デカパイエルフに産まれたからにはエッチな目に逢いに行く。 作:伊倉米磁
42.打ち上げ
「かんぱーい!」
晴れた空の下、自宅の周りの野原でミラとケティがレジャーシートを広げて木のコップを打ち合わせた。
「ええ、乾杯。さ、色々作って来たわよ」
ニコニコと微笑むミラはライトブルーの髪を緩い三つ編みにした若く美しい女の姿をしていた。
そう、ここ1ヶ月ほどエロダンジョンに潜り続け、ついにダンジョン内でのスキルを外に持ち出すためのアイテム……エンチャントオーブを入手したのである。
2日潜っては1日中モンスターとセックスするというペースで、ミラだけでなくケティの分もエンチャントオーブを手に入れていた。
もちろん、めぼしいボスも倒しまくったお陰でシリーズ装備もコンプ済みだ。
今は流水の鎧シリーズが戦いやすいので、統一装備が基本になっている。
スキルは便利な『性魔法』や性器関連の性能アップを中心に、いつでも誰とでもセックスできるような充実したラインナップでエンチャントオーブを使用した。
ダンジョンでは時折ジェシーと出会い、そのたびにケティは抱き着いてスキンシップをしたが……セックスまではしていない。
ソロ攻略して自力でエンチャントオーブを手に入れたらな、と勝気な幼女の笑みで言ってくれたので、ケティも大人しく待っていた。
最後に見たのは猿に犯されておほおほ気持ちよさそうに潮を巻き散らす所なのでゴーレムを倒したのは間違いなく、いつかケティに成果を見せてくれるだろうと期待している。
「はむっ……でも結局『誓約の指輪』は出なかったな―」
モンスターを1体だけ調教し味方にできるアイテムの『誓約の指輪』もケティは欲しかったのだが、ついぞ現れる事は無かった。
「まあ、良いじゃないの。なんだかお世話するのも大変らしいし……」
ナンナから聞いた話では、最初はダンジョン内の飼育室のみでのふれあいとなり、コミュニケーションを取って仲良くなる事でダンジョン内、ダンジョン外へと連れ出せる範囲が広がるとのことだったが……
「一日中セックスしてれば早く懐くって言ってたよ?」
「だからでしょ……」
エロダンジョンのモンスターなのでオスもメスも性欲が強く、セックスするのが仲良くなる近道らしい。
昔はケティみたいな人も多かったのかしら、とミラが苦笑しながらもチーズたっぷりのミートパイを口に入れる。
「うん、美味しい。やっぱり身体が若いと油の感じ方が全然違うわね。いくらでも入っちゃう」
「そういうもの? うちの里にはおじいちゃんって居なかったからなあ」
ケティは長命のエルフだが故郷の里は開拓村のような感じでエルフの集落としてはまだ若く、最高齢でも中年程度でしかなかった。
「そうそう、体力のためにお肉もちゃんと食べてたけど、今みたいにもっと食べたいって思えなかったもの」
「食欲が出たなら良かったよ。性欲も湧いたらいつでも言ってね!」
あけすけを超えて年中発情しているケティが満面の笑みで言うので、ミラも顔を赤くしてしまう。
「あの……よろしく、ね♥」
ケティの可愛さに絆されて若い肉体になる事を選んだミラは、もうとっくにレズセの味を覚えてしまっているのだった。
打ち上げパーティーの夜は当然のようにベッドでセックスし、全裸で添い寝する。
「ねえミラ。次はさ、普通のダンジョンに行きたいんだけど、どこか良い所ある?」
ミラはケティの豊満な乳房に顔を埋めていたが、目線だけ合わせてくれた。
「ううん、私が現役だったころは、ラザロって都市が一番大きかったわ。私はまた別の所で活動してたけど」
「それじゃあラザロに行こう。それでさ、冒険者を誘ってエロダンジョンで活動してもらいたいんだ♥」
そう語るケティの目は将来への希望でキラキラ輝いている。
エロダンジョンは全500階のうち現在50階までしか立ち入れない。
なぜなら客がセックスを楽しんだ時に発する魔力を吸って運営しているからだ。
「なるべく女の冒険者が良いなー♥ いっぱいイって魔力供給してくれそうだし」
などと魔物じみた事を言い始めたケティに苦笑しながらも、確かにミラたちの実績からして男よりも女の方が楽しんでいる。
「そんなに上手くはいかないと思うけど……ま、常識的な仕事をするのも悪くないわね。明日からそうしましょう」
ミラもそういうと、2人はそっと抱き合ってお互いの大きな胸の心地よさに浸りつつ眠りに落ちた。
翌日。早くからポータル……町と町を結ぶ転送装置が置いてある建物を訪れる。
小高い丘になっていて見晴らしが良いのだが、立地以上に外観デザインも未来的というか……前世のデザイン駅舎という感じがする。
中に入ってみても空港と地下鉄駅を合わせたようなところだ、とケティは思った。
ロビーは空港のように広々としているのだが、天井は低い。柱とベンチが点々と存在するがらんとした空間だ。
ミラの先導で個人用の転移室を予約し、さっさと外に出る。
その足で山の上のエロダンジョン前ギルド支部へ向かった。
「すみません、昇格ってもうできます?」
ここに来たのは、冒険者ランクを上げるためだ。
冒険者ランクは下から赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の7段階で、この間ケティがセックスしたジェイクは長年やって黄が限界だった。
高ランクであるほどギルドから依頼を受ける際に良い話……危険でもある……を紹介してもらえる。
ミラはその昔は青ランクだったらしいが、若い身体で改めて冒険者ランクをやり直しており、今はケティと同じ赤……最低ランクだ。
ギルド受付の美青年は、少しきょとんとした顔をしてから微笑んで頷いた。
「ええ、もちろん。討伐実績、納品の金額、ともに水準を満たしていますので……ケティさんとミラさん、どちらも黄ランクにできますよ」
というので、さっそく預けて昇格処理をしてもらう事にした。
ちなみに、緑から上は物品を納品した総額に加えてギルドが認定する一定以上の難度の魔物討伐か入手困難な物品の納品が条件に加わる。
「どのくらいの魔物なら緑になれるの?」
「ううん……このダンジョンは特殊なので、ギルドの調査の手がまだ入っていなくて……話を聞く限りでは、お2人が倒したような魔物なら認められるとは思うのですが」
何のつもりか知らないが、エロダンジョンは冒険者ギルドとしてもほぼ無視されているような恰好だ。
この町には冒険者ギルドが2つあり、町の中心部にある方はダンジョン外の依頼を請け負っている。
野良にも魔物はいることはいるし、駆け出しには辛い大物もたまには出る。
ポータルもあるので、他の町のダンジョンでの採取依頼などもある。だからランクも普通に価値を持っている。
逆に言えば、エロダンジョンは何も認められていないがゆえに最低ランクの冒険者でも自由に探索できる。
ギルドの方から昇格を言い出さなかったのも、ここでしか活動しないなら実質昇格に意味がないからだった。
「いや、申し訳ない。お二人が昇格に興味が無かったとはいえ、こちらからご案内するべきでした」
返してもらったギルドカードには赤、橙、黄の3つの星が確かに記載されている。
実際ケティはエロダンジョンに夢中になって普通の冒険者の活動など気にしてこなかったので、笑って赦した。
「良いよ良いよ、いつもたくさん買い取り査定してもらってるし♥」
ケティが持ってきたエロアイテム類は大体ギルドにとって初見であるため、この男に『試して』貰って仮の金額を算定している。
もちろんそんな現場を見せてもらったことなどないが、この女性と見紛う線の細い美男子がバイブやオナホを自分の身体で試しているのを確信していた。
受付は赤面して咳払いし、強引に話を変える。
「んんっ! ええと、活動拠点を変えるのでしたら、私から紹介状を書いておきましょうか? お2人の実力は緑も超えていると思いますので」
その言葉に反応したのはミラの方だった。
「それは……嬉しいわね。ぜひお願いします」
「紹介状って師匠からギルドへも貰ったけど、なんか良い事あるの?」
エロダンジョンに来る途中で紹介状を渡したが、結局その後はエロダンジョンに籠りきりなので全く実感がない。
「まあ、困ったときの保険という感じね。あるなら貰った方が良いわ」
その場ではふぅんと頷くだけで、受付からの封蝋をした手紙を受け取って後にするのだった。
山の上のギルドから、2人で話しながら歩く。
「よーし、これでラザロに行けるね!」
「ええ。まだ早いから、とりあえず向こうで宿を探さないと」
「こっちから行く事は出来ないの?」
こんなに気軽に他の町に行けるならベッドタウン的に往復しても良いのではと、ケティが質問する。
「こっちからは混んでないけど、ラザロではこんなに気軽にポータルを予約できないと思うわ。それに毎日払うには少し高いし」
ケティ達はエロダンジョンでかなり稼いでいるから気にするほどではないが、儲けを気にするなら大事な所だ。
「あー、ワープだとそうなるんだ……まあそれはそうか」
他愛ない話をしながらポータルにつくと、駅弁のカツサンドを買ってからラザロに出発するのだった。