※この作品はR-18です。

デカパイエルフに産まれたからにはエッチな目に逢いに行く。   作:伊倉米磁

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25.戦いはこれから

 ここまでは、魔物もとにかく媚薬を出すやつばかりで……薄っすらとダンジョン全体から甘ったるい匂いが漂っていた。

 しかし、目の前の暗闇……頼りない緑色の明かりでは正面の壁さえ見通せない真っ暗な洞窟からは、本物の洞窟のように淀んで湿った空気と不快な獣臭が漂っている。

「いきなり真面目になってきたね」

「ええ。オーソドックスなダンジョンね」

 隣に立つミラは表情を引き締めているものの、怯えはないようだ。

 

 そもそもダンジョンというのは、魔界の住人がこちらの世界に侵略しに来るために作ったトンネルであり、前線基地だ。

 最深部は別次元の魔界に繋がっていて、そこには強固な建築物が建てられて魔人の兵士なども常時詰めているらしい。

 逆に出口辺りは岩肌そのまま、という事も多いらしい。さらには出てくる魔物も放し飼いにしたような知能の無いものばかりだという。

 

 結構な時間と労力をかけて掘っているはずだが、最初から最後まで完璧に作りきったようなダンジョンというのは珍しく……もしそんなものがあったら魔界の有力者が作ったものと思って良い、と師匠は言っていた。

 ミラが言うには、それ以前に殆どの冒険者が潜るダンジョンというのは、魔人達がとっくに撤退して魔界の動植物が野生化した洞穴の事だそうだ。

 どうやってか植物が生い茂り、それを食べる動物、さらにそれを食べる大型動物……という風に独自の生態系を築き、ちょっとやそっとでは根絶出来ないため冒険者の仕事が無くなることも無いらしい。

 

 穴を掘る事を期待されて放し飼いにされていた魔物なので入り口を埋めておしまいにすることも出来ないし、それどころか横穴を作られていないか定期的に検査して埋めているという。

 魔物を減らし、ダンジョンを奥から少しずつ埋め、それを繰り返す事で徐々に無害化していくのがダンジョンの消滅過程だと、ミラが教えてくれた。

 

「私が若い頃初めて潜ったダンジョンも、ここと似たような感じだったわ。臭いは……どこか違う感じだけど」

 すんすんと獣臭い洞窟の空気を鼻で吸い、顔を顰めるミラ。

「なるほどねー。でもまあ、エロダンジョンには違いないわけでしょ? エッチな事が出来る魔物がいるのは間違いないよ」

「現実のダンジョンにはそういうのは殆ど居ないけどね……居たとしても重点的に間引かれるわ」

 

 魔物姦というのは何もエロダンジョンの専売特許というわけではなく、ゴブリン始め亜人型の魔物は他種族と子供が作れる。

 当然人間が囚われたら都合の良い繁殖相手にされてしまうので、討伐依頼も頻繁に出されている。

 人間相手でなくても繁殖力が高いのでダンジョン外でも根絶出来てはいない。

 

「いつかは本物のゴブリンやオークともセックスしたいなあ」

「やめなさいね本当に……」

 むにょんと腕組みをするケティに呆れた目を向けるミラ。

 

 そんな風に雑談をしている間も、特に魔物が襲ってきたりはしない。

「この近くには魔物が来ないようになってるのかな」

「その可能性は高いわね。ここの魔物は魔力で作られているみたいだし」

 

 これ以上ここに居ても雑談以外出来ることは無いので、ついに進み始める。ケティを先頭にする事にして、バックパックはミラが背負った。

 ケティは頭の上50センチほどに光の玉を浮かべた。宙に浮いているように見えても、身体から魔力の導線を確保している。言ってみれば針金で繋がったボンボンをぶら下げているようなものだ。

「ケティ、ダンジョンの攻略は初めてなんでしょ? ちゃんと照明も出せるなんて、さすがね」

「ふふーん、師匠の教えが良いので」

 

 師匠からは色々とダンジョン攻略に必要な技術を叩き込まれている。

 暗闇の中で照明と索敵と攻撃の3つを併用するのは慣れているため、多少難度が高くてもスムーズに実行できた。

「でも、これ以上とっさになにかするのは難しいかも」

「それはそうでしょうね……私もフォロー出来るよう気をつけるわ」

 

 頷きあって、そろそろと歩を進めるのだった。

 

 

 道幅2メートルほどの狭い道を歩き始めてすぐ、前を歩くケティはあることに気がつく。

「あ、そうだ。ここにも罠あるのかな?」

「ああ……そうね。普通のダンジョンみたいな外見で忘れていたけど、ここは21階だから……上階に出たものは出てくるかも知れないわ。でも、騒いで魔物を呼び寄せるのも……」

「ううん……」

 

 いきなり困ってしまう。初心者エリアを抜けた洗礼と言った所だろうか。

「まあ、とりあえず魔物の方を警戒したいかな」

 ケティが肩越しに振り返ってそう言うと、ミラが先を促すような視線を投げかけてきた。

「えっとね、罠は今のところ処女膜を取りに来るものじゃないけど、獣系の魔物なら絶対オマンコ狙ってくるだろうから」

 

 いきなり卑猥な語彙をぶっ込んでくるケティに、ミラは顔を少し赤くして咳払いする。

「んんっ! まあ良いわ。このダンジョンでは死なないというのを信じて、その方針でいきましょうか」

 そういうわけで、もし罠を見つけたら当然避けるが床や壁をバンバン叩いて進むのは無しになった。

 

 それが吉と出るか凶と出るかは分からない。催淫ガスの罠と魔物の組み合わせで魔物にレイプされて処女を失うかも知れない。

 ケティはレイプ願望のスキルが無くてもこの状況がとても楽しかった。

 入り口からの一本道を10メートルも進むと、道が二股に別れる。

 

「どうする?」

「ケティの好きな方でいいわよ。道は覚えておくから」

 後ろからの声に、まずは右へ進むことにする。

(クラピカ理論……はあんまり意味ないと思うけど)

 

 行動学の見地から左を選びやすいというのは恐らくこの世界にも適用される。

 しかし、左しか次の階に繋がっていないということも当然あり得るので、結局はダンジョンの構造次第で左も選ばなければならない。

 左右どちらかを選んで先に進む、という試験とは前提が違った。

 

 とにかく右に向かって暗闇をソロソロ進む。

 恐らく、構造上ここからがダンジョンの始まりという所だろう。すん、と鼻をひくつかせると獣臭が濃くなっている気がした。

 道幅は徐々に広く、5メートルほどにはなっている。戦いやすい反面、数で押されたら面倒になりそうだ。

 

 殆ど聞こえないが、道の奥から『ぺた、ぺた』というような微かな足音が時折届いてくる。

 あまり重々しい音ではない。

(今度はどんなセックスを仕掛けてくるモンスターだろ……♥)

 新しい初セックス候補に胸を高鳴らせ、その姿を色々と想像しつつも暗闇の先に目を凝らしながら歩く。

 

 光に照らされた範囲の前方で、通路の左右の壁が途切れた。

 どうやら、すぐそこが広場のようになっているらしい。索敵の範囲には引っかかっていないが、暗闇の中から微かな、複数の息遣いが聞こえてくる。

「待ち受けてる感じがする……」

「そうね……ちょっと牽制してみましょうか。今から閃光玉を出すから、目をかばっててね」

 

 閃光玉というのは、ついこの間ジェシーとの練習でケティも偶然だしたアレだろう。

 師匠からも存在は聞いているのだが、基礎を応用するだけで出来るので勝手に練習しろと言われてそれっきりだったのを今思い出した。

 ミラが魔力の殻の淡い白に光る球を下手投げする。ケティは閃光に備えて杖と逆側の手で目をかばった。

 

 真っ暗な洞窟が一瞬だけ昼間のように明るくなる。

「ギイイィ!」

「ギャッ、ギャッ!」

 という騒がしい鳴き声がいくつも向こう側から聞こえた。

 

 案の定だったので、魔力の導線をうごかして光の玉を前方に飛ばしていく。光量も強めると、前方の広場を全て照らすことが出来た。

 そこに居たのは、猿だ。ピンクの体毛と色黒の地肌を持つ、筋肉ムキムキの猿が6匹、広場が手狭に感じるほどの体格だ。

 恐らく『拒絶』でも吹っ飛ばすのは不可能、一瞬の足止めしか出来ないと判断し、囲まれる前にケティは刃を伸ばして左端の猿の心臓を突く。

 

 ミラも右端の猿に向かって、ファイアボールを放ち爆殺していた。

 出端をくじく事に成功はしたがまだ相手はこちらの倍残っている。猿も分かっているのか、怒りに燃える表情でチンポを勃起させながら迫ってくる。

 4本足での移動はリビングドールと比べても更に早く、筋肉の力強さとレイプしようという意志が叩きつけられているかのように感じ取れた。

 

 左から右へ横薙ぎに刃を振るうと、ぺたんと地に這うように躱される。猿たちはその間もスライディングのように速度を殺さず迫るが、起き上がり際を狙ったミラのムチにより左端の猿が目玉を強かに打ち付けられて苦痛にもんどり打った。

 他の猿たちは構わず突っ込んでくるが、もうすぐ通路に突入するという所でミラの放っていた魔力の球が床に落ち、爆発が起こった。

「ギギャ!」

 

 中央の猿だけが怯むものの、まだ仕留めるほどではない。

 2体の猿が先行してこちらに飛びかかってきた。すごい速度で大きな手を伸ばし、ケティのたわわな胸に掴みかかろうとする。

 その腕ごと、袈裟斬りで猿を切り捨てる。しかし右からも殆ど同時にケティの腕に手が伸びていた。

 

 がし、と猿の力強い手にケティの右腕が掴まれる。

 しかしケティの目は掴んでくる猿ではなく、奥の方で起き上がりこちらに向かってくる残り2匹の猿を見ていた。

 猿の腕が引き寄せるのを踏ん張って耐えると、ケティの視界の端から漆黒の影……ミラの脚が伸びてくる。

 

「ギャッ!」

 ミラのスケベな全身スーツは靴も一体化しており、つま先は尖った鎧で覆われていた。

 そのつま先を正確に目に叩き込まれた猿が怯むが、まだ腕は離さない。

 

「チッ……」

 ミラが舌打ちと共に片脚で軽く1メートルはジャンプすると共に長い脚が高々と上がり、これも鎧でトゲの生えた踵を思い切り頭頂部に叩きつける。

 今度こそ絶命したのかケティの腕を掴む猿が消えていく感触を待たず、まずは軽症そうな片目を潰された猿の方を突きで仕留め、最後に残った猿はケティとミラの刃とムチを躱しきれず接近戦になる前に斃れた。

 

「ふーっ、結構しぶとかったね」

「ええ……予想より多かったわ。」

「チンポも大きかったし、犯される時の勢いすごそー♥」

 

 襲いかかりながらも、猿達は一匹残らずフル勃起させていた。押し倒されてしまったら、戦っている最中であっても犯されてしまうだろう。

「も、もうっ。すぐにそういう事を言って……」

 と言いながらも、ミラの顔も赤い。再び警戒で魔力のガスを撒きながらもドロップアイテムを回収し始める。

 

「お、これは……下着?」

 ドロップしたのは、猿のチンポ型のバイブ2本とランジェリー上下だった。

 サルの地肌と同じ茶褐色の、陰部がギリギリ透けない程度のレースがあしらわれたブラジャーとショーツ。

 ケティの故郷にはゴム無しのスポブラみたいな下着しかなかったので、ぜひ普段着に使いたい所だが……

 

「うーん、ピッタリしたスーツとは併用出来ないかも」

 ケティは今ゴーレムのドロップアイテムであるピッチリ戦闘服を着用しているが、その下は全裸だ。

 あまりにも心地よく身体にフィットしてくれるので、下着を付けると邪魔になる気がする。

 特に下のほうはスーツに股間だけ開放する機能が付いているので、下着を付けていると排泄やセックスする時面倒そうだ。

 

「何にせよ、吟味してる場合じゃないわ。移動しましょう」

 ミラのバックパックにバイブと下着を詰めると、また移動を始める。

 時折丁字路の曲がり角なんかに猿が潜伏していたりするが、ケティの索敵で分かるためミラに爆殺してもらいつつじわじわと探索を進めた。

 

 猿はドロップが渋くバイブが殆どではあるが、毛皮のチューブトップとマイクロミニスカートのセットなんかも落ちた。

 結局21階では猿以外には何もでず、下り階段を発見する。

「まあ……エンチャントがドロップしたみたい」

 ミラが階段周りに陣取っていた猿を倒し終えた時にそう言った。

 エンチャントドロップ時のチャイム音は本人にしか聞こえないというのは分かっていたが、ケティには本当に何も聞こえない。

 

「おっ! という事はシステム開放だね! 22階を見たら今日は帰らない?」

 ミラは今まさにエンチャントの総ドロップ数が10になった。この状態で1階に帰れば、ナンナがスキルオーブシステムのチュートリアルをしてくれるはずだ。

「そうね。21階の地図も書いておきたいし、一旦戻りましょうか」

 階段を降りて22階に来るが、21階の入り口と全く見分けのつかない光景が広がっているのを確認して戻った。

 

 帰りは知っている限りで近道を選び、さっさと帰る。

 歩きながらドロップアイテムを試着しようとするケティをミラがたしなめつつ、1階にたどり着くのだった。

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