性奴隷と長身巨乳リョナグロ背徳性癖倒錯ふたなりが純愛に堕ちるまでの話 作:PP→KP
結局、あれから何度か図書館に行き転生者の情報を集めたりもしたが芳しい結果は得られないまま1月が過ぎた。
「駄目だな、彼女が誰なのか推測がつかない」
何処まで行っても調査は進展しない。当たり前だ。かつての世界の中で終わったこと以上の情報はなく、鍵となる当の彼女が不在(居たとしても話を聞きに行けるとは思えないが)。
この館の転生者が私と彼女だけである以上、他の者から転生者に関する知らない情報を聞き出すこともできない。
だというのにこんな調査ばかりしていたのは──半ば現実逃避したかったからだ。
(……どうすれば良いんだろうな、本当に)
彼女との向き合い方をどうすれば良いのか、1ヶ月も経つというのに未だに答えが出てこない。
殺したことを詫びるのか、彼女はかつて誰だったのかを理解しその想いを受け止めれば良いのか。
だとしても、もしも彼女が私に求めているのが性欲と憎悪と殺意の捌け口であるのなら──結局こんな事をしても無駄なのでは、という考えが頭をよぎる。一瞬だけ浮かんだそれを振り払うように私は頭を振った。
(無駄ではない、筈だ)
彼女の父である当主様が私に向き合うようにと話したのは、きっと娘である彼女の異常さを止めて欲しいと──いや、私が止めるべきことであり、私にしか止められないと認識しているからだ。
当主様は淫魔は相手に合わせて性器を微調整したり、男性器であれば射精量を調節できると言っていた。私を犯して殺すためだけに異常に発達したペニスと人体を破裂させるような射精量もその現れなのだと。
これは逆に言えば、彼女が私に向けている異常な憎愛を落ち着かせることが出来ればそういった異様な性的機能が常人のそれに近くなり、ひいては普通に人と付き合えるようになるということだ。
性奴隷を犯して殺して、かつての世界の因縁に執着するような有様ではなく。お互いにわかり合い、慈しみ合うような──そんな、普通の男女のような関係を自分たちの娘には持って欲しいと思っているからこそ、私に対して色々話をしてくれたのだろう。
(だから、私が向き合う必要がある、ということなのだろうが……)
そこまで理解できてはいても、じゃあそれが出来るのだろうかと考えると陰鬱になる。
私は彼女が怖い。犯して殺すという異常な性癖で様々な手段で殺されてきた。そんな私が、彼女に向き合うことが出来るのだろうかと思ってしまう。
きっと私に殺された彼女も私が怖かっただろうし、それ故の憎愛をぶつけてきているのだとすれば受け入れるほか無いだろう。それが一種の諦観でしか無いというのは分かっている。
きっと、彼女の殺意を、憎しみを、偏愛をただ漫然と受け入れただけでは駄目なのだろう。
向き合って欲しいと当主様が言っていたように、彼女自身を理解して、その心に何を思っているのかを考えないと何も変わらない。
(──なのに、私は)
分かっているのだ。分かっていても──私は、私から彼女を理解しようと変わっていけるとは思えなかった。
脳理に浮かぶのは彼の顔。私が胸いっぱいの恋心を抱いた、私の世界を変えてくれた人。
心に浮かぶのは後輩の顔。一方的な肉体関係に始まりながらも、悍ましい殺人鬼であった私の本性を知って尚、愛していると言ってくれた人。
彼に向けたように彼女を慈しめるだろうか。後輩がしてくれたように彼女に寄り添えるだろうか。出来る気がしない、だって彼女は私を憎んで殺してくるのだから。
彼女が怖い。一番最初、魔法も何もなく彼女の剛直に胎を引き裂かれ、搔き回されて死んだ事を思い出すだけで体が震える。
彼女が恐ろしい。本当に慈しむような顔で、かつての私のような姿で……作ったであろう表情で、優しい言葉を掛けながら私を道具のように犯し殺す姿は私にとっては獄卒も同じで──涙1つ流さず、子供すら惨殺できた私が最も嫌いな私に見えるから。
それに、何より。私は変われる気がしない。もしも私が変わっていくことで彼女が興味をなくしたら──そうしたら、犯して殺したまま蘇生させてくれないかもしれない。そうなったら今度こそ、私という人間が、人格が消えてしまうのだ。
どこまでも自分本位で我が事ながら本当に嫌になる。どうあれ前の世界で彼女を殺しただろう私が、一度味わった「本当の死」への恐怖をもう味わいたくないと駄々をこねている。こうやって己を顧みるほどに自分という人間の醜悪さが浮き彫りになるようだ。
例え彼女が元は誰であったとしても、ああまで執着してくるまでに歪めた原因の1つではあるだろうに、私はそれでも自分のほうが大事なのだ。
(──彼女のことを、彼のように、後輩のように見ることが出来たなら)
そうなったら、私は己を顧みずに彼女に身体を捧げられるようになるのだろうか。彼の為に復讐を全うしたように、後輩に人生の去就全てを委ねたように。
その様に変わっていければ、あるいは当主様方の想像しているように彼女を止めることが出来るのかも知れない。
だというのに。そのためにもちゃんと彼女を理解できるようになろう、なんて頭の中ですら言い出せない自分が居る。
「とは、いってもな……」
正直に言うと、彼女に向き合うことに及び腰となっている理由は他にもあった。
現状最も彼女の可能性が高いのは柘植だが、正直に言えば柘植はかつて私が殺した6人の中で一番憎い相手だ。
柘植は「彼」を直接殺害したといえる人間で、だからこそ私は誰よりも柘植を殺したかった。柘植を確実に殺すために、父親に犯され虐げられていた娘を口封じを兼ねた偽装工作のために殺害することを厭わないぐらいには。
もし彼女がかつて柘植だったとしたら、きっと何をどうやっても向き合えないだろう。
今の彼女は少なくとも私以外には優秀で優しい統治者の後継としての姿を偽り無く見せているらしいので、仮に魂が柘植のもので記憶も持っていたとしても善人となっていることは確かだ。
でも私は無理だ。こちらに生まれて10年、彼女に犯し殺されるようになって3ヶ月経った私はそれでもかつての自分を性格から何から引き継いでしまっている。
そんな私が、今も彼への恋心をこれっぽっちも欠けさせられていない私が、罪悪感と憎悪に塗れながらも過ごした後輩との優しい日々を引きずる私が。あの忌々しい小太りの男への考えを変えることなんて出来るわけがない。それならまだ心を殺して自分を買い戻せるようになるまで犯され殺され続けたほうがマシだ。
(だから、そういう意味では柘植以外であって欲しいんだが……)
柘植以外の3人に対しては私が純然たる加害者だ。いや柘植に対しても立場的には完膚なきまでに加害者でしか無いのだが。
だとしても、復讐の道具として使えるからという理由で尊厳を凌辱するような形で惨殺した子供2人に、復讐のためのセックスを繰り返して孕んでおきながら身勝手に堕ろした胎児が1人。抱く感情は彼を奪った復讐相手の柘植へのそれとは全く異なる。
身勝手な復讐に無関係だったのに巻き込まれ命を奪われた3人の内の誰かが彼女であれば、柘植のように拒絶しようとは思わないだろう。
だがもし3人の内の誰かだとして、私はやはり向き合い方がわからないのだ。
(何をどう向き合えば良いんだ。私は柘植の娘とも、三重野の息子とも碌に話したことがないんだぞ)
ただその3人の感情を受け止め、惨殺されることで気が晴れるというのであれば受け入れるほかない。柘植相手のように心を殺す事も多分ないし、身勝手ではあるが贖罪の意味も込めて一生を奴隷として終えることすらも当然のことだとすら思える……恐ろしいし、私の精神が壊れるかもしれないが。
でも、恐ろしく悍ましい話ではあるが──私は、己の都合で殺したというその3人のことをほとんど知らないのだ。
東海林と柘植、三重野のことは知っている。彼を殺した理由を知りたくて学生時代からネットや新聞記事を使って調べていたし、刑事部に入ってから当時の事件資料を漁れるだけ漁って情報をまとめ上げた。
警官として会話もしたし、東海林と柘植に至っては偽装しながら肉体関係を作って何度も夜を共にして、身の上話なんかもよく聞いていた。だから何をどう思っているのかも想像できるし、やろうと思えばその感情に対峙することは出来るだろう。
それに対して、柘植の娘は私が柘植の家で犯されている場を覗き見したことで「自分の身代わりになって、家の調査をしている警官」という認識から薄く慕ってくるようになったぐらいで、その間は私も告げ口されないようにと適当に話をしていたくらいだ。同情してはいたが、結局私は自分のことばかり優先していた。
三重野の息子に至っては誘拐・監禁している間で一言も会話を交わさなかったし、最期に泣いて許しを請われながら惨殺したときに少しだけ会話したぐらいだ。同情如何以前の話だろう。
そして、私の胎に宿った胎児に対しては。少なくとも生きていた間──私の子宮で大きくなっていく間は、それこそ処理しないといけないモノとしてしか見ていなかった。
普段は男を受け入れる膣を通って出てきた100gに届くかどうかの小さい人型を見て、そこで漸く私は生命を宿していたんだと理解させられた程だ。そしてその上で、私しか弔えないだろうからと機が来るまで冷凍保存してはいたが、そこに人格を認めたことは終ぞ無かった。
だからその3人が私に対して何かを思っていたとして、感じていたとして──私はそれを知らない。知らないから、今の彼女の行動が全てとなってしまう。
殺意と歪んだ性愛、彼女が私に向けてくるそれこそが彼女の本質だと思ってしまう。それ以外に推察できる中身がないから。
だから、ただ受け入れるだけになってしまう。罪悪感から、ただ彼女の性欲と暴力を受け入れる性処理道具兼サンドバッグとして完結してしまう。
「……それが当主様としてはよろしくないこと、だというのは分かるんだがな」
それだと、ただひたすらに彼女が狂気と殺意と性欲を私にぶつけ、そしてそんな自分を押し隠して一生を暮らすことになる。
私という捌け口があって、それがバレないのであれば良いという考え方も出来なくはないだろうが……逆にバレたときが途轍もない問題になるだろう。
まず10歳の女児を性奴隷として購入し、監禁し、不当な殺害は奴隷相手ですら禁じられているこの国で3日に1回殺して蘇生して……という無法行為をやっていることになる。今後この関係が続き、そしてなにかの拍子に白日に晒された時。如何にこの家が優れた貴族の家であり淫魔の頂点の一族だとしてもとても許されることではないだろう。
それに淫魔の王という昇格者である彼女は、この家の跡継ぎになることがほぼ確定している。だと言うのに性奴隷以外に性欲をぶつけられず、その性欲が殺意と混在して相手を殺すことに繋がるという現状はどう考えてもよろしくはない。
……あと、彼女の家族は単純に仲が良い。貴族だ何だ以前に親として、今の歪んだ性欲と殺意がより先鋭化された時に彼女の人生や価値観に治らない疵が付くかもしれないということを懸念してもいそうだ。
ううん、と悩む。
自分の娘を歪めた張本人と見据えているだろう私を罰するでもなく、現状を打破するためにお互いちゃんと穏やかな関係になるよう向き合ってほしいという当主様の考えは正しく、尊重したい。それにそういう関係性に落ち着けるのであれば私も歓迎したいところだ。
だけど彼女が何を考えているのかわからない(殺意と性欲はあるだろうが)現状、私が彼女に抱ける感情は恐怖と諦観だけだ。彼女が誰だったのかが明確になったとしてもそこがわからないことには変わりそうにもない。
「せめて何かこう、変わるきっかけ……とまでは言わないにせよ、彼女の考えが分かるような何か取っ掛かりでもあれば良いんだが」
彼女がどういった考えを持っているのか、それが分かれば或いは今の現状を打破できるかも知れない。
だが、彼女は常に私に穏やかに、優しく──表面上は接してくる。かつての私を模倣しての仕草と話し方で、私を乱雑に執拗に犯し、殺してくる。そこにはやはり殺意や憎しみ、歪んだ性欲しか感じられない。
本心からそれだけならもうどうにもならないが、本心が別にあるか、そうでなくても本心が屈折した結果が現状ならそれを引き出すことで初めて「向き合う」ことが可能になるのではないかと思う。
だからこそ本音を引き出したいのだが、取っ掛かりがない。彼女に直接問いただすには勇気がいるし、その結果現状の生死のバランスが崩れることを考えるととてもじゃないが踏み出せない。
当主様でも彼女の従者でもいいから、私以外の誰か・何かによって関係が変化せざるを得ないようなことが起きれば良いのだが──起きなければ、根回ししてでもそういったことを起こさないといけないかもしれない。
バレたときのリスクを考えると今から恐怖で体が震えるが、だとしてももっと碌でも無い計画殺人を繰り返した結果の自業自得が今の状況だ。だからそのリスクは負うべきだろう、そんな後ろ向きな覚悟を決めた。
そう考えていたのだが──思っても居ない方向から、その外部要因による関係の変化がもたらされることとなった。
「…………?」
最初は進展のない調査が続き、それに慣れていない今の身体が参ってしまったのかな、と思った。
胃もたれと言うか、吐き気がして食欲が減った。減衰した食欲でも栄養を取るために酸味のある食べ物を食べるようになると、それが前より美味しく感じられるようになった。
彼女の蘇生による肉体の新生をしないまま暫く経ったからか体力が減り、昼間でもうたた寝するようになった。
子供の体だしそういこともあるだろうと思っていた。女性としては優れた体力を持っていたかつての私と違うのに、同じ様な感覚で卒論の資料集めや警察での資料調査と同じように延々と本をめくってはそれらしい記述を探していたらそりゃ消耗するだろう、と。
だが、流石に「子供だから」で流せない事態になっていたのだ。
「……生理が、来ないな」
ポツリ、と呟く。既に初潮は迎えていた私だが、調査に費やしたこの1ヶ月以上もの間、未だに生理が来ていなかった。
本来の周期からは大分経っているのに今更気づいた自分に思わず呆れるが、しかしよく考えると最近の状況を考えると気付かなくて当然だと思う。
私は4ヶ月と少し前に彼女の奴隷となってから、3日に1度死んでは蘇生を繰り返している。そしてその都度自分だった残骸をバケツにかき集め廃棄している。ここで蘇生した私が五体満足なのに何故バケツ一杯分もの私だった残骸が残っているのかと言えば、それは偏に彼女の蘇生魔法の性質が理由だった。
従者曰く、彼女の蘇生魔法は強力かつ蘇生後の肉体の保全についても視野に入れたものであるらしく、蘇生の際に破損度合いが酷い部位は修復される肉体として見做さず新たにその部位を創造する術式なのだという。
私だった残骸の正体は、つまるところ彼女に殺害された際に蘇生に適さないほどに破損した肉片だということだ。
それが何故生理が来ない理由になるのかと言えばこれまた単純で、生理の発生源である子宮は絶対に蘇生時に「修復」されないからだ。
だから子宮は死ぬ度に新造されるため、そもそも生理が発生するほど子宮内膜が厚くならなかったというわけである。
そんなわけで彼女が居る状況では生理が来ないのが当然だったし、実際ここに来てから3ヶ月の間は生理痛に悩まされたことはなかった。それ以上の激痛に悩まされ続けていたが。
死んでは蘇生を繰り返していたこともあり村に居た頃とは生理の周期もズレていただろうことは想定できていたこともありあまり気にしていなかったのだが──流石に1ヶ月以上待っても来ないのはあまり歓迎すべき事態ではなかった。
「これは……報告しないと駄目だろうな」
とにかく、まずは医者だろう。素人判断はかつての私がやらかしたことで懲りている。
私に医師へのツテがないので誰かに相談しようと考え──そもそも私が性奴隷であることを明確に把握しているのが彼女とお付きの従者と彼女の両親しか居ない上、そのうち主従2人は聖都に出ていて不在だったことを思い出す。
「当主様か奥方様に相談するしかない、か」
この感覚には覚えがあった。かつての私が同じ状況に陥り、最後まで付き合わずに棄てた感覚。そんな記憶が鮮明に浮かび上がるのは、最近の調査続きで過去を思い出す頻度が増していたからだろうか。
かつてと酷似した感覚を覚える身体にため息を吐きながら、私は当主様方へのアポを取るためにメイド長の元へと向かった。
「なるほどね。まあ医者に見てもらわないと本当に正確な結果は出ないだろうけど……まあこれはほぼ確定だろうね」
「そうね、貴方。この子のおなかからはあの娘に近い魔力が少しだけ感じられるものね。多分、私達と同じ淫魔かしら」
当主様夫妻はそう言って、複雑そうな表情で私を──私の胎を見ている。
「にしても良くこんな早くに僕らに相談に来てくれたよ。下手に膨らんでからだと君が性奴隷だと知らない従者から見たウチの娘の株価が大暴落するところだった」
「貴方、そういう事をこの子に言うのは……」
本気で安堵したらしい当主様の言葉を非難するような目線を向ける奥方様。株取引があるんだ、と私はどうでもいいところで驚いていた。
しかし確かに、私が普通の村娘だったらこんな早期には気付かないだろうとは思う。だからそういう意味では私が転生者だったことで良かったと言えなくもないかも知れない。転生者じゃなければそもそもこんな状況になっていないとは思うが。
「にしても、まさか妊娠するとはねえ。いやあ、幾ら淫魔の王だからとは言えあんな犯し方で子供が出来るもんかとは思ってたんだけどなあ」
当主様が頭をぽりぽりと掻きながら無遠慮に私の腹をポンポンと軽く触る。その言には全く同意ではあるが気安いボディータッチは私はともかく奥方様が目の形を鋭く尖らせているのだが良いんだろうか。
それはともかく、何故孕んだのかという点については私は覚えがあった。
「それなのですが……。最後に彼女が来た日は途中で聖都に行かなくてはならないということで、途中で止められておりまして。彼女はその、普段から多いので……ちょっと漏出していた分でも子を孕む可能性はあったのかな、と」
「あー、そういう」
私の腹を気安く撫で回したことにご立腹な奥方様をいなしながら、私の言葉に納得を浮かべる当主様。性奴隷とはいえ娘によって頻繁に犯され殺され、挙げ句に妊娠させられた10歳児とかいう控えめに言って人道的に最底辺の所業を受けている私に対して奥方様は同情の色が強めだ。……かつての私の所業を思えば、当主様の対応ですら大分温情があるとは思うが。
人間、妊娠する時は少量の精液でも妊娠するものだ。柘植のの子供を妊娠したときだって、コンドームを外した直後で精液が付着したままのペニスを掃除もせずに再度生で犯してきたために妊娠した。射精される前に撲殺したにも関わらずである。
それに比べれば(射精されていないとは言え)カウパーまみれのペニスで強化魔法がかかっていた子宮の内側まで執拗に丹念に犯される彼女との性行為で孕むことはとくに不思議なことではないだろう。
というか、彼女の場合は射精の有無は正直問題にすらならない。腕のような大きさのペニス全体をどろどろにぬるつかせる多量のカウパーの中に僅かに漏出した精液が混じっていたとして、その含有量が成人男性の射精量を大きく上回っていても何もおかしくないのだから。
「いやしかし、本当に参ったなあ、これは」
「ええ、どうしましょうね」
美しい顔を苦悩に歪める2人。
確かに悩ましいだろうな、と思う。淫魔最強の戦士で世界有数の治癒の使い手で多くの尊敬を集めいてる娘が、事もあろうに10歳の女児を性奴隷として囲んで孕ませたともなれば、殺傷如何に関わらずとてつもない醜聞だろう。
「……堕ろす方が良いのではないでしょうか」
彼女はもしかしたら私が堕ろした子供が転生した者であるかもしれないので、下手したら堕ろすこと自体が地雷である可能性はある。何なら私にとっても結構な地雷ではある。
だが今は彼女は居ないし事実を知るのはここの3人だけだ。であれば今のうちに堕ろして隠蔽したほうが後腐れはないだろう。私の精神的な疵なんて無視してでも取り得る選択肢だと思えた。
だからこそ自分の心を刃で刺すようなことを呟いたのだが、返ってきたのは当主夫妻からの鋭すぎて背筋がすくむような眼光だった。
「何馬鹿なことを言っているの!せっかく出来た子供を堕ろすだなんて……っ!って、いえ、その、ね。勿論、貴女からすればあの娘は恐ろしい支配者で殺人狂だものね、嫌だって思うのは分かるわ、ええ。でもその、それを考えるのはまだ早いと思うの」
奥方様が普段では考えられない剣幕で半ば叫ぶように私に対して声を荒らげ、その直後に私の立場を思い出したのか優しく振る舞おうとする。それでも矢継ぎ早に言葉を飛ばしてくるあたり相当に慌てているようだ。
一気に捲し立てられて目を白黒させた私に、当主様はため息を吐き、物を知らない子供を諭すような口調で語り始めた。
「そりゃね、君にとっては堕ろすことに何も不都合なことは無いとは思うよ。強姦まがいの果ての子供だもの、堕ろす選択肢が出るのもしょうがないさ」
「それに娘だって犯す度に君を殺している時点で孕ませるつもりがないのはわかり切っているからね、この妊娠は君ら2人ににとって想定外なのは間違いない。だったらバレない内に殺してしまうのが後腐れがないっていうのは全くそのとおりだよ」
私の言ったことの利点自体は分かっているのだろう当主様はつらつらと言葉を並べ、その上でだけど、と前言を翻すように言葉を続けた。
「……現状、あの娘が性関係を持てるのは君だけだ。そしてそんな難儀な性癖の娘はそう遠くない内に僕から当主の座を譲り受ける立場にいるわけだ」
そう言って、私の瞳をじっと見つめる。透き通るような瞳に射竦められ、私は先程の当主様の言葉の意味が漸くわかった。奥方様が慌てて私を諌めようとした理由も。
「君は頭が良いから分かるだろうけどさ……君のお腹に宿った子供は、あの娘の長子になる」
「もしもあの娘の性癖が改善せず、君以外に関係を持てなくなったとしたら──子作りの度に死ぬ母体じゃあ、子供が出来る可能性なんて今後どれほどあるものか、って話になるよね」
「わかるだろう?そこに居る僕たちの孫は──もしかしたら、今後更に家を繋げるに当たって絶対に失えない最後の可能性かも知れないんだ」
「そんな生命を堕ろす、だなんてことは──出来れば、止めて欲しいってものだよねえ」
嫌だろうけどさ、なんて苦笑する当主様を前に私は言葉を紡げなかった。
淫魔という種族を大きくまとめる一族であり、事実上の種族の頭目とも呼べる家系。同時にこの国において有数の力を誇り、王統として末席ながら王位継承権すらある大貴族。
そんな一門の、これまた過去類を見ないほどに優秀な次期当主たる彼女の、もしかすると今後現れないかもしれない直系の子孫であり、血族を繋ぐ最後の希望になりうる子供。
親の不条理で歪みきった性関係の末に芽生えた小さい生命が背負わされた運命を突きつけられ──私は、思わず己の腹にそっと手を当ててしまっていた。
私(10):人間。女。性奴隷。妊娠1ヶ月。言ってること全部自分に返ってくる邪悪な風雲拳の使い手。何度も死んでいるからこそ、次に目覚められなかったらどうしようという恐怖が常につきまとっている。一度自己堕胎したせいか堕胎がトラウマの癖につい選択肢に挙げてしまう。ここまで色々やってお膳立てもしてもらっておきながら、彼女の正体如何では全部諦めようかなとか思ってる屑。
✕:彼の為に復讐→◯:彼を殺された復讐 ✕:後輩に人生の去就を委ねる→◯:後輩に自分の人生を背負わせる
彼女(33):淫魔。ふたなり。出張中。カウパーだけで女を妊娠させられるスーパー孕み棒を持ってる。尚射精すると相手が死ぬので妊娠することは基本的にない。そもそもマトモに入れられる膣自体少ない。ケンタウロス♀相手ならちょうどいいんじゃない(失礼)?
当主夫妻:淫魔。主人公が殺った内容を知ってればここまで優しくはならない。家族仲は良好であり、特に妻の方は娘を溺愛している。ただ女として主人公の境遇を哀れにも思っており、そう言う意味では当主より味方になりやすい。まあ当主の方が親としても当主としても立場として正着だが。
***(-9ヶ月):淫魔。まだ性別は決まっていない。発生後1ヶ月で急に重荷を背負わされた系淫魔。