デカパイエルフに産まれたからにはエッチな目に逢いに行く。 作:伊倉米磁
「ふぬううう……!」
1歩で20メートルほど、もはや地面を飛ぶように全力で走る。
じわじわと後ろの声が大きくなるのを感じながら、ついに外へと飛び出した。
ギャラリーが歓声を上げるが、詳細など気にしていられない。
ザッ! と地面をえぐりながらミラがブレーキをかけ、ケティが直角に曲がる時に振り回されるガンバンジーの巨体を押しとどめる。
「ありがと!」
地面を足でえぐりガンバンジーを抑えきったミラを置いて、ケティが1人でカウンターへと飛び込んだ。
「お願いします!」
「は、はいぃ!」
ずどん! とカウンターの向こうに置かれたガンバンジーにギルドの検品係も顔を引きつらせているが、手際よく顔やわき腹の傷跡を確認し、ケティに待ち札を渡した。
「はい、ガンバンジーを確認しました。入金まで少々お待ちください」
そしてケティが札を持ってサブゲートを振り返ると……
「ぬおらあああああっ!!!」
想像通りにオルガが顔を真っ赤にしてガンバンジーを担いで走っていた。
オルガも出た瞬間にミラが見えたのだろう、顔を歪ませながらケティのもとへと走ってくる。
「はぁっ! はあっ! ……これ、頼むわ」
「はいっ!」
オルガの一本背負いのような下ろし方でまたも身体中が揺れながらもサクサクと獲物を確認し、スタッフが何人も取り付いて2匹のガンバンジーを奥へと運んでいく。
「はあーっ! 参ったぜ。俺の負けだ!」
座り込んだまま汗ダラダラの真っ赤な顔でケティに向き直り、オルガが苦笑した。
「いやー、オルガさんこそ凄かったです!」
ケティも運動の汗と媚薬の興奮が入り交じった真っ赤な顔で笑みを浮かべ、オルガに手を差し伸べる。
立ち上がって改めて2人は握手し、途端に周りから拍手喝采が起こった。
「いいぞー!」
「すげえダッシュだったぜ!」
「大した早業だ!」
疎まれているオルガと色物枠のケティの対決なので、どうなるかと思ったが……
獲物の運ばれ方を見て、実力の程を疑う者はいなかった。
(今近づいて来たらおマンコがグチョグチョだって分かってもらえるんだけどなあ)
男も女も実に健全に健闘を称えてくれる冒険者たちに手を振りながら、ケティは目に映る全員と乱交したいと思い続けるのだった。
「はぁ……はぁ……♥ お疲れ、オルガ、ケティ」
「びっくりしたわ。すごいじゃないケティ、ミラ!」
立ち尽くしていたケティ達に、アンとヴィオラが声をかけてくる。
「あー……ごめんなさい、アンさん。大丈夫でした?」
「んっ……♥ 大丈夫。そのうち収まる」
微かに顔が赤く、明らかに媚薬が効いてしまっている。
もちろんケティの方がびちょびちょなのだが、この後適当な所でセックスしたいので対策などはしていない。
「ん? なんだ? なんかあったのか?」
「ケティが毒霧みたいな魔法で魔物を挑発して、入り口に走りながら戦った」
アンがオブラートに包んだ言い方をしてくれたので、そういう事になった。
「へえ、そんな手を使えるとはな。……ん? お前らもその毒を吸いながら戦ったって事か?」
「あーまあ、身体を傷つけるようなものじゃないから……」
アンの名誉のためにも、マンコがずぶ濡れなのをごまかすケティ。
オルガは冒険者の手の内を詮索するのは良くないという常識を働かせてくれたのか、それ以上は訊いてこなかった。
「それで……アタシへの頼みはもう決まったのか? 別に今すぐ言わなくても良いけどよ」
「んへへ……♥ ここではアレなので……明日一日、私に『絶対』付き合ってください、って事で♥ 朝からポータルで待ってますからダンジョンに行く恰好で来てくださいね」
にやぁ、と怪しい笑みを浮かべながら、検品所の柱にもたれて待っているミラのもとへ歩き去るケティ。
オルガは顔を引きつらせて何をさせられるのか不安がっていたが、気を取り直すと声を張り上げた。
「オラオラ! もう勝負終わりだ! 散れ散れ!」
へいへい、と冒険者たちは普段の仕事に戻り、しばらくして依頼料を受け取ったケティ達はその場を後にするのだった。
◆◇◆◇アン◆◇◆◇
コレクトネス・クルセイダースは自前の屋敷を持っている。
オルガが青等級になったので、大きな物件を買う権利を手に入れたのだ。
まあ、屋敷と言っても集合住宅という感じの普通の部屋が沢山ある建物だったが。
そんな普通の女の子が住む部屋にすぐに戻り、私はもどかしげに鎧を脱いで全裸になった。
「はっ……♥♥ あぁ……♥♥」
そっと乳首に指を這わせただけで、普段の無表情が嘘のように蕩けるような笑顔を浮かべる。
「やっぱり、この、感覚……すごいぃ……♥♥」
ネットリと自分を焦らすように乳輪に指先を這わせ、ピンと乳首を弄るとガクンと身体が痙攣した。
「ああ♥♥ 乳首、だけでっ♥♥ も、イッ……♥♥♥」
きゅ、と両乳首を強めに潰してひねり、強い絶頂を味わう。
ピンと脚を伸ばして身体を力ませ、絶頂の快楽を残さずじっくりと味わった。
「はぁ、っは……♥♥」
久々に脳天が痺れるような絶頂を味わい、ふわふわと幸せな余韻に浸る。
そのまま片手を股間にもっていき、クリトリスをクニクニと転がした。
「あ、あ、あ……♥♥」
ごく密やかな声とは裏腹に、指はピピピンと素早くクリトリスを弾き、容赦なく強すぎる位の刺激を与えている。
荒い息遣いと、ゴソゴソという衣擦れだけが響く室内で、真昼間から激しいオナニーに耽った。
夢中になって快楽を貪っていると、もう日が傾き始めていた。
「ふう……♥ はぁ……♥」
愛液でふやけた指を見て、ボーっとする頭で
(ちゃんと後でシーツ洗わないと……)
と後始末の事を考え始めていた。
部屋着に着替え、オナニーの臭いが籠った窓を開けて換気する。
シーツは桶に魔法で水を出してジャブジャブ洗うと、干した後魔法の水が消滅するのに合わせて愛液も蒸発してくれるので染みも残らない。
「ふぅ……媚薬、すごかった……」
ケティやオルガがいた手前、強がって見せたが……実の所、私が気にしていたのは
――この状態でオナニーをしたら絶対に気持ちいい。
という所だった。だからオルガには誤魔化し、ケティにも平気そうなそぶりで通したのだ。
どさくさに紛れて部屋に入り、媚薬で深呼吸までして強い効き目を求めたのがバレてなくてよかった。
(ケティは、もっと気持ちいい事を知ってるのかな)
アンがオナニー好きを隠して10年。
オルガ達と出会って、もう10年になる。
10年前。なぜかウチには母親しかおらず、毎日罵声とビンタを浴びていた。
ある日、珍しく出かけると言われて付いて行ったらポータルでラザロに居て、もう母親はどこにもいなかった。
冒険者は子供でも登録は出来るという噂話を思い出し、ギルドにたどり着きはしたものの、そこで怖気づいて立ち止まってしまった。
そこで優しく声をかけてくれた男の人が、私を誘って冒険者登録までしてくれた。
すごく嬉しかったし、さっそくダンジョンの中に入って……
「はぁ、はぁ……アンちゃん、可愛いよ、とっても可愛い……」
男の人は突然私を押し倒し、股間を舐め……訳も分からず処女膣を犯された。
良く分からないけどおまたを舐められるのは気持ちよかったし……
マンコに挿入して腰を振っている男の人も気持ちよさそうだったので、されるがままになっていた。
当たり前のように膣内射精され、私も微かな初絶頂を味わい、冷静になった男の人は……逃げた。
これには困った。着の身着のまま、装備も知識もない私は、臭くてうめき声が聞こえるダンジョンから必死になって町まで帰った。
そして、自分が男の人を怒らせてしまったから『また』捨てられたのかと泣きながら歩いていると、オルガとヴィオラが声をかけて来た。
「おいお前……大丈夫か!?」
「まって、もしかして、この子……」
ヴィオラは私の股間から血と精液が垂れている事に気づいて、誰にも気づかれないように自分の宿屋の部屋に連れて行って身体を拭いてくれた。
そして、私が捨てられて冒険者登録して男の人にまた捨てられた話をすると、オルガが涙を目に溜めながら大声を上げた。
「ちくしょう! なんで女だからってこんな目に遭わなきゃいけねえんだ!」
「落ち着いて、オルガ。この子が怯えちゃうわ」
この時私は状況が良く理解出来ていなかったが、それでもオルガが私のために怒ってくれて、ヴィオラが私を心配してくれた事は伝わった。
「ありがとう、お姉ちゃんたち」
そういうと、オルガ達は泣きながら私を抱きしめて頭を撫でてくれた。
私も生まれて初めて人から優しく抱きしめて貰えて、自然と涙があふれた。
ただ……私が気持ちよくなったあの行為がすごく悪い事のように扱われて、私も楽しんでいたと知られたら悪い人として扱われてしまいそうで、怖かった。
気持ちよかったからもう一回してみたいという思いを押し殺し、それからは隠れて独りでする事を決意した。
そのおかげで、皆からは今も男がダメなのだと誤解されている。
話したことがないから口が上手く回らないだけなのに。
服を洗ってもらい落ち着いたあと、改めて話をした。
そして……女冒険者を理不尽から守るべく、3人パーティを結成した。
それから間を置かず人は増え、パーティはクランになり、商会からも声をかけられて名声と金が入るようになり……
最近になって、ゆっくりとオナニー出来る自室を手に入れた。
皆、独りだった私を暖かく迎えてくれた、大好きな家族たち。
でも、最近入ってきた人たちとは上手く馴染めていない。
オルガもヴィオラも難しい顔で悩んでいて、私はせめて冒険の時に盾になる事くらいしかできない。
「ケティなら……何か出来るのかな……」
2対1とはいえ、格上の冒険者に勝って見せたケティ。
彼女はきっと、私の知らない気持ちいい事も沢山知っていると思う。
「知りたいな……友達に、なりたいな……」
今日のオナニーは充実していたから、心地よい疲労から眠気が押し寄せる。
明日はオルガについて行こうと決めて、眼を閉じた。
◆◇◆◇◆◇◆◇