性奴隷と長身巨乳リョナグロ背徳性癖倒錯ふたなりが純愛に堕ちるまでの話 作:PP→KP
私が産まれた時、お父さんもお母さんも刑務所に居たらしい。
らしい、というのは私にとって実感がなかったから。産まれてすぐに私みたいな子を預かってくれる乳児院ってところに入れられて、担当の先生に優しく育てられたから。
いや、本当はそこまで優しくはなかったのかもしれない。先生はほかの子も世話しなくちゃいけなくて、私にばかり構えないことを申し訳無さそうにしていた。
その時は先生がどれほど工夫して時間を作って私と遊んでくれていたのか知らなくて、もっと構ってほしくて袖を引っ張ったり迷惑をかけていたなと思う。
あともうひとつ。先生がどれほど優しくて、凄い大人だったのかを知って、感謝の言葉を言えなかったままになってしまったことが心残りだった。
「お父さんは凄い人だよ。周りに流されないで、自分のやりたいことを貫き通せてね。だからアタシはお父さんが好きなの。アンタもきっと会えば好きになるよ」
私がお母さんに引き取られたのは4歳の頃だった。
院の先生とお別れになるのが嫌でぐずっていた私は、お母さんにしゃんとしろと叱られた。連れて行かれた小さなお家はお父さんの実家?だったらしく、その時すでに養老施設に入っていたお祖父ちゃんとお祖母ちゃんが住んでいたとか。
本来の家主のお父さんはまだ牢屋の中ということで、私はお母さんといっしょに暮らすことなったのだけど……正直、ずっと院に居たかったな、って思えるような生活だった。
幼稚園で使うものの準備とかも手伝ってくれなかった。掃除や洗濯も溜め込んで、料理も冷凍食品ばっかりで何時も同じようなご飯が続いてた。
勿論、お母さんだって忙しかったんだとは思う。刑務所を出てすぐにパートで働いて、お役所で生活保護の申請をして。そんな状態でずっと会ってなかった子供と生活するのは大変だったんじゃないかなって。
そんなお母さんはお父さんのことが好きらしくて、私にも頻繁にお父さんの凄さを話していた。
お父さんに会ったこともなかった私だったが、最初の頃は素直にお母さんの言葉を信じていた。でもお母さんとの生活は苦しくて……こんなお母さんより長く刑務所にいるっていうお父さんは本当に凄いのかな、と思うようになった。
だけど口には出さなかった。一回だけ言ったことがあって、その時は烈火の如く怒ったお母さんに何度も叩かれたから。だからもう言わないようにして、お母さんの言葉に頷くようになった。
多分この頃から、私は大げさに言えば人を見極める能力がついてきたように思う。というか、相手がどんな人で何を考えているのか、相手の行動で何となく分かるようになったというほうが合ってたのかな。
お父さんをいっぱい褒めて私を褒めたりはしないお母さんも、幼稚園で私の家のことを知ってバカにする子も、逆に助けてくれる子も……皆、私に対してどう思ってるのかが伝わってくるように感じてた。
多分、自分を守りたいという感情が強かったんだと思う。居場所がなくて、つらくて──だから、嫌われたくなくて。私は、皆が望むことを受け入れるようになっていった。
だから、私が8歳の時にお父さんがお家に来て。お母さんが先に音を上げて半年で何処かに行っちゃったあとも──私は、お父さんを受け入れるしか無くなっていた。
お父さんはお母さんが言うような「凄い」という感じではなかった。小太りで、脂ぎってて……。
きっと、お母さんは逮捕前のお父さんが好きだっただけで、逮捕されてからのお父さんを知らなかったんじゃないかなって思う。
短気ですぐに手を上げるお父さんにぶたれるたびに、何がお父さんにとって嫌なのかを勉強して逆らわないようにした。痛いのが嫌だった私は、お父さんを受け入れるようになってしまった。
でもお母さんは昔のお父さんの思い出に縋ってたから、今のお父さんを受け入れられなかった。書き置きを残して出てったとき、私は八つ当たりのように散々に殴られてますます逆らわないようになった。
そして、お父さんは──私に跨って、お腹の中に白いベトベトした液体を何度も出すようになった。
初めての日は凄く痛くて思わず泣いたけど、うるさいのを嫌ったお父さんに首を絞められるようになってからは泣かないようにした。
お股が裂けて血が出て終わった後もずっとズキズキと痛かったけど、泣いてもぶたれるだけだったから泣けなかった。
「痛いだぁ?女なんてアソコにブチ込まれてヨガれる様に出来てんだよ!俺が居なきゃお前は産まれてもいねえんだ、だったら俺が好きに使ってもいいだろうが!」
そう言って、お父さんは私を組み敷いて、おちんちんでわたしの中をほじくり返した。白くベタついたおしっこを私の中に出されるのがたまらなく苦痛だった。
お腹に出したあとは、ぐったりした私を無理やり引き起こして、私におちんちんを咥えさせてくる。頭を掴まれて前後に揺さぶられて、そうしてお父さんはお腹に出したのと同じおしっこを私の口にも出してくるのだ。ぬるくてベタついて、苦くて気持ち悪くて、ただただ吐きそうだった。
それでも──私は、お父さんを受け入れ続けてしまった。逆らって、もっと痛い目に遭うよりは良いから、って自分を誤魔化して。
「あれっ?柘植さん、娘さん居たんですかぁ?」
そんな日々が1年以上続いて、服の下が傷だらけなのがいつも通りになった頃。
新しいお母さん、というわけではなさそうな──背が高くて足も長くて顔も小さくておっぱいも大きくて……なんか、すごく大人っぽいお姉さんが家に来た。穏やかでちょっと頼りなさそうに見えて、でも綺麗だったから、なんでこんな人がお父さんと一緒にいるんだろうなんて思っていた。
お姉さんは、私に変わってお父さんを受け入れてくれた。ふすまの隙間から見たお姉さんは私と違って身体も綺麗でおっぱいもお尻もおっきくて、私だといっぱいに押し込まれて苦痛でしかないおちんちんが全部入っても全然余裕がありそうだった。
お父さんが必死に腰を振っているのに合わせて──お姉さんは気持ちよさそうなふりをして、ピンピンしたまま受け止めていた。
(……あの人は、たしか)
お姉さんがだらしなく緩んだお父さんの顔を私の頭ぐらいありそうなおっきいおっぱいで挟み込んだ時、ふわふわした優しそうな顔が一瞬だけ鋭く、かっこいい顔つきになったのを見て。この前お家に来た警察の人だって気付いた。キリッとしてかっこよくて、大人の女って感じの素敵な人。髪型とか髪の色は違ったけど、それでも間違いなかった。
悪い人を捕まえに来た警察の人が、お父さんを受け止めて、そのお父さんに見えないようにまるで悪い人を見たようにキッとした目を向けたということは。
(お父さんを捕まえに来たんだ!私を助けに来てくれたんだ!)
よくわかんないけど、きっと潜入捜査とかそういうのに違いない。探偵アニメでちょうどそんなシーンを見たこともあって、私はそう信じきっていた。
「あらぁ?どうしてまだ起きてるの?駄目よ、子供はちゃんと寝ないと──」
「私を助けに来てくれたんだね、警察のお姉さん」
お父さんが寝た後、お姉さんに静かに優しく、甘い声を掛けられて。助けに来てくれたことで高揚してた私は思わずお姉さんの言葉を遮ってお礼を言った。そしたらお姉さんがすごくびっくりしたような顔をしていたのだ。
そして一瞬だけ周りに目線を巡らせて、それからおっきな身体をかがませて私と目線を合わせた。
「参ったな、こんな子に気付かれてしまうとは。お父さんに内緒にできるか?」
「うん、絶対内緒にするね。……ねえ、その代わり、私のことを名前で呼んでほしいの」
「名前……そうだな、わかった。よろしくな、ひかるちゃん」
さっきまでのどこかぼんやりしたような喋り方じゃない、小声だけどハキハキした喋り方。それがお姉さんのかっこいい雰囲気に似合ってて、ヒソヒソ話も潜入捜査って感じがして何だか楽しくなってきて。思わず名前で呼んでくれるようにお願いしたら、優しく呼んでくれたから本当に嬉しかった。
お姉さんが受け止めるようになってから、お父さんは私におちんちんを入れることを止めた。
お父さんがお姉さんを相手にするとおしっこを我慢するように必死で腰を振り続けて、最後には元気そうなお姉さんを余所にいっつも疲れて寝ていた。お姉さんはきっと私よりも、お父さんよりもずっと凄いんだろうって思った。
「ねえ、お父さんはいつ捕まるの?」
「そうだな……もうすぐ、もうすぐだ」
「そっかあ。お父さん捕まったら、私は乳児院に戻れるのかな」
お姉さんと一緒にお風呂に入りながら、昔のことを思い出してそう呟いた。
優しく頭を洗ってくれて、痒いところを細くてきれいな指で掻いてくれるお姉さんの優しい手付きが──頭を優しく撫でてくれた先生のことを思い出させてくれたのかな、と思う。
「乳児院?そう言えばひかるちゃんは……いや、そうだな。戻れるかは分からないが、少なくとも今とは違う生活にはなるだろう。それまでの辛抱だ」
お姉さんはそう言って、私の髪をシャワーで洗い流した後でぎゅっと抱きしめてくれた。
おっきなおっぱいがむぎゅ、と後頭部に押し付けられて、頭の上にお姉さんの小さい顔が寄せられて、やわらかいほっぺが頭に当たって少しくすぐったい。私より40cm以上背が高いお姉さんの、おおきくて、柔らかくて、綺麗で、力強い身体に全身が包まれるように抱きしめられて──すごく、すごく暖かくて、幸せで。
だから──あの日の夜、私は何もかもに裏切られた。
お父さんはお姉さんに何度もおちんちんを入れようとして、殴られて死んだ。
捕まえる、と言っていたお姉さんにお父さんが殺されて、でも全然悲しくなくって。お姉さんが私を連れて新しい場所に、幸せな場所に連れてってくれるって思って、お姉さんに近づいて──。
私は、お姉さんに首を掴まれ、床に引き倒された。
どうして、やめて、と言いたかったけど喋れなくって。無表情のお姉さんは、私を優しく洗って柔らかく包み込んでくれたあったかかった手で、痛いくらいに首を絞めてきて。
気が遠くなる中で、お腹が凄く痛くなった。お父さんにおちんちんを入れられた時の痛みが、普段より奥まで突き刺さって。綺麗な手袋を付けた裸のお姉さんは、私を抑え込むように跨っていて、ベトベトに濡れた股間を私に押し付けていて。
──あの綺麗でかっこいい憧れのお姉さんが、あの怖くて汚いお父さんのように私を情欲のままに犯してきたように感じて。恐怖と悲しみの中に少しだけ、尊敬していた人から求められたことへの高揚感を覚えながら、お腹の中にいっぱい出されたような感覚を最後に、私は──。
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『────汝、死んでしまったぞ、柘植ひかる』
『死因は窒息死。殺害者は──名称は汝の記憶にないため不開示となっている』
『表現するならば、汝からすれば「警察のお姉さん」によって絞殺された』
『私は、汝の感覚で言うならば神である』
『このイメージは、汝にとっての神……乳児院で読んでいたキリスト教由来の読み物を原風景に、種々様々なアニメやら漫画やらの話を元に構成された、あくまで汝の認識における神のイメージに基づいて構成されているものである』
『汝、生前にあっては己に責任のない不遇を受け、魂が大きく歪んで構築されてしまった。故に、汝の魂が万全となるよう補助し、是正するため──幸せになるために、祝福を与えよう』
『──生命の営みで生命の尊厳を犯された哀れな子よ。知るが良い。汝に苦痛を与えし行いは、正しくは生命の繁栄のためのものなのだと。汝を犯した者共は、正しくは汝を庇護する者なのだと』
『故に汝よ、恐るることなかれ。生命の営みは、血の繋がりは、血を繋ぐことは尊いものなのだと覚え給え。小さきを守り、弱きを庇護することは繁栄への導きと知り給え』
『汝──"恐れてきたこと、苦難だったこと──それらを永劫の苦役にすることなかれ"』
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「ねえ、警察のお姉さん。私、神様にお祝いしてもらったんだよ?『嫌いだったものを嫌いなままにならないように』って祝福なの」
私が彼女のかつての名を告げた時、彼女の態度が豹変した。いや、元に戻ったというべきだろう。
柘植ひかるという少女だった頃、そのままの言葉。成長過程で私の模倣をするようになったことで、逆に本来の口調が年相応に変化しなかったのだろうか。
「神様の祝福はすごくってね、お父様もお母様も前のとは全然違くて、すぐに大好きになれたの。淫魔に生まれたからえっちなことも怖くなくなったよ。もちろん、お姉さん以外誰ともえっちなことはしてなかったけど、でも前みたいに怖くて嫌なことじゃなくなったの」
高揚したことがひと目で分かる彼女。これには覚えがある──後輩と最後に対峙した時の私と同じだ。今まで黙っていたこと、本当はぶちまけたかったことを漸く明かせる、その高揚感だ。
「だからね!私を裏切った、憎いって思ったお姉さんも、嫌いだけど嫌いじゃなくなったの!お姉さんのこと好きで、だけど憎いって思ってたから──憎いって気持ちが憎いままじゃなくなって、ひっくり返ったみたいに前よりすっごく好きになったの!」
「それから、それから──」
「────好きな人と愛し合うためのえっちで、私を殺したお姉さんを。おんなじように犯して殺すことが、好きになったんだ、なっちゃったんだあ」
興奮を、高揚を隠そうともしない彼女の目には、狂気と──それから、一抹の後悔が浮かんでいた。
「ちっちゃい子になったお姉さんを、前のお父さんみたいに一番奥までがんがんって犯して、痛めつけて、苦しめて、
「新しい生命を作る大事なことなんだよってお父様やお母様に教えられたのに、子供を作るための精液をおなかいっぱいに流し込んで──憎い裏切り者を、大好きなお姉さんを、惨たらしく殺すことがたまらない」
じゅぷ、じゅぷ、とペニスをゆっくりと前後させる。
そうやって動かすごとに、彼女の身体が、ペニスが熱を持ってきたように錯覚してしまう。
壊れ物に触れるかのように私の腹を優しく抱きしめれば、大きな乳房がその張りと弾力を伝えてくる。
「この子、温かいね。お姉さん」
きゅっ、と私の腹に掛かる力が少しだけ強くなるが、それでも十二分に優しいといえる。
でも、それに反して腰の動きは少しずつ荒くなっていった。
意図的に子宮に負荷はかけないように角度を調整しているが、私の膣を強化魔法で引き伸ばし、周囲の内蔵すらも巻き込んで私の全身を使って己の剛直をしごき始めた彼女。
「……ひかるちゃん。お願いだから、やめてくれ」
弱々しく呟いても、彼女は一顧だにしない。
今の私は彼女の魔法で強化されているから、本来なら大穴が空いて死ぬような犯され方でも身体がゴムか何かのように引き伸ばされるだけ。傷も負わず痛みもない、まるで体全体が彼女のペニスを昂らせるためのオナホールにされてしまったかのようだ。
「ふっ、あっ……っ!んぅ、お姉さん──私ね、嫌いだったことが嫌いじゃなくなったって、言ったよね」
押し殺したような嬌声を上げながら、彼女は顔を私に寄せてくる。
それに合わせて腰が強く押し付けられ、彼女のペニスが膣を一気に引き伸ばす。そのまま消化器を掻き分け、膣壁越しに彼女のペニスが私の心臓に押し付けられた。
私の脈動に合わせて彼女のペニスがどくん、どくんと揺れ、それを包む私の膣全体を震わせる。
心臓に触れた感触が気持ちよかったのか彼女はそこで動きを止めて、自分の心音も伝えたいと言わんばかりに私の首を抱き起こし胸に掻き抱く。私の頭より大きな乳房に包み込まれ世界から遮断され、ただ早鐘を打つような彼女の鼓動だけが私に伝わってきた。
「だからね。──前のお父さんみたいに、自分の子どもを犯すことも。お姉さんみたいに、関係ない人を憎しみと欲望のために使うのも。──きっと、嫌いじゃないんだよ」
ずるり、と半分くらいペニスを引き抜いて、彼女は腰を深く落とした。膣の奥を歪ませるのではなく──膣と子宮の境目に、その鋒を向けるかのように。
「お願い、お願い……!私が、私のことが憎いんだろ!だったら、私だけを殺して……っ!」
「そうだよ、お姉さんのことが憎いの。お姉さんのことがとっても好きなの。好きな人とやるセックスで、好きで嫌いなお姉さんを犯して傷つけたい。赤ちゃんを作るためのえっちで、お姉さんを犯して──
ずず、と奥へと押し込まれるペニスの感触は、今まさに最奥の──子宮口に触れた感触があった。出産が近づきほぼ直線に向いた、赤子が産まれるための道の全てが、彼女によって埋め尽くされた。
本来なら痛みも走るだろう場所に触れ、恐ろしいことに温かさしか感じない。彼女の魔法が如何に強力なものであるかを物語っていると同時に──ただ私に、1つの感触だけを残したいという思いが伝わってきてしまう。
「だけど──今回は、お姉さんを殺さない。良いよね?私が射精して、お腹の子がぐちゃぐちゃになって、いっぱいの私の精液と混ざっても──それって、いつも片付けてるものと一緒だよね。私、お姉さんに、ベッドの上の、お姉さんの場所を片付けるようにお願いしてたから──今回も片付けてもらっても、良いよね?」
そう言って、ずぶん、と私のポルチオを亀頭を使って無理矢理にこじ開ける。
子宮頸管を押し広げた先にある生命が宿る胎内に向けて、彼女の細腕を思わせるほどの質量が私を少しずつ掘り進めていく。
「駄目、駄目だ。この子は──この子だけは、どうか」
ああ、ずっと同じような命乞いばかりだ。私はもっと頭が良かったように記憶しているのに、それでも口に出せる内容に変わりがない。
だけどこれ以上私に出来ることがないのだ。この世界で私に何かを変えられるような力なんて無い。絶望する私を見て恍惚とした表情を浮かべ、鼻と鼻がふれあいそうなほどに顔を寄せた彼女が持つあらゆる力とは天と地ほどにも差がある。
──いいや、本来なら前の世界でだってそう大層な力なんて持ってなかった。それなのに復讐だなんだなんて言い訳して、人を殺した。同じ被害者ですらあった彼女すらも、自分の都合だけで惨殺した。
私達の因縁に、子供は関係ない。そんなことは彼女だって分かってるだろう。他ならぬ彼女が、かつて私にそう言いたかっただろうから。
(だけど──産んであげたかった。──すまない、すまない。こんな母親で本当にごめん……!彼女が悪いんじゃない、私が、私みたいな女が──浅ましい願いを抱いたから)
今から殺されるということを理解すら出来ないだろうお腹の子に謝り続ける。
本当に愚かな夢を見てしまった。最初からこんな願望を──子供を産んであげたい、なんて身の程知らずな夢を抱かなければ、こんな苦痛はなかっただろうに。守りたい、なんて願望を彼女に見せなければ、或いは生き残らせることができたかも知れないのに。
「ほら、お姉さん。私、赤ちゃんに触ってる。私達の子供だからきっと、お父さんが頭を撫でてくれてるって分かってるのかもね」
狂気にまみれた彼女はペニスを奥へ押し込むのを止めると、私と目を合わせ笑顔でそう言った。
彼女が片手で奥まで入り切っていないペニスの根本を擦るたび、ちゅく、ちゅく、と粘膜の触れ合う音が響く。きっと彼女の亀頭が胎の子に触れているのだろう、その軽い動作だけで彼女の顔に一気に昂りが見え始めた。
「んっ、はぁ……ああ、この子の角、硬くて、先っぽが擦れて我慢できない……!」
息が荒くなり、こらえきれないように頬が紅潮して。快楽のままに、射精までのカウントを早めていく。
「っ止めてくれ、止めてぇ……っ!!」
懇願する私の顔を見て、背徳感と復讐心、そして性欲が最高潮に達した笑いを浮かべた彼女が、最後のひと押しとばかりに腰を押し付ける姿勢を固めて。
「イく、
獣が飛びかかるかのように膝を曲げ、私の腰を掴んで、一息に貫こうとした──その瞬間。
──今にも射精しそうな彼女のペニスと接していたお腹の子供が、びくんと大きく胎動した。
「────────あっ」
そんな、やってはいけない、取り返しのつかなくなる過ちに気づいたような小さな声が。────私ではなく、彼女の口から零れ落ちた。
その瞬間。私の膣内で一際大きく膨らんだペニスが震え、膨大な精液が赤子ごと胎をミキサーのように掻き回す──その直前で、彼女が自身のペニスの根本を力強く握り込んだ。
「…………え」
とっさの行動の意味が分からず、思わず彼女を見つめると。
そこに浮かんでいた表情は──先程までの悦楽と狂気に満ちたそれではなく、後悔と悲しみと──そしてそれらを遥かに超える、恐怖に満ちた顔で。
ミシリ、という音が聞こえてきそうなぐらい強く握られ変形したペニスの根本は、溢れんばかりの精液が尿道に詰まっているのだろう、根本が歪つに膨らみ始めていく。長くは保ちそうにないそれを、彼女は私の胎から力任せに引っこ抜いた。
内蔵全部引き抜かれたんじゃないかと言わんばかりの感覚に思わず息が止まる。下手したらこのまま産まれてしまうのではないかと思ってしまうくらいに子宮口がポッカリと開いてしまったが、一瞬後には彼女の魔法のおかげもあってすぐに元の形に戻っていく。
そして今にも破裂しそうな、血管が走って肥大化したペニスを苦しげに見た彼女は辺りを見回して──そして、乗っている白い寝台を見て。もうここしかないと言わんばかりに、まるでベッドを犯すように──歪に膨れ上がったペニスで、一気に刺し貫いた。
「────っ、あ、ああああっ!」
肺奥から空気を絞り出すような彼女の絶叫に合わせ、分厚いマットレスを貫通させ、そして金属製のフレームすらひしゃげさせた彼女のペニスの亀頭の先から──今までのそれと比べても尚膨大な精液が、床を削るような勢いで放出された。
最初の一発は、まるで道路の消火栓が壊れたかのようだった。噴水の如き勢いで精液が後から後から吐き出され、ゴビュウ、という轟音が尿道を精液が通る度にペニスから聞こえてくる。
海綿体の収縮と膨大な精液の移動によって起こる振動が、根本まで深々と突き刺して今は見えないペニスを介して、大人と子ども、そして赤子が乗ったマットレスを小さく震わせる。
彼女の大きな身体がビクンと震えるたびに、バチャン、バチャンとひっくり返されたバケツから粘ついた液体が撒き散らされるかのような音が響き、その度にベッドの下面から吹き出す精液が床を侵食し、面積を広げていく。
そのまま1分ほども精液を吐き出しただろうか。ベッドを中心に地下牢の床面の半分を超えるような白濁の水たまりが出来たところで、漸く彼女の射精が終わりを告げた。
「っ、はあっ、はあっ……」
体力に優れ、一晩掛けて私を犯して殺す彼女。そんな彼女が、見るからに疲弊したように息をしている。
全身に滝のような汗をかき、美しく豊満な肉体を弱々しく上下させる姿は同性である私でさえも何処かどきりとさせるような淫蕩さを覚えさせる。ベッドの下から漂う暖かく生臭い空気も、平時であれば彼女の淫靡な風体を飾り立てる一助になっていただろう。
──だが、それ以上に。先程までの彼女とは全く異なる、あの恐怖に染まった顔。あれを見てしまっては、そんな卑猥さなんてあっという間に消えてしまって。目の前に居るのは──体の大きさなんて関係ないくらいに、ただただ恐怖に震える子供にしか見えなかった。
ずるり、とベッドから引き抜かれたペニスは、根本を強く握り込んだことで青く内出血していた。どうやら親指がペニス自体に突き刺さっていたようで、彼女が手を離すと同時にグロテスクで痛々しい穴から赤い血がドクドクと溢れてくる。
あれだけの精液を外部から無理やり抑えた影響だろう。おそらく内部の精管や尿道と言った部分が傷ついていて、亀頭の先からも精液やカウパーに混じって血液の赤い色が流れ出ていた。
普段、人を破裂させるだけの精液を吐き出し、私を引き裂き貫く凶器としてしか見てこれなかった彼女のペニスが、とても見ていられないほどに痛々しく傷ついていて──そこまでして、彼女は己を止めてみせた。
「……どうして?」
疑問が溢れる。直前まで彼女は、確かに私の子を殺すつもりだった。
人体を破裂させて余りある精液を、石床を削り彼女自身の強靭な臓器すらも破損させかねない勢いで解き放てば。魔法で強化された私の胎内で──小さな生命が、これ以上無いぐらいに無惨に殺されただろう。身体の部位がどれなのか分からないぐらいに搔き回され、挽肉と精液が混ざった残骸として私の子宮から流れ出ていた筈だ。
だけど、彼女はそれを取りやめた。恐怖に満ちた顔で、取り返しのつかないことに気付いたような顔で。自分が傷つくことを厭わずに。
まだ呼吸が荒い彼女は──全身に冷や汗が流れていた彼女は顔を上げる。その宝石のような真紅の目からは、止まることを知らないとでもいうかのようにぼろぼろと涙が流れていた。
「──無理だよ」
泣き笑いのような顔で、どうしたら良いのかわからないとでも言うかのように。
「動いたよ。生きてるよ。知ってたよ、知ってたけど──でも、駄目だよ」
子供のように泣きじゃくる。かつての柘植ひかるですら喪ってしまった子供らしいくしゃくしゃな泣き顔を、遥かに大きく豊かな体躯の、若々しさと淫蕩さを併せ持つ彼女が惜しげもなく晒して泣いている。
「本当に分かってたみたい、この子、私が、お父さんだって──血の繋がりを、本能的に感じてたんだ。私が触ってあげたことで──本当に、喜んで、応えてくれるように動いたんだよ」
私の膨らんだ腹に顔を寄せ、喜ぶような声で、悲しむような顔で彼女は涙ながらに語り続ける。
その光景を、私は何処か非現実的な、夢でも見ているんじゃないかという心持ちで見ていた。そしてふと、彼女の枝分かれした立派な角が薄らと発光していたことに気付く。
(……淫魔は発せられる感情を糧とする種族で、感情を知覚する能力に長けている。だから、胎内で触れたことで……)
きっと、彼女は私の子供の感情を知った。破水はしてないから卵膜は無事だろうが、それだって彼女と赤子は卵膜越しに触れ合ったことだろう。優れた淫魔である彼女なら、妊娠9ヶ月の胎児の感情すら把握できてもおかしくはなかった。
それにお腹の中の子もまた、彼女の血を引く淫魔だと奥方様は言っていた。先程彼女自身が角に触れたと言っていたし間違いない。であるのならば──ペニスとは言え父親に触れられたということを、魔力や感情の流れで本能的に理解してもおかしくはない。
「きっと、すごく気持ちよかったよ。お姉さんのお腹の中で、ぐちゃぐちゃにしたら──お姉さんに守られてるずるい子を、お姉さんの胎内で、射精で掻き混ぜて殺せたら──今までにないくらい、私は快楽に溺れられた!でも──」
「────やっぱり、駄目だよね。気持ちいいからって、復讐だからって。そんな理由で──何もしてない、可愛い赤ちゃんを犯すなんて、殺しちゃうなんて。そんなの悪いことだよ、やっちゃ駄目だよ、怖くて出来ないよ……!」
留まるところの知らないはずの己の殺意を、憎しみを、狂愛を──それ以上の普遍的な愛と、倫理と。そしてヒトとして持つべき当然の理性で押し留めた彼女は。嗚咽混じりに私の腹に顔を埋めて、ごめんね、ごめんねとお腹の子に謝り続ける。
彼女のように理性を持てず、止まることもせず。ただ復讐しなくてはという思いのままにかつての彼女を惨殺した私は、そんな彼女に何の言葉もかけてやることが出来ず。罪悪感を抱きながら、ただひたすらに見続けることしか出来なかった。
──────
────
──
─
「…………騒がせたな。私は、もう帰るよ」
地下牢に響いていた啜り泣きが止まったしばらく後、私の腹に優しくしがみついていた彼女がポツリと呟た。その言葉は今までの口調で覆われており、ある程度心を落ち着けられたことを伺わせる。
顔を上げたその目は真っ赤に充血しており、彼女自身の行いがどれほど耐え難い誘惑で、それに負けそうになったことへの恐怖がどれほど彼女を蝕んだのかを否応なしに理解させてくる。
そしてそれでも尚、彼女は誘惑を断った。それはどれほど彼女が高潔で優しく、理性に優れていたのか──私なんぞより、遥かに素晴らしい存在であるのかを証明してみせた。
「…………はい」
そんな彼女に、何か気の利いた答えでも返してやれれば良かったのだろうか。だがそれをしたとき、下手なことを言ったら今度こそ終わりだと言う確信があった。
だって、彼女の痛々しく傷ついたペニスが──今なお、少しだけ勃起し始めていたのだから。
彼女が今回私達の子供を殺さずに終わらせられたのは、優れた理性を持っていて、かつ胎の中の子に直接触れて心を確かめあったからだ。彼女にとってのお父様やお母様のように、付き従う従者のように、私達の子が彼女に無償の好意を向けてくれたからだ。
好きと憎いという2つの思いを強く抱く私であれば、彼女は犯すことができる。苦しめて殺せる。
逆に言えば、彼女は好きなだけの相手も、憎いだけの相手も性欲を満たす相手として──セックスと射精で殺す対象として見ることはない。
だから直接強い好意を向けた私達の子供のことは、犯して殺す相手としては見れないのだ。私を苦しませられると分かっていて、それが快楽につながると分かっていて。それでも、彼女は理性によって私達の子供を殺すことは間違っていると強く認識し、自分の体を傷つけてでも殺すことを止めた。
(でも……彼女は私達の子に憎しみを──嫉妬を抱いている。他ならぬ私が、この子を守ろうとしたから)
今は好意が大きく上回っている。だから殺せないし殺さない。でもその天秤の傾きが少しでも緩くなった時──彼女が再度、この子ごと私を犯してくるという可能性はあるのだ。
(彼女は立派で、私なんかより遥かに理性が強い。だからきっとそんなことは無い、と思うが)
それでも、刺激しないに越したことはない。
そう思ってたった2音で返答した私を見て、彼女は何処か悲しげな顔を浮かべ、しかしすぐに首を振った。
「私は、君が子供を産むまでは絶対に地下牢に近寄らない。君も絶対に地下牢から出るな。私は──私は、その子を殺したくない。その子を犯したくないんだ」
「……はい」
「頼んだぞ。後の世話はメイドに任せるから、君はただその子を産むことだけ考えていてくれ。床の掃除もメイドにやってもらうから、君は不用意なことはしなくていい」
「……はい」
敢えて事務的な口調で話す彼女は、しかしその言葉の端々が震えていることからも己の所業に恐怖しているのだろうことが分かる。
彼女自身もわかっているのだろう。自分がそうやって今度こそ、我慢できずに子供を犯し殺すかも知れないと。堕胎のために己の精液を私の胎にこれでもかと注ぎ込もうとすることを。
私の返事に満足したのか、あるいはこれ以上地下に居られないと思ったのだろうか。
彼女は足早に牢を出て、金属の扉を硬く閉ざし外から鍵をかけた。
そして、廊下からの光が僅かに入るのみとなった地下牢の、その扉の向こうで足を止めて。
「──ごめんね、警察のお姉さん。大好きだよ」
そう、彼女は私に言って。返事も待たず、廊下の灯を消して去っていった。
「────ごめんね、なんて。君じゃなくて、私が言うべきだったのに。臆病な、無様な人間で、本当に──ごめんなさい」
彼女が去って、言葉も届かなくなって。そうなってからしか、謝罪を口にできない。彼女が怖いから、どんな反応をするかわからないから。
臆病で、惰弱で、悍ましい。好きと言われて、愛していると返せない己が浅ましい。
「────ごめんなさい、ひかるちゃん。私が殺した人たちも、苦しませた人たちも……本当にごめんなさい……っ」
私は暗がりの中、もはや全てが遅すぎた謝罪を延々と繰り返した。その両目から、ぼろぼろと涙を流し続けながら。
私(11):人間。女。妊娠9ヶ月。因果が応報しかけたが無事回避。尚当人はなんもできんかった模様。あんなにも本音を吐露した「彼女」を前にビビりちらして自分からは謝罪もできず、形だけでも愛の言葉を吐くことすら出来なかった頭だけは良いタイプの無能。
柘植 ひかる(享年10)→彼女(34):淫魔。ふたなり。元々は柘植の娘だった。神から「嫌いなものが嫌いなままにならない」という祝福を与えられている。本来は親を恐れ、性交を恐れていた彼女が転生後の生活でマトモな生活が出来なくなる=魂が歪んだままになることを懸念した神が与えたもの。実際、その祝福のお陰で転生先から何から前世で恐れていたことを恐れずに済むようになった。ただ、かっこよくて好きだった警察のお姉さんに対しては愛憎どっちも大きく入り混じっており、かつ殺された時に犯されたと勘違いしてしまったために祝福の適用で嗜好がバグった。好きな感情はそのままに、憎い・嫌いの感情が薄れ、同時に犯され殺されたという非情な行いに対しても「殺された悲しみや恐怖」が薄れ「好きな人に求められた」という高揚感だけが強調された結果「好きで嫌いだった人を犯し殺す」というイカれた性癖が出力されるようになったのである。だいたい主人公と序に前世の父親のせいで本人は何も悪くないのが可哀想(こなみかん)。
神:神。今の世界の神でありかつての世界の神ではない。かつての世界で人が死ぬ時にその魂を今の世界に送り届けている。大抵の魂は欠けがなく歪みも少ないため、構造体はそのままに記憶やら何やらを初期状態にフォーマットする。ただ主人公のように神基準での歪み度数が大きい魂は記憶を残し、彼女のように更に歪み度数が大きい魂は祝福を与え、転生後の魂が適切な形状に治っていくように仕向けている。(目的はあるが作中本編で語られることは)ないです。