デカパイエルフに産まれたからにはエッチな目に逢いに行く。 作:伊倉米磁
「よーし、それじゃ行ってみますか」
てくてくと、ケティがダンジョンを下っていく。
マイコニドとパコりまくった罠フロアは10階なので、次の11階は洋館フロアだ。
ダンジョンは定期的に構造が変わるらしいが、まだ前に来た時と全く同じ構成であるためサクサクと駆け抜けてしまう。
そして20階。
「あ、ボス復活しちゃうんだ。最近セックスばっかしてたからそんなに経っちゃったか……」
ナンナが言うには、メンバーが同じ場合は3日でリポップするらしい。
ボスが3日に1度しか倒せないというのは、ドロップの質の良さを考えれば配慮されたバランスというところか。
もちろん、ギリギリでボスを倒せるかどうかという場合は3日に1度は厳しい試練に挑む事になってしまうが……
「ま、ゴーレムは普通に倒せるし、今は倒しちゃおう」
ゆくゆくはボス敗北レイプを経験するつもりだが、今回はサクッと倒してしまう。
そしてアイテムドロップ。首尾よくエンチャントが手に入った。
・整った膣:膣カテゴリ・・・激しく、頻繁にセックスしても形が崩れない膣。
「うっ、しまったな……膣と膣でダブってしまった」
ドロップを確認して、ケティの顔が曇る。
現在、ケティの膣カテゴリには『よく伸びる膣』がセットされているため、交換になってしまう。
「ううん……まあ性ダメージは無しにしてあるから、今は別に要らないか。エンチャントオーブで持ち出しの時に価値が出るやつだね」
エンチャントもいくつか拾って、傾向も少しずつ見えてきた。
コモンやアンコモンは本当にどうでもいい感じの、美容を気にする人は喜ぶものがそろっている。
性的な部位は感度を上げたり丈夫になったりと色々あるのだが、たまに今のような『実はダンジョン内では出番がないスキル』も混じっている。
ただ、エロダンジョンの外に持ち出せるならケティも『整った膣』のほうを選ぶだろう。外では異種姦の機会もほとんどないだろうし。
あと数個エンチャントを手に入れたらケティもエンチャントオーブガチャが出来るようになるので、今のところはこれは売り払うつもりだ。
「じゃ、行こっか」
ひとしきり考察を終えて、ミラに向き直った。
「ええ。今日はどこまで行くつもり?」
「今日はできるだけモンスターを無視して、30階まで行きたいな。いい加減、移動のためだけにここまで来るのは面倒だからね」
「直通のワープができるのよね。やっぱり、ワープの技術って昔からあったのねえ」
1000年前に文明が滅んで以来、多くの技術が失われたが……町と町を結ぶワープ移動網というものは現在も使われている。
主要なダンジョンに冒険者という兵力を送り込んだり、食料品などを輸送したりと様々な恩恵を世界中にもたらしていた。
バックパックに詰まったお弁当、カツサンドだってワープ網がなければ庶民には手が届かない値段になっていたことだろう。
「そうそう、じゃあワープ部屋目指して、出発!」
ケティが手を振り上げ、白とピンクの魔法少女服の乳をぶるんと揺らした。
まだダンジョン全体の構造が変わる時期は来ていないのか、マッピングした内容はそのまま使える。
チンポをバキバキに勃起させた凶暴なサルに向かってケティはねっとりとした視線を送るが、セックスはワープが出来るようになってからと我慢し、サクサクと迷宮を降りていく。
そして、ケティが処女喪失した記念の26階も超えて27階へ到達した。
「あっさりと来れたね」
「そうね。この地図もいつまで使えるか分からないし、このまま抜けてしまいたい所ね」
26階と27階は特に違うところは無く、これまでと同様、若干広くなり分岐が複雑になっただけだった。
これまでの経験上、階段はフロア中央にもあるし端にもある。狙い撃ちなどはできないが……階段同士が近かったことだけはなかった。
なので、まずは行けるところまで離れる方向に進む。
ケティが魔力をガス状にして死角になる場所にモンスターが居ないか索敵しつつ、ミラも罠がないか地面をよく観察する。
ずんずんと進んでいくと、奥が開けた場所になっていた。
「ん……開けてるけど、魔物が居ない」
「えっ、まさか……」
と思って部屋に入ると、下り階段が見つかった。
「おおー、ラッキーだね」
「そうねえ。たまにはこんな事もあるものねえ」
サクサクと28階へと進んだ。
続く28、29階ではいくつかの戦闘を避けられなかったものの、特に苦労もドロップもなく抜け、あっという間に30階に到達した。
「ふー、急いで行けば結構早いもんだね」
「予想よりずいぶんスムーズに行けたわね。……で、ここにもボスがいるのね」
20階と同様、広大な空間が広がっている。しかし、明るかった20階とは違い洞窟であるため向こう側の壁も見えない。
「また2体居るのかな……」
「もっと沢山で待ち構えてるってこともあるわね」
ゴーレムが2体だったのは、おそらくボスをスルーして通れないようにしたのだろう。
ここでも、少なくとも階段の前に1体は居るはずだ。
「ううん、とにかく見えないのが嫌だな……閃光玉投げようか?」
「そうねえ……でもそうすると、一斉に襲い掛かって来そうなのよね」
これまでも閃光玉を投げて目くらましをするのは効果的だったが、目が見えるようになった後は全員が一斉に襲い掛かって来ていた。
ボスが2体だけだったらまだ良いが、例えばボス猿と大量の雑魚が待ち構えていたら押し切られてしまうかもしれない。
「うーん、まあ良いでしょ。一斉に来るなら、むしろ好都合なこともあるし……ミラ、ファイアボールの用意お願いね」
「ええ。大勢で襲い掛かってくるようなら使うわね」
そう、たとえ襲い掛かって来たとしても、こちらにも魔法という対抗手段がある。
相手が密集してくれるなら一網打尽にするチャンスにもなるのだ。
「じゃ、行くよっ!」
ケティが高圧縮の小さな閃光玉を3つほど手に生成し、扇状に投げた。
ぱぁん、と高い音とともに暗闇が切り裂かれる。一瞬の閃光でしかないが、確かに敵の姿も見えた。
はたして、予想通りに雑魚としての普通のサルが10匹は見えたのだが……
「今、大きいのが3体居たよね?」
「そうねえ。これはちょっと骨が折れそうね」
だだだ、と暗闇の向こうから重い足音が地面の揺れを伴って響いてくる。
ケティは魔力を込めて頭上の明かりを強くし、相手を捕捉した。
敵は素直に前方の10時から2時の方角から殺到しており、だんだんと横の感覚が詰まって来ている。
「ケティ!」
ミラの合図とともに、ケティは魔力の刃を伸ばし前方を切り払った。
大縄跳びのように1匹のボス猿と10匹の猿が飛び上がる。
それはもはやケティ達に攻撃できる軌道であり、サルたちも嗜虐的な笑みを深くしていた。
だが、当然それは誘いだ。
ミラが鞭の柄の先から放ったファイアボールがカウンター気味に群れの真ん中に着弾し、その爆風がすべての猿を舐めて行く。
熱風に耐えかねて目を瞑ったところを、ケティが返す刀で切り裂き、雑魚のほうはすべて片付いた。
だがボス猿は腕をクロスして致命傷を防いでいる。
直撃ゆえに跳躍の勢いがなくなり手前に着地したボス猿が、ドンと音がするほどの踏み込みでケティに殴り掛かった。
「っと!」
ケティたちは左右に散開しタックル気味のパンチをよける。
狙われていたケティはスレスレでの回避になったが体をひねってボス猿の背中を狙おうとし、体の違和感に気づいた。
ボス猿のピンク色のしっぽが、ケティの胴体に巻き付いている。
「のわっ……!」
ぐん、と引っ張られ、ボス猿のテレフォンパンチが待ち構える方へと飛んで行ってしまう。
ミラの鞭が正確にボス猿の眼球を狙い、片目を瞑ったが狙いはブレない。
「うりゃっ!」
ケティも崩れた体勢ながら杖を振りかぶり、魔力の刃をボス猿の拳めがけて振り下ろす。
ガィンッ! と金属を打ち合わせたとしか思えない音とともに巨体と少女の力が拮抗した。
その隙を逃すことなく、ミラがボス猿の背中にファイアボールをお見舞いし、頭を横から鞭でぶったたく。
「グルゥアッ!」
ちょっかいに怒ってボス猿がミラのほうを向いたところで、ケティが尻尾を切り落とした。
「ガアァァァッ!」
その痛みにボス猿が吠え、このまま一気に勝負を決めようとケティ達が武器を振りかぶる。
しかし、背後から響く足音に一瞬で意識を切り替え、前へと跳んだ。
直前までケティの居たところが2匹のボス猿により強く殴りつけられている。
宙返りしながら上下逆の視界でそれを見て、ケティは顔をしかめた。
「全員来ちゃったかー」
ざっ、と着地して手負いのボス猿を狙うが、すでに立ち直ってしまったためミラの目つぶししか入っておらず後退されてしまった。
3匹全員来たボス猿たちは2人を包囲するようにじりじりと散開する。
それを待ってから、手負いのボス猿に向かって突撃した。
「ウォォォォ!!」
迷いなく狙われたボス猿が怒りの咆哮を上げて拳を突き出してくるが、目を狙われてその狙いは甘い。
サルの腕より長いミラの鞭がさらにボス猿の目を狙い、両目ともつぶしてしまった。
その隙を逃さずケティが喉元を魔力の槍で貫く。
絶命でその場にドロップアイテムを残して消えていくがそれにかまう暇もなく反転、残り2匹のボス猿を迎えた。
「うりゃっ!」
胴体中央の高さを狙うケティの薙ぎ払いを、1体は伏せ、1体は跳んで避けた。
伏せた方をミラがファイアボールで牽制している間に、ケティは跳んだほうと距離を詰めるように前にダッシュ、ボス猿が拳を振り下ろすよりも早く胴体の中央を全力の魔力の槍で貫いた。
「ギャオォォォ……!!」
断末魔とともに消えていくボス猿。残り1体も、普通に数的不利に持ち込まれてしまい、ほどなく斃れることとなった。
「ふう、結構多かったね」
「そうねえ。でもケティ、さすがね。一撃で仕留められるなら、さほどの脅威ではなかったわね」
「んふふ、もっと褒めて♥」
ミラの賞賛に気をよくしつつも、散らばったドロップアイテムを回収した。
「ふむふむ、ボスのドロップは、と……おっ、スケスケのエッチな下着だ!」
乳首や股間の向こう側が透けて見える、しかも純白の下着。
雑魚の猿からは黒など暗い色合いの下着ばかり出てきたので、レア感がある。
「こっちは……服? 鎧? なかなかよさそうな装備ねえ」
肩パッドと鋲付きの革ジャンに、ジーパンのようなズボンがついたひとそろいの装備だった。
「うわー、世紀末って感じ」
内側に胸パッドがあるので女性用装備であることは確かだった。
股間もワンタッチでめくれて露出できるようになっており、『配慮』されている。
「うーん、後で着てみようか。もう一体は何か落とした?」
「ええ。これよ」
ミラが渡してきたのは、念願のボス武器ドロップ。
「釘バットかあ……」
うれしいようなそうでもないような、微妙な顔でケティはそれを受け取った。
「とりあえず、私は鞭のほうが良いわね」
「うーん、スキルは、と」
ステータスオープンで装備している時のスキルが無いか確認すると、ちゃんとあった。
・腕力上昇・・・腕力が10%上昇する。
「おっ、すごい。普通のスキルだ」
性的なものではなく単純に戦闘に役立つスキルが、ついにドロップするようになった。
そのこと自体は良いことなのだが、ケティはむしろ性的なスキルのほうが欲しいのでハズレが多くなったともいう。
「まあ、戦闘が楽になったらその分深く潜れるから、悪いことじゃないか。服のほうも着てみるよ」
小柄なケティが着ると、黒の革ジャンと薄青のジーンズもかわいらしい。それがトゲ肩パッドと鋲付き革ジャンであっても。
「さてさて、スキルは付いてるよね?」
ステータスをワクワクと見てみるケティの目に、想像以上の結果が飛び込んでくる。
・チンポ大好き・・・性欲が常時上昇。乱交時、性欲と快楽と忍耐がアップ。乱交時、一定時間ごとに体力回復(微)
・発情猿・・・性欲に比例して腕力が上昇(小)
「おお、良いじゃん!」
エロに役立つ上に戦闘にもシナジー効果がある組み合わせだ。
「どうする? ケティ、着る?」
そう言われて、ケティは考え込んだ。
「うーん、でもなあ……可愛さが足りないっていうか……やっぱ今までのを着とくよ」
ケティ的にはパンツルックよりもっと可愛さとエロさを全面に押し出して行きたいので、ここは見送ることにした。
きっといい値段で売れることだろう。
「そう……これもケティが着ると結構可愛らしかったのだけど。それじゃあ、ワープできる場所を探しましょうか」
「うんっ。これで楽になるぞー!」
登りの階段と下りの階段は向かい合っており、ワープ部屋は入口である登り階段から見て左の壁にあった。
黒いパネルに手を置くと、SFのような円形の台座に青い光の筋が走り、おそらく装置が起動したのだろうと分かる。
「うん……普通のワープ装置と同じね。さあケティ、この上に立って」
先輩冒険者であるミラは若いころから使っていたのだろう、慣れた様子で円形の台座にもあるパネルを操作し、ケティを手招きする。
初めてのケティはワクワクしながらミラの隣でワープを体験した。