性奴隷と長身巨乳リョナグロ背徳性癖倒錯ふたなりが純愛に堕ちるまでの話 作:PP→KP
時系列:本編2話
1話:「彼女」の初めて
「あ、あああ、あああああ……違う、違う、こんな、こんな筈じゃ……」
私の口から、ただただ言い訳するような言葉が出てくる。
目の前には、小さな小さな子供の身体。生気のない顔、瞬きをしなくなった虚ろな目からは涙がこぼれて落ちている。その柔らかそうなお腹は大きく引き裂かれていて、内臓が押し出されるようにベッドに、地下牢の床に撒き散らされている。
内臓の向こうに見える背骨は、強い衝撃を受けたかのように真中から真っ二つにへし折れていて。いや違う、これは、私が、中に出さないといけないって、そうしなきゃって思って、精液を吐いて彼女を引きちぎったのだ。
「うっ…………っぐ、ぅぅぅう」
生臭い匂い。血みどろの子供の亡骸の中や周りには、まるでシチューを盛った深皿が割れてしまったかのように溢れ出た大量の白濁した精液が、粘度を残した糊のように肉や骨やベッドにへばりついていて、その死後の尊厳すらも徹底的に犯している。あまりに無惨な光景に思わず胃の中身を戻しそうになって、でも只でさえ酷い状態の子供の死体をこれ以上穢せないからと必死で呑み込む。
「フロー、フロー!ねえ、居るの!?」
どうにかしなきゃ、どうにかしなきゃって思って口調を繕うこともせずに幼馴染のメイドのフローレンスを呼ぶが返事がない。耳の良い猫獣人の彼女だから聞こえてないなんてことはないはずだけど……と思っていたが、ドアの外からえづくような声が聞こえた。夜目も鼻も私より効くのだ、きっと私の悍ましい行いを私以上にはっきりと見届けてしまったんだろう。
フローは頼れない、頼ることが出来ない。手伝わせるなんて出来やしない。
殺すつもりではあったし、だからこそ蘇生魔法の準備はしていた。でもここまで大きく損壊させてしまったら、予め用意していた蘇生魔法ではちゃんと蘇らせるなんて不可能だ。
今から調べ直そうにも、とても時間的に間に合わない。このままじゃ本当に死んでしまう。
「違う、違うんだ。もっと、もっと限界まで粘って、苦しくて、でも死ぬときは一瞬で、綺麗に蘇生できるぐらいにするつもりで……」
言い訳ばかりが口をつく。誰も聞いていないのに。
生きていたときは殺したかった、目の前の少女。かつて私が憧れて、そんな私を裏切って。そして最後には私を犯して殺したお姉さん。
私は愛憎入り交じる思いを抱いていたあの人をかつてそうされたように犯して、汚して、痛めつけて、そして殺したかった。だからそうすることが出来た。お姉さんのように振る舞って、お姉さんのように犯して、お姉さんのように残酷に殺すことが出来た。他ならぬ生まれ変わったお姉さん、当時の私ぐらい小さなお姉さんをぐちゃぐちゃに犯すことに興奮できた──できてしまった。
──でも、魂がなくなってしまえば。目の前のぐちゃぐちゃに殺されたちっちゃい子には、私の憧れていたかっこいいお姉さんの面影なんて何処にもなくって。ただ私という大人の異常性癖の餌食になってしまった、哀れな少女にしか見えなくて──まるで、かつての父に犯され蹂躙されていた、前の私の末路みたいで。
蘇生させないといけない。このままもし本当に死んでしまったら……村から連れてこられた小さな子供の性奴隷を、ただ欲望のままに惨殺しただけという事実に耐えられるわけがない。お姉さんの魂をもう一度宿して、蘇ってもらって、一緒に居てもらわないと私の心が終わってしまう、そう直感していた。
「っそうだ!皆に助けを借りれば……!」
事ここに至っては恥なんてない。犯罪で貴職剥奪で投獄されるかもしれないが知ったことじゃない。私は咄嗟に頭の中に繋がるもう1つの頭を動かして、緊急の助けを求めることにした。
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─
今から33年前の話だ。
『おお、産まれたか!よく頑張ったね僕らの初めての子供だ!』
『うふふ、本当に元気な子だわ。きっと私達に似て可愛い子に育つわよ、貴方』
(日本語……?神様、また日本に産まれさせてくれたのかな……?)
苦しみの中で死んでしまって、神様に会って。
私は、柘植ひかるという人間は一度死んだと思ったら生まれ変わったんだ。
『貴女のお名前は──イヴェット、イヴェットよ。女の子だったらその名前って2人で決めてたのよ?』
(イヴェット?日本じゃないのかな……。それに、角が生えてる……)
最初は聞こえてくる言葉が日本語だったから、ここは日本なのかなって思ってたんだけど違うみたいで。もっというと人間だった私は、生まれ変わったらイヴェット・ゼヌニムという淫魔になっていた。
新しい両親は……もしかしたら酷い物言いかもしれないけれど、前の父母とは雲泥の差(この世界で学んだ言葉だ)だった。前が泥で、今が雲だ。
とっても優しくて、私のことを宝物のように大事に扱ってくれる。一緒に寝ても、お風呂に入っても酷いことなんてやってこなくて、丁寧に丁寧に甘えさせてくれた。
(……まるで、私を殺した警察のお姉さんみたい)
この考え方も、お父様やお母様に対して悪いかもしれない。でも、前の私にとって優しく温かい大人の人っていうのは乳児院の先生と……私を殺す前の、警察のお姉さんだけだった。
だから、そんな事あるわけ無いって思ってても、また首を絞められて殺されるんじゃないかって思うとどうしても甘えきれなくて。
『……ねえ、どうしてそんなに怖がっているの?ママに教えて?』
本当に心配しているような顔で、お母様が顔を近づけてくる。だけどどうしても、心の内では何を考えているのかわからなくて────なんて思っていた私は、そこで初めてお母様の心から流れてくるあったかいものに気がついた。
『あれ、角が光ってる……それに、なんかあったかい……?』
『まあ!もう感情の摂取ができるようになってるのね……そうだ、ママの今の感情、なんとなくわからない?』
ぼやあ、と光る枝分かれした小さい角。淫魔、という種族の特徴であり、前の私が持っていなかった身体の一部。てっきり重いだけだと思っていたのだけど、それにはちゃんと意味があった。
なんとなく、って言われてもよくわからない。だけど……不思議と、目の前にいる人が発しているのが、私のことを想ってくれている心なのだと感じている。それが角を通して私に沁みるような感じがして、胸や体がぽかぽかした。
『淫魔っていうのはね、感情から生まれる栄養を食べる種族なの』
私はその時ようやく、淫魔の持つ力の一端を知った。私が感じているこのぽかぽかは「感情」であり、淫魔がそこからうまれる栄養を食べることでも肉体を維持できること。あったかい感情から生まれる栄養はぽかぽかしておいしくて、冷たい感情から生まれる栄養はさむくておいしくないらしいこと。
また、感情を食べるって言っても、相手の気持ちを食べちゃうわけじゃないみたい。この世界だと淫魔が食べられる栄養が感情から生まれるだけで、感情自体を食べるわけじゃないんだって……正直、よくわかんなかった。
でも、その時の私にとって重要なのはそんなことじゃなかった。流れてくる胸のポカポカは、お母様が私を大切にしてくれているということを私に文字通り余さず伝えてくれていたのだ。
淫魔だからわかる混じりっけなしの温かいお母様の優しさを受けて、私はずっとずっと我慢して誤魔化してきた自分がきれいに溶けてなくなっちゃったみたいに、昔の自分でもそこまで泣いたことがないってぐらいにわんわん泣いてしまった。
『そうか、イヴェットは転生者だったのか。神様の言葉を聞いたってことは祝福も受けたのかな?』
『祝福?えっと、神様が"嫌いだったものを嫌いなままにならないように"って言ってくれたから、多分それなのかな?』
一頻り泣いた私は、お父様とお母様に私が神様に生まれ変わらせてもらえたことを話した。昔のことはあんまり思い出したくはないから生まれ変わったことだけを話したんだけど、お父様はなにか知ってるみたいでちょっと辛そうな顔をした。お父様は感情を溢れさせないのが上手だけど、それでも私のことで悲しんでくれたことは伝わってきて、それだけでもすごく嬉しかった。
お父様が言うには、神様と話したヒトは祝福してもらえるらしい。確かに私が会った神様も、それっぽいことを言っていた。
『嫌いだったものを嫌いなままにならないようにする、ってことかあ……。ねえイヴェット、さっきまで怖がってた僕らのことはどう?もう怖くない?嫌いじゃない?』
『!』
そう言っているお父様もお母様も、その角が薄く光っていて。その時私ははっきりとわかったんだ。お父様もお母様も、私が怖いって思ってたこともちゃんと分かってて、その上で優しくしてくれたってことに。私が怯えないように、私の心が乱れないように、淫魔の力を使って距離を測って、すごく丁寧に優しくしてくれていたんだってことに。
『……うん、全然怖くないよ!私、私ね!お父様もお母様も、っ、大好きだよ!』
当時4歳だった私は、ちょっと脚をもつれさせながらも二人のもとに駆け寄って抱きついて。ぎゅうっと暖かく抱きしめてもらって。
(神様、ありがとうございます。私、嫌いだったはずの家族が全然嫌いじゃなくなりました。優しくて、暖かくて……大好きになれました)
こんな素敵な祝福をくれた神様に、私は心から感謝した。
『お父様、お母様!私ね、素敵なヒトになる!お父様やお母様みたいな素敵な淫魔になって、皆も幸せにするね!』
生まれ変わったこの世界に、優しく育ててくれた素敵なお父様お母様に恥じない存在になりたくて、子供ながらに宣言したその言葉。まだまだ未熟で、何も知らない子供の言葉を、2人は笑って祝福してくれた。混じり気なしの感情が私を優しく包んでくれて、すごくすごく嬉しかった。
……この後、私の言葉に喜んだお父様とお母様が立派な淫魔にするための英才教育をしよう、ということで目の前でえっちの実演をして。2人から溢れる快楽の感情で一気に頭がゆだったようになっちゃった私は、ちょっとだけ宣言を早まっちゃったかな、って後悔したんだけど。
『ええ?えっちなことはあんまりヤりたくない?うーん、まあ、淫魔としてはそこらへんは開放的であったほうが楽だろうけど……まあしょうがない、個人の好き好きだからね』
『そうねえ。でも技は磨いておいたほうが良いわよ?食事として味わうのではなくても、気持ちよくしてあげられたほうがいっぱい栄養貰えて、そのぶんもっともっと気持ちよくしてあげられるもの』
淫魔、という種族はなんとえっちな種族だったのだ!なんて当時の私はカルチャーショックを受けに受けた。
だってえっちなことって私にとっては乱暴なことで、痛くて怖いことだ。今のお父様とは似ても似つかない小太りの汚い昔の父に乱雑に犯された時の痛みも、中に
でも、でも、でも……!今のお父様と、そしてお母様から放たれたすごい量の快楽の、気持ちいいっていう純粋で沢山の栄養はあんまりにもすごくて。しかも2人ともお互いに栄養をもらい合って、元気になって何回も繰り返していたのだ!お父様がお母様にいっぱい
『出来る気しないよお、恥ずかしいもん……』
『あー、んー……まあ、しょうがないね。好き嫌いはともかく、転生者って淫魔より奥ゆかしい人が大半みたいだし』
『貴方、淫魔より開放的な種族なんてほとんど居ませんよ?』
『そりゃそうだ』
どうしよう、と思った。えっちなことは恥ずかしい。神様の祝福とお父様とお母様の実演から流れてくる感情のおかげもあってか、えっちなこと全般が痛くて怖いっていう感情は一気に消えた。でも恥ずかしいし、愛するヒト、好きなヒトとすることだっていうのは淫魔でも変わらないらしいからやっぱりこういうのは大切にしたかった。
だから別な手段であったかい感情をもらえるようにしたい。そんなふうなことを考えていた私に気付いたのだろう、お父様が1つ提案をしたのだ。
『そうだ、イヴェットは転生者だったね。じゃああれだよ、
『…………ろーど、ぶれいん?』
そうして案内された、王立図書館の奥の部屋。脳しかない不思議な司書達によって案内された其処に置かれていた、人間ぐらいの大きさの脳みそに手を触れ(させられ)た時。私は、この世界で付き合う仲間、同じ事情を抱える同胞を得ることができたのだ。
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────
──
─
(早く、早く早く!)
普段ならさして気にならない接続までのタイムラグも、切羽詰まっている今だととてもじゃないけど待っていられない。小さな亡骸は保存の魔法を使って一時的に保ってはいるが、肉体はともかく魂が崩壊を始めるリミットを遅れさせることはできない。
(────っ来た!)
焦燥に身を焼かれるなか、己の浅慮で悍ましい結末を早々に迎えてしまうことのへの恐怖で狭まった視界が一気に拓くような感覚が私に奔った。新しい視覚情報が得られても尚乱れない思考は、まるで思考する脳が増えたかのような。
いいや、真実脳がもう1つ増えたのだ。外付けの知性、思考回路の増設、演算能力の付与──私というヒトの脳を文字通りもう1つ構築した仮想領域、私は其処に接続したのだ。
────★☆★
────★☆★本日はどのようなことをされますか?★☆★────
(えっと、えっとメールは駄目、チャット?掲示板?とにかく皆の知恵を借りないと……!)
誰が解決法を知っているかも分からない状況。とにかく不特定多数かつ、解決法を知っていそうなヒトが現在思考を向けているサービスを確認しないといけない。取り敢えず掲示板に議題を投げてチャットルームを覗くべきか?と判断したところで。
(──っ居た!珍しく
議題を投げようとしていた掲示板で一番の目当てを発見したことで予定変更。私は該当の掲示板に殴り書きのように思考を叩きつけた。
【神様教えて】この世界について四方山を語るスレ Part.1261【やっぱ自力で解く】
……
……
465:H-Master ID:yp@sh$Gp
なんか盛り上がってるけど新しい発見とかあった?
466:無銘 ID:#xLQ$Aa4
いや……
467:無銘 ID:rr7sBcZs
転生者に対する昇格者の割合が減ってるけど転生者自体は増え気味だから全体的に生前の世界衰退気味なんかなって考察はあった
468:無銘 ID:lG$A86eJ
単に人口増加しているだけですよおじいさん
469:H-Master ID:yp@sh$Gp
まあ門戸を広げたおかげでこういう掲示板とかも作れたわけだし転生者が増えること自体は歓迎なんだけども
470:無銘 ID:2H9LlLyR
増えた結果が匿名掲示板かあ…
471:サキュOh! ID:a#j2qG1D
すいません至急のお願いなんですがどなたか破損が酷すぎても蘇生できる魔法を知りませんか?もっと言うなら内蔵ぐちゃぐちゃになってお臍あたりから切断されても蘇生できるぐらいの魔法知りたいんです!
472:無銘 ID:DnjB7EiQ
>>471
スレチもいいとこだけど急に何?戦場で酷い死体でも出たの?
473:無銘 ID:aYZa6h+-
今は夜だから戦争はしてないんじゃないか?
474:無銘 ID:U%RV1AJo
夜襲してまで相手滅ぼすような戦争なんて誰もやってないしなあ
475:H-Master ID:yp@sh$Gp
この世界は球体ではあるが公転も自転もしていないからな
前の世界は救世主とやらが生まれて2000年以上経って内実も大分解明されたのに、なんでそれをちゃぶ台返しするような世界にしてるんだ神は
476:無銘 ID:vTJ#-BSb
えっちマスターが解明してください一番頭でかいんだから
477:H-Master ID:yp@sh$Gp
今やってるのが行き詰まったから新しい発見あった?って聞きに来たんでしょ!!
あと呼ぶならせめてエイチマスターって呼んで?
478:サキュOh! ID:a#j2qG1D
あの、お話聞いてもらえませんか……
479:無銘 ID:BsyVg2k7
>>478
そうはいってもサキュOh!の蘇生や回復でも蘇生できないぐらいの損傷死体ってなるとそれはもう荼毘に付したほうが良いのでは?ってなるし
480:無銘 ID:$56YiBB-
>>479
これな 戦場では助かったけどあのレベルの魔法使えるハイランダーでも対応できない死体を蘇生ってよっぽど燃費悪くて複雑化しそうなんだけど
481:三冠蛇 ID:ltu&0wWd
Oh!が必死な理由なんか理解っちゃった気がするけど言ったら駄目なやつじゃない?これ
482:サキュOh! ID:a#j2qG1D
内情語った方がいいなら語りますからまず教えて下さい!お願いします!もう長く保たないんです!
483:無銘 ID:r#$EPQf$
だから教える教えない以前にそのレベルの死体の蘇生自体が…
484:三冠山羊 ID:ltu&0wWd
蛇から話聞いた
既存の肉体蘇生→魂だと再生中に生命活動停止するような破損は直せないから多分無理
もし可能だとすれば例えば魂から肉体を新造して旧肉体は破棄するとか?私達だと魂知覚できるの蛇しか居ないから実証はできんけど
485:H-Master ID:yp@sh$Gp
>>484
確かに出来るだろうけど燃費極悪になるよ?使えるパーツは既存の肉体から流用して破損大きいところは新造するとしても肉体自体の再生能力を使わないで魔力だけで生体部位を作るわけだし
486:サキュOh! ID:a#j2qG1D
>>485
私の魔力全部で足りるなら良いので教えてください!一段落したら頑張って最適化するからとにかく最低限の術式を教えて!
487:無銘 ID:A$Ely-tf
必死過ぎワロタ笑えない
マジで何やらかしたんだ
488:H-Master ID:yp@sh$Gp
>>486
まあ良いよ。とりま雑に構成したのは下に置いとくね
bdtps://cwc.brainsdata.com/****~
489:サキュOh! ID:a#j2qG1D
>>488
ありがとうございます!
……
……
ぼう、と手元が光るとともに、私の身体から魔力が引きずり出され彼女の身体を構築していく。ややもしない内に構築された身体が現実のものとなったことを確認し、私は崩壊しそうだった魂をその体に紐づけた。
「よし、これで……!」
魂が体に吸い込まれ、その薄い胸がゆっくりと上下したことを確認。蘇生を確認できた私は、堪えきれないようにほぅ、と安堵の息を吐いた。
叡智の主から教わった術式は、それはもう凄いものだった。私が残虐に犯して、無惨に壊された小さな体は今は傷ひとつ無い。
感情から栄養を摂取する淫魔は、その派生として相手の魂がどういったものなのかが何となく分かる。あやふやな言い方になっているが、本当になんとなくなのだからしょうがない。そしてその魂の知覚を利用したのが先程の蘇生魔法。肉体を修繕して魂を回収するのではなく、魂に合わせて肉体を再構築する強力な魔法だ。利用できる種族が限られている上に不足分を新造する関係で魔力消費量が高いのが難点だけど……でも、それも魔法に秀でた昇格者である私にとっては大きな損耗じゃなかった。雑に構成した、といってこの完成度なんだから恐れ入る。
(良かった、良かったあ……)
目の前ですうすう寝息を立てている小さな体からは、憎くて愛しいお姉さんを感じ取れる。私が先程壊した生命が、好きで、嫌いだったお姉さんだと認識できる。
……小さな子供を、私に何もしていない生命を。ただ自分の情欲のままに無惨に犯したという事実が無くなってくれて、私は心の底から安堵していた。
「……フロー、居るか?前に頼んでいたこと、お願いしても良いか」
「ええ、まあ、頼まれましたからね、後片付け。まさか乱れた寝具を片付ける程度だと思っていたからここまでとは思いませんでしたが、ええ、頼まれたからにはやりますよ。…………後できっっっっちり話を聞かせてもらいたいところですね」
外に気配を感じたので声を掛けてみれば、平坦ながらも怒りを秘めに秘めた幼馴染の従者の声。怒っているが無理もない、フローは私と彼女の関係を知らないんだから。……言っておいてアレだけど、フローは事情を知ってても怒る気がする。優しいヒトだから、私の取り乱し様を見ていただろうから。どっちにとっても良いことじゃないってきっと理解って怒ってくれる気がする。
私と彼女の関係はそれこそ地下室の改築に乗り気を見せた、何処か勘づいていそうなお父様だって知らないだろう。転生したことは公表してても、転生前の事は誰にも言ってないんだから当然だ。なんなら彼女自身すら知らない……と思う。だからきっと傍から見れば、ううん、彼女から見ても私の所業は異常性欲の発露としか見られないだろうし、最低な行動だって誰もが非難するようなことでしかないんだろう。
でも、止まれない。止まれる訳がない。お姉さんのことが好きだから、お姉さんのことが憎いから──だから、お姉さんに
大好きなお姉さんだからこそ、情欲を抱いて犯すことが出来る。憎たらしい仇だからこそ、復讐として殺意を抱いて犯すことが出来る。今の私にとって、性愛の向けられる
嫌いなことが嫌いなままではなくなる、そんな祝福を私は受けた。だから、私は嫌いなものが嫌いではなくなっている。
かつての恐ろしい思い出、乱暴に犯されることの恐怖や痛みはもはや消えている。一方的な監禁と性行為による凌辱という悍ましいものが嫌いではなくなっている。かつての父が私にしたように、いずれ目を覚ますあの小さい子に精液をたっぷり飲ませてこの夜を終わりにするんだろう。それも、嫌いではなくなっている。
嫌だなあ、と漠然と思う。そんな思いも少しずつ薄れていく気がして、本当に嫌だ。
神様の祝福にはたくさん助けられた。家族が好きになれたし、単純にえっちなことへの嫌悪感も無くなった。生きるにあたって不都合だったかつての私に浴びせかけられた不条理は、今の私にとっては無いも同然だ。
でも同時に、ちゃんと嫌いなままであるべきだったことまで嫌いじゃなくなっているんじゃないかって思う。
もしこの祝福がなかったら、私はお姉さんをこうやって犯して殺すことが嫌いじゃないなんて思わなかっただろう。犯していた時の高揚感や、快楽なんて感じなかった筈だ。恐怖と悲しみ、絶望と諦め、そして何より痛いという感情がない混ぜになった、生ゴミの腐ったような吐き気を催す程悍ましい感情を栄養として摂取して、まるで自分自身が腐っていくような感覚が全身を覆った時に……背徳的な快楽なんかではなく、嫌悪を感じたに決まってる。初めてみたお父様とお母様のえっちなんかメじゃないぐらいの精液を私の性器が吐き出して、射精の勢いだけで背骨をへし砕いて、内蔵をミキサーみたいに掻き混ぜて辺りに撒き散らして惨殺するなんて悍ましい行いが──私の精液と子供の残骸が混ざった汚濁を返り血のように浴びて、それが気持ちよかったなんて、きっと絶対に思えなかった。
どっちが良かったんだろう。前みたいに誰からの信頼も諦めて、ただ怯えながら生きていくことと、好きで嫌いなお姉さん相手とは言え、昔の自分がやられて嫌だったことを、今は嫌じゃなくなったからってもっともっと残虐に出来てしまうこと。
答えは出ない。出す意味がない。だってもう祝福されている。私は神様の手で変えられて、その恩恵をたっぷり受けて愛情豊かに育っている。
だから受け入れるしか無い。嫌いだった家族や、性行為が嫌いじゃなくなって。強姦が、殺人が、歪みきった抑えられない性欲が嫌いじゃなくなった自分を、受け入れるしか無いのだ。
(……でも、まだ、大丈夫だよね、多分)
今のところ、他の人に同じことを向けたいなんて思えない。大好きな、家族じゃない身近な女の子のフローにだってそんな気持ちを向けたことなんてこれっぽっちもない。好きで嫌いで、かつての私を求めて、そして殺したお姉さんみたいな特殊な相手だからこんな事ができちゃうのであって、他の人には出来るわけがないんだと、私は自分にそう言い聞かせる。
えっちなことは、セックスは、愛するヒト、好きなヒトとすることだっていうのは淫魔でも変わらない。子供の頃にお父様とお母様に教えてもらったことだ。だから、大丈夫。フローは大好きだけど恋愛的な意味じゃない、家族も、軍の友人たちもみんなそうだ。そういう感情はお姉さんにしか持っていない、だからまだ大丈夫だ。
「お嬢様、集め終わりましたよ。どうされますか」
鼻栓を詰めタオルで口を覆ったフローが持ってきたのは、床に飛び散った内蔵や、骨や、肉の残骸。叡智の主が開発した蘇生魔法を持ってしても、そもそも体の部位と認められなかった少女だったもの。お姉さんが生き返った以上、私の獣欲の犠牲者はもはやこの残骸達しか残されていなかった。
「……決まってるよ。埋葬する。そのための場所もちゃんと用意してある……この子が起きて、ベッドの上のを片付けたら。それも同じ様に運ばせてくれ。彼女には……そうだな、生ゴミの廃棄所とでも言ってくれれば良い」
「それ私が言うんですか。自分だったものを生ゴミに捨てろって私が言わなきゃなんですか?マジで言ってんですか?」
「ごめん。でもどうしても、私は言えないんだ。私は生きている彼女のことが憎くて好きだから、死んだこの子のことを憐れんでいるなんて知られたくない」
「……そのようにする意味が分からないですが、まあ分かりました。ああ、多分無意味だろうとは思いますけれどこの事は当主様には報告させてもらいますからね」
私の複雑な感情を察したのか、それだけ言ってフローは血肉の入ったバケツを抱える。向かう先にはこのために誂えた特設の焼却炉があり、骨ぐらいしか残らないだろう。生ゴミが出た時に火力で焼いて、精々骨ぐらいしかない焼け残りは小さくまとめて捨てれば良い……そういう名目で作った、彼女のための火葬場。元々は犯す過程でちぎれた部位なんかを火葬しようと考えて設置したのだけれど、ちぎれたなんてレベルじゃないぐらいには損壊した残骸を焼くことになるとは思わなかった。
そうして火葬が終わったら、不要な焼け残りを土に還すための廃棄場……と銘打たれた、彼女の霊廟に埋めていく。他のゴミを捨てさせないために、私の魔力がないと扉の1つも開かない仕組みにした。これで万が一にもここに彼女の骨以外が埋められることはないだろう。
「……さようなら、最初のゼノヴィア」
霊廟に骨壷を埋めて、亡骸に別れを告げる。
かつての父がやったように、私はこれから3日に1度、彼女を犯していく。お姉さんを殺していく。そうしてその度、性犯罪の犠牲となったゼノヴィアという少女の骨塚が出来上がっていくのだろう。
恐ろしく、悍ましく、惨めで、最低最悪の気分で。……それでも、なんでか嫌じゃなくなってしまった自分が、何よりも嫌で。
「お姉さん、きっと私のことを怖がるんだろうなあ、嫌うんだろうなあ」
本当は、本当はここまでするつもりじゃなかったのに。かつてやられたことを嫌々ながらも一通りやって、殺して。そうしてお姉さんが反省したら自分の正体を明かして、そこからは仲直りして、ちゃんと普通に愛したかったのに。
でも、最初の一回目で躓いてしまった。私は私を見誤った。嫌々だと思っていたことから「嫌」が消えて、仄かに覚えていた後ろ暗い快感だけが残った私が、お姉さんの心を徹底的に踏みしだいて、犯して、惨殺した。
きっとお姉さんだって、私が「柘植 ひかる」だったとわかっても好きになってはくれないだろう、仲直りなんて出来ないだろう。
ずっと、お姉さんに嫌われたまま。私はあの地下牢で、監禁された性奴隷のお姉さんを
恐ろしいことで、耐え難いことだ。なのにそれを嫌だと思えない、今の自分が……たまらなく嫌だなと、一瞬だけそう思った。
イヴェット・ゼヌニム(33):
ゼノヴィア(10):人間。女。転生者。性奴隷。前世は「
フローレンス(34):猫獣人。女。従者。イヴェットの幼馴染で幼少期から従者だった。イヴェットの優しさが心からのものだと知っており、また霊廟やら火葬場やらを予め建設していたことを知って複雑な感情を抱いている。イヴェットとゼノヴィアの関係を知らないのでゼノヴィアに同情もしていて、双方に義理立てする立ち位置に付く。
スレ住民:転生者。様々。クラウドネーム持ちは