デカパイエルフに産まれたからにはエッチな目に逢いに行く。 作:伊倉米磁
まずは犬。
「ウォフッ!」
飼い犬が主人を見つけた時のように、迫力無く駆け寄ってくる。
(どうしよう……処女を狙ってくるやつかな)
ピンクの毛並みを持つ犬は意外と可愛らしいものの、股間に生えているのは結構な大きさの勃起チンポだ。
躊躇している間にケティシュは飛び掛かられてしまった。
「きゃっ! あ、あははっ! くすぐったいよ」
ペロペロと無邪気に顔を舐めてくる。そのザラリとした感触は意外なほど官能的で、もっと敏感な所を舐めて欲しくなってくる。
(こういうやつかな……バター犬、みたいな……)
犬は自重でずり下がると、今度はケティシュの股間に顔を突っ込んで腰をカクカク振り始めた。
俯いても巨乳とローブで足元が見えないが、ズボン越しにふくらはぎ辺りに肉棒が擦り付けられているのを感じる。
(こんな懐かれると殺しにくいなあ)
可愛いことは可愛いが、ケティシュとしてはドロップも気になるので殺してみたい。
纏わりつく犬を雑に蹴って身体から離した。
「ウ゛ウ゛ウ゛……ヴォンっ!」
いきなり臨戦態勢になり飛びかかってくるのをバックステップで距離を保ちながら袈裟懸けに斬撃を放ち一刀両断する。
犬の敏捷力は人を超えるが……しかし、この世界の生き物は魔力で身体を強化する。種族差より魔力を扱う技量が勝敗を分ける。
少なくともこのピンク犬よりケティシュの方が魔力の扱いは上回っていた。
「……しっぽ? 意外なのが落ちた」
羽箒というか、犬のフサフサな尻尾だった。自分の顔や首筋をこちょこちょやってみると、愛撫したような甘美な刺激を感じる。
「これ、乳首とかこちょこちょしたら気持ちよさそう♥ 自分用と売却用にもう一本もってこ」
ふい、と見渡すと壁際で犬が怯えている。ケティシュはニッコリ笑って杖でまっすぐ犬を指し示すと、瞬時に刃を壁まで伸ばし仕留めた。
「キャウンッ!?」
隣あっていた犬が始末され、他の犬がそこから散って別の隅に行く。部屋から出ないのはダンジョンに制限されているのだろう。
可哀想な感じはするが、おそらく無限に供給されるみたいなので遠慮なく狩らせて貰って部屋を後にした。
次はハチ。
「あぶなっ」
ケティシュの頭位の大きさの体を持つハチがブンブン飛びかかってくるのを杖ではたき落とす。
先端を団扇のように広げて命中率を上げている。
先制攻撃をしのいだケティシュを警戒して他のハチは近づいてこないが、よく見ると腹から出ているものが2種類あることに気づいた。
(針と……チンポ? 麻痺させてから犯す感じかな?)
いかにケティシュとて、毒で麻痺している時に犯されたら逃げられないだろう。
処女喪失の気配に胸が高鳴る。
(でも、まだまだ選択肢を吟味したいから、今度ね)
わざと無警戒にドロップの羽を拾ってしゃがむと、隙ありとばかりに四方八方からハチが殺到する。
「ハッ!」
ケティシュが魔力と気合を込めると、全身から衝撃波が放たれた。
『拒絶』と呼んでいるこの小技は、元はレイプされそうになった時に望まぬ処女喪失を防ぐために自分で開発したものだ。もちろん名前の由来は某名作ゲームだ。
用途からもわかるように、大の大人でも浮き上がる程度の衝撃で相手を押す魔法だ。
飛んでいるハチはたまらず空中でたたらを踏むようにバランスを崩す。
囲まれた状態で斬撃は隙が大きすぎるため、何も持っていない方の手のひらに魔力のクナイを生成し風で発射して仕留めていく。
特別に集中しない限り、魔法は発動の起点を自分の身体か手に持った物の直ぐ側にしなければ集中出来ず霧散してしまう。
同時に2箇所以上で魔法を発動するのも難度が高い。ただし、今のケティシュのように杖に纏わせた刃の魔法を維持した上で他の魔法を使う場合難度は落ちる。
なので、まだまだ未熟であるケティシュは同時発射ではなく伸ばした手からの連射を選択している。
バランスを崩したハチも数秒で立ち直り、ブンブンと飛びかかってくる。しかし『拒絶』への対策がないため、何度もバランスを崩し、数度で全滅した。
ふう、と一息ついて、ドロップ品の羽を拾い集める。
「……なにこれ? エッチな道具、だよねえ」
一見して何に使うのか分からず、部屋を出て通路を歩きながら首をひねる。
何枚も重ねて弄んでいると、しゃり、しゃり、と心地よい音が鳴った。
耳元で2枚を重ね、擦って音を鳴らし続けてみる。
「あっ♥ んっ♥ ……これか! なんだろ、催淫音波? 羽音では全然だったけどな……」
音に集中すると、わずかに気が遠くなり……気持ちいい事への集中力が高まって、胸に張り付いているコウモリの与えてくる快楽が増した感じがする。
2層のドロップ品なので効果もそれなりなのだと納得し、次へ行った。
ヘビ。
「巻き付き? 毒で発情させるとか……?」
そもそも危険なものという認識があるため、さすがのケティシュも警戒して恐る恐る近づいていく。
接近を察知したヘビはケティシュに向かい頭を上げて直立させ、首の後ろ側を拡げた。
(コブラ……!)
前世の雑学知識によればこういうヘビはコブラと言い、その特徴は……
びゅっ! と複数のヘビがケティシュに向かって液体を吹き出す。
知っていなかったら食らっていたかも知れない、初見殺しの目潰しだ。
ただし今このピンクのヘビが吹く毒の匂いは、どこかケミカルな甘ったるさを感じさせるものだった。
(もしかして媚薬? ちょっと食らってみたいな……)
エロ同人RPGのモンスターはとにかく媚薬を持っているものだ。その方が設定上都合がいいので。
古くはオーク辺りが精液に媚薬成分を持っているみたいな展開が多かったが、もはやあらゆる敵のあらゆる体液に媚薬効果があって当たり前になってきた。
一度体験してみたい所だが……アヘアヘになって無自覚のまま処女喪失というのも味気ない。
「後でまた遊びに来るからね」
と呟いて、地面近くを横薙ぎにするとヘビは全滅した。ドロップはスライムの時にも似た球体だが、透明なので中身が違うのだろう。多分媚薬か。
ポーチに落としていくが、そろそろ荷の重さと容量が気になってきた。
最後はカエルだ。
「大きいなあ」
思わず呟いたように、うずくまったケティシュと同じくらいの大きさではないだろうか。
「ゲッゲッ」
ウシガエルのようなヒキガエルのような、あまり綺麗な感じではない鳴き方をする。
半開きになった口からはよだれが常に垂れ、岩の床の至る所が粘液でしっとりしている。
転んだら服が大変なことになりそうだ。
滑って転ばないか不安になりながら踏み出すが、慌てなければ大丈夫そうだった。
つまり戦闘のときには危険ということだ。
「これは舌で責めてくるのかな? ディープキスか、穴に入れるのか……」
考察しながら近づく。ピンクのカエルはケティシュに向き直り、跳ぶために力をためているように見える。
「ゲゲッ!」
とりあえず、横に跳んで避ける。
べちゃん! と粘液に着地したカエルたちが液体を跳ね飛ばしてくるが、ローブの裾に付着する位で特になんとも無い。
予想通りに舌を伸ばして絡めようとしてくる。結構な速度だが、師匠の突きに比べればあくびが出るほど遅い。
(食らってみたいなあ)
残念になりながら斬撃で切り落とす。カエルが悶絶している間に身体も切り裂いた。
ドロップ品はやはり舌だ。ザラザラした平べったい棒で、股間を擦りつけたら絶対気持ちいいと確信し、ニヤリと笑った。
「んふふ、いいねいいね。今日は帰ってオナニーしようかな」
エロ同人RPGにおいても、道具を得てオナニーのバリエーションが増えるという作品は数多い。
ケティシュも杖や床、木の枝に跨るなどあらゆる所に股間を擦りつけてきた。
オナニー用の器具というのは当然存在しなかったので、道具を使用したオナニーというのも大いに興味がある。
舌の形のオナニー器具に頬ずりし、ザラザラと官能的な刺激を味わいながら3階へと向かった。
「はー、なるほど。こういうパターンね」
倍以上に長い螺旋階段を下ると、森の中のような光景が広がっている。
空は青く雲が流れていて、太陽だって浮かんでいる。じっと睨んでも空にしか見えないが、恐らく透明な壁があるのだろう。
(レイリー散乱を利用した照明システム……)
前世の雑学知識にはそんな言葉が存在するが、あまり詳しくなかったのだろう、詳細は分からない。
別に分かる必要もないので、別の空間にワープしたわけではなさそうだ、という事だけ受け止めておいた。
目の前の森にはそよ風さえ吹いていて、微かに甘ったるい匂いも漂ってくる。
耳をすませば微かに生き物が動くような葉擦れの音もしている。
(今までのはチュートリアル、ここからフリーエリアってわけね。複数の種類の魔物といっぺんにヤりたくなったらどうするのかって不思議だったけど)
きっと1000年前の人達も犬に犯されながらゴブリンにイラマチオされたりしていたのだろうと思うと、こんな素敵な遺産を残してくれた事に感謝の念で胸が一杯になった。
ポーチはそろそろ8割埋まっているし、ドロップ品も一度売りたいのでひとまず引き返した。
「ごめんね」
これまでケティシュの胸性感を開発し続けてくれたコウモリ二匹も始末してドロップを手に入れた。
「どもー」
「お疲れ様です」
ナンナと軽く挨拶して外に出ると、太陽は真上より少し西に傾いている。
この世界においても太陽は東から昇り西に沈むため、今は昼過ぎというところだ。
ギルドに入ると、またも誰も居ない。
声を上げて呼ぼうとしたが、微かに奥から声が聞こえてくる。
――んんっ♥ あぁ♥
低くもしっとりしたこの声は、恐らく受付の人のもの。
(やっぱり突かれる側なんだ……)
あまりにも色っぽくメス堕ちの気配を感じる人だったので逆に違和感は無い。
しかし真っ昼間の職場でセックスするような人だったのは誤算だった。
「すみませーん!」
ガタッ! と机がぶつかるような音がして、しばらく誰か複数人の声が言い合う気配がした後、ドアが開く。
「は、はいはいっ! 何でしょうか!」
顔が赤く、うっすらと汗をかき、胸に張り付いた服にオス乳首がぽっちりと浮いている。
(ここの人が皆この人とヤッてるとしたら、女に興味がないということもあるかも……)
そんな風に思うほど、女のケティシュでも性的な嗜虐心を掻き立てられる雰囲気を纏っていた。
すん、と鼻を鳴らすと、うっすらウンコのような臭いがする。アナルセックスをしていた事を確信しつつも、特に触れることはなく要件を切り出した。
「納品をしにきました」
「あっ、ああー! もうなのですね。かしこまりました。ではこちらに出してください」
籐籠のような、植物で編まれた籠をカウンター裏からよいしょと出してくるので、ポーチの中身を全部出した。
「ふんふん……こちらが買い取り金額になります」
「おおー……」
今の宿は朝食付きだが、昼食にお弁当を買って夕食を酒場で食べても、既に3日分になっている。
「えっと、全種類1個ずつ残して売りたいんですが」
「……分かりました。では金額はこちらですね」
数字を示されて了承すると、受付さんは籠にいれた素材を持って奥の部屋に進み、革袋を持って出てくる。
文明が進んでいる割には紙幣というものがないので、こんなファンタジックなやり取りになっている。
報酬の入った革袋からお金を数えて自分の財布の革袋に入れると、手を振ってギルドを後にした。
「ポーチじゃなくてバックパックをちゃんと持ってこなきゃなー」
戦闘するには邪魔ではあるが、ドロップ品を捨てて行くのはもったいない。それなりに高く売れるとなればなおさらだ。
迷った末、ケティシュは飛んで宿屋に戻ることにした。