「真也ってば、もう……」
「あんだよ」
困ったように告げた立城にそう言い返したところで真也は声を潜めた。先ほど入ってきた誰かが去る足音がする。あーあ、と呟いて真也は改めて指を動かし始めた。今度は欲求を抑えて静かに膣内を弄る。ローターを指先で軽くつつくとそれだけで立城が全身を緊張させる。真也はじっくりと反応を楽しみながら乳房への愛撫も再開した。
唐突に車の走る音が止まる。きっちり聞き取ったのだろう。立城がびくりと身体を震わせた。
「おっ。信号変わったな。どれどれ」
人の悪い笑みを浮かべて真也は膣内に二本目の指を入れた。膣壁を指の腹で上下に擦る。横断歩道を渡る人々の足音が次々に近づいてくる。
「僕にこういうことして、楽しい?」
涙の浮かんだ目で真也を見つめながら立城がそっと呟く。熱に浮かされたようなその顔を眺めながら真也は嗤いを浮かべた。
「ああ、楽しいぜ。すっげーぞくぞくする。次はどんなことしてやろっかなー、とかさ」
「真也って思ったよりずっと……なんだね、あっ!」
立城が言い終わるより早く真也は指の動きを速くした。唇を噛んで身体を震わせつつ、立城が嫌がるように首を振る。往来の足音を聞きながら真也は激しく膣奥を攻めた。
「ほら、いけよ。もう何回もいってんだろ? こんなにぐちゃぐちゃにしてんだからよ」
嘲るように言いながら激しく抽送を繰り返す。真也の強い愛撫に耐え切れなくなったのか、立城は背を大きく仰け反らせて掠れた声を上げた。
「んっ、くっ、あふっ!」
抑えられた艶のある声が個室内に響く。絶頂に達したのだろう。真也は指全体に膣壁の脈動を感じながら立城の耳に口を寄せた。
「欲しいって言えよ。ここに俺のをぶち込んでくれって」
昂奮を抑えきれず、真也は熱のこもった声でそう囁いた。さっきからずっとペニスは激しく脈打っているのだ。挿れたくて堪らないという気分が抑えられなくなる。ジーンズの前を片手で開きながら真也は再度、立城に同じ事を言った。
「欲しいっ! けど、ひとこと……言って、いい?」
そう言って立城がのろのろと振り返る。なんだよ、と囁いて真也は手を止めた。
「真也って下品」
「う」
思い切り言葉に詰まって真也は自分の股間と立城とを見比べた。確かにそうかも知れない。素直に認めてから真也はおもむろに立城の腰に手を回した。
「そーかも知れねっけど、他の女にんなことしねえよ。張り倒される」
不満をこめて言ってから真也は一気に腰を進めた。ローターが入りっぱなしになっているからだろう。慌てたように立城が股間に手を回そうとする。だが真也はそれに構わず膣の奥深くにペニスをねじ込んだ。ローターの振動が鈴口に直接伝わってくる。
「減らず口叩いてんじゃねえよ。ほら、どんな感じか言ってみろ」
吸い付くように締め付ける膣壁の脈動が心地いい。真也は快楽に酔いながら立城に覆い被さった。胸に手を回して乱暴に乳房を揉む。
「んっふ! 気持ち、いいっ! よ。でも、僕……なら何やってもいいって、ああっ!」
「うっせえな、逆らうなよ、いちいち。萎えたらどーしてくれんだよっ」
機嫌悪い風を装いつつ、真也は強い抽送を始めた。膣壁の浅い部分に当たるように立城の腰を持ち上げ、強く突き上げる。萎えるどころか真也のペニスはいっぱいに張りつめていた。
「おー。また誰か来たなー……っう。すっげぇ……」
思わず素直な感想が口から飛び出してしまう。昂奮の余り、色んな女性に教え込まれた手管が真也の頭から完全に抜け落ちる。無意識のうちに真也は自分の腰の動きに逆らう形で立城を揺すり始めていた。
「んっ、あはあっ! 僕は何なの? 真也のおもちゃ? ああっ!」
掠れた声で喘ぎながら立城がそう告げる。真也は立城を強く抱きしめて熱のこもった声で囁いた。
「す……きだ」
朦朧とした頭のどこかが危険信号を発している。真也は荒い息をつきながら一度、ペニスを膣から抜いた。奥に突き挿れたいのに何かが邪魔をして入らないのだ。真也は指を運んで立城の陰唇から伸びていた細いコードを引き抜いた。飛び出したローターがトイレの蓋に当たって硬い音を立てる。だがそれすら気にしていられないほど、真也は焦っていた。愛液にぬめるペニスをつかんで腰を寄せる。
「う……くそ、動くなよっ。早く、しないと」
焦りすぎて真也の手は震えていた。その手をそっと何かが押さえる。真也は乱暴にそれを払おうとした。
顔を上げる。間近に立城の顔を見た真也は驚きに息を飲んだ。それまで情欲に溺れていたとばかり思っていた立城が、何故か柔らかく微笑んでいるのだ。
俺、なんかしたっけ。立城が微笑んでいる理由が判らず真也は混乱した。その間に立城がそっと真也のペニスを指で引く。
「ほら、ここだよ」
導かれるままに真也のペニスの先が陰唇の間に滑り込む。
「あ、ああ」
釈然としないものを感じつつも真也は腰を進めた。ぬめる感触が一気にペニスの全体に広がる。快感を覚えると同時に真也は何も考えられなくなっていった。喘ぐ立城を両腕にしっかりと抱きしめて腰を前後させる。立城の肩に顔を埋めて真也は必死で声を殺した。
膣奥の狭まりを強く突き上げる。絶頂に到達した立城が背中を大きく反らせて高く鳴く。その瞬間、耐え難い快感が真也を襲った。
「で……るっ」
抽送の速度を上げて一気に衝動に身を任せる。膣内に射精した瞬間、立城が声もなく仰け反った。全身をがくがくと震わせて途切れ途切れに声を漏らす。ペニスに残った精液を膣壁で扱き出しながら真也は疲れた笑いを浮かべた。
直後、ドア越しに人の足音が聞こえる。足音は逃げるようにドアから遠ざかった。
「あ」
間の抜けた声を上げて真也はドアを振り返った。どうやら情事の声を誰かに聞かれていたらしい。ぐったりと脱力した立城を腕にしっかりと抱え、真也は一人くすくすと笑った。
下品って言われましたww