デカパイエルフに産まれたからにはエッチな目に逢いに行く。 作:伊倉米磁
◆◇◆◇ゴドウィン◆◇◆◇
辺り一帯に、媚薬だけでなく女の体臭……甘いものではなく饐えた感じの臭い……が残っている気がする。
経験上、分かるくらいに人の臭いが漂っていると魔物が寄ってくる。
何度か通ったCCのキャンプ跡が一番強いので、やはりここでローパーに襲撃されたはずなのだ。
ここは入口方面に太い道が通じ出口側は細い道が3つという構造で、しかもそれなりにスペースがあるためキャンプ地には良い所だ。
特に入口方面は途中で道が合流することもなく長いため、奇襲にも対応しやすい。
ゴドウィンも地図を見ずとも覚えているし、今歩いてもその通りだった。
「周囲の魔物は一掃してあるし、2人組で手分けして調べるぞ。俺は単独で良い」
何かがあるはずだ。そう思って壁、床、天井をゴンゴンと叩きながら歩くと……
叩いた音が明らかに違う所がある。
押したり引いたりして、真上に持ち上げて岩壁がズルリとスライドしたときは声を上げそうになった。
「皆! 来てくれ!」
班の者を呼んで入口を示すと、皆言葉を失っているようだった。
1人に入口を保持してもらって、中を調査する。
魔物特有の獣臭……それ以上に濃厚に纏わりつく、もはや嗅ぎなれた媚薬臭。
間違いなくここが犯罪の現場だった。
結構広い部屋に奥は粗末な檻、手前は机……作業台? だけ置かれている。
鼻をつまみたい位だが、ふいに焦げ臭い臭いまで漂っている事に気づいた。
「これは……?」
檻の前に天井から伸びた鎖がぶら下がっている。
その真下には、黒い小石のようなものが散らばっていた。
拾って明かりで照らしてみると、割れたような断面だけでなく溶けたような丸い所もある。
「証拠の隠滅か……?」
状況からすれば、檻にはローパーが居たとみて間違いない。
そんなものの前にわざわざぶら下げるなら、ローパーを大人しくさせるような特殊な道具だろうか?
その部屋にはそれくらいだったので、似たような部屋を近隣で探した。
結局5つほどの隠し部屋に先ほどの檻と同じものやローパー用の餌や媚薬を瓶に詰める設備などが見つかった。
今回の事態は周辺に満ちた雌の臭いに釣られてローパーが包囲するように殺到したのが原因ではないか、という推測が立った。
CCのキャンプ跡には魔物の素材を剝いだものが山と積まれており、これだけ出来るなら臭いの処理を怠った所でどうとでもなると思ってしまうのは自然な事だろうと思う。
ラザロではゴドウィンが産まれる前にローパーを絶滅させているので余計にそうだ。
「気の毒だが……まあ、どんな想定外にも出来る限り備えておけという事だな……」
想定外の危機など、冒険者にとっては慣れ親しんだ友人のようなものなのだから。
◆◇◆◇◆◇◆◇
アンを送り届けてからCCのメンバー全員を出来る限り治療し、病院に運ばれていくのを見送った。
翌日はさすがに身体がダルく、病院に行ってもまだ目を覚ましていないというので大人しく宿で待つ。
また次の日に行くと、朝早くに皆帰ったと言われてしまった。
どうやら対応してくれたのは仮設の医療所に居た人だったようでケティの事を覚えており、皆口もきけない位に消沈していたから元気づけてあげて欲しいと言われた。
その人はCCのクランハウスの住所を知らなかったが、道行く人に尋ねると簡単に分かった。
個人情報保護とかいう概念など持ち合わせてはいないらしい。
とにかく訪ねてみるが、誰も出てきてはくれない。
相当落ち込んでいるという話だったので今日は止めておくとして出直すことにした。
CCのクランハウスから宿に行くまでの道中で、道行く人の話題が耳に入ってくる。
「CCの娘たちが全員ローパーにヤられたんだってよ」
「マジ? じゃあもう全員非処女じゃん! はー最悪、もうファン止めます」
「ひっでえw つーかローパーの媚薬って、貴族とかが女堕とす時に使う奴だろ? CCの皆、今エロエロになってんじゃね?」
「漫画の読みすぎだぞ。しかし……胸が熱くなるな」
当人には聴かせられたものじゃない噂話が、ラザロに広がっているようだった。
次の日に行ってみると、今度はCCのメンバーが帰ってくる所に出くわした。
長い金髪の、確かポスターでもそれなりに目立つ位置に写っていた子だ。
――男に媚びすぎだろ
ヴィオラに初めて会ったときにこんな感じで声をかけられた気がする。
ケティは男だけではなく女にも魔物にもセックス相手に選んでもらおうと愛想を振りまいているので、言葉を否定する必要もない。
「あのっ!」
と声をかけると、ぎくっと身体をこわばらせる。
足早に家に入ろうとするので前に立ちはだかった。
気まずそうに顔を反らし、観念して言葉を話してくれた。
「な、なによ……」
「大丈夫、私は貴方達を助けた冒険者だから。それで、皆の事が気になってお見舞いしたいと思って」
金髪の女はしばらく何も言わずに顔を背け……
「良いよ、来な」
そう不愛想に言って中に入れてくれた。
と言っても、いかにも洋館と言う感じの玄関ホールに放置されて、彼女自身はさっさと階段を上がり自分の部屋に引きこもってしまったが。
「どうしよっか」
「ネームプレートはあるから、知ってる人だけ挨拶してみましょうか」
と言うので1階から見まわると、さっそく見覚えのある名前を見つける。
ノックして声をかけてみた。
「ステイシーさーん。ごめんくださーい」
しばらく反応が無かったが……ドアに取り付けられた魚眼レンズの前で手を振って待つと、ほんの少しだけ開いた。
「あ……えと……ど、どうも……」
その顔を見て、さらに思い出した。
――えっと……よろしく、お願いします……
先ほどの金髪の人と同じく、ヴィオラとの初対面でパーティを組んでいた1人だ。
「ごめんなさい、こんな時にお邪魔しちゃって。その後お体大丈夫ですか?」
そう声をかけると、ドアの隙間から顔だけ出していたステイシーの瞳に、見る見る涙が溜まっていく。
「大丈夫ですか? 辛いならもう出ていきますから」
ドアノブを握りしめる手が震えているのに、ケティがそっと手を添える。
「う、っく、うえぇ……」
それが引き金になったように、ステイシーは泣き出してしまった。
ケティはミラと顔を見合わせると、ゆっくりとステイシーと部屋の中に入る。
中は意外と荒れてはいなかったが、ベッドだけはシーツにしわが寄ってムッとする雌の臭いがしていた。
ケティが一番嗅ぎなれた、女のオナニー後の臭いだ。
そこにはひとまず触れないで、テーブルの椅子を引いて座らせる。
今日のケティはダンジョンに行くつもりが無いので、お気に入りの魔法少女ワンピースだ。
なのでステイシーを優しく抱きしめる事ができる。
「ゔううう……」
なんとなく予想は付くが、辛い事があったのだろう。
しばらくケティの埋もれる位に大きな胸で泣きじゃくった後、目元を赤くして離れた。
「す、すみません……みっともない所を見せて……」
「ううん、良いんですよ。……何があったか、訊いて良いですか?」
ステイシーはケティの手をしっかりと握りながら、ポツポツと話し始めた。
「病院で目が覚めた後、誰もあの事を話そうとはしなかったですけど、皆覚えてるみたいで……黙ったまま、とにかく家に帰って来たんです。
とりあえず1日引きこもって見たんですけど、お腹は減るから……私、買い出しの担当だったの思い出して、買い物に外出たら……
うっ……皆、こっち見てヒソヒソ話してて……ローパーとか淫乱とか……いつも買うお店の店主も、いやらしい目で見てきて……」
案の定、心無い噂に傷つけられてしまったらしい。
ローパーに襲われて媚薬セックスした所までは事実なので、余計に苦しんだ事だろう。
「うん……辛かったね……」
ケティはステイシーの手をとり、優しくさすってあげる。
「あんっ♥」
ステイシーが思わずといった感じで漏らした声は、明らかに性的な快楽を得た女のそれだった。
途端にステイシーは暗い自嘲の笑みを浮かべる。
「あれから……身体が疼くんです。ローパーの子供を欲しがった感覚が、まだハッキリ残ってて……もう男なら何でも良いかなって感じで……でも、そう思うたびにあの目が怖くて出られなくて……」
ケティのような元から色情狂ならまだしも、常人が過剰な媚薬を摂取させられたら精神に異常をきたしても仕方ないだろう。
もう一度、ステイシーの頭を胸の谷間に包むように抱きしめる。
「大丈夫……いったん、我慢してみよう。媚薬の影響なら、そのうち抜けてくると思うから。どうしても辛いなら、私が気持ちよくして落ち着かせてあげる……♥」
ステイシーの耳元で優しく囁くと、眼を見開いてガッシリと強く抱き着いてきた。
「したいっ……♥ したいっ……♥」
「じゃあ、ベッドいこ♥」
小柄なケティを、女冒険者だけあって筋肉質なステイシーが抱いたままベッドまで運んでいく。
チラリとミラを見ると、苦笑しながら部屋から出てくれた。
さっと服の前のボタンを外し、ブラもはぎ取って生乳を晒す。
ステイシーは鼻息を荒くしてケティの胸に顔を埋め、乳首をチュウチュウと吸ってきた。
「あはっ♥ 良いよ、ステイシーさんっ♥」
ケティは満面の笑みを浮かべながら、ステイシーのゆったりしたジャージのような服の上から乳房を揉んでみる。
その下はノーブラでぽっちりと甘勃起したままの乳首を手のひらでねっとりと転がした。
「はひぃんっ♥♥ はへっ♥♥」
たったそれだけで腰砕けになって、ケティを襲おうとしていた勢いも無くなってしまう。
このまま正気に戻っても気まずいだけなので、ケティは攻守交代して続けることにした。
朝の陽ざしが窓から入り込んでくる家の中、2人して全裸になってベッドで身体を重ねる。
ステイシーの脚をカエルがひっくり返ったポーズのように開かせて、お互いのマンコをくっつけて抱き合った。
「んー、ちゅ♥ ちゅ♥」
「あんっ♥♥ はぁんっ♥♥」
抱きしめて身体を密着させてキスしているだけで、ステイシーは甘ったるい声を上げて身体をくねらせ、全身を上気させて汗を流し始める。
ステイシーの方からケティを強く抱きしめ、マンコをヌルリと一擦りすると全身を痙攣させた。
「あ゙っ♥♥♥」
お互いに快楽に蕩けた笑顔を浮かべているのが、朝の陽ざしでよくわかる。
ケティがニッコリと笑うと、ステイシーは呆然と涎を垂らした。
「ありがと、ステイシーさん♥ とっても気持ちよかったよ♥」
ちゃっかりとケティもクリとクリを擦らせた刺激で軽くイき、ちょっとお菓子を摘まんだ位の満足感を得ている。
「はぁい……♥」
ステイシーはとても満足してくれたようで、恍惚とした笑みを浮かべてケティに抱き着いて顔を摺り寄せてきた。
ケティも負けじと子猫のようにステイシーに頬ずりし、しばらくゆったりと後戯を楽しむのだった。