デカパイエルフに産まれたからにはエッチな目に逢いに行く。 作:伊倉米磁
「ふー、良い汗かいた」
「ダンジョンワームがこんな大きいとは思わなかったわ。普通に1匹ずつ持ち帰った方が楽だったわね」
ギルドの検品所は屋根と柱、あと受付カウンターだけがある巨大な物置のようなものだった。
とにかく大盛況で、何列にも並んだ冒険者たちが持ち帰った動植物なんかを袋詰めにして並んでいる。
預けるのだけは早く、後はギルドで管理して認定を済ませて行くようで、流れ作業でギルド職員が大勢バタバタしているのが向こうに見える。
もちろん行きにも見ているが、その時は早い時間だからか人もまばらだった。
「いやー、これが普通のダンジョンなんだね。なんか市場みたい」
「ラザロは流石に大きいから迫力があるけど、まあ帰ってくる人が多い時間は大体こんなものね」
ケティ達もダンジョンワーム3匹というデカすぎる荷物を背負いっぱなしなので、周囲からはおっぱいと同じくらい獲物にも注目を浴びていた。
割とサクサクと列は進み、ギルド職員がひいひい言いながら引き取ってくれて番号札を渡される。
「あら、一気に3匹もダンジョンワームを狩ったのね。すごいじゃない」
突然後ろから色っぽい声をかけられたので振り向くと、見た顔が立っている。
「あっ……貴女は! ヴィオラさん!?」
ポスターのような華美なものではなく、使い込まれた革と金属板の鎧だ。
特注なのだろう、豊かな胸を潰さないようにキッチリと乳袋が作られている。
ポスターでは見えなかった泣きぼくろと細いたれ目もセクシーな雰囲気で統一され、目を引き付ける美人だ。
もう汗も引いたのか鎧にかかった髪を手で払うと、ウェーブした茶色の長髪がふわりと良い匂いをさせていた。
「あら、嬉しい。私の事知ってくれてるのね♥」
まるで芸能人のように様になるウインクを返されて、ケティもニッコリと笑った。
カウンター前では邪魔になるからだろう、視線で付いてくるよう促され、ケティ達は柱のひとつにもたれ掛かって一緒に待つことにした。
サラリと髪を払い、改めてヴィオラが向き直る。
「それで、ええと……何て呼べばいいかしら?」
「私はケティシュ、皆ケティって呼びます。こっちはパートナーのミラ」
「初めまして、ヴィオラさん。カミーラです。ミラで良いですよ」
「じゃあケティとミラ。2人とも、ラザロには最近来たの?」
「んへへ、まあそうですね」
採掘をひと月やって乱交パーティをしていたが、まともにダンジョンで狩りをするのは初めてなのでシレっと同意する。
「道理でね。貴女達みたいな目立つ女の子が居たら一応声を掛けるようにしてるの。……私たちのクランの事は?」
「名前位かなあ。ポスターは見ましたよ。とっても綺麗でした!」
悪評をたっぷりと聞いているし悪態を見てもいるのは流しておく。
「ありがと。ケティちゃんみたいな飛びっきりの美少女に言われると照れちゃうわね♥ ううん……本当は自分の身を護るためにもうちのクランに所属することをオススメするところだけど」
「えー、勧誘してくれないんですか?」
ケティの甘えたような不満の声に、ヴィオラが大人の笑みで応えた。
「ふふっ、面白い子ね。気分を悪くしたら申し訳ないんだけど。ラザロは大勢冒険者がいるし、殆どは男よ。女の子がぽつんと居たら、猛獣の群れに肉を投げ込んだみたいに食べられちゃうって事もある」
あくまで真面目に話してくれるようなので、ケティもちゃんと聞く事にした。
「私たちは、そんな女の子たちが安心して冒険者として生活できるように守ってるの。主にはこの北東のサブゲートで活動してるけど、定期的にメインゲートとか他の場所も周ってるのよ」
「それは……特に報酬もなくってことですよね? 凄いですね!」
若手は横柄と聞くが、ヴィオラ達上の世代は本当に真面目に活動しているようだ。
「ええ。おかげ様で冒険以外に広告の収入も入ってくるから、自警団みたいなことをしても生活が苦しくなったりはしないしね。こうして貴女達のような、新しくラザロに来た女の子に声もかけられる」
ヴィオラはちらりとカウンターの向こうに視線を送る。
ケティ達が3匹まとめて持ち帰ったダンジョンワームは所定の場所に山のようにうずたかく積まれていた。
そんな獲物を見てヴィオラが苦笑する。
「ダンジョンワームを狩って、あんな運び方で余裕で持ち帰れちゃう子達にはあんまり旨味のない誘いでしょうけど、どう? 私たちのクランに入れば、変な男には声かけられなくなるわよ?」
こんな常識的な忠告をしてくれる人に対してケティは少し迷ったが、ヴィオラの耳元に口を寄せた。
「むしろ、私たちはどんな男の人とも楽しくセックスしたいって思ってるんだ♥」
そう正直に囁くと、まあ、とヴィオラは口に指をあてた。
ミラはケティのいきなりのカミングアウトにギョッとして口を挟もうとするが、ヴィオラの声によって留まる。
「うふふ、それじゃあ入らない方が良いわねえ。うちの子達が聞きつけたら、目を吊り上げて怒り出すわよ?」
そう言いながらも、むしろヴィオラはさっきよりずっと面白そうにケティとミラを舐めまわすように見てくる。
「んへへ……♥ やっぱりヴィオラさん、話せる人だね♥」
「あら、そんなに男好きに見えた?」
「だぁって……」
つん、と硬い革鎧の胸をつつくと、その内側の乳房がふるんと揺れる。
「このおっぱい、すっごく揉みこまれてる雰囲気出てるもん♥」
お返しに、ヴィオラもケティの流水の鎧の胸当てをピンと指で弾く。
「あん♥」
「ケティちゃんも、見ての通り敏感なおっぱいしてるわね♥」
周囲はどやどやと喧しく、一瞬のやり取りを聞いている者は居ないとはいえ……その大胆さに見ているミラの方がハラハラしていた。
「ヴィオラさんこそ、私たちの地元に遊びに来ない? すっごく良いダンジョンあるよ」
「良いダンジョン……? そういう意味で?」
「そういう意味で♥」
ヴィオラが怪訝な顔で首を傾げる。
「ダンジョンでスるのは辞めた方が良いわよ? 土埃に塗れるし、そもそも危ないわ」
「ちっちっ……通称エロダンジョンはエッチな事するためのダンジョンだからね。仲間とシても良いけど、モンスターが沢山気持ちよくしてくれるんだよ」
そう言って、ケティはスカートのポケットから小さな虫の羽を取り出し、ヴィオラの耳元でシャラ……と擦って音色を利かせる。
「ひゃうっ♥ え、今の何?」
可愛い嬌声を上げても照れることなく、目を丸くして聞いてくるヴィオラ。
「エロダンジョンの浅いとこにいる蜂の魔物が落とす羽。鳴らすと気持ちよくなる音が出るんだ♥」
「……その蜂とも?」
「もちろん何回もセックスしてるよ」
はぁー、と感嘆とも呆れともつかないため息をついて、ヴィオラがケティの持つ羽を見つめた。
「蜂って気持ちいいの?」
「うん、麻痺針で動けなくしてからね、針の代わりに生殖器を出して、何匹も群がって前も後ろも口も挿入して来て、そのまま空中に浮かんで揺らされるの」
「後ろも……!」
そのプレイの快楽を想像したのと、若々しいケティがそんなことまで嗜んでいるのと両方の感嘆が入り交じった声を押し殺し、ヴィオラは目を見開いた。
しかし、現実を思い出したように詰まらなさそうな顔をしてため息をつく。
「正直興味はあるけど、さっき言ったようにクランがあるからね……今度休みにでも遊びに行っていい?」
「うん、いつでも来てよ! 一番奥までだって案内するよ♥」
新しいセックスフレンドと仲良くパコパコする場面を想像し、ケティは満面の笑みを浮かべた。
なんだかエロ女同士で意気投合しているのに入れず置物のようになっていたミラは、こちらに近づいてくる人影に気づいた。
「ヴィオラ、どうしたの?」
「あら、アン。ごめんね、つい話し込んじゃって」