デカパイエルフに産まれたからにはエッチな目に逢いに行く。 作:伊倉米磁
明くる朝。小さな集落の殆どの住民……100人程度がケティシュの出立に集まった。
ケティシュの服装は、前をボタンで留めたフード付きローブ、その中には肩当てと胸から胴をコルセットのように覆う革の部分鎧、どちらも革部分を緑に染め上げている。その下は白いシャツ、ズボン、足元は頑丈そうな編み上げブーツという、冒険者用の装備だ。
何年も前から外に出たいと言い続けてちゃんと修行もしていたため、皆して用意してくれたものだった。
特に服などは、村唯一の仕立て屋である中年のエルフに胸のサイズを詳しく測ってもらったため、見境なくムラムラしたケティシュが秘密を知る人間を一人増やそうかと悩んだ思い出の一品だ。
多少しっかりとしたポロシャツみたいな服の上に専用のベルトで革防具を固定しているのだが、ケティシュの巨乳をストレス無く包むために、もはや乳固定具の様相を呈していた。
ぴょんぴょんとジャンプしてみても、普段のように乳がぶっるんぶっるんと暴れる事無く抑制されている。それでいて身体も捻れるという職人技であった。
ケティシュは昨日オナニーに使っていた杖でコツンと地面を突き、ズラッと並んだ見知った顔を眺める。
「ちょっと大げさじゃない?」
流石に苦笑していると、緑の髪をもつケティシュの父親が近づいてくしゃりと頭を撫でた。
「ははは、ハーレイ以来の椿事だからね。皆珍しいことには目がないのさ」
「ふぅむ……チン事……まあ見送ってくれるのは嬉しい。ありがとうね、お父さん」
ぎゅ、と豊満な胸を殊更に押し付ける事無く、家族の親愛を込めたハグを父親と交わす。
「辛くなったら、いつでも帰ってきて良いからね……」
涙を目に浮かべた、人間なら20歳そこそこに見える若奥様然とした緑髪の女性がすぐ近くに来て、ケティシュの額にキスをした。
「うん、そのうち帰ってくるよ、お母さん」
前世の記憶はあるものの、個人的なエピソードについてはおぼろげでしか無いケティシュにとって、両親はこの二人だけだ。
(お母さんと師匠が不倫してたの、お父さんにバレなくて良かったなあ)
子供が産まれてからセックスレスになって悶々としていた所をハーレイと火遊びしているのを見咎め、ケティシュはハーレイを強引に師匠にした。
人間の美的感覚や性欲に慣れたハーレイとの行為が母親の女としての自信を取り戻させ、夫婦仲も戻ったので丸く収まりはしたが。
前世の記憶がなければアレが性の目覚めになっている所であった。
当時8歳、母親の不貞行為を鑑賞してのオナニーで大層気持ちよくなったのを思い出して、ケティシュは柔らかく微笑んだ。
「お父さんと仲良くね。帰ってきた時、弟や妹がいたら嬉しいな」
「ふふっ。もう、この子ったら。……元気でやりなさい」
師匠とウィノナ以外は、ケティシュが異常性欲を漲らせた変態女であることを知らない。
そのため、ちょっと下ネタの冗談を言ったとしか誰も思っていなかった。
「じゃあ、皆。行ってきます!」
手を振って、ケティシュが生まれ育った森を後にする。
朝日に照らされるその瞳は、向かう先で起こる(主にエロい)運命を期待し、きらきらと輝いていた。
翌日。
「なっが……道がね」
最寄りの町までは歩いて5日。小柄な少女の足では更にかかるだろう。
「師匠は『移動に魔力を使い尽くすな』って言うけど……流石にやってられないなあ」
ケティシュは、8年間を師匠のチンポとばかり戯れてきた訳では無い。
寿命の長さゆえに修練の時間も長く、一流の冒険者であった師匠のもと修行を積んだ、一端の戦士である。
更には、理由については本人の知らない事だが、転生者……2人の死にかけの魂を違和感なく融合させた稀有な存在である事が理由で、魔力量も常人と比して飛び抜けている。
「飛ぶ練習も兼ねて、いきますか……!」
食料などで大きく膨らんだバックパックが肩に食い込むのを直し、杖を邪魔にならないよう水平に構える。
「……よっ!」
気合とともに、足裏と尻の辺りからジェット機のように気流が噴出した。
「…………!」
可愛らしいケティシュの顔に風圧が押し付けられる。
ぷにぷにした頬が歪み、額にかかっていた髪が全て上になびいておでこが露出した。
斜め45度で飛び出したケティシュは、もう地上10メートルを超える位置にいる。
息苦しくて速力を緩めると、失速しすぎて地面に真っ逆さまになった。
「のおおおっ!?」
地表スレスレで再び気流を噴出、なんとか着陸に成功する。
杖を支えに立ち、緊張からの開放で荒く息をするケティシュ。
「あっぶ……! 戦闘の時一瞬加速するやり方は習ったけど、移動用には別の練習が必要だな……」
こんな移動方法は森を出ないと練習出来ないし、ダンジョンの中も基本洞窟なので長距離移動には使えない……なのであえて教えなかった技能だが、ケティシュはなにもない平原を移動するのに時間を費やしたくは無かった。
「ようやくエロダンジョンへの道のりを歩み始めたのに、のんびり歩いてなんかいられない……!」
それからしばらく、平原に少女の悲鳴と突風が吹き荒れるのだった。
あっという間に日が傾き、最初の夜が訪れる。
「やっば……野営の準備しないと」
歩きよりはかなり速いペースで進んだケティシュの見る遠方には山の頂が見え始めていた。
師匠によればあの山の向こうの麓にエロダンジョンの噂を聞いた町があるらしい。
「ふふふ……」
ニヤニヤ笑いながらバックパックを下ろし、テントを用意する。もちろん何年も練習をしているので手慣れたものだ。
雑貨屋で買った魔物よけの聖水をテントの周りに振りかける。
ここは長らく人間の領域だが、魔物が絶滅したわけではない。旺盛な繁殖力でもってしぶとく残り続けている。
ケティシュの周りに見渡す限りの平原が広がっている事からもわかるように、自然が人里で埋め尽くされるほど人間も多くないため、対処には限度があった。
「よしっと、じゃあご飯食べて寝ちゃうか……」
さすがにケティシュといえど、この状況ではオナニー出来ない。
(オナニーをするときは誰にも邪魔されず自由でないとね。なんていうか……独りで静かで豊かで……)
落ち着かないし、着替えもろくに出来ない状況ではマンズリの気分にはなれなかった。
魔物よけの聖水も万能とは程遠く独りの野営は危険だが、考えても仕方ないので食後はすぐに眠りにつく。
師匠に教わった、魔力をガスのように周囲に巡らせて侵入者が来たら違和感で起きるようにする練習が、実を結んでいる事を祈るしか無い。
そして、幸か不幸か実を結んでいた事はその夜実証された。
(なんかいるな)
ぱちっ、と目を覚ましテントの外の気配を伺う。
じり、じり、と微かな足音が周り中から聞こえる。
(……ゴブリン?)
人間の子供程度の背丈と知能を持ち、積極的に人間に敵対し略奪などを行う魔物。
知能があるなら魔界の住人である『魔人』ではないのか、と師匠に聞いた所、少なくとも魔人からはそのような扱いはされていないという答えが返ってきた。
その程度の弱い魔物ということだ。
しかし、この魔物は人間のメスをさらって凌辱し、ゴブリンの子供を産ませるという。
(ふーむ……)
ケティシュは場違いにも股間をムズムズさせ、検討を始めた。
(ヤるか。もとい、ヤられるか)
女主人公もののエロ同人RPGといえば、処女の捨て時は常に悩ましい。
初回は処女クリアという人間の意見が幅を利かせている感があるが、前世ではむしろエロの機会があり次第処女を捨てるプレイが好きだった。
ゴブリン、またはそれに類する最初のザコ敵で処女を捨てさせた女主人公達は一人や二人ではない。
相手として、無くはない。というのが、ケティシュの評価だ。
(でも、別に今じゃなくてもなあ……)
ケティシュとて、前世のゲーム感覚で自分の身体を開発してはいても、現実がゲームだとは思っていない。
(納得というか……思い出に残る処女喪失がしたいし)
幸い、ゴブリンを産んでも女性機能が損なわれるということは無いらしい。
長いエルフ人生、異種出産の一つもやってみたく無いではないが、エロダンジョンを前にその寄り道をする気にはなれない。
(よし、殺そう)
方針が決まったので、ガス状にした魔力をゆっくりと回転させ、気流の抵抗からゴブリンの位置を掴む。
この技術は難しく、ケティシュはまだ大雑把な方向しか掴めないが、魔力ガスの範囲内にいることは確かなので別に問題はない。
身体から離れた位置から攻撃魔法を発動させる技術も教わってはいるが、そちらは更に難しい。
素直に戦ったほうが良いと判断し、石突を切っ先のように杖の握りを普通とは逆に持つ。杖頭には金属球が付いていて、長い杖でも重心を手元にして振りやすくなっている。
ケティシュがスケベな検討をしている間に入り口の方向に集まりつつあったゴブリン目掛けてテントから飛び出した。
「ギャッ!?」
ケティシュの雌の臭いが辺りに充満していたのだろう、ゴブリンからすれば手軽に犯せる独りきりの女に見えていたに違いない。
勃起チンポでテントを張った粗末な腰布と、拾ったようなサビの浮いた刃物やしょぼい棍棒を構えた、歪な造作をしたゴブリン達が狼狽しているのが見える。
(結構大きいな……)
真顔で観察してしまったが、ゴブリンは体格に比して良いサイズの肉棒を備えていた。
小柄なケティシュにはジャストフィットなのではないだろうか。
(迷ったらゴブリン輪姦で処女喪失もアリだな……)
そう思いながらも、すでにケティシュは杖を横に浅く振りかぶっている。
師匠から教わった戦闘技術、その一つ。仮に名前を、『魔杖術』としている。
刀のようなしっかりとした楕円の持ち手を、それこそ刀のように握りしめ……魔力を通す。
瞬時、半透明のピンク色……ケティシュの髪色と同色……に光る刃が現れた。
それも杖の長さである1.3メートル程度ではない。
ゴブリンとの間合い、およそ5メートル。それを優に超える8メートル分だ。
「ふっ……!」
だん、と踏み込みとともに腰の入った横切りがゴブリンを襲う。
腕の間にある乳房が若干邪魔だが、革で横の揺れも抑制されているため、いつもよりスムーズに型通りの攻撃を繰り出せた。
「ゲッ……!」
「ギャヒィ!?」
闇夜の地表に現れた半月が通り抜けた後、思い思いの悲鳴を上げてゴブリンは胴体の真ん中から上下に泣き別れを果たした。
「ふう……」
もう一度魔力ガスを周囲に放散させ、気配を探るが……もう動くものは居ないようだ。
ケティシュは刃を収めてゴブリンの遺体に近寄った。
ぴろ。
杖先でゴブリンの腰布をめくり、魔力の明かりで照らして勃起したままのチンポを観察する。
「おお、これが……くっさ!」
感心するのもつかの間、魔物の血と洗っていない股間の体臭にえづいてしまった。
得意な風の魔法で雑に死体を集め、止まっているもの相手なら問題なく使える火の魔法で遺体を燃やす。
「魔物姦はまだレベルが高いな……」
師匠のアナル舐めくらいなら出来るようになっておいたんだけどな、と独りごちながら、寝るためにテントの中に戻っていく。
その日はそれ以上何も出ることはなく、快眠するのだった。