デカパイエルフに産まれたからにはエッチな目に逢いに行く。 作:伊倉米磁
「んんっ! えー……」
翌朝、オルガは全員を集めたが、少し顔が赤かった。
間違いなく、昨夜アンとのセックスを派手にやったからだろう。
ふたなり茸でこんなに巨根が生えるのかとケティが驚く位の逸品が出てきてしまったので、全力でセックスしてしまったのだ。
アンは声もすごかったし、腰使いも初めてにしてベッドの軋みまで利用した種付けピストンをしてきた。
ギッシ! ギッシ! とベッドが壊れるかと思う位に音を鳴らし、無我夢中の蕩け顔で腰を振るアンの雄姿は鮮明に思い出せる。
さすがに家族同然の皆にそれを知られたアンは真っ赤になって俯いているが、エロダンジョンにみんなで潜るのだから遅かれ早かれ相互に痴態を目にするので、これも良い思い出だろう。
「んへへ……♥」
アンにぴったり寄り添って腕を組むと、アンも苦笑してケティと身体をくっつけてほほ笑んだ。
きゃあ、と静かに歓声が上がる。
濃厚なセックスの後で仲睦まじい姿を見せたので、皆が生暖かい視線を送ってくるがアンは顔を赤くしながらケティの手を強く握って耐えていた。
「はいはい! これから大事な話するから!」
パンパンとオルガが手を叩くと、皆にこやかなまま前を向く。
「今まで情けない姿ばっか見せて来たが、昨日の夜覚悟決めたぜ。アタシはラザロに残って、今度こそ理不尽な目に遭う女を守る! 新しいクランハウスに行く奴、アタシに力を貸してくれ!」
オルガの本気の言葉が、緩んだ雰囲気を吹き飛ばす。
――おー!
――ずっとついてく!
前列の方で黄色い声が上がる。
多分CCの古参、設立当初の理念についてきた人たちなのだろう。
「実のとこな、昨日女を襲ってた酔っ払いを捕まえたら、警察で最近媚薬が闇で流通してるって話を聞いたんだ」
まず間違いなく、ベルカント商会が扱っていた媚薬をどさくさ紛れに運び出し捌いているのだろう。
「これからしばらくは騒がしくなるだろうから、毎日でも夜回りをしてえ。引っ越しが終わったらすぐに始めたい。皆の負担になるとは思うんだけど……」
「気にしないでよ、リーダー。私たちはそんなリーダーだから付いてくんだよ」
古参の一人がそう言って笑いかけると、オルガは涙ぐんで頷いた。
神妙になった中堅や若手の顔を見渡し、オルガは言葉を続けた。
「ああ、エロダンジョンに行くお前らは気にすんなよ。クランハウスは必要だろうし、今のアタシたちには身の丈に合った人数ってもんがあるからさ」
雰囲気を明るくするようにヴィオラが声を上げる。
「ま、気になるならエロダンジョンで稼いで先輩達にカンパでもしてあげなさいな。あんたらはまず、冒険者として一人前にならなきゃね」
そう言うと、皆の目の色がが申し訳なさから決意へと変わっていく。
といってもエロダンジョンなので、頑張ったら毎日アヘアヘになると思うが。
「アタシたちのクランは、男への反発って事で女を保護しようとしてた。
でも、無暗にとげとげしいと上手くはいかないって分かった。
アタシも結局、男がどうってより理不尽から守りたいって思いの方が強かったみたいだしな。
だから……この機にクランの名前も変えようと思う。」
と言って、オルガが木札を取り出す。
そこには結構うまい字体で『ハントレス ネスト』と書かれていた。
「アタシたちが安心できる巣を作りたい。だからハントレス・ネストだ。どうかな?」
「ま、良いんじゃない? 前のは仰々しかったしね」
「私も巣にたまには帰る」
ヴィオラとアンが笑顔を浮かべ、クランの改名は決定した。
それからギルドに申請するための書類作りなどこまごまとした仕事をして、ついに別れの時がやって来た。
前日予約しておいたポータルでCCの35人がエロダンジョン……リンボの町へ向かう。
結局、今回の件では1人もクランを抜けたり引退する人は出なかった。
「それじゃ、元気でな」
「そっちの方が苦労しそうだけど。お金に困ったら泣きついて良いわよ?」
言いやがって、とオルガとヴィオラが気安く挨拶して乗り込むと、あっという間にリンボの町だ。
ラザロとは全然違う風景に騒ぎながら散っていく若手にヴィオラが注意を促す。
アンはケティの隣に立って手を握った。
「昨日は……ごめんね」
「ん? 何が?」
「気持ちよくて夢中になって……ケティがどうしたいか考えられなかった。男の人って、ヤりたい女の人を見るとあんなになるんだね」
「んふふ♥ でも、アンは私の顔をじっと見てたよ? どんな風に見えてた?」
アンは青空を見上げたが、その目は昨日の激しいふたなりセックスを幻視しているようにウットリしている。
「すっごく気持ちよさそうで……笑ってた。だから、私のチンポでケティを埋め尽くしたいって頭がいっぱいで……」
「ほら……気持ちは伝わってるでしょ? 私が嫌がって泣いてたらおんなじ風には出来なかったんじゃない?」
「……そうかも? どうだろ……ケティなら泣いててももっと犯したかったかもしれない。とっても綺麗だったから」
「うーん、確かにそれも良いね。泣いて嫌々言ってても、むしろそれが気持ちいいって事もあるからね」
前世では合意だのなんだの煩かったが、嫌々と言いながら無理やり犯したり犯されたりするのが好きな人も沢山いる。
「私はね、アンが何も考えずにパコパコ腰振りたいって思ってたらそれに付き合うし、ネチネチ焦らしておしゃべりしながらヤりたいならそれに付き合いたい。
私がムラムラしてる時にアンが付き合ってくれてマンコ擦らせてくれたら嬉しいよ」
そう言ってアンと腕を絡めて胸をむにゅっと押し付ける。
「そうなんだ……単純なような……むつかしいような……良く分からない」
「じゃあほら、練習であそこ歩いてる男の人とセックスしてみようか」
ケティが遠くを指さす先には大工だろうか、ダボッとしたズボンの職人のような男が朝の道を歩いている。
「え、う、ちょっと……男の人とどう話したらいいか分からなくて……」
アンがスルリと腕を抜け、ケティの背中に隠れてしまう。
「あはは。気が乗らないならやらないし、気が乗るならやりたい。結局それだけだよ」
背中からアンがケティを抱きしめた。
「……うん。確かに、前にギルドで男の冒険者達がすっごく親切にしてくれた時、ちょっとセックスしても良いかなって気になった」
「お、いいねえ。でも、男の人とセックスするのはエロダンジョンで性魔法を見つけて、エンチャントオーブで持ち出せるようになってからにしようね。人間はエルフの私と違ってすぐ妊娠しちゃうから」
「ケティみたいに魔法で避妊出来るようになったら……ローパーともセックス出来るね」
アンがケティの肩に顎を乗せ、エロダンジョンのある山を見やる。
晴れ渡った空の下では、ヴィオラ達が手を振ってアン達を呼んでいた。