性奴隷と長身巨乳リョナグロ背徳性癖倒錯ふたなりが純愛に堕ちるまでの話 作:PP→KP
あれから、少しだけ私達の関係は変わった。厳密に言えば、根っこの関係は変わらなかったがそれを取り巻く部分での変化があった。
例えば、彼女と私の立場。一方的に犯し殺される性奴隷としての扱いこそ変わらないものの、それでも対外的には変わってしまった。
具体的に言うと、私が彼女の妻となった。
妻、妻である。それも正妻であり、男女問わず唯一の婚姻関係だ。
彼女は王の徴を持つ高位の淫魔であり、また家の位も高い存在だった。淫魔の王どころか王位継承権を持つ昇格者ということで国の王にまで届きうるとまで言われていたほどだった(当人は嫌そうにしていた)が、そんな彼女は今までこれといった伴侶を持とうとすることが無かった。
当然というか、女性としての伴侶が持てないだろうことは私が身を持って知っている。
一夜を過ごす度に無惨な死を迎えるような彼女の性癖と性欲をぶつけられたら普通は逃げるか糾弾するか殺されないように自衛ぐらいはするだろうし、何より彼女自身それらを無関係の他者にぶつけたいとは思わないぐらいには真っ当ではある。基本的に私以外には自制心が強い彼女なら女性の伴侶を持とうとは思うまい。
だが今でこそ両性だが、見た目や性自認等を踏まえれば彼女は根本的には女性の淫魔である。にも関わらず男性に対しても基本的に関係を持つことはなく、パーティなどで淫魔はもとより他種族の男性に誘われても優雅に断っていたらしいのである。私が来る前から、だ。
曰く、「男性に性的な目で見られるとかつての父を思い出す」からだそうだ。
彼女からそのことを聞いたのは、彼女との関係を受け入れて暫くたったある日のこと。
その日は私は彼女に抱えられるようにして対面座位で犯され、抱きしめながらの射精で精液の圧力の逃げ道が上にしかない姿勢だったことから首元に大穴が空くような殺され方だった。視界が私の胸から吹き上がる精液の噴水で塞がれ、白い滝が逆流しているような風景のまま意識が消えた記憶がある。
……最後辺り、顔が近いからと無理やりキスされていたような気がするのだが。彼女の顔面は自分の精液の濁流を受けて無事だったんだろうか。
そして蘇って目が覚めた後に性行為の終わりを示すための精液を飲まされた私は、亀頭カバーを付けて歩き出そうとした彼女の一部除いて美しい女性そのものとでも言わんばかりの立ち姿をみてふと気になったのだ。彼女はいつも私を犯してばかりだが、男の一人でも居ないのだろうか、と。
彼女は間違いなく性自認は女性であり、そしてその肉体も体躯の大柄さとペニスを除けばその全てが女性的な美に寄っている。彼女を構成する要素で異質なのはそれこそ私を犯すための性器ぐらいだろう。
そんな彼女であれば男なんて選り取り見取りだろうに、何故私との関係……彼女が私を犯すという関係だけを維持しているのか、自分が女性側で……まあ、イイヒトを見つけようと思ったことはないのか、ということが気になったのだ。
だからまあ、立ち去ろうとする彼女にそんな質問をそのまんま投げかけた。
そんなことをして平気なのかという話だが、実は案外平気であることがわかっていた。というのも、彼女が私に対して殺意や害意を持つのはあくまで私に性的な行為全般を行うときだからだ。
例えば私を犯しているときの彼女に下手なことを言うと、興奮したり形だけの怒りを見せたりで平均して大体3割増しぐらいの惨殺になる。だが性行為が終わった後、私にペニスを咥えさせて優しく刺激させて、彼女からすれば少量の精液を私の胃に吐き出すという一連の流れが終わった後であれば大体落ち着いて話ができるのだ。……精液を飲ませる前に何か下手を言うと顎が外れるような勢いで口に押し込まれる気がするが、流石に試したことはない。
で、そのときに彼女が言ったのが先の言葉である。正直聞くべきではなかった気がするし、言った彼女も嫌なことを思い出したのだろう、強く眉をひそめていた。
あー、それは、その……と言葉を濁す私に、ため息を吐いて彼女は続けた。
「厳密に言えば、今の私は多分、男性に犯されることはそこまで嫌じゃないのではないか、とは思う。祝福もあるし、かつては嫌だったけど、そういうことが嫌じゃない種族に転生した以上、多分受け入れられるのではないか、と思っている。多分だが」
多分、を多用している辺り自分の発言に相当自信がないように思えてしまうし、私がそう感じたことは正しいはずだ。最後の方などだいぶ尻すぼみになっている。
「だがまあ、なんと言えばいいか。それを受け入れてしまうと、かつての悍ましい恐怖が──そんなこともあったな、ぐらいには風化したただの思い出になるんじゃないか?と考えることがある」
「勿論、記憶の整理、過去の精算としてはある意味それのほうが正しいのはわかる。嫌な記憶は風化させて楽しい記憶だけを残す方が、生きる上ではきっと楽だろうとは思う」
「でも私は、私は嫌だ。あの男が、私にまたがる脂ぎった大人の男が、小さな私に遠慮なく欲望をぶつけてくるあの男が──血の繋がっている実の父に犯されたことが、そんな、嫌でもない、なんて記憶に変わるなんて」
「君のことも憎いけれど……同時に憧れていて、好きでもあったから。だから私は君を犯して殺すことで気持ち良くなれるし、そうすることが私にとって愛なんだと思うことができる」
「けれど、あの男は嫌だ。今でも憎い。怖い。悍ましい。──男性とそういう関係を経て、恐怖と嫌悪しか無いあの男との記憶が快楽の思い出に変わるかもしれないということが……私はたまらなく怖い」
つらつらと吐露される彼女の心情。間にとんでもない文言が挟まったが私達の間だとそれが適当なので今はおいておくことにして……思ったより、彼女は男性への恐怖が根強かった。というか、男性との性交を経て記憶への向き合い方が変わることをとても恐れているようだった。
まあ、事は食べ物の好き嫌いとかの話ではないからそれはしょうがないだろう。
実の父親からの性的虐待、なんてその段階で精神的に壊れでもしない限りは控えめに言ってマイナス感情以外抱くわけがない。それが男性との性交が快感であるという淫魔の価値基準と「嫌なことが嫌なままにならない」という神の祝福、それらによって過去の感情が上書きされて「案外悪くなかったな」なんて思えてしまうようになったらそれはもはや洗脳か何かだろう。
そんな彼女を見れば、それ以上男性関係を追求するわけにもいかず。私の言葉でそこまで感情を吐き出してしまっていた彼女に罪悪感を抱いた私は、最悪で日に2度目の死を迎える可能性を承知した上で「まあ、その……私が居ますから」なんて慰めるような言葉を掛けたのである。
そうしたら、次の日に「いい加減君との関係を整理しよう」と言った彼女によって半ば強引に結ばされたのが前述の婚姻関係である。まあ、大貴族の当主直々に公認されている娘が生まれていて、既に離乳まで済ませているのだ。だというのに隠し子扱いするでもなく、母親が性奴隷のままで婚姻関係なし、というのがだいぶ歪なのはわかる。わかるが相当急な話で私もまさに寝耳に水といったところだった。
普段の3日に1回の性交の日ではない日に訪れた彼女によってもたらされた、まさに青天の霹靂とも言える言葉。小さく、しかし豪奢なリングケースを私に差し出す彼女は緊張しているのか恥ずかしいのか分からないが、いつもにくらべやや格好をつけたような微笑みにほんのり朱が混じっており、よくよく見れば微かに分かる程度にはその手が震えていた。
その姿だけは純情な女性、あるいはドラマなどで見るようなプロポーズする男性と言えるのだろうが、そもそもこれを断ったら後が怖いなんてもんじゃない。生殺与奪を握られている身であり、それを受け入れた以上はこういったことも受け入れなくては、なんて思ってしまう。
それに、まあ。彼女のことは未だ好きにはなれていないが──娘の父親としては、頼りになるわけで。娘の母親としての立ち位置(性奴隷という立場もそのままだけど)に堂々と立つことができる彼女の申し出を受け入れないなんて選択肢は、私には最初から無いのだった。
彼女の唐突な婚約発表で、国はだいぶ騒ぎになった。
それはそうだろう。国でも有数の──どころか現状最強かつ才色兼備の淫魔の王。家柄もあって僅かながら次期国王の可能性すらあった彼女が、よりにもよってファンタジーなこの世界ですら未成年、誇張抜きに子供として扱われるような私を性奴隷にした挙げ句に妊娠させて出産させたから妻にするなんて言い出したのだ。性奴隷の立場はそのままで、である。
そんなもん象徴的君主制の国ですらまず許されないスキャンダルだし、王朝制の強いこの世界だったら特大の爆弾だ。
だけど彼女は絶対に譲ろうとはしなかったし、彼女の周囲──両親や親戚、淫魔族を始め従者やその親類も支持すると、それに呼応するように国民たちも支持するようになった。それは偏に彼女が築いた今までの信頼によるものが多分にあるのだろう。
淫魔でありながら性的快楽による感情を栄養に変えるのではなく、人の治療や敵国との戦争などで国民の支持や感謝を受け、そのプラス感情を栄養にしてここまで強力になるほどの淫魔なのだ。逆に言えば、彼女の強力さそれ自体が国民や軍人たちからの純粋な、性的感情を含まない支持の強さを示していた。
……あとはまあ、妻だったのがセーフだった可能性はある。彼女は凡そあらゆる言葉で讃えられる程の美女であり、その少女と女性の間にいるような熟した、しかし新鮮な果実の如き美しさはそれはもう男女問わず人気があると従者から聞いたことがあるし、そうだろうなと納得していた。
しかしあくまで元来は女性であり美しさも女性的な部分が大半。女性からは憧れ、男性からは憧れ+美しい女性への性的感情があることは言うまでもないのだ。いや立派なペニスを見てちょっと興奮する女性もいるかも知れないが。
ともあれ、そんな彼女だからもし婚姻相手が男だった場合、元々女性だから当然だと思われることが大半だろうが男性諸氏からはちょっとがっかりされる可能性があっただろう。でも妻ならそんなことはないというわけだ。
では逆に性奴隷でも妻になれるなら私も、となる女性陣が居るのでは?となるかといえば……まあ、居ないだろう。だって彼女のペニスはちょっとこう、規格外だ。眺める分にはある意味眼福かもしれないが人に挿れるようなものではない。それに妻になった場合、夫として交わるのははおよそ誰であれ及びもつかないような美の化身とも呼べるスタイル抜群の美女としか呼べない彼女なのだ。普通ならコンプレックスで押しつぶされかねないだろう。
……私みたいな小さい子供を性奴隷にして大人ですら到底受け入れられないペニスで散々に犯して、そして既に孕ませて出産までさせたという点では流石に女性からの支持が下がったりはしたが……まあそこは割り切るしか無いだろう。
まあ、そこらへんの意見を無視して彼女がアピールのために強引に婚姻パレードを実施した時。この国に来たときよりは背が伸びたとは言えまだまだ小さい私の腰をガッチリとホールドした彼女と、ホールドされている私が1歳ぐらいの結構大きくなった娘を抱きかかえてる姿を衆目に晒すこととなり。
国民たちは美しい婚礼衣装──この国における新郎の着るような男性的な衣装を彼女の大きな起伏に合わせて調節したもの──を着た彼女への純粋な称賛と祝福の目線と、まあ同じぐらい豪華な衣装に着られている私への同情とか大変そうだなとかそんな感じの目線に大別されていたりして。
とりあえず、ではあるけれど。私達の法的、対外的な関係は概ね好意的に受け入れられたのであった。
なお、パレードは彼女が新婦側の衣装も着たいということを言い出したので私が新郎の衣装を着せられてもう一周することになった。
長丁場で娘が泣き出さなかったのは、ぐずりだした後半で新婦の装いになった彼女の大きい胸に抱きつけて御満悦だったからだろうな……と、私は彼女のメリハリの効いた身体には到底及ばない貧相な身体に目線を落として、次いで肩を落としたのだった。
で、その日の夜。彼女が新婦側の衣装を着たせいか、あるいは私が居る、なんて言ったせいか。何故か彼女の魔法でペニスを生やされた私が新郎、彼女が新婦として正しく「初めての夜」を迎えることとなった。
なんでそうなったんだと今でも思う。とは言え彼女の要求の中では比較的穏当と言うか、結婚したからには女性側で初夜を迎えたいという希望はわからないでもないのでそれは良いのだが……正直、その日のことは思い出したくない。普段は圧倒的優位でコトを進める彼女もよがり狂っていたので多分思い出したくないと思う。
一つだけ言えることは、童貞と処女が超高性能・高感度な性器を使ってセックスをするとお互い理性が弾け飛ぶ、ということだろう。
彼女と性交が行くところまで行って私の貴くもない生命が失われなかったのは多分今回が初めてであり、そういう意味では助かったと言えば助かった。生命の代わりに私の精神が死んだが。童貞丸出しのがっつきを思い出すと恥ずかしさのあまりに顔から火が出そうだ。
結局私が男性側でのセックスをするのは結婚記念日に1番近い行為の日の1回だけする、ということになった。二度とやらないとはならない辺り、私は元より彼女も快楽に頭をヤられてしまってるなあなんて思わなくもない。
そしてそこまで盛ってしまえば──まあ、できるものもデキてしまうわけであって。
「えー、はい。妊娠してますね」
「……えっ」
初夜から1ヶ月程度たった頃、私も世話になった女医にそう告げられた。その時の彼女の、まさに足元から鳥が立ったとでも言わんばかりの顔はなかなかお目にかかれるものではなかった。
私にペニスを生やした魔法だが、あれが元は物理的に不能になった男性や女性同士の同性愛者が用いるために開発されていた思ったより真面目な魔法であったらしい。そんなもので避妊のひの字も無いような快楽に委ねた性交をしてしまえばそりゃあ妊娠するだろう。
これはまあ、性交を子供を作る行為として認識していても実感がなかった彼女のミスと言えなくもない。
かつての父親に犯されていた時は年齢や身体の未成熟さから妊娠せず、私を犯す時で彼女の射精の実感がある時は私が死ぬときだ。私が妊娠したときだって、彼女は緊急の用件が入ったからと射精とかする前に行為を止めたと思ったらほんの少し彼女のペニスから漏れてた精液のせいで妊娠したわけで……。
こういう言い方は実際に生まれた娘には悪い気もするが、私が身籠ったとき彼女の主観では「なんか妊娠していた」ぐらいの認識しかなかっただろう。だから私が男性側として致したときにも何も考えてなかったに違いない。いやまあ、性欲に溺れて全然我慢できず何度も
結局その日は上の空のままだったが、後日彼女が私のもとに来たときに少し話をして、そして妊婦である事実を受け入れた彼女はその子を産むことを決意した。
子供に罪はないし自覚が薄かったとは言え妊娠するようなことを望んでやったからには産む、と言い切った彼女は避妊の知識が一応あったのに全く頭から抜け落ちてた私よりよほど責任感があると思う。
なお、妊娠中は彼女に負荷を掛けないようにということで騎乗位(私からすれば股に棒を突き刺して支えにしたスクワットだったが)での行為ばかりとなった。
お腹の子に下手に刺激を与えないように、ということでそうなったのだが……私からすれば彼女のペニスに自分から跨り、性器を使って時間を掛けゆっくり愛撫し、そうして導いた彼女の
何が悲しくて死ぬことが分かってて気持ちよくもない性交を自分からやってあげなきゃならんのかという状況だったものだから、まあ大分メンタルがヤバかった。ただお腹の子が大分大きくなった時はこの子のためだから……なんて思えてしまう辺り私は現金?な人間かもしれない。
で、まあ、この妊娠が契機となったのだろう。彼女は性交の本来の目的である「子供を作る」ということを意識し始めるようになった。これもまた、関係以外で変わったものであると言えるだろう。
「──そうだ。伝えておきたいことがあった。私は明日から3ヶ月、聖都への出仕でここを空けなくてはならない」
彼女の妊娠が発覚してから凡そ2ヶ月、妊娠からはそれこそ3ヶ月といったところ。彼女の体躯からあまり目立たないがうっすらとお腹が膨らんできており、胎児が居ることを確かに主張していた。
こうなると跨るだけでも大分緊張するのだが、そんな私の子供を案じてぎくしゃくと動く姿に何時もより興奮した彼女はわざと少しだけ腰を揺らしたりして私を脅して楽しんでいた。勿論、彼女の子宮周りには明確に強化魔法が発動していたからちゃんと考えているとは思うのだけれども。
だが不安なのは間違いないわけで、結果として私はつい力を入れてしまって絶頂を早めてすぐに死んでしまったのである。強化が間に合わず胸の下辺りを境に一気に上半身前面部が吹き飛び、原義的な形での鯖折り状態になった私は上下逆さまの視界で背後の壁を見たまま絶命した。
それはともかく。彼女のお腹の様子を見ると、今の私が妊娠3ヶ月ぐらいだった頃はもっともっと露骨に膨らんでいたなと思う。柘植の子を孕んでいたときは然程気にならなかったが、やはり妊娠するならちゃんと成人してからだな……なんて思ってた私に彼女から言われたのが先程の言葉だった。
(ああ、もうそんな時期か)
聖都への出仕。彼女は淫魔の昇格者であるが、彼女同様に各地の昇格者が集まる会合というものが年に1度開かれるのだという。その会合に参加するため、各国各地域の昇格者及びその家臣や取り巻きなどが聖都に集まるという話だ。
私が最初に妊娠したきっかけである緊急の出立も、本来は今くらいの時期に聖都に行く予定だったと聞いている。そのときは確か、彼女の同類の存在が寿命で亡くなったから、葬儀も兼ねて早めに集まるという話だった筈だ。
最初は参勤交代のように聖都の仕事を出仕する者達で交代しながら担当するものか?と思っていたがそういうわけでもない。なんでも聖都に存在する最高位の存在(名前も肩書も知らない。どころか彼女の父親ですら詳細は不明らしい)の無聊を慰めるために行われると言われている。
……淫魔の彼女を呼ぶということはそういうことなのかと少し不安な目線を向ければ、何を考えていたのかを理解したのだろう、じとりとした目線を返された。
「……聖都の中枢、あー、
まあ私はまだ若くてあまり話題もないから聞き手に終始するよ、なんて彼女は諦めたような言葉をこぼす。移動等を含めているとは言え、ただ話をするという目的だけで数ヶ月も使うともなればそれはまあ飽きが来るだろうとは思う。他の昇格者はよくそれで話を保たせられるな、と素直に感心する。
「去年は娘の授乳とかも重なってて出られなかったからな。流石に今年も欠席とは行かない。……まあ、このくらいのお腹なら大丈夫だとの医者のお墨付きだ」
むしろ安静にしろとでも言ってくれれば……なんて少し膨らんだお腹を撫でながら憮然とする彼女。よほど話が長いのだろうか。
しかしそうすると3ヶ月ほどは私は平和になる、ということか。少し嬉しい……と思っていることが分かったのだろう、じ、と少し非難するような目線を向けてくる。
「全く、少しくらい寂しくならないのか?せっかく、その、夫婦になったっていうのに……」
「はあ……いえ、まあ……」
言葉を濁す。
寂しくなるかどうか、で言えば普段地下牢住みで人が来ることもあまりない住居なのでまあ多少寂しいかなとは思わないでもないが……。
そもそも3日に1回私を犯して殺す夫が来るか、あるいは3ヶ月誰も来ないのどちらが良いかで言えば後者のほうが良いと思うのは当然ではないだろうか。彼女が私に対して思ったより好意を抱いているのは理解しているし、好きで憎い私を犯し殺すことが彼女の愛であることも納得し受け入れているが、その行いに対する好悪はまた別だろう。最近は自殺紛いの騎乗位ばかりでかなり辟易していたのでなおさらだ。
そんな私に、はあ、と彼女はため息を吐いた。
「まあ、いい。まだ結婚して3ヶ月だから、これから少しずつ自覚してくれれば良い。──それじゃあ」
少し残念そうにそう言って、彼女はベッドで上体を起こしていた私の前に立つと、自身のペニスをむくり、と勃たせた。
「──いつも通り、最後にもう一度だけ、だ。ほら、ちゃんと身体ごとこっちを向いてくれ」
いつもの最後。身体ごと、という彼女の言葉に少しだけ違和感を覚えながらも素直に言うとおりにする。ベッドの縁に腰掛け、彼女と向かい合う。
その私の様子に満足したような、それでいて少し緊張したような彼女は。目をつぶり、私にペニスを差し出した。
「うん、良い子だ。さっきも言ったけどいつも通り、優しく頼むよ。いつも通り、だから」
「…………?」
やけに念を押す彼女。不思議に思いながらも口を小さく空けてるが……一向に口の中に挿れてこない。
何がしたいのか疑問に思ったその直後──蘇生魔法で再生されたばかりの私の陰門に、そっと彼女の亀頭が押し当てられた。
「……!?」
「……いつも通りやってくれればいいんだ。あまり強く刺激せず、優しく、絞り出すように……口で、咥えて欲しい」
そういう彼女は、未だに目を瞑っている。自分の身長と私の位置を考えればどこに口があるか分かるだろうに、惚けたように……あるいは、そういう建前を通したいというように。彼女は再度「いつも通り」を口にした。
つまり、これで終わりにする。彼女にとっては軽く溢す程度の精液を「口」の中に射精して、それで終わりにする。それが例えば──私の胎であったとしても、だ。
今のところ、普通に犯せば彼女は絶対に私を殺す。私を害し、殺すことが出来ない状況だとそもそも犯そうとはしない。
そんな歪んだ性のルールの1つに「性交の終わりには相手に精液を飲ませる」ことがある。これからやることはその「性交の終わり」であり、決して胎を犯しているわけではない。だから、私が彼女のペニスを口の中ではなく胎内へ招き入れたとしても──その中で、私を殺せないような射精をしたとしても、目を瞑っているから気づかないのだと。
普段であれば、もし万が一蘇生後に受精・着床したとしても3日後には殺される。だからそもそも子供が出来ることはないか、認識できない。だが今回のように長期に渡り国を空けるということは、その間に着床・妊娠しても彼女が手を出すことは出来ないということだ。
つまり、妊娠が完全に確定するまで犯さない状況は今回のような出仕の時期ぐらいであり、このタイミングでしか彼女は私を孕ませることが出来ない。
だからこれは、俗に言えば妊活とでも言うべきだろう。あるいは彼女という夫と私という妻の、年に1度の繁殖期とでも形容できるだろうか。あまりにも不器用というか、自分を騙すような彼女の願い。
「…………」
少し緊張しているのは、子供を作りたいという思いが私に受け入れられるか、ということを気にしているからだろう。
……まあ、私も妊娠したほうが個人的には嬉しいと言えば嬉しい。彼女が帰ってきたときにある程度お腹が大きくなっていれば、彼女も私を犯さないように互いの生活圏を断絶させるだろう。
赤子の盾なんて人道に悖りすぎる思考だが、だとしても私が妊娠している間は、彼女に殺されないという私にとって非常に大きな安寧を得ることが出来る。……それに、子供は可愛いし。胸も多少なり発達してきているし、次こそは母としてちゃんと授乳してあげたいという思いなんかもある。
そういう多少の打算と身勝手な欲望、そして夫婦の立場を受け入れた自覚があるから。だから彼女のいじらしい願いはしっかり受け入れるべきだろう、そんな思いを込めて。私は自分の小さい
「…………」
声に出さず、彼女のペニスを少しずつ愛撫する。一応建前としては咥えてることになっているのだ、ここで喋ったら前提が崩壊してしまう。きっとそれは良くないことだ。
やがて目を瞑ったままの彼女は少しだけぶるり、と震えると。普段私に飲ませているものより濃く、粘性の高い精液をごぼり、と
射精が終わったペニスを、どちらともなく引き抜く。よほど粘度が高いのかすぐには溢れてこなかったため、そのままなるべく力を入れて
目を開けた彼女は、普段精液を飲ませているときのように腹がやや膨れた私を見て満足そうに頷くと、そのまま出ていった。
彼女の足音が遠ざかったことを確認し、陰門から力を抜く。すぐにごぽり、という音とともに私の胎に詰め込まれた精液がどろりとベッドへ溢れていく。
こんなので妊娠するのか、なんてのはわからない。だけど妊娠すれば良いなあ、とは思う。
……死の苦しみから逃れるため、なんて自分本意な願望が混じっているのは否定しないが、だとしても彼女との子供ができることを望めるくらいには距離が近づいたのかもしれない。
ちなみに、今回は結局妊娠しなかった。相手の精液の量やら濃さやらがどれほどのものだったとしても、私が人間である以上どうしても妊娠できる期間とかも限られてくるのだからしょうがない。巡りが悪かったと割り切るしか無いだろう……帰ってきたときが、今から少し憂鬱だが。
彼女が牢から去ったのち、私は何時ものように自分のベッドから降り、もう一つの……昨日「私」が居たベッドの上の惨状を見やる。
ドロドロとした精液と、私の内蔵や骨の残骸が渾然一体となった悍ましい光景。生と死が混在している──なんて言えば格好がつくかも知れないが、要するにいつも通りの殺人現場を前に、選り分けるためのバケツをベッドの下から引っ張り出す。
「結局いつも通り、なわけだ」
ぐちょり、と精液まみれの自分の残骸を拾い上げ、バケツへと入れていく。
変わったものもある。でも変わってないものも当然ある。私達の関係は、今まで通りの被害者と加害者だ。どっちがどっちなのか、というのは眼の前の惨状を見て決めるべきか、その惨状に至った因縁から考えるべきなのかは判断が分かれるところだろう。私がどう思っているかは……まあ、言うまでもない。
「……結婚して3ヶ月、これから少しずつ自覚して、か」
そう言っていた彼女は少し残念そうだった。何時ものように繕った顔だったのか、あるいは本心からそうだったのか。わからない。それを知るには、きっともっと彼女について理解を深めなければならないのだろうな、とは思うのだが。
彼女の少し膨らんだ腹を見ると、私の妊娠していたときを思い出す。堕ろしてしまった私と、ちゃんと産めた私。そのどちらも、今の彼女ぐらいまではちゃんと生命を育んでいた。
……夫婦としては大分歪だろう。殺意と欲望、好意と憎悪。倒錯した、けれども愛を望む彼女と、その彼女を恐怖し、義務感と諦観から従う私。そんな二人が互いを孕ませたなんて、歪以外の何だというのだろう。でも、確かに交わり子を成して、相手を伴侶と認めたのだ。
私は、正直まだ恐れている。彼女が怖いし、この歪んだ関係がもっと歪む可能性があるのが怖い。
もし私が彼女をちゃんと愛することが出来たなら。普通の夫婦として彼女と愛を育むようになったなら、彼女は私を殺さないのだろうか。──それとも、恐怖や苦痛を向けなくなった私を愛することの倒錯性が無くなって、私から興味を失うのだろうか。
そうなった時、娘や、今彼女の胎に居る子供との繋がりを残してもらえるのか。……そもそも、彼女が私を殺した後、私を蘇らせてくれなくなるのではないだろうか。
死ぬのは怖い。自分がそれだけの罪を犯したのは自覚していても、やはり刑場へ自分で歩を進めたあの恐怖はどこまでも鮮明に思い出せる。首に縄をかけられてから足元が抜けるまでの時間を思い出してしまえば、今でも震えが止まらない。
彼女に犯されるのが怖い。でも、今の関係を続けていれば、殺されても蘇らせてもらえる。彼女が歪んだ、倒錯的な性欲と愛と憎しみを私にぶつけ続ける限り、私はこの場所で、この世界で生き続けられる。
だから、変われない。変わるために踏み出すことが出来ない。そんな私に、彼女は変わってほしいと願っているのか。それともあくまで建前で、私と同じく今の関係を続けていたいのだろうか……わからない、踏み出せない。
「……でも、結婚は。自分で受け入れたことだからな」
変わりたくはない。苦しくてもつらくても、それでも死よりは──絶対的な死よりは、仮初めの死のほうがマシだから。
でも、立場を変える選択をしたのは私だ。なら、やはり変わる努力はするべきだろう。そうするだけの行いを選択をした自覚があるのだから──せめて命の全てで僅かでも償わなければならない、そんな行いをしたのだと死刑台へ足を踏み出したように。
変わったものがあるのに、変わってない私がある。だけど、これから、少しずつ。
「怖いけど、変わっていかないとな」
思考を小さく口に出す。扉の外の従者には聞こえただろうか……いや、誰が聞いてなくとも私が聞いている。だからこれは決意の顕れなのだ、なんて誤魔化すような思考を浮かべて。
私は何時ものように、「私」の入ったたらいを持ち上げる。
ちらり、と私は今までの死を刻んだ壁を見る。普段ならそこに一本線を書き加えるところだが──変わると決めたから、取り敢えず手始めに。
私は線を刻むための石を拾い、昨日までの「私」が入っているバケツに一緒に放り込む。大きな──しかし、最初の線が刻まれたときよりは小さく感じるバケツを抱え、牢の外で待つ従者の元へ、自ら歩みを進めた。
私(12):人間。女。正妻(性奴隷据え置き)。初夜でがっつきすぎた結果1児の母だったが1児の父にもなる予定。避妊しなかったことを悔いているがもうやめようとは言わなかった。いい加減変わる決意をした。156cm(+12) 87/57/82のFカップ。自分のことを小さいだの貧相だの言うのは180cm超えNカップの彼女や170cm超えIカップのかつての自分が基準だから。マジで貧乳に呪い殺されても文句は言えない。
彼女(35):淫魔。ふたなり。次期当主。初夜で主人公にとろとろにされた結果1児の父だったが1児の母にもなる予定。好意と憎悪が共存して犯して殺したいという歪んだ欲望を抱いているだけで実は普通に主人公のことが好き。責任取ってくれる(意訳)って言ってくれたからプロポーズした。犯して殺す時に苦しんで嘆いて欲しいと思っているが、同時にそれ以外では愛して欲しいと思っている。
娘(1):淫魔。女。次期次期当主継承第一位。パパのおっぱいとミルク大好きという字面だけ見るとやばい状況に陥っている娘。実際に見ればみんな大好きって言うと思う(こなみ)。ママのおっぱいも触らせればご満悦になるとは思うが父親である彼女が自分のおっぱいしか触らせなかったし吸わせなかったためママのおっぱいの味を知らない。