※この作品はR-18です。

ぐだ子がプーリンに抱かれる話   作:秘石と魔石と輝石に飢える者


原作:Fate/
タグ:R-18 ガールズラブ FGO プーリン ぐだ子 レディ・アヴァロン ふたなり
なおプーリンは魔術で生やしているものとする

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 前提として二部とかは終わってます
 全部の問題を解決させた上でぐだ子が新所長とかはじめちゃんとかが尽力してくれたおかげで日常に帰れた、そのあとのお話です

 あと、プーリンに軽度のキャラ崩壊
 プーリンって真っ当に絆15まで上げたとしてもこうはならんやろって思ったので


ぐだ子がプーリンに抱かれる話

 ――疲れたな。

 ふとした瞬間にそう思って、カルデアを離れてからの時間の長さを感じる。

 

 かつてなら、高々数時間のコンビニバイトで疲れるなんてことはなかったはずだ。

 カルデアの師匠たちが今の自分を見たら落胆するだろうなと思い、でもこれで良かったんだろうと考え直す。

 

 大学に行って、バイトをして、家に帰る。

 訓練をする必要だとか、命を賭けて戦う必要はどこにもない。平和で緩やかで、退屈だけども穏やかな日々。

 

 普通の、一般人としての生き方だ。

 

 制服を脱いで私服に着替えて、帰り支度を整える。

 

「店長、私上がりますね」

「あーはいはい。お疲れ様、藤丸さん。雨降ってきてるから、足下に気をつけてね」

「はーい」

 

 店長に返事をして、従業員用の勝手口から外に出て――花の香りがした。

 

「――――」

 

 やさしくて、懐かしくて、少しあまい。

 どこかで体験したことのある、花の香り。

 

「やあ、お疲れ様」

「…………」

 

 深呼吸。

 

「おや、そこまで香りを気に入ってくれたのかい? 嬉しいな。花の魔術師として誇らしいよ」

「…………」

 

 横を見ると、そこには美女がいた。

 

 同性でも思わず見惚れるくらいの美貌。

 その美貌と反比例するロクデナシな性根。

 平行世界の――花の魔術師。

 

 まごうことなきレディ・アヴァロンがそこにいた。

 

「えっと……お久しぶり」

「久しぶりだね、リツカ。……ああ、それともリツカお姉ちゃんの方が良かったかな?」

「リツカで。ひょっとして、ここでずっと待ってたの?」

「いや? 君が帰り支度を始めたから転移してきただけさ。はい、傘」

「……どうも」

 

 手渡された白い傘を開く。

 すると、レディ・アヴァロンはごくごく自然な動きで傘の片側を占領した。

 相合傘の形だ。

 

「それじゃあ、帰ろうか」

「まあ、いいけど」

 

 違和感があった。

 

 なんというか、その人で間違いないのに、なにか掛け違いがあるような。

 喉の奥に小骨が挟まっているような、どうしようもない違和感。

 その正体について考えて、思いつかなかったので正直に聞いてみることにした。

 

「ねえ、レディ・アヴァロン」

「なんだいリツカ?」

「なんでここに来たの? ……というか、次の冒険に行かせないの?」

 

 レディ・アヴァロンは、平行世界のマーリンだ。

 どちらも夢魔と人間のハーフで、人間との価値観とはズレがある。

 

 しかし、その根幹。人類に対するスタンスには致命的な差違が存在する。

 マーリンは物語が終われば、そこで終わりだと認めてくれる。

 

 だが、レディ・アヴァロンは違う。

 

 終わった物語に、続きを求める。

 

 お気に入りのキャストで、続編を作ってほしいと。作らなければ自分の手で続かせようと。次から次へと問題の中に放り込む。

 これを知った当初は「ジャンプ漫画の引き延ばしかな?」と茶化しつつ、もし日常に帰ったあとでそうなったらと思って背筋に悪寒が走ったのを覚えている。

 

 そんな存在が、目の前にいる。

 

 なのに、なにも問題を持ってくる様子も、問答無用で問題の渦中に放り込む様子も見せない。

 それが不思議で、そして不気味だった。

 

「…………」

 

 それでも訪ねずにはいられない、と。

 意を決した問いかけ。

 

 その答えは――

 

「……え?」

 

 キョトン、とした顔だった。

 

 いつも浮かべている笑みも忘れて、本当にあっけにとられたような顔をしている。

 付き合いが長いからわかった。

 演技ではない。本当に驚いている。

 

「え? 本当に、会いに来ただけ?」

「えっ、あー……うーん。そうだなあ、リツカは次の冒険に行きたいのかい?」

「ヤダ。絶対に、ヤダ」

「ははっ、絶対に嫌かあ。それなら私からも無理強いはしないさ」

「…………。本当にアヴァロン?」

「本当に、本当だよ。リツカ」

「実は暇なマーリンが幻術でごまかしてたりしない?」

「あれはそんな悪戯のために外には出ないだろうね」

「いや、それは知ってるけど……」

 

 でも、頭の中にあるレディ・アヴァロンの性格と違う。

 

「まあまあ、些細なことは良いじゃないか。昔の友達が来たと思って、おもてなししてほしいな」

「……本当に、なんのために来たの?」

「なんのために来たと思う?」

 

 煙に巻くような返答。

 これは答えてくれないなと思って、それきり無言になる。

 人払いの魔術をかけているのか、幻術で見えないようにしているのか。住んでいるマンションにつくまで誰かに声をかけられることはなかった。

 

 

  ◆  ◆  ◆  ◆

 

 

 上京してきた大学生にしては少し高めの、警備がしっかりしたマンションの一室。

 そこに帰ってから飲み物を用意すると、彼女はソファでくつろいで待っていた。

 

「はい紅茶」

「ありがとう。ほら、ここ」

「…………」

 

 ぽんぽん、と軽く手で叩いた場所――つまり、彼女のとなり。から少し離れた位置に座る。

 

「つれないなあ。よいしょっと」

「ちょっ、近い近い」

「これくらいは良いだろう? 主従関係もない以上、君とは友人同士だしね」

 

 いや、友人同士でも普通こんな至近距離に寄ったりするものか? という疑問が思い浮かぶが、どう考えても譲ってくれなさそうなので諦めた。

 

「で、カルデアの様子はどう?」

「……カルデアの様子?」

 

 またもや、首を横にかたむける。

 

「ええ……そういうのを伝えに来たわけでもないの?」

「うん。ここのところ、カルデアも観察してないなあ。マシュ・キリエライトが君がいなくなってさみしがってたのが、立ち直った辺りからもう見てないね」

「ああ、マシュ。立ち直れたんだ。それならよかった」

「周りの職員たちとも上手くやっているみたいだったね。そこから特に問題があったわけでもなさそうだし、見るのをやめたかな」

「……じゃあ、なんで私のところに? さっきも聞いたけど、試練を課しにきたーってわけでもないんだよね?」

「…………」

 

 にこにこと、綺麗な笑み。

 …………。

 

「えっと、アヴァロン?」

「なんだい? リツカ」

「なんで、私の腰に手を?」

「それは君がとてつもなく魅力的だからさ」

「……おとぎ話の狼みたいだね」

「食べるのは別の意味でだけどね」

「…………」

 

 もはや、隠す気はないようだ。

 

 彼女は私の手を取り、腰に回した方の手も使って引き寄せた。

 元々なかった隙間がさらに消えて、もはや密着といえるほどの距離になる。

 先ほどよりも濃い。けれどもむせかえるまではいかない花の香り。レディ・アヴァロンの香り。

 

 目と鼻の先にある、美しい顔。

 密着しているからこそ実感できた、どこまでもやわらかな肢体。

 

「……っ」

 

 中身がどれほど人でなしかは知っている。

 結局は、ただの戯れにすぎないであろうことも。

 しかし、それでも、あらがえないほどの魅力だった。

 

 これが、カルデアにいたころならばまた別だったかもしれない。

 カルデアのために、人理や人類のために、サーヴァントを呼んで拒絶して、追い返したかもしれない。

 

 だけど、今は違う。

 

 背負うものが何もなくて、長く一緒にいたこともあり情も湧いていて。そして、応えてしまっても何も問題がない。

 彼女が、耳元で甘く囁く。

 

「ねえ、リツカ――食べてしまってもいいかい?」

 

 私は沈黙した。

 それが答えだった。

 

 

  ◆  ◆  ◆  ◆

 

 

「んっ……ふっ」

 

 口づけは甘く、丁寧だった。

 舌をからめて、吸って。唾液を交換する。

 彼女のそれは、周囲に咲かす花の香りと同じくらい甘かった。

 

 唾液というよりかは、変わった風味の飲み物のようなそれを飲んで、体のこわばりがとれていく。

 緊張が解けたのを察したのか、ずっと私を優しく抱きしめるだけだった手が動いた。

 

「……んっ」

 

 するりと服の内側に潜入した手が、優しく胸を――かすめて、素肌の背中を撫でる。

 

「…………」

「なんだい?」

「……なんでもない」

 

 ゆっくりと、柔らかく、優しく抱きしめられて、ソファに押し倒される。

 彼女はそのまま距離をさらに縮めて、首筋へと顔を埋めて――吸われる。

 

「んぅ……っ」

 

 痕になってるだろうなあ、と思いながら悪い気分でもなかったので、視界の隅で揺れるふわふわの白い髪を撫でた。

 背中の方に回されていた手が動き、下着の上から胸に触れる。

 

「んー、スポブラ、だったかな?」

「動きやすいし……んぅ、こういうこと、なるなんてっ、思ってなかったし……」

「ふうん。じゃあ、次は別の下着をつけてもらおうかな」

「っ……わかった」

 

 次がある。

 それに、なぜか興奮と安堵を感じる。

 

「サイズも上がってるね。前も結構あったけど、今は前より大きい。ほら、持ち上げられるくらいだよ」

「まあ、訓練とかもしなくてよくなったし……っ、でも、食べる量、あんまり減らせなくて……それで、胸から」

「へえ。大変だね。ボクとしては嬉しい限りだけど」

 

 慣れた手つきで、上の服を脱がされる。

 グレーのスポブラがあらわになって、思わず顔を背ける。

 

「ふふっ、気持ちよくなってくれてるみたいで嬉しいな」

「だって! ……その、胸の、触らないから……」

「胸にはちゃんと触ってるよ」

「そうじゃなくて……! その、ちくび、触らないから」

「だから、興奮して勃起しちゃったんだ」

「~~~~~っ」

 

 羞恥心と、快楽。

 彼女はその細い指先を使って、くるくると乳首の周囲をなぞっている。

 ブラの生地がこすれて、それが快感になって帰ってくる。

 

「んっ、ふぅ……! それっ、ダメ」

「じゃあ、どうしてほしいんだい? 言ってくれなきゃわからないな」

「……っ、いじわる」

「ごめんごめん。それじゃあ、ブラジャーも脱がすよ」

「ん……ひぅっ」

 

 脱がされる時、スポブラの縁が乳首を弾いて、変な声が出た。

 ばちり、と頭の片隅で何かが弾けそうになって……止まる。

 代わりに、下腹に溜まっていた熱がさらに強くなる。

 

 その感覚に、しばらく呆けていた。

 

「…………」

 

 はっと我に返ると、レディ・アヴァロンが至近距離から自分をのぞき込んでいた。

 

「イキそうだった?」

「…………。その、少しだけ」

「おっぱいをもまれただけで、イっちゃいそうになったんだ」

「……っ」

 

 悪戯っぽく微笑まれて、今度は全身が熱くなっていくのを感じる。

 羞恥心と、好きなようにされていることに対する快感が一緒くたになって、正直この感覚だけで絶頂してしまいそうだった。

 それがわかっていたのか、花の香りを漂わせながら、彼女は言った。

 

「じゃあ、乳首だけでイっちゃおうか」

「えっ」

「触るよ」

 

 軽い感じで硬くなったそれを撫でられる。

 頭に電流が走った。

 

「んっ、くぅっ! だめっ、これっ」

「感度がいいね。冗談のつもりだったんだけど、本当に乳首だけでイケそうだ」

 

 そう言いながら、彼女は片方の乳首を指先で、そしてもう片方をその長い舌で愛撫し始めた。

 別々の感覚。別々の快感。

 頭がかき混ぜられる。

 

「だめっ、だめだめだめだめっ、んぅううううッ! ふっ、ぅうううっ! ちくびっ、だめっ、イっちゃうから! やぁああああああああっ!」

 

 腰を浮かべて、快楽を逃がそうとする。

 押さえ込まれる。

 

 顔を横に振って、拒絶の意味を伝える。

 押さえ込まれる。

 

 ビクビクと痙攣して、快楽を発散しようとする。

 押さえ込まれる。

 

 どこにも逃げ場がなくて。

 壊れそうで、ゆだりそうな頭に快楽を注がれ続ける。

 いつの間にか流れ出た涙とよだれで、顔はもうぐしゃぐしゃだった。

 

「…………」

 

 そんな私を見て彼女は微笑むと。

 軽く、乳首をかんだ。

 

「…………ぁ」

 

 快楽が、ハジける。

 

「ぁ、ぁああああああっ! イクッ、んぅうう、やっ、やぁっ、ああああああ!」

「まだだよ」

「あっあああああ! やめっ、イッた! イッたからっ! ちくびっ、撫でなっ、ああああっ! いくっ、イクッ、いっ、ぐぅぅ……!」

 

 ビクビクと跳ねる体は強引に押さえ込まれて、無理矢理快楽を叩き込まれ続けて。絶頂し続ける。

 

「…………ふふっ」

 

 顔をよだれと涙でぐしゃぐしゃに濡らしながら絶頂する私を、レディ・アヴァロンはいつもと変わらない笑顔で見つめていた。

 

 

  ◆  ◆  ◆  ◆

 

 

「はっ……はっ……はっ」

「んー、まだ降りてこないな。じゃあ今のうちに下も脱がしちゃおうか」

「っ……んっ、い、ぐぅ……!」

「わお。気温差? いや、空気が体を撫でただけでイッちゃったのか。本当に敏感だね。ボク以外に食べられなかったのが奇跡みたいだ」

「……ふぅ、……ふぅ」

「んー、起きた時にはもう入ってる状況で驚かせるのも考えたけど……やっぱりちゃんと見せてあげた方がいいかな。そのためにも……」

「んぅ……っ」

「こっちはちゃんとほぐしてあげないとね」

 

 

  ◆  ◆  ◆  ◆

 

 

「っ、んん……ッ!」

 

 軽い絶頂を迎えて、意識が再起した。

 全身は汗でびっしょりと濡れていて、気候と相まって寒いくらいだった。

 ぴちゃぴちゃと、雨の音に混ざって水音がする。

 それと同時に、下腹部から甘い快感。

 

「……れでぃ、アヴァロン?」

「おや、目覚めたのかい?」

 

 レディ・アヴァロンは私の股に埋めていた顔をあげると、こちらにいつもと変わらない微笑みを見せた。

 違うのは、全裸であること。次にその顔が、おそらくは私の体液によって濡れていることだ。

 思わず赤面し、机の上に置いたおしぼりを投げ渡す。

 

「わぷっ」

「それ使って、拭いて」

「はいはい。恥ずかしがりやさんだなあ、さっきあんなに恥ずかしいところを見せたのにね」

「~~~~っ、はいっ! 終わり! もうおしまいだから! あとはシャワー浴びたら帰ってよ!!」

「?」

 

 こてん、と首をかしげる彼女に、私はぴしゃりと言い放った。

 

「もう終わったから。気持ちよくなったから終わりで良いでしょ」

「んー。まだ本番があるんだけどな」

「本番……?」

 

 その言葉に、思わず身を起こして。

 それが目に入った。

 

「――――」

 

 それは、男性器だった。

 太くて、長くて、確かな熱をたたえているであろうそれが、レディ・アヴァロンの股に鎮座していた。

 

 華奢で、美麗な体躯。

 しなやかな足の間から生える男性的なそれは見るからにアンバランスで――

 

「……え? え、なん……えっ?」

 

 どう見てもちんぽだった。

 口をあんぐりと開けていると、ふふんと自慢げに彼女が語り始める。

 

「ドッキリ大成功ー。どうだい? 魔術で生やしてみたんだ。これでリツカを天国、いやアヴァロンまで連れて行ってあげよう。レディ・アヴァロンだけにね!」

「いやいやいやいや! ムリムリムリ! 入らないから! 絶対入らないって!」

「そのためにほぐしたんじゃないか。リツカが気絶している間も丹念にね。……まあ、一度体験したらもうボク以外のもので気持ちよくなれなくなっちゃうだろうけど。良いだろう?」

「良くない!」

 

 無理だ。絶対に無理。

 あんな皮がずるむけで、カリ首が高くて、長い奴……絶対に、入れたらダメだ。

 私の中が……強引に拡げられて、ゾリゾリって削られて、なすすべもなく啼かされて。

 

 本当に、レディ・アヴァロン専用になってしまう。

 

「……っ」

 

 思わず喉を鳴らす私に何を思ったのか。

 レディ・アヴァロンはいつもの微笑みを浮かべて言った。

 

「ほら、見てごらん。リツカ。君のここまで入っちゃうんだよ? 想像してみて」

「え……うわぁ」

 

 私の下腹に、それが添えられる。

 子宮なんか押し上げて、潰されてしまいそうな長さ。いや、今は勃起して上向きになっているから、それ以上の衝撃が来るだろう。

 

 それがゆっくりと、動かされる。

 

「あっ……」

「こうやって……ほら、ゾリゾリ~ってナカが削られて。処女膜なんて一回で全部綺麗にとれちゃって、あとは気持ち良いだけになるだろうね」

「だめ……やめ、それ。クリ、こすれちゃってるからぁ……!」

 

 緩慢な動きでの素股。

 気絶している最中にもほぐされていた私のそれは存分に濡れそぼっていて……与えられる快楽のすべてを貪った。

 

「どう? リツカ。子宮なんか一回で押し上げられて、一回一回腰を押しつける度に絶頂して、もうわけもわからなくなっちゃうってこと。わかった?」

「わかった、わかったからぁ! きもち、いいってわかったから……! ちょっと、腰とめて……!」

「ダメだよ。ちゃんと言って? ボクにハジメテをくれるって」

「――――っ」

 

 思考能力がなかった、とは言わない。

 ただそれはグズグズにとろけていて。

 だから、誘導されるままに口に出す。

 

「あげるっ! わっ、私の処女あげるから。レディ・アヴァロンに、捧げるから……!」

「…………んー」

「えっ、あっ……!」

 

 ぐりぐり、と。

 子宮のある位置を無造作に押し込まれる。

 ただそれだけで、限界まで興奮していた体は絶頂の寸前にまで押し上げられた。

 

「イッ――」

 

 ただ、絶頂までは届かない。

 絶頂の寸前を見計らったかのように、レディ・アヴァロンの手が腹から離れる。

 

「……えっ?」

「ねえ、リツカ」

「なんで、とめ……」

「マーリンって呼んでほしいな」

「――――」

 

 やっぱり、何か変だった。

 

 レディ・アヴァロンは……いや、平行世界のマーリンは、名前なんてものを気にするような人間だっただろうか?

 例え枕をともにした相手でも、翌日には忘れているであろうヒトデナシのロクデナシ。それが彼女だったはずだ。

 

 それが、なんでこんなことに執着するのか。

 

 というか、彼女は自分からマーリンのことを関係ないと言っていたのではないか。

 そもそもなんで自分のところにやってきたのか。

 いろいろな疑問がぐるぐると回って、でも快楽に溶かされて、形を失う。

 

 ――自分も、名前を呼びたいと思ったから。

 

「……まー、りん」

「もう一回」

「……マーリン!」

「…………。ありがとう、リツカ。あと、ごめんね?」

「へ?」

「ちょっと、優しくできそうにないかな」

 

 マーリンは笑みを消して、腰を突き出して――

 

「……?」

 

 痛みは、思ったほどではなかった。

 たぶん今までの経験で、痛みというものに慣れてしまっていたから。

 ほぐされているのもあったのだろう。

 

「…………???」

 

 だから。

 マーリンのそれが子宮の奥にぶつかって。

 子宮を持ち上げて、押しつぶして。

 快楽が、弾け――

 

「~~~~~~~~~~ッッッ!!」

「…………っ!」

 

 意味のわからない声が出た。

 手足がバタバタと暴れ、体が跳ねて――そして、マーリンに押さえ込まれる。

 その華奢な体躯のどこから出たのかわからない力に、私の雌としての抵抗は軽々と封じ込められて。

 

 交尾が始まった。

 

「お゛っ! だめっ、しきゅうっ! つぶされ……イクッ、イク、いぐぅ……! ――やっ! まだイって……ぁあああ! まぁりんだめ! まって、まっ……あああああああああ!!」

「リツカ……もっと呼んで」

「マーリンっ、まーりんっ、まぁり……イクッ、イッ、~~~~~ッッ!! だめっ、イッてるのにっ、また……っ、イクッッ!」

 

 普段の優美で、ふんわりと柔らかな雰囲気は投げ捨てられていた。

 雄としての独占欲にまみれた、原始的な交尾。いつもの悠々自適とした様子からは想像もつかない、どろどろとした欲望を子宮に叩きつけられる。

 

「リツカ……っ!」

「痛……っ!」

 

 自分だけのものだと、マーキングするように肩に噛みつかれる。

 それと同時に、腰の動きがさらに強くなり、子宮に押しつけるようなものに変化した。

 

 ――孕ませる気だ。

 

 語らずとも、わかってしまう。

 これから私の子宮に亀頭を押しつけて、ドロドロの精液で満たして、赤ちゃんを作らせる気なんだ。

 お腹に枷をつけて、自分の存在を刻みつけて。永遠に、私をマーリンのモノにする気なんだ。

 

「――――ッ!」

 

 その想像をしてイって。

 多幸感で、さらにイって。

 もう、がむしゃらに目の前の愛しい人にしがみついて――

 

「…………ぁ」

 

 とぷり、と。

 鈴口から精液が出てきだしたのが、克明に理解できた。

 

 どぴゅるるるるぅっ! どぷっ! びゅるるるるるるるるッッ!!

 

「~~~~~~~~~ッッッ!! だめっ、もっ、はいらにゃ……っ! やだっ! しきゅぅっ、ぐりぐりしにゃいれっ、イっ――ぁあああぁぁああぁあぁああぁぁぁ~~~~~っ!!」

 

 バチバチと。頭の中が弾けて。

 そのまま暗転したところを、すぐさま快楽によってたたき起こされる。

 

 それは幸せな生き地獄だった。

 マーリンの噛んでいる場所から届くわずかな痛みも、自分という雌に独占欲を発揮してくれているという多幸感で塗りつぶされる。

 

 でも、その幸福にも終わりが来て。

 私は吐精を終わらせたマーリンにキスされると同時に、意識を失った。

 

 

  ◆  ◆  ◆  ◆

 

 

「……跡になりそう」

「だねえ」

 

 シャワーを浴びながらそういうと、マーリンは軽い感じで相づちを打ってきた。

 

「いや、マーリンが噛んだんでしょ。魔術でなんかこう、治せない? バイト先で聞かれたら困るんだけど」

「素直に言えば良いじゃないか。セックスの時に肩を噛まれたって」

「そんなん言えるかっ!」

 

 あのコンビニの同僚は女性しかいないからなおさらだ。

 明日どうやってごまかそう、と頭を悩ませていると、後ろから抱きついているマーリンが傷口をなぞり、満足そうに笑う。

 

「ふふっ」

「なーに?」

「いや、カルデアで”傷になりたい”って言っていた子がいたけど……彼女の気持ちがわかるなあって思っただけ」

「マーリンは傷になったんじゃなくて傷物にしたんだけどね」

「あはは。うまいこというね」

 

 といって、マーリンはひとしきり笑ったあとに、ふと黙り込んだ。

 会話が途切れ、シャワーが流れ落ちる水音だけが響く。

 

 気まずくはない。

 どこか、満たされた沈黙。

 

 それを破って、彼女は言う。

 

「ねえ。リツカ」

「なに」

「ボクはね、君のことが……好き、とかじゃないんだよねえ、困ったことに」

「……はい?」

「いや、そういう軽い言葉じゃなくて。もっと重いというか。うーん……君が欲しい、いや、これも違うな……ああ、そうだ」

 

 マーリンは何かを思いついたのか、私を抱きしめる力を強め、耳に顔を寄せる。

 

「――君だけが欲しい」

「…………」

「他に、何もいらないんだ。君だけがボクに微笑んでくれれば、それで良いんだ。こんなこと、夢魔としてはおかしいって自分でも思うよ? でも、しょうがないんだ。そうとしか言えない」

「………………」

「君は、どう?」

「……………………」

 

 困った。

 

 貴重な乙女のハジメテを奪ったあとに、それを聞くのか。

 というか、私はそんな簡単に押されただけでハジメテを捧げちゃうような女だと思われているのか。

 それがちょっとシャクだった。

 

「はぁああ~~~」

「…………」

 

 私は大きくため息を吐いてから、マーリンの方を向いて、顔を数センチ前へ。

 

「……んっ」

「!」

 

 それだけで、意思の伝達は終わった。

 

「……それじゃ、そういうことだから」

 

 顔を少し赤くしながら、私はシャワーを止めた。

 とりあえず、服を着替えてから、さっきの後始末をしなければならない。とにかく臭いがすごいだろうからまず窓を開けて換気、それからソファーを掃除して……と、考えていたところで、尻に違和感。

 

「……マーリン?」

「リツカ。カルデアにいたころ、万能の天才から教わらなかったかな」

「……えっと、何を?」

 

 マーリンは言った。

 

「夢魔って、多淫なんだよね」

 

 

  ◆  ◆  ◆  ◆

 

 

 三日三晩、抱き潰された。


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