デカパイエルフに産まれたからにはエッチな目に逢いに行く。 作:伊倉米磁
「うおお……! こんなに早くエンチャントまで手に入るなんて……!」
装備欄に表示されているのは1個。『キューティクルヘア』という名前だ。カテゴリは髪。
・キューティクルヘア・・・髪のキューティクル感が増す。
たったそれだけの説明だ。ナンナの説明通り、エロに関連しないものなのでおざなりなのかも知れない。
実際、ダンジョンの中でだけキューティクル感を増されても、という印象は否めないが……とりあえず装備すると、スキル欄に表記が増える。
・防汚コーティング(髪)・・・髪の毛に付着した精液等の汚れが落ちやすくなる。
「あ、結構良いかも」
処女喪失した後はゴブリンとかに輪姦もしてもらう予定のケティとしては、髪にかけられた時の後始末が楽になるのはポイントが高い。
「ねえ、ミラにはエンチャントドロップしてないの? ステータス見たいなー」
アイアンメイデンだってサソリだって、エンチャントをドロップしていてもおかしくないはずと思い確認する。
「えっ!? い、いいえ? 特に増えてはいないみたいよ?」
やたら慌てているので、なにかよほど恥ずかしいスキルを持っているのだろうと思って追求しないことにした。
(後でじっくりと聞き出そう)
心の中の予定表にデカデカと書き留めておく。
パラボラ。
「うわっ!?」
入り口から部屋の中を覗いた瞬間にリップルレーザーが飛んでくる。
幸い壁に反射したりはぜずに、ピンクの残光を残して消え去った。
「ああやって、遠くから撃ってくるのよ。ムチの間合いには絶対に入らないし、私のファイアボール程度の速さじゃ簡単に躱されてしまって……」
普段おっとりとしたミラの視線も思わず薮睨みになってしまうほど、引き撃ちはイラつきを誘発するようだ。
「じゃあ、とりあえず斬ってみますか」
ダンジョンで出くわした時には出来ない方法だが、ここなら向こう側の部屋の隅までだって刃を伸ばせる。
がつ、という手応えを感じた所で止めて、壁に沿って刀身を縮めながら横薙ぎに刃を動かしていく。
手元にレーザーが飛んでくるが、既に手を引くだけで当たらない角度まで追い込めている。
さすがに車がジャンプする方法はないのか、手前側の壁にすべて逃げてきたのをミラが爆発するファイアボールでまとめて始末した。
「ふう。スッキリしたわ」
今までどんな目に遭わされてきたのか、ミラのニッコリとした笑顔に凄みを感じる。
本当は一体だけ残してビームで絶頂してみたかったケティだが、そんな事を言い出せる雰囲気ではなかった。
「さて、ドロップはと……」
装備があるかな、と思ったが、パッと見無さそうだった。
「これは……何かしら? 薬瓶? でも開ける所がないし」
ミラが手に取ったのは、一方が円錐になっている金属の筒……ケティの知識では銃弾の形をしていた。
「あのレーザーを撃つための弾じゃないかな。撃つための装備がないから使えそうにないけど」
「ああ、そういうやつかしら……鏃、みたいな」
ミラは首を傾げているので、少なくとも銃という存在は一般的では無さそうだ。
「さて、これで新顔は終わりだね。じゃあ早速ダンジョンで敵を倒していこう」
「張り切るわねえ」
「もちろん! 可愛くてエッチな服が手に入るまで頑張るぞー!」
ついでに、ミラの装備のように身体能力が上がるスキルが付いているとなお良い。
カンカンと高い音を響かせてケティ達は階段を降りていった。
上の階は鉄板という感じの見た目だったが、ここは壁と天井がマットなホワイト、床は濃紺のゴムというかリノリウムのような質感の床になっている。
オフィスか、研究所といった趣のデザインだ。
肝心の16階の構造は、一つ前の館の複数フロアぶち抜きのような突飛なものではなかった。
もしそうだったらまた飛んでスキップ出来ると思っていたケティはちょっとガッカリしたが、今は敵を倒したいので好都合かと思い直す。
階段から降りたこの場所には前に向かって短い廊下と、すぐに両開きの取っ手のないドアがある。
「ミラ、ここも来たことあるんだよね?」
「ええ。でも、私は16階までしかたどり着けてないの。ここは部屋に閉じ込められて、放たれた敵をすべて倒さないと先に進めないようになっていて……」
(遠距離攻撃の充実した新顔達とその条件でやり合うのは面倒そう……)
とはいえ2人パーティであればなんとかなりそうなので、ケティの足は止まらなかった。
「たのもー!」
シュィン、という小気味いい音を立てて開閉するドアをくぐると、背後のドアが閉まる。
ご丁寧に灰色をベースに縦横に黄と黒のストライプが走った立ち入り禁止感あふれる見た目の隔壁が降りていた。
「来るわ」
ミラがムチを構える。
廊下の3倍ほどの幅の部屋で、10メートルほど離れた向こう側のマットホワイトの壁が継ぎ目なく下にスライドし、奥の格納場所からリビングドールが四つん這いでゾロゾロ出てくる。
4体が素早く整列し、こちらに顔を向けてカパッと唇の両端辺りで顎下までスライドして口を開けた。
「毒矢!」
ミラが叫ぶと同時に左へ走る。ケティは右へと駆けた。
ダダダダダ、と一瞬前にいた地点に矢が雨のように降り注ぐ。
このまま壁端まで走ってしまうとジャンプか伏せで躱しながら折り返さないといけなくなり、かなり不利になる。
全速力で走りながらではあるがなんとか集中し、杖から魔力の刃を伸ばす。
横薙ぎに振るうと、リビングドールは全員ひょいとジャンプで躱した。
しかしジャンプで狙いが乱れ、矢の発射自体も止まる。
そこを狙ったミラのムチとファイアボールが2体を仕留めた。
ケティも走り込みながら魔力の刃をちょうどいい長さまで縮めつつ切れ味を上げて斬り上げる。
着地の前にもう一体も返す刀で斬り下ろし、無事全滅させた。
「ふう……いきなり激しかったね」
「ええ。でも敵が1種類だったのはラッキーだったわ」
確かに、アイアンメイデンのような前衛や矢より速いアクメビームを撃ってくるパラボラが居たら面倒だった。
「ドロップは、と……おっ! また装備!」
「私の服もリビングドールが落としたから……服を落としやすいのかも」
リビングドールが着ていた、シンプルながら美しい濃紺のティアードワンピースが床に落ちている。
早速今の服を脱いで着てみると、服が勝手に身体に吸い付いて胸が下から支えられる。
「わっ、凄い。柔らかそうな素材なのに私の胸をちゃんと支えてる」
身体を包み込むワンピースは胸の下に紐を通すようになっていて、乳房で形が崩れることがない。
脇の下から胸へ至る布がピッチリと張り、ケティの頭より大きな乳房を美しく支えてくれている。
裸の胸を晒すかのようにピッタリと布が吸い付き、ケティの大きな乳首も良く見れば浮いていた。
スカートの方は膝を出す程度のミニスカートになっていて、柔らかくて着心地も良い。
「ステータスオープン」
・乳首弱点・・・乳首愛撫で快楽だけでなく性欲にもプラス補正
スキルはこれだけだった。道理で乳首がうずうずするはずだ、とオナニーしたくなったが、それより装備をもっと掘りたい。
「うーん、いちいち着替えるの面倒だな……服は後でまとめてやろっと」
「少しは休憩してもいいのよ?」
「ミラはもう疲れた?」
「私は、まだ大丈夫だけど……今日はケティが沢山魔法を使ったでしょう?」
ミラはおっとりと、手を頬に当てて心配そうに見てくる。
「んー、大丈夫。なんだかんだ着替えたりアナルセックスしたりで休憩してるし」
特に、ドロップ品のサソリとのアナルセックスだ。アナルで深く絶頂したことで気持ち的にはスッキリしている。
一般に、魔力を使った後は精神を休めるのが良いとされる。眠るのが一番だ。
だがケティは、長年の経験により性的に興奮し絶頂することでも魔力回復効果が高まる事を確信していた。
師匠とも戦闘修行の後にセックス修行していたので、検証回数も十分だ。
師匠に研究成果を発表すると「そんな奴はお前だけだ」と一蹴されてしまったが……ケティには実感がある。
「それ休憩になってるのかしら……? まあ、駄目そうなら早く言ってね?」
「うん、着替えたら次にいこう」
その後、ドアの向こうの短い通路を経て次の部屋へ。
アイアンメイデン2と木馬2の組み合わせをサクッと倒し、特にドロップもなく終わった。
「ふーん、道が分岐してるわけか……ねえミラ、どっちかに進んだ後で戻ってもう一方に進んだり出来るかな?」
「ごめんなさい、分からないわ。次の部屋からは敵が6匹になって、それを倒せた事がないのよ」
「なるほど……ここからは本当に未踏ってことだね」
ミラに先導されるのも新鮮だったが、何が出てくるか分からないワクワクを感じてケティは笑う。
「それじゃあ、ガンガン行こうか!」
腕を振り上げて次の部屋に殴り込みに行くのだった。