わかりました。今すぐ個室行きましょう」
「え⋯⋯?でも…」
「私がした方が早いですし、ヤマダさんも早く出せて良いでしょう?」
彼女は無表情のまま僕を見つめる。
そしてそのまま二人で誰もいない病室に向かった。
扉を開けるとそこは薄暗い部屋だった。
そして、僕はベッドの上に押し倒される。
タチバナさんは僕の服を脱がせる。そして、僕のペニスを口に含んでフェラチオを始めた。
彼女の生暖かい舌が僕の敏感な部分を刺激して、すぐに大きくなってしまう。
さらに手を使いながら、玉袋も優しく揉みほぐす。
「あっ……気持ちいい……ん……ダメ……出ちゃう……もう……出る……!!」
僕は大量の精液を出してしまう。
「今日は随分と多いですね」
「すみません……」
「いいですよ。私、今はフリーですから。前ほどそこまで不快感はありません」
「……」
「じゃあ戻りましょ」
「はい……」
こうして、今日も僕は搾り取られた。
また、別の日。
「すみません。ちょっと失礼します」
「ああん?またかよ」ヤマグチさんが僕の腕を掴む。
「また、持病か?」
「はい。すみません」
「たくっしょうがねえなぁ!おい、ヤマダこっちこい!」
ヤマグチさんは僕の手を引っ張り、個室に入った。
「あの……ヤマグチさん?」
「黙って入れ!」
「はい」
ヤマグチさんは僕をベッドに押し倒す。
そして、ズボンを下ろして僕のペニスを舐め始めた。
「うぅ……」
「早くしろよぉ」
「はい」
すると、ペニスが徐々に大きくなり始める。
ヤマグチさんは口を離すと、今度は手で擦り始めた。
さらに、乳首を刺激する。
僕のペニスは完全に大きくなった。
ヤマグチさんは全裸になると、僕の上に跨った。
そして、ゆっくりと腰を落としていく。
ペニスの先端部分が膣内に飲み込まれていった。
ヤマグチさんの膣内は熱くヌルヌルしていて、僕のペニスを締め付ける。
さらに、僕の両手を掴んで自分の胸を触らせる。
柔らかい乳房が僕の手に収まる。ヤマグチさんが動くと、大きな胸が揺れた。
「どうだぁ?気持ちいいか?」
「はい!最高です!」
「そうかぁ!良かったぜぇ!」ヤマグチさんはさらに激しく動き続ける。
「イキそうだぁ!中に出せ!」
「は、はい!出します!」
ヤマグチさんの動きが激しくなり、僕は果ててしまった。
「ヤマグチさん大丈夫ですか?中出ししちゃいましたけど……」
「ああ、別に気にするなって。それよりまだできるよなぁ?」
「はい……もちろん……」
「じゃあ、もう一回するか」
それから、僕は何度も何度もヤマグチさんにの膣内へ出した。
ヤマグチさんは僕の体を貪り、性欲を発散させた。
そして、僕から絞りとると
「ふぅー。スッキリしたぜ」ヤマグチさんは満足げに言った。
また別の日。
「クロカワさん、ごめん。ちょっと席外すね」
「んんん?ヤマダ君、本当に君って子はクズなんだからぁ」
「ええ!?」
クロカワさんは呆れたようにため息をつく。
「ほら、行くよ」
「ええ?」
僕はクロカワさんに手を引かれ、人気のない場所に連れてかれた。
「ヤマダ君はさあ、私のこと好きぃ?」
「……え?どういことですか?」
「だから、私が好きかどうか聞いてるの」
僕は答えられなかった。クロカワさんは僕のことを犯したこともあるし、酷い嫌がらせもされた。
でも、搾精や生ハメエッチはしてくれた。嫌いとは言い切れない。
「分からないです……」
「そっか。じゃあ、身体で教えてあげる」
「え?」
クロカワさんは服を脱ぎ、裸になった。相変わらず大きいおっぱいとムチムチの太ももがエロかった。
「ヤマダ君、キスして」
「え?でも……」
「早く」
「はい」僕は恐る恐る唇を重ねた。柔らかく甘い匂いがして頭がクラクラしそうになる。
「もっと舌を入れて」
言われるまま舌を入れると、絡めてきた。唾液を流し込まれる。
「んんんんんん!!!!」
僕の口の中で二人の舌が絡み合う。
そして、クロカワさんは僕のズボンを脱がせて、パンツ越しからペニスを握った。
「ほら、もうこんなに大きくしてる。ほんっと、最低の男だよねぇ。この変態!!」
「うう……すみません」
「謝っても許さないよ。今日は徹底的にいじめてやるんだから」
「ひぃいいいいい」
僕はベッドの上で仰向けになる。クロカワさんも服を全て脱いで、全裸になっていた。
そして、僕の上に跨り騎乗位の体勢を取った。
僕のペニスが彼女の膣内に飲み込まれていく。彼女の中はとても暖かくヌルヌルしていた。
さらに彼女は腰を動かし始める。
「うっ……」
「気持ちいい?」
「はい」
彼女は激しく上下運動を繰り返す。その度に胸が揺れていた。
さらに、僕の両手を掴むと自分の胸に押し付けた。柔らかい感触が伝わってくる。
「ほらぁ、ちゃんと感じてよぉ!」
「はい!」
「ねえ、乳首触ってみて」言われた通り乳首を摘まみ上げる。
すると、膣内の締まりが強くなった気がした。
僕は必死に耐え続けた。すると、限界が訪れる。
「あっ……ダメ……出ちゃう……イク……出る……!!」
僕は大量の精子を出してしまう。
「んんん……ヤマダ君の熱い……たくさん出てる……」
クロカワさんは僕の上で腰で精液を感じてるようだった。
「ふぅー」
ようやく治まったようだ。
「ヤマダ君、本当に君って遠慮無く中出しするよねぇ。そんなんじゃ、すぐに子供がデキちゃうんじゃない?」
「……多分デキる可能性はあると思います」
「そうなったら、責任取ってくれるのかなぁ?」
「……もちろん」
「本当?嬉しいなぁ」
クロカワさんは悪魔のように笑った。
そんな生活が続いて、クロカワさんとヤマグチさんが妊娠した。
「おい、ヤマダァ…お前濃すぎんだよぉ!一度に何回ヤったと思ってんだぁ!」
「ヤマグチさん、落ち着いて下さい」
「これが落ち着けるかぁ!」
「ヤマグチ、あんまり怒るとお腹の子供に影響するよぉ」
「ぐぬぬ……」
「ヤマグチさん、クロカワさんの言う通りですよ」
「うるせぇなぁ!!」
「二人にはいい産婦人科を紹介しますから、一緒に行きましょう」
「チッ、しょうがねえなぁ」
産婦人科で見てもらうとやはり妊娠していた。
「あーやっぱ妊娠してるわー」
「あたしもだったよー。やっぱヤマダくんの精力凄いわぁ」
「間違いないぜ……たくっ」
「すごいよねぇ、ヤマダ君!私達、ママとパパになれるんだって!」
「は、はい。良かったですね」
「は?なんでクロカワだけなんだよ。あたしのガキも責任取れよ」
「……ヤマダくんはヤマグチみたいなガサツ女より私の方がいいよね?」
「あ?誰がガサツだって?」
「二人共喧嘩は止めて下さい。責任は取りますよ。サポートもお金も用意します」
「それに看護師長に育休も取れるように頼んでみるから」
「え?育休?あの看護師長が許可してくれるのかよ」
「僕から頼んでみます。まぁ、見ててください」
数日後、僕は看護師長の元に行き、話を切り出した。
「というわけで、二人の育休をお願いしたいんですけど」
「ふざけないでくれる?うちでそんな事ができる訳無いでしょ?」予想通りの反応だ。
「でも、今の時代なら問題では?」
「それはあくまで他の病院でしょ。ウチでは無理よ。人手不足なんだから」
「それなら問題ありません。僕の知り合いに既に声をかけているので」
「……人手があっても育休の負担に耐えるほどうちには資金がないの」
「大丈夫です。お金は捻出できるでしょ。アマミヤ先生がドラッグ製造を再開すれば余裕です。お手伝いしますよ。そろそろ警察のマークを外れるでしょう」
「…………」
「どうですか?いい条件でしょう?」
「分かった。認めるわ。ただし条件があるわ。ヤマダさん、バレないようにお願いしますよ」
「もちろん分かっていますよ」
こうして僕がアマミヤ先生のドラッグ製造に協力する代わりに、二人は育休を取ることができた。
「ええ!?本当かよ!!マジで育休取っちまったよぉ!!」
「これで安心して子供産めるねぇ」二人は異様に喜んだ。ブラック企業のこの病院では奇跡に近い。
「やるじゃねぇかヤマダァ」
「はい。これからは僕も全力でサポートするので、元気な赤ちゃん産んでください」
「おう!!」
「頑張ろうねぇ」
「クロカワさんとヤマグチさんが同時に育休ですって」
「結婚してたっけ?」
「違うみたい」
「じゃあシングルマザー?」他の看護師達の噂話が聞こえてきた。
「ヤマダさん……ちょっと」タチバナさんが声を潜めて話しかけてきた。
「はい。どうかしました?」
「……ヤマグチちゃんとクロカワの妊娠って聞いてました?」
「ええ…まあ…二人から聞きました」
「じゃあ、相手とか知ってます。私が聞いてもはぐらかすんですよ」
「いえ、知らないです」
「そう……ヤマダさん、何か知りません?」
「さあ……」僕は嘘をつくことにした。
「彼氏とかも聞いてないし、行きずりの男と子作りするほど飢えてもないはずなんだけど……。」
「まさか、ヤマダさん……持病の処置を二人に手伝わせて……それで妊娠したんじゃ」
「……」僕は図星を突かれて黙った。
「持病のことは、いくらタチバナさんでも言えませんよ。失礼します」そう言ってその場を離れた。
「最低ッ…」後ろからタチバナさんの呟きが聞こえた。
その後タチバナさんは病院を辞めた。なんとアメリカに行った彼氏と復縁し、一緒に暮らすらしい。
1年後。
二人は元気な赤ちゃんを産み、三人で喧嘩もしながら育児をしている。
「おい、クロカワァ!何やってんだよ!早くミルク用意しろよ」
「うるさいなぁ。文句言うならヤマグチが作ればいいじゃん」
「いいですよ。僕がやります。二人共喧嘩しないで下さい」
「はーい!」
「うぜぇ……」
育児は大変ながら子供の笑顔を見ると疲れなんて吹っ飛ぶ。二人も黙っていれば可愛いママだし、愛情も深く、なんだかんだで子供のことを考えている。こんな日々が続くの悪くない。
でも、もしかしてタチバナさんと仲直りもできたかもしれない。