デカパイエルフに産まれたからにはエッチな目に逢いに行く。 作:伊倉米磁
翌朝。ケティシュは朝一でエロダンジョンにやってきていた。
昨日は夜の闇の中を魔法で飛翔して帰った後、酒場で夕飯を食べてすぐに眠りについた。
エロステータス手帳をじっくりと読みたいのは山々だったが、ぜったい夜更かししてしまうので我慢した。
「おはようございます!」
満面の笑みで挨拶をすると、ダンジョン管理AIであるナンナが柔らかく微笑んで挨拶を返してくれる。
「おはようございます。本日もご利用誠にありがとうございます」
昨日散々喋ったのでスッキリしたのだろう、ナンナもそれ以上は話しかけてこず、ケティシュも全く足を止めずに手を振って分かれる。
ダンジョンに入ったケティシュは、まずステータス画面を開いた。
「ステータスオープン」
そんな魔法を使えるようになったわけではなく、ダンジョンが音声に反応して出してくれているらしい。
「おお……」
16:9の画面が空中に投影され、エロステータスが表示される。
一般的なエロ同人RPGにおいてエロステータスというのは大別して2つの意味を持つ。
1つ、「○回セックスした」「これまで注がれた精液○ml」などの経験ログ。
2つ、「唇の感度」「手コキの上手さ」のような部位ごとの開発度や性経験など、現在の身体の状態を示すもの。
2つ目には、「エッチなことに対する心境」みたいな現在の心の状態も含まれるだろう。こちらは少し数が少なくなる。
そして今目にしたエロステータスには、残念ながら経験ログは含まれていないようだ。
しかしその分充実した項目が並んでいる。
画面中央にはケティシュと思われる髪型と体格のシルエットが表示され、片腕だけ斜め下に半端に上げた謎ポーズで立っている。
その横に、ウィンドウ上に区切られて何かしらの数字が書いてある。
(文章タップしたら説明出てきた。
・快楽・・・現在感じている快楽の度合い
・性欲・・・快楽ダメージの倍率に関わる
・忍耐・・・快楽の最大値を超えた後で我慢できる限界値
忍耐必要かな? まあイくのを耐えるのと余裕があるのではニュアンスが違うか……)
自分のシルエットをタップすると、部位ごとの情報が現れた。これもステータスの文章をタップするとヘルプが出る。
(へえ。私ってもう技を取得してたんだ……
・性感帯・・・各部位の快楽ダメージ倍率を表す
・性技・・・各部位で使える性交渉の手段
胸の場合は乳房倍率128%。乳首倍率189%。うんうん、乳首シコシコするの好きだから……♥
性技はパイズリ(7/10)。スキルレベル10が最大かな? 結構上手いんだ、私……)
ふむふむ言いながらも、自分の身体の状態を客観的に示される行為に興奮していく。
(あ、Gスポ倍率240%♥ 師匠にイった後も攻め続けて貰って、大分開発したもんなー♥ 誰のチンポでもイケる雑魚マンコに育ってる♥)
股間をうずうずさせながらも、ズボンなので弄ることは出来ない。
「あ……生理周期まで書いてくれるんだ」
エルフは生理周期が人間の10倍はあるので、ケティシュも今は『安全日』の表記になっている。子作りに励む夫婦であれば普通に役立つ情報だ。
いずれ里帰りするときは、ダンジョンでエロステータスが見られる手帳が手に入ったら土産にしても良いかも知れない。
(えっと、後は……あ、別ページもある。エンチャント装備画面か。
・装備枠は部位ごと。髪とか目、鼻……パーツごとに全部あるね。数がすごい。
・スキル・・・これは装備した結果がまとめて表示されるのかな。
……私、まだエンチャント一つも装備してないけど、スキルがある。
・Ex.快楽行動阻害低減・・・快楽による行動阻害を33%減らす。
・Ex.膣弱点・・・膣性交で快楽だけでなく性欲にもプラス補正
・Ex.乳首弱点(小)・・・乳首愛撫で快楽だけでなく性欲にもプラス補正(小)
・Ex.処女・・・膣性交経験が無い
・Exとは装備スキルと関係なく身につけた技術や状態を換算したもの。エンチャントのスキルと同種であれば効果は加算される。
ほうほう……こうやって見ると、私もエッチな身体に育ったなあ……♥
アナル処女はスキルにならないんだね……膜があるわけじゃないからかな)
そしてもう一つのページ、上部に『オプション』と書いてある。
(あー……こういうの、最初から自由に設定出来るんだ。
・性開発経験持ち越し・・・ダンジョンで開発された性的な感度をそのまま自分の身体に適用するかどうかの設定。※開発しすぎると日常生活に支障をきたす可能性があります。
・性ダメージ持ち越し・・・ダンジョンでの性交で拡張された膣や肛門、垂れた乳房などダメージをそのまま自分の身体に適用するかどうかの設定。※開発しすぎると日常生活に支障をきたす可能性があります。
・※戦闘経験はすべてダンジョン外と同様に得られます。
ふうん。これはどうかな……開発し過ぎも困るんだけど、セックスで気持ちよくなりたいから出来るだけ開発はしたいし。最低でも20%持ち出しか……もうちょっとだけ上げて様子見しよう。
ダメージは……カットでいいか。見てる分にはグロマンも良いものだけど、将来のセックス相手の気分に配慮しないとね。
戦闘経験……別に経験値や熟練度みたいなゲームシステムじみたものは無いと思うけど、開発経験の持ち出しを制限できるならやろうと思えば制限出来るのかな。とりあえずここは設定出来ないみたいだし単なる注意書きだね)
案の定エロステータス閲覧が楽しすぎて足が止まってしまった。
気を取り直して進む道を選ぶ。
「昨日はゴブリン姦を楽しんでる人が居たから……今日は別のを見に行こうかな」
手の中には、昨日チンポをへし折って殺したゴブリンのドロップ品であるゴブリンチンポが握られている。
(これもドロップ品ってコトで売れるのかな。ていうか、そろそろ収入がないと宿屋に泊まるお金もいつかは無くなっちゃう……)
女主人公もののエロ同人RPGといえば売春であり、Hな事は金を稼ぐ手段という位置づけがされることが多いので、エロ同人RPGでは金というリソースに困るようなバランスが取られる事は少ない。
しかし現実に娼館で働いたり路上で立ちんぼをして金を稼ぐというのは、世間知らずのケティシュには難しいだろう。
まずこの国に売春を取り締まる法律があるかどうかも知らない、売春の相場も知らないのでは、周りの大人に騙されるのがオチだ。
幸いここのドロップ品は高く売れると言うし、エロ攻撃(エロ同人RPG用語)をしてくる敵の種類を把握する意味で普通に戦って倒すのが良い。
そう結論づけ、ケティシュはゴブリンの隣のスライムの通路へ向かった。
ゴブリンの時と同じ、何度かつづら折りになった……多分入り口からプレイが見えないようにと言う配慮……通路を抜け、同じく教室位の面積の空間に出る。
「お、いるいる」
透明な薄ピンクで、水たまりがこんもりと盛り上がったような典型的な雑魚感溢れるスライムが床を這っている。
どうなるのか気になって歩いて近づくと……ぽたりと首筋に生ぬるい感触があった。
「っと!」
左腰と足から瞬間的に風を吹き出し、弾かれるように右へ移動する。
ざっ、とブーツが洞窟の岩床を擦る音と共にターンして、元いた場所を見ると、べちゃりとスライムが落ちて来ていた。
「あぶな……危険は無いけどこういう襲い方はするわけか……」
首筋に垂れたスライムの残滓を指に取り、目の前に持ってくる。
にちゃ、にちゃ、と指をくっつけたり離したりすると糸を引き、匂いは少しイチゴっぽい爽やかな感じだ。
そんな事を目の前で出来るほど動きは遅い。
「おーい、君はどんなエロいことしてくれるのー?」
つんつん、と杖の石突で突いてみても、ローションにつぷつぷと沈む感触しか無い。
もちろん返事はないので、倒すしか無いだろう。
スライムの対処は簡単で、核を壊せば死ぬ。
魔法で水を操る要領で自分の身体を操っているらしい。杖に魔力の刃を纏わせて、手首の動きだけで上下させて斬りつける。
びくんっ! と声なき断末魔と共にスライムが死んだ。
ころん、とピンク色の玉が転がり出る。ゴルフボール位のそれは、スライムの身体が詰まった水風船にも見える。
ケティシュは腰の後ろにあるポーチにそっと玉を入れ、周りのスライムにも同じようにトドメを刺していく。
「摂りすぎたかな。ポーチもあんまり容量無いし、一度売りに帰るか……」
このポーチはバックパックに入れておいたものだが、師匠にあると何かと便利だから、と言われて集落にいる職人に作ってもらった。
今まさにありがたみを実感している。
「どもー」
「あ、お疲れ様ですー」
軽い挨拶と共にダンジョンを出ると、まだ朝日が昇って間もない所だ。
「あ、鍵かかってる……まあそりゃそうか……」
ギルドの営業時間とかも聞いていないし、看板として書いてあったりもしない。
首を振ってため息をつくと、ゴブリンチンポ1個とゴルフボール大のスライム玉10個位がゴロゴロしているポーチをきっちりと詰め直し、再びダンジョンへ戻った。
ナンナが少し不思議そうな顔をしているのがちょっと恥ずかしいので小走りで去っていく。
「さてさて……次はコウモリ、と」
部屋に入ると、天井に逆さまになって停まり、こちらを光る眼で見ている生き物が居た。
一見してチンポを生やしている風でも無く、どんなエロいことをしてくれるのか期待しながら歩き寄っていく。
「キイィッ」
可聴領域ギリギリの高さの鳴き声を上げながら、コウモリが飛びかかってきた。
処女喪失はなさそうなので、あえて無防備に受ける。
「おっ!」
2匹のコウモリはケティシュの胸にベタリと張り付いた。
カジカジと歯と立てているようだが、その程度ではローブと革防具を抜くことは出来ない。
「キィィィィ」
「んっく♥」
と思っていると、口を当てたままコウモリが叫び声を発し、乳房を振動で揺さぶってきた。
微細な振動が乳首と乳房全体に広がり、じわじわとした気持ちよさが広がる。
「はぁ……ん♥ 結構良いな……♥ ちょっとこれ貼り付けたまま進もう」
先程見たエロステータスでは、乳房倍率128%と控えめな数字になっていた。
全体を振動させて気持ちよくなれば、じわじわと開発されて立派な弱点になってくれるだろう。
キィィ、と鳴くコウモリを手でつかみ、暴れる2匹のコウモリをローブの中に入れてシャツと革鎧越しに張り付かせる。
より鮮烈に振動するようになった乳房に股間を濡らし、ウットリとした笑みを浮かべながらも他のコウモリを2、3匹斬った。
(ドロップは、小さいな……牙? 媚薬注射とかかな?)
消滅しても何も落とさないという事例も確認した。残念ながら100%ドロップではないようだ。
近づかなければ襲ってこなくなったコウモリに背を向け、胸の快感で頭をバカにしながら入り口に向かう。
次のヒルらしき絵のところに行くと、やはりヒルだった。しかも全長20センチはある。
「おっ、これはもしかして……」
しゃがんで拾ってみると、しっとりと人肌のように滑らかで、不潔なヌルつきは一切ない。
生き物なので、掴まれてうぞうぞと蠢いているのが不気味といえば不気味だ。
円形の口っぽい部分を見ていると、くぱっと開いて内部を露出してくれた。
「やっぱりオナホだ、これ」
男性器を突っ込んで気持ちよくなるための器具。ナンナは男女関係なく楽しめると言っていたし、あっていると思う。
(でもコレで致す人なんて居るかな……)
教室位の床面積の部屋で、野生のオナホが床を這いずり回っているという……この空間自体相当不気味だし、さらに得体のしれない生き物にチンポを突き刺すというのは相当の変態でもなければ出来ないと思う。
幸いにしてケティシュは女なので、コレを使うことはないが……とりあえずヒルを輪切りにして殺すと、綺麗な円筒形のオナホがドロップした。
知らずにオナホを買った人が製作現場を見たらトラウマになりそうだが、あまり深く考えないようにしてポーチに入れる。
4部屋すべて通ったので2層へ足を進めた。どっちが入り口だったかな?と言うくらいに似たようなロビーに出ると、洞窟には似つかわしくないキッチリとした下り階段がある。
特に罠もなく、コウモリの振動で気持ちよくなりながら螺旋階段を下っていくと、また似たような洞窟が広がっていた。下り階段の終わりに階層表示があるので、たしかに2階のようだ。
「お、今度は何……?」
またもモンスターの描かれた板が各入り口脇にはまっている。
犬、ハチ、ヘビ、カエル。
人によっては素通り一択と言った感じのラインナップだが、これもエロ同人RPGでは極めてよく見るお相手だろう。カエルはちょっと外れるだろうか。
もちろんよく見る理由は製作ソフト*1のザコ敵として絵素材があるからだ。
(異世界でもエッチなザコ敵として出会うことになるとは……)
謎の感慨を感じながらも、端から見ていくことにした。