デカパイエルフに産まれたからにはエッチな目に逢いに行く。 作:伊倉米磁
「んふふ……」
19階に到達した2人の前には、強制戦闘で獲得してきたアイテムが並べられていた。
「えっと……他に、エンチャントが『ささくれしにくい爪』、『蒸れにくい足』と……これは装備しとけばいいや」
特にリビングドールは出てくる度に違う服を着ていて、倒すとたまにその服がドロップするのでアツい。
ケティ好みの明るい色合いの服を求めて、階層の全ての部屋を巡り狩り続けた。
もちろん、装備品のドロップ率は低いので理想的とまでは行かなかったが……
ケティ達の前に山のように積み上がっているのは、バイブだった。
アイアンメイデン、サソリ、リビングドールが低レアドロップとしてバイブを落とすためだ。
アイアンメイデンは内部に色々と仕込んであるらしく、バイブだけで6種も落とした。
「これだけあったら、どれから使うか迷っちゃうね!」
「つ、使いませんっ。もう、そんなに散らかさないで」
バックパックからザラザラと全部ぶちまけた戦利品を眺めているケティを、ミラが顔を赤くしてたしなめる。
「でも、納品の前にちゃんと確認しておかないと。全部、1種類は確保して後で使いたいし」
十手のように二股になったもの、先端にイボが付いたもの、数珠のように球が連なったもの……
色は大体ピンクで統一されたバイブの数々を、スイッチをONOFFして動作確認していく。
「よしよし、自分用はポーチに分けておいて、次は服だね」
3階分とはいえ、一度の攻略ではそう大した量ではないが……良い感じのものはいくつかある。
言ってみれば所詮同人ゲームでしかないエロ同人RPGは、装備全種類にグラフィックの差分を用意してあることなど普通無い。あっても装備自体が少ない。
しかしエロダンジョンは現実なので、新規デザインの衣装もバンバン出てくるし当然全て着替えることが出来る。
ちょっと魔物を狩っただけで当たり前のように着替えが手に入るありがたさを噛み締めつつ、一つずつ持ち上げて確認する。
「なんと……踊り子衣装!」
ケティとしては初っ端から大当たりを引いた気分だった。
エロ同人RPGの定番中の定番衣装の一つ、踊り子だ。セクシーな紫のフェイスベール、ホルターネックの水着のような幅広の帯じみた乳輪だけ隠す白い胴部分、二の腕から先をふわりと覆う独立した青紫の袖の部分、側面に大きくスリットが入り、足首に向かってダボッと膨らんだピンク色のズボンのような下半身部分。
「戦いづらそー、だけどまずは着てみようか」
すぽーんと全裸になり、踊り子姿に着替える。
・羞恥快楽・・・性的な羞恥心が快楽に転換される。
・舞踊興奮・・・踊りにより見ているものの性的興奮を煽るほど性欲と快楽アップ。
・愛液増加・・・愛液を分泌しやすくなる。
「ふむふむ……踊ってる時に即座に挿入されるためのスキル構成だね。将来娼館とかで踊る時のためにキープしとかなきゃ」
「そんな予定があるの!?」
「いつかわからないけど絶対やる!」
娼婦とエッチな踊り子はエロ同人RPGと切っても切り離せない縁がある。いつか良い機会が訪れるのを待ちつつ、服をキープの方に片付けた。
次々に確認していく。アナルセックス好きと背徳快楽付きのシスター服、異種姦好きとレイプ願望付きの魔法少女っぽいワンピース、奉仕好きとスパンキング好き付きのミニスカ腋巫女。
「たった数時間でこの充実……なんて素晴らしいラインナップ……」
「そ、そうかしら……」
ステータスがアップするようなスキルは一つも付いていないが、ケティは全部キープすることにした。
ダンジョン産の装備は、全てケティの凹凸激しすぎる体型にピッタリと吸い付くように合わせてくれるし、重い乳房を持ち上げる効果もある。これだけでも値千金の着替えだった。
ただ、羞恥快楽と背徳快楽はスキルがあまり活用出来ないかも知れないのが悩ましい。
(セックスしたくないけど気持ちよくなっちゃう、っていう経験は私には難しいなあ)
特に背徳は制御が難しそうだ。例えば『打ったら二度と正気に戻れない媚薬』みたいなのを使いたくなってしまいそうだ。
(エルフ人生は1000年もあるんだし、健康第一で長く楽しみたいからそういうのはパスだね)
やりたいのは山々だが、それは終活のお楽しみとして取っておくという決意を新たするケティだった。
「ミニスカ巫女も捨てがたいけど、メイン装備はこれにしよう」
そう言ってケティが選んだのは、ピンクと白の魔法少女っぽい衣装だ。
胸元に大きな赤のリボン、胴は白のドレスシャツのようになっていて襟から正中線を通り腰までフリルが伸びている。ケティの大きすぎる長乳を全方位からギュッと固定し、リボンの真下の胸元と下乳にポッカリと穴が空いて素肌を晒している。
肩からはピンクになっていて、パフスリーブで長袖のいかにもな可愛らしいシルエットになっていた。
スカートはピンクのプリーツスカートで、残念ながら下着は付属していない。さっき洗った自前のショーツをまた穿くことにする。
ベルトのような感じで腰に通されたリボンを調節してウエストを絞ると、ピンク髪の爆乳魔法少女がそこにいた。
胸が大きすぎるため胸元のリボンの羽根は完全に乳房の上に乗っかり、たれは乳の左右から流れる形になり、可愛らしい中にも淫靡な雰囲気が出てしまっている。
「あはっ♥ かわいー!」
故郷では灰色のローブばかり着ていたので、こんなおしゃれをするのは初めてのケティは気分が高揚している。
「ふふ、本当に可愛らしいわねえ。でもちょっと、冒険者の中に混じったら浮いちゃうかも……」
くるくる回ってスカートを翻すケティを、頬に手を当ててにこやかに見守るミラ。
「上からローブを着てれば大丈夫でしょ。それに、このくらいの方がエッチな事に誘われる事も多そうだし」
「もう。そんな事をいって、危ない目にあったらどうするの」
「うーん、レイプなら構わないけど、ただの物盗りは嫌だなあ……まあ、死なない程度に色々経験して覚えていこうと思ってるよ」
ケティのセックスへの興味を止めるのは無理そうだと思わされたミラは、苦笑するしかない。
ピンクと白の魔法少女服の上から地味な灰色のフード付きローブを着ると、先程までと見た目は全く変わらなくなった。
しかし、ケティは前を留めているボタンの下の方を外し、太ももがチラチラ見える程度に調整してからよしと頷いた。
「それじゃ、片付けてお昼食べたら20階に行こうか」
「そうね。20階より下は難しくなるのよね?」
ミラが色々教えてくれたように、ケティも自分の知っている情報を共有していた。
もちろんミラもナンナの事は見ていたが、『ダンジョンで話しかけてくる人外の存在に耳を貸すのは愚の骨頂』という冒険者の常識に従い無視していたら話しかけられなくなったらしい。
(可哀想なナンナさん……)
それより本物のダンジョンでも話しかけてくる存在が居るという所に驚くが、今はエロダンジョンに集中する。
「うん。20階までは子供でも大丈夫な区画らしいよ」
「こんな所に子供を来させちゃ駄目だと思うけど……」
「そこはまあ、言葉の綾だよ。戦闘の難易度的な事を言ってるんだよ、きっと」
「1000年前の子供は、随分強かったのねえ……」
ケティが山盛りのバイブをバックパックに片付け、階段の中程まで行くと遅めの昼食を摂る。
バックパックの中でバイブに埋もれていた弁当箱を開けると、カツサンドと野菜スティックが出てきた。
「んー、カツサンド美味しー」
「本当ねえ。懐かしいわ、この味。子供の頃にこの町に住んでいた時もたまに食べてたのよ」
「老舗なんだ」
雑談しながら食べて、10分ほど食休みしてからまた階段を下り始める。
20階。
なんと、階段を降りた時点で既に次の下り階段が見えている。この階は一部屋しか無いのだろう。
縦横50メートル、高さ20メートルはあろうかという広大な空間に、ぽつんと2体の敵が居るだけだ。
ミラが階段を降りて敵を目にした時点で身構えた。
「遠くて分かりづらいけど……あんなに大きなゴーレム、そうそう居ないわ。ボス格ね」