デカパイエルフに産まれたからにはエッチな目に逢いに行く。 作:伊倉米磁
「なーんて、AIと言われてもお客様には分かりませんよね! すみません。ダンジョンの
あはは、と戯けて笑いながら、ケティシュの手と重なり合っていた手を胸の前でパタパタ振る。
「ほ、他にお聞きになりたいことはありますか?」
どうやらまだ質問していいらしいので、ケティシュはとにかく限界まで訊いた。
スキルの種類の事。
ドロップするエッチな品物の事。
ダンジョン内でだけ見られるステータスの詳細。
耳を疑うほどに(ケティシュにとっては)破格の性能を持つ、それらを手に入れたらどう組み合わせようと夢が広がる。
それはそれとして、ケティシュは疑問に思っていたこと……エロ以外なので後回しにしていた……を訊く。
「しかし、どうしてこんなすごい所が寂れてるんですか? エッチな事を抜きにして、死なないから訓練にも使えますよね? それに若い身体が手に入るってなったら絶対手に入れる人とか来るだろうし」
「それなのですが……まず、新装開店してから20年ほどしか経っていないというのがありますね」
師匠はケティシュが産まれる前に集落に来ていたらしいから、噂を聞いたのは開店直後くらいだろうか。
「それと、『エンチャントは譲渡できない』という点が今の情勢には不都合なのだと思われます」
「うーん……でも、お忍びで強い人達を連れてくるとか……」
「いいえ、モンスターのドロップは当店の算出した戦闘での貢献度をもとに確率で割り振られます。何もしない方やトドメだけ刺す方には相応の低確率となります」
(仕様がガチすぎる……)
「エンチャントはステータスに直接ドロップするから、絶対に譲渡は出来ない……と」
「はい。当店としましては、そこは譲れない一線でございますので」
キッパリとナンナは告げた。
つまり、老いた権力者なんかが永遠の若さを手に入れようとしたら苦労してケツを掘られたりしながら冒険する必要があるということだ。
しかも手に入れた身体にはエッチなスキルが沢山ついている。醜聞には事欠かないだろう。
麓の町で情報収集した時のことを思い出す。
――くっく、お嬢ちゃん。その噂を訊くなら確かにそいつが一番だぜ。なんせ、
――うるっせえボケ! 黙ってろ!
――ぎゃっはっは
このダンジョンに来る=ケツを掘られた、という図式が出来上がり、男冒険者にとっては既に一生イジられかねない不名誉になってしまっている。女冒険者なら淫乱呼ばわりだろうか。
ナンナの口ぶりからするとケツを掘られるのも事実らしいし、しょうがないような気もする。
結局来るのは才能のない金に困った冒険者だけになり、1000年前は子供用とさえ言われた低階層で媚薬の材料を採取し、表のギルドで売るという図式が出来上がっていた。
「それと、身体を変化させる技術は1000年前にはさほど珍しくありませんでしたので。最高権力者であれば、今でも不自由していないのかも知れません」
(確かに……修練ダンジョンとかも、偉い人達は使ってるんだろうな)
一番偉い人達は来る必要がなく、半端な偉い人達は来たら不名誉なので寄り付かず、というわけだ。
「うーん、こんなに素晴らしいんだから、もっと宣伝すれば人が来ると思うんだけどな……難しいですね」
ケティシュが腕を組み、長乳をむにょっと持ち上げて思い悩む。
「……ありがとうございます。貴女のように私の話を聴いてくださる方も、殆ど初めてで……ついつい話し込んでしまいましたね。せっかく楽しみに来られたのに申し訳ありません」
必死さを感じたのは、冒険者達が誰もナンナの話を聞かず無視して通り過ぎてしまうから、らしい。
(美人とはいえ、透けちゃうから幽霊みたいに思われてるのか……それともこれからお尻を掘られる所を美人に見られたくないのか)
単に、金に困った冒険者達が余裕なくさっさとダンジョンに入ってしまうからかもしれない。
とはいえ、お客であるケティシュが思い悩むようなことでもないだろう。ナンナの言う通り、ここには目一杯楽しみに来たのだから。
気づくと、入り口の方から少しオレンジの光が差し込んでいる。洞窟に夕日が差し込んでいるのだ。
「ああ、もうこんな時間かあ。開店時間とかはあるんですか?」
「いえ、ダンジョン内で何泊していただいても結構ですよ。最深、500階の到達目安は入り口から300日でございます」
「ボリュームすごい……一生遊べる……」
いったい500階も、難度を増した上でどうやってエロく仕上げるのか、気になって来てしまう。
ラスボスに敗北したらとてつもない敗北エロシーンに突入するに違いない。
「30階からは、一度行った階層は10階ごとに入り口脇の部屋からファストトラベル出来ますのでぜひご活用くださいませ。そうそう……お客様にはお時間取らせてしまいましたので、お詫びの粗品をお受け取りください」
にゅ、と薄いはずのテーブルの天板から、スマホ程度のサイズの手帳が現れた。
「これは……?」
「どうやらお客様、『エロステータス』という言葉にご興味がお有りのようでしたので。そちら、ダンジョン外でもご自身のエロステータスを確認できる優れものでございます」
「えっ!? しゅ、しゅごい……!」
人工革みたいな質感、色はケティシュの髪と同じ鮮やかなピンク。
前世の男性の価値観だと目に痛いと思ったかもしれないが、ケティシュにとってはとても可愛らしい感じがする。
「いやあーこんな良いものを貰っちゃって良いんですか?」
ニマニマと手帳を両手で目の前に掲げながら言うケティシュに、ナンナもほっこりと笑顔になった。
「もちろんでございます。更には、末尾にオプション設定がございまして、お客様の性経験を日記調で書き残す機能も!」
「おおっ!」
プレイの後の感想文。エロ同人RPGにおいてもそこそこ見かける要素だ。
(良いよね、エッチな行為の後からの振り返り)
前世でも大好きだったし、ケティシュも大好きだ。後ろについているボタン……紙ではなく本当にスマホのようなタッチパネル……を押す。
――当商品は、お客様の精神と同期しその経験を出力致します。より大きな権限を与える事により性経験を詳細で丁寧な絵日記のように描き出す事も可能です。
――許可のレベルを設定してください
即座にレベル5、最大を許可する。手帳に触れた所から身体の奥底、魂とでも言うべき領域と繋がった感じがした。
「今、手帳がお客様の精神とパスをつなぎました。手帳からの影響は一切ございませんのでご安心ください」
「はい! 良いものをありがとうございます!」
満面の笑みを浮かべて、ケティシュが席を立つ。
「今日は、ちょっとだけ、入り口だけ見ようと思います」
「はい、問題ございませんよ。行ってらっしゃいませ」
いくつかのドアがある通路を過ぎると黒い建材は消え、広めの洞穴のような外観になっていった。
すん、と鼻を鳴らすと、どこか甘ったるいような、チーズのように
ここからは魔物が出るみたいなので、一応自分の状態を確認しておく。
今のケティシュの装備は、宿にバックパックを置いただけの旅装だが……戦闘に不都合はない。
1000年前の子供の実力がどうかは知らないが、油断してうっかり敗北レイプで処女喪失という事にはならないだろう。
(よし、いざエロダンジョン!)
テクテク歩いていくと、さっきナンナと話し込んだ入り口の部屋よりも大きな空洞に出た。
いくつかの道に分かれていて、それぞれにゴブリン、スライム、コウモリ、ヒル状の何か、が壁面に描かれている。
(ふむふむ……完全にエッチな事をするラインナップだね)
スライムが最弱なのは日本のファンタジーだけ、という向きもあるが、それを言うならスライムなんて怪物は地球に実在していないので、この世界で最初に配されている事に不思議はない。
むしろソフトエロをするにあたり、とても都合の良い性質を持つ魔物であればこその選出なのだろう。
ちなみに師匠からは一般的なモンスターの知識も大体は聞いているので、この世界ではスライムは最弱~ほどほどの強さの、種類が豊富な魔物であることは知っている。
(ちょっと強い人は皆魔法を使うから、物理が効かない事があんまり強みにならないみたいだね)
師匠的にはスライムを倒す魔法すら使えないのはもう倒れる寸前、位のイメージらしい。
師匠が冒険者の中でどのくらいの位置に居るのか教えて貰っていないので、道行く冒険者に聞いて同意してもらえるかは怪しい。
(さて……選択肢は4つ。今日はどれかとちょっと戦って、宿に戻ろう)
夜までダンジョンに居ると町に戻る頃には酒場が閉まる時間になり、お腹を空かせたまま寝る羽目になりそうだ。
ケティシュはむふふ、とニンマリした笑顔でキョロキョロと吟味し始めた。
(やっぱり、処女は肉棒で散らしたいなあ。そうするとゴブリン……いやいや、一通り見てから相手を選びたいし、むしろ穴を狙ってこないであろうコウモリ……)
迷った上で、
期待で小走りになりながら道に入ると、予想外に曲がりくねっている。
――あっ……♥ あっ……♥
そんなケティシュの耳に、甘ったるい声が聞こえてくる。
どくん、と胸が高鳴った。
(誰か居る!?)
ニッコリと笑顔を浮かべながらダッシュで通路を突っ切ると、小学校の教室位の空間に出た。
「あっ♥ あぁーーっ♥♥」
ぱん、ぱん、と肉を打ち合う音を響かせながら、女がゴブリンに犯されている。
外で見たゴブリンと体格などは全く同じだが、体色がピンクであり見間違いようのないほどエロ用モンスターだった。
他人のセックスを覗き見るのは師匠が人妻エルフをつまみ食いしているのを覗いて以来なので、ドキドキしながら食い入るように見てしまう。
ちょうど入り口に尻を向けて少女が突っ伏しているので、ゴブリンのそこそこ良いサイズをしたチンポが小さな穴にぐっぽりと寝バックの体勢で入っているのが見て取れた。
(ううーーっ♥ オナニーしたい……♥)
鼻息も荒く魅入るケティシュだが、足音が近づいてくるのに気づいてそちらを見た。
「ギギッ♥」
ニタニタといやらしい笑みを浮かべながらゴブリンがやってくる。
当たり前のように股間は勃起チンポでテントを張り、棍棒すら持たない素手で駆け寄ってくる。
「ごめんね」
げし、と勃起チンポをへし折る前蹴りを放ち、ゴブリンが悶絶した。
「ギャィヒィィィヒィィ!?」
とても切なそうな声に、周囲のゴブリン達も縮み上がって逃げていく。
残りは仲良くパコパコしている人だけになった。
マナー違反かな、と思いつつも好奇心を抑えられず、横に回ってどんな顔をしているのか見に行ってしまう。
そして、騒ぎを起こしてとっくに気づいていたらしい少女とバッチリ目が合ってしまった。
「……!!」
鮮やかな夕日色の髪がポニーテールに結えられ、今はゴブリンのオモチャのように引っ張られている。
良く見れば服は少女の目の前に畳んで置かれ、がっつりセックスする気満々であることが伺えた。
勝ち気そうなツリ目だが、近づいて見てもかなり小柄だ。もしかしたらケティシュより若いかもしれない。
(その年でゴブリン姦をこんなに楽しむなんてすごいなあ。お友達になれるかな)
そんな事を思ったのもつかの間。
「わ、わ゛ーーーっ! く、くるな、くるな、みるなっ♥」
パコパコとゴブリンが腰を振りながらなので、語尾にどうしても甘ったるいものが混じってしまう。
「ギヒヒッ!」
羞恥で叫んだ事で膣が締まったのだろう、乗っかっているゴブリンも嬉しそうに叫んだ。
大きな腰の振りで少女にトドメを刺す。
「んぉっ♥♥ お゛っ♥♥♥」
不意打ち気味に突き刺されたチンポに、腹の底から良い声を出して絶頂した。
(気持ちよさそー……♥)
まだ経験したことのないセックスを、目の前でこうも気持ちよさそうにやられるとケティシュも早く処女を捨てたくなってしまう。
(うー、だめだめ、まだ我慢……)
手帳の効果で絵日記まで付いてくるのだし、これぞという相手を選んで処女を捧げたい。
「すみません、お楽しみを邪魔してしまって。今日はもう帰るんで、また会いましょうね」
床の上でビクンビクンと痙攣している少女に、聴いているかわからないが声をかけて立ち去る。
(あっ、ゴブリン死んでる)
竿をへし折ったゴブリンが静かになったと思ったら死んでいたようだ。
肉棒らしきものだけが残されている。
(外では普通に死体が残ったけど、ここではそれじゃ困るもんね)
ドロップチンポを拾って、そそくさとその場を後にした。
後に残されたのは、床で痙攣し続ける少女とその上で腰を振り続けるゴブリン、そして、
「行ったかしら……ふう、こんな時間に人に遭うなんて、驚いちゃった」
出口側に隠れていたもう一人の女性だけだった。