デカパイエルフに産まれたからにはエッチな目に逢いに行く。 作:伊倉米磁
「さーて、倒すか!」
「気をつけて、ケティ。魔物は基本的に大きい方が強いの。あのゴーレムも、相応に強いはずよ」
地下20階。だだっ広い金属壁の空間の向こう、下り階段への入り口に2体のボスゴーレムが陣取っている。
「もちろん! ボスともなれば、よりエロい事をしてくるに違いないからね。捕まらないように慎重に戦わなきゃ」
降りてきた階段から出てすぐの所で、ケティ達はゴーレムを遠巻きに観察していた。
「はいはい……何にせよ、2体同時に相手をするのは避けたい所ね」
「まずは1体だけ釣れないか試してみようか。……戦い始めたらこの階に閉じ込められたりしないかな」
ちらりと、後ろの階段の途中においてあるバックパックを見る。
「まあ、気にしすぎても仕方ないわね。2体とも来た場合、戻れるなら一度階段の上まで戻りましょう」
ボスゴーレムは階段の入口よりも横幅が広く、恐らく上下ともに階段には入れないと思われた。
「うん、1体だけ来たら私が前に出るね」
簡単に打ち合わせを済ませて、2人が前に出る。
中々反応しないボスゴーレムだったが、2人が部屋の中央に来ると同時に片方がダッシュで近づいてきた。
これ以上近づいて2体目が来ても困るので、ケティはその場で待ち受けることにする。何も言わずともミラは下がってくれた。
金属床に金属のゴーレムの足音がけたたましく響く。
どんどん大きくなってくるゴーレムの見た目は、ファンタジックというよりは普通にSFのロボットだ。
二の腕と太ももの辺りだけが黒い棒のような腕と脚が露出し、その他は白く曲線状の鎧のようなパーツで覆われている。
胴体部分は角の丸い直方体のようになっていて、おそらくはアイアンメイデンと同じく女を捕らえるタイプのエロ攻撃をすると思われた。
(あの細い手足、斬れるかな……)
マットな白い鎧と、金属光沢のある黒い手足。もちろん狙えるなら後者だが、どちらもかなり硬そうだ。
初手全力の斬撃を御見舞しようと魔力の刃に力を漲らせる。
横薙ぎに脚を斬りつけると、腰を落とした走りをしつつ左腕でガードしてきた。
腕と胴体に刃が食い込む。斬れてはいるが……低反発マットを押した時のようにゆっくりとしか押し込めない。
速力を増して迫るゴーレムは、ケティの斬撃を嫌がっていることは明らかだった。
自分から刃を食い込ませるように近づいてくるのは、食い込んだ刃を変形させてへし折ろうという意図も感じられる。
ならばとケティは地面から足を離す。ゴーレムの腕に食い込んだ部分だけを支えに身体を浮かせた。
走り込んでくるゴーレムと同じ速度で後ろに飛んでいくが、部屋の中央なのでまだ壁は遠い。
魔力の刃を変形させる。剣の腹から触手を伸ばし、ゴーレムの腕に巻き付けた。更には刃をチェーンソーにして削ろうとする。
『ビビッ! ビビビ!』
ゴーレムの胴体正面についたカメラアイ、その周りが赤色のピカピカ光ると同時にビープ音を響かせた。
ゴーレムがケティに構わず腕を振り上げ、瞬時に小さな体が地上数メートルの高さまで持ち上げられる。
『ビガッ!』
「ケティ!」
ミラがゴーレムの腕にムチを巻き付けて引っ張るも、全く意に介さない。
そのまま振り下ろし、ケティの身体は金属床に叩きつけられた。
ゴォン! と鈍い音が響くが……足から着地したケティは身体強化で耐えたので平然としている。
それどころか刃をへし折る勢いでさらに腕を振り下ろそうとするゴーレムの動きを、力で抑え込んでいた。
その間も太い腕に絡みついた触手がチェーンソーの刃を押し付け、鎧を削り続けていた。
『ガガッ! ギーッ! ギーッ!』
けっこう感情豊かそうなビープ音を鳴らしながらゴーレムがやたらと腕を振り回すが、今やしっかり食い込んでいる刃が抜けることは無く、ケティも身体のバランスを取って床に叩きつけられるのをやり過ごしている。
しびれを切らしたゴーレムが思い切り腕を振り上げる。
と同時に、その腋で大きな爆炎が巻き起こる。ミラが魔力を沢山込めたファイアボールを命中させていた。
ケティの手に伝わるゴーレムの力が抜ける。うまい具合に腕が駄目になったらしい。
刃を消滅させて拘束から抜け出し、今度はミラに向き直ってケティに背を向けてしまう迂闊なゴーレムに近づく。
杖をくるりと回転させ、今できる最大威力の槍を剥き出しの右太もも部分に突きこんだ。
ギャリッ! と耳障りな音を立てて槍が突き抜け、反対側に金属の花を咲かせる。
がくん、と右側に傾いて右手を床についてしまうゴーレムだが、既に左腕が駄目になっているため完全に死に体だ。
当然それを見逃さずにもう片脚も槍の一撃で破壊する。
『ビビ―ッ! ビビーッ!』
苦悶のようなビープ音と共に、ゴーレムの頭頂部がガパッと開いた。
中から触手が飛び出し、破れかぶれに一番近くのケティに向かってくるが……全身から衝撃波を発生させて弾き、隙ができた所を伸ばした刃でまとめて斬り裂いた。
ちらりとみると、赤色に光る球がゴーレムの頭の上に開いた穴へと落ちていく。
どむっ! と内部で爆発し、ゴーレムの姿が薄れて消える。まずは1体、余裕をもって倒せたようだ。
巨体のあった場所には、モノトーンの水着……いやハイレグ戦闘スーツが落ちていた。
「あっ! これミラのとちょっと似ててエッチで良いかも」
「あまりそういう事を言わないで……それより、今は戦闘中よ」
言われて振り返るが、ゴーレムはまだ階段の前に陣取っている。
「大丈夫そうだよ。服が駄目にならないようにバックパックの所に持っていかないと」
戦闘自体はすぐ終わったが、魔力を全開で使ったので少し一息入れるついでに、ドロップ品を退避させておいた。
そして2体目だが、なにか特別な事をしてくるわけでもなく、陽動に引っかかりやすい性質はそのままなので苦労すること無く倒した。
チャイム音と共にエンチャントがドロップする。
「やったあ! エンチャントだ! やっぱりボスは良いものドロップするんだね!」
ケティがニコニコ顔で確認する。
・よく伸びる膣:膣カテゴリ・・・大きな物を挿入でき、拡張されることで快楽を得ることが出来る膣。
エンチャントを即座に装備すると、スキル欄にスキルが増えた。
・膣拡張・・・直径7センチ、挿入長60センチまでの異物挿入が可能になる。切創に耐えるものではない。
装備しても特に感覚が変わったりはしないようだが、きゅうきゅうと空打ちで膣を締めてみるとケティは早く処女喪失したくてウズウズしてきてしまった。
「はー、試したい試したい……♥ あっ、エッチなスーツも着なきゃ!」
ぴゅー、と走って上り階段の辺りに置いてあったハイレグ戦闘スーツを拾い、すぽーんと全裸になって着替える。
ケティの爆乳にも柔軟に対応し、スーツがピッタリと身体を包み込む。
上は二の腕辺りまでをピッチリとした黒インナーと白くて衝撃吸収力の高い鎧が覆っている。
下は腰の横辺りまで切れ上がった際どいハイレグで、ケティが元々パイパンでなかったら毛がはみ出ている所だ。
鎧は肩から襟元にかけてはがっちりとしているが、胴体や胸はSFチックなスケイルアーマーと言った感じの多重装甲に覆われているものの所々素肌をチラ見せしている。
乳房の上下にもパイズリ穴とでも言うべき開放部があったし、ヘソの下の色違いの部分を長押しすると股間と胸がぱかっと開放される。もう一度押すと元に戻った。
「セックス用機能たすかるー……えーとスキルは……」
・拘束時自動回復・・・敵対者に拘束され、動けない時に身体の傷が癒える。拘束されたまま性交していると回復効果が上がる。
「ほお……これは中々凄いのでは? アイアンメイデンを回復ポッドに出来る……」
治したいほどの大怪我をしている時に拘束セックスしなければならないので非常手段ではあるが、エッチでありながら実用性を感じさせる新装備にケティは満足そうに笑った。
「ミラ、どうする? こっち着る?」
「え、い、いえ。私はこの装備でいいわ」
ケティが身体をひねるとピッチリしたスーツは良く伸び、表面の装甲は滑らかにスライドして乳房の形を美しく保つ。
ぴょんぴょんと跳ねたり、前屈して背を反らしたりとロストテクノロジーの胸サポート力にひとしきり感動してからローブだけ着た。
「なんか、これにローブだけ着ると変態っぽいね」
「うーん、否定できないわね……」
荷物を背負うと、そんな雑談混じりに余裕をもって階段を降りて行くのだった。
そして、ついに初心者エリアを脱した21階。
踏み入れた瞬間、空気の違いに気づく。
獣の体臭。そっけない岩肌。階段の入り口にある緑色の照明が場違いなほどの、暗闇。
本当のダンジョンが目の前に広がっていた。