力をなくしかけていたペニスが屹立する。膣内でそのことを感じ取ったのだろう。立城が目を見張って慌てて身体をよじる。真也は今度は大人しく立城の身体から手を離した。ほっとしたように立城が息をつく。その隙に真也は挿入の時と同様、力任せにペニスを膣から抜いた。
「つっ!」
かなりの痛みを感じたのか、立城の口から苦悶の声が漏れる。真也は無言で自分のペニスを見下ろした。血と愛液に塗れたペニスは、鈍く蛍光灯の光を反射している。だがそこには何故か精液はついていない。怪訝に思いながら真也は何気なく床を見た。立城が立っていた場所に幾つもの血の雫が落ちている。
「処女だったのか」
「当り前だよ。初めて女性に変質したって言ったでしょ」
半ば呆れたように言いながら立城はゆらりと動いた。シンクと真也の間から抜けて床に屈みこむ。ため息をつきながら立城は床の汚れ具合をぼんやりと眺めていた。剥き出しになった立城の腿もすっかり血で汚れている。真也は静かに目を細めて無造作に腕を伸ばした。
「なに? ……えっ!?」
腕を引いて立城を立ち上がらせた真也は無言で歩き出した。待って、と慌てた声を上げる立城を引っ張ってダイニングテーブルに寄る。
「ちょっ、ちょっと待って! 真也っ」
「待たない」
一言だけ答えて真也はテーブルに立城の身体を押さえつけた。うつ伏せになった立城の腰に手を伸ばす。上半身をテーブルに押さえつけられた立城が焦ったように肩越しに真也を見る。片手で背中を押さえたまま、真也は立城の腿に触れた。筋を描いて流れていた血を指ですくう。
「血みどろだな」
「だ、だから! もうやめようよ。まさか欲求不満ってことはないでしょ? 昨日の今日なのに」
確かに言われた通り、他の女性を抱くことで性的な欲求不満は解消できる。だがこれまでどんな女性と交わっても満足できたことがない。相手の絶頂を引き出す術や、手際よく射精するこつはわかる。だがそれらが判ったところで満たされているとは言いがたい。結局のところ、何一つ満足できたことがないというのが真也のこれまでのセックスに対する感想だった。
だがいまは違う。血液特有の味を舌で確かめながら真也は血に濡れた腿に顔を寄せた。気配でそのことに気付いたのだろう。立城が真也の手の下でもがく。
「やっ! やだってば!」
一度目より、少しは真也の心にも余裕が生まれていた。腿を伝う血の雫を舌先で辿りながら感触と反応を味わう。立城は時折ぴくりと腰を震わせつつも、懸命に真也の手から逃れようともがいている。だが女になっていることに加え、先ほどの行為でかなりの負担がかかったのだろう。立城の弱々しい抵抗は真也にとってほぼ意味を為さなかった。
傷一つない腿に伝う血の色は、肌の滑らかな白さによく映える真紅をしている。手を割り込ませて立城の腿を少し開かせ、真也は舌を一杯に伸ばした。両の腿の合わさる部分に舌で愛撫を加える。
「すっげえ感度いいんでやんの。これだけで愛液だらだらじゃん」
「そっ、そんなこと言われたって、僕には判んないってば」
まだ立城は抵抗を続けている。へえ、と笑って真也は血に濡れた秘部に指を運んだ。血に混ざって透明な愛液が陰唇から漏れている。指先に十分に血と愛液を絡め、真也はおもむろに指先でしこりを探った。小さなクリトリスははっきりと勃起している。両側から陰唇を指で挟み、その間に人差し指を入れて細かく上下させる。指の腹でクリトリスを愛撫するうちに立城の抵抗する力が徐々に弱くなっていった。
「んっ、真也。だめ、だって……あっ!」
声に次第に艶やかな響きが混ざる。切なそうに喘ぐ立城の細い指の動きを真也はじっと見つめていた。立城はテーブルを覆っていたクロスを頼りなくつかみ、肩で呼吸をしている。上半身の重みで潰れかけた乳房は、立城が身体をよじるたびに形を変える。そんな立城の姿を見ていた真也の背中にぞくりとしたものが走った。血に塗れたペニスが自然にそそり立つ。
「やっ、あん……くうぅ」
微かな喘ぎを漏らしながら立城がテーブルクロスを引く。引きずられた空の蝋燭立てが音を立てて倒れる。それを横目に真也はいきり立ったペニスを立城の腰に押し付けた。驚いたように肩越しに振り返った立城の目には涙が浮かんでいる。
「もっと声出せよ。いきそうなんだろ?」
意地悪く嗤いながら真也は指にこめる力を少し増した。血と愛液に塗れているために指の滑りはいい。クリトリスの根元から先に向かって力を抜きながら擦る。反対に上から下へと愛撫する時は力を軽くこめる。時折、指を横に軽く振って勃起したクリトリスを爪先で焦らす。真也が繰り返し愛撫を続けるうちに立城は掠れた声を上げ始めた。
「きゃはっ! だめ、しんや、それ……以上は、ああっ!」
切羽詰った声を上げつつ立城はテーブルに額を強く押し付けた。もう抵抗する気は完全に失せたようだ。押さえなくても立城は逃げようとはしない。真也は背中を押さえていた手を今度は立城の胸に回した。左手で乳房を揉みしだきつつ、右手でクリトリスを捏ねる。二箇所同時の愛撫に身体を震わせて立城が背中を丸める。その上に圧し掛かりながら、真也はいきり立ったペニスをつかんだ。
「だ、めだ。我慢、できねえ」
顔を歪めて呻いてから真也はペニスの先で膣口を探した。乳房を弄っていた手が止まり、完全に留守になってしまう。真也は挿入したいという欲望を抑えきれず、立城の腰を片腕に抱いてテーブルから少し浮かせた。腰に回った真也の腕に引っ張り上げられて立城のつま先が浮いて宙をかく。
探しあてた入り口に一気にペニスを突き入れる。絶頂に至る前に愛撫を中断されていたからなのか、立城の膣壁は先ほどより若干は緩んでいる。が、やはり狭いことに変わりはない。真也はだが強引に狭い膣内で激しい抽送を繰り返した。それまで喘いでいた立城はテーブルクロスをつかんだまま、必死で声を殺している。今度は痛みに耐えているのだ。だがそのことすら真也には感知できなかった。切羽詰った衝動だけが心の中で大きくなる。
瞼の裏で何かが光る。真也は強い快楽に掠れた声を上げて立城の腰を引き寄せた。それまで声を殺していた立城がはっとしたように振り返る。
「駄目だよ! 中に出しちゃ……っ!」
制止の声は真也の耳には届かなかった。乱暴に立城の身体を揺すって腰を叩きつける。真也はがむしゃらに抽送を繰り返して衝動のままに射精した。大量の熱が一気に体から抜ける。そして射精の余韻に震える真也の腕の中で立城が悲鳴じみた声をあげた。
「あはっ! んっあ、ああん! くああぁん!」
激しい嬌声を上げて立城が身体を弓なりに反らす。折れそうになる膝に懸命に力を入れ、真也は何とか立城の身体をテーブルに押さえ込んだ。やがて声が掠れ、立城の下半身ががくがくと震える。
「中出しでいくなんて……便利っつーか、やらしいっつーか」
呟きながら真也はそっと立城から離れた。音を立ててペニスが抜ける。だが立城はぴくりとも動かない。怪訝に思いながら真也は立城に顔を寄せた。テーブルクロスをたぐり寄せたまま、立城は失神していた。
真也は割と鬼畜属性です。