※この作品はR-18です。

性奴隷と長身巨乳リョナグロ背徳性癖倒錯ふたなりが純愛に堕ちるまでの話   作:PP→KP

39 / 56
ある意味精神的BLあります

時系列:本編1年後くらい


「少年」の話

 ぼくはむかし、お父さんにあこがれていた。

 

 からだも大きくて、やさしくて。ぼくたちのくらしをささえてくれるダイコクバシラなんだってお母さんが言っていた。

 

……その当時は、大黒柱の意味もよく分からず、何か凄いものだったんだなってぐらいに認識だったけど。

 

 だからぼくは、ようち園のころはお父さんみたいになりたいと思っていた。お父さんみたいなりっぱな大人になりたいとゆめ見ていた。けど、小学校に入ってすぐ、お父さんがわるいことをしてつかまっていたってことを同じクラスの子から言われた。

 

……その子のお父さんは僕のお父さんと同じ企業で働いていたらしい。だからお父さんが加担した詐欺事件のせいで信用が落ちて大変だったんだろう。その子からすれば僕のお父さんは迷惑な犯罪者で、その息子の僕に対しても敵意を持っていたに違いない。

 

 ぼくはお父さんにうらぎられたような気分になって、べつなゆめをもつようになった。その子はやさしくて、まじめで。ぼくがお父さんのことでがっかりしたことをしってやさしくなぐさめてくれた。ぼくたちはすぐになかなおりして、ぎゃくに友だちになった。

 

……きっと、自分が傷ついたから。だからこそ、僕が傷ついたことの痛みを感じてくれたのだろう。本当に優しい、大切な友達だった……今はもう、僕の傍には居ないけれど。いいや、僕が彼の傍から居なくなってしまったんだ。

 

 その子がパイロットになりたいって言っていたから、ぼくもなんとなくあこがれるようになった。お父さんのこともわすれて、なかのいいともだちといっしょにとびたかった。

 

……空を往く飛行機を好きに動かして、何処までも自由に。鳥のように飛んでいけるのだとその時は思っていた。互いの家族の確執を超えて友だちになれた僕たちは、きっと色んな壁を超えて何処までも行けるのだと、多分そんなことを夢想していた。

 

 でも。ぼくは、鳥じゃなかったから。

 

……自由に何処までも飛ぶなんてことは、最期まで出来なかった。

 

 

 

 

「やだ、やだ!やめて、ごめんなさい!いたいのやだよ、やめてよぉ……!」

 

 こわくて、ふるえながら、まっ黒な人にごめんなさいと言い続ける。なにかわるいことをしたのかなとあやまって、あやまって。

 

「っごめんなさい、ごめんなさい!たすけて、ぼくのゆびを切らないで……!」

 

 ゆびにいたいものが当てられて、ぎゅっとおさえられて。ゆびがなくなっちゃったらいたいから、やめてっておねがいして。そして。

 

……ダァン!という叩きつけるような、音。痛みが奔り、僕は泣き喚いて絶叫して、そのまま気を失ったと思う。

 

 目がさめたら、ぼくの手にはほうたいがまかれていて。中ゆびが、なくなっていて。いたくてずっと泣いていた。

 

……握っても開いても、あったはずの感覚がなくて。只ひたすらに痛みと喪失感の中で絶望していた。助けてほしくて、喉が枯れるまで泣いていた。

 

 

 

「ひっ……お、おねえさん?だれなの……?たすけにきてくれたの……?」

 

 その女の人は、まっ黒なかみのきれいな人だった。せが高くて、すらっとしていて。

 

「お姉さん、か。そんな年齢でもないかもな、もう」

 

……そんな事を言う彼女は、きっと僕のことを逃がす気なんて無くて。もう生かす意味がなかったから、だから黒ずくめの服ではなかったんだろう。

 

「……おねえさん?ねえ、何してるの……?やめて、はずかしいよぉ」

 

「そうは言うが、汚れたままだと嫌だろう」

 

 そう言って、そのおねえさんはぼくのおちんちんをふいて、おしりをふいて。ずっとねかされていたぼくのからだをていねいにふいてくれた。しゃべりかたは少しこわかったけど、ふいてくれる手つきはやさしかった。

 

……彼女は僕の身体を清拭した後、徐ろに自分の服を脱いだ。お母さんより背が高く、痩せていて、それでいてとても大きい胸が張っていて。そして……そのお腹に、赤ちゃんが居て。

 

「なんだ、こんな年増の裸が気になるのか?最近の子供はマセているな」

 

「いや、えっとね……おねえさん、赤ちゃんいるの?」

 

「……ああ、まあ、な」

 

 そのすらっとした体ににあわないおなかのふくらみのことをきいてみたら、少しだけあいだが空いてからそんなこたえがかえってきた。

 

……ここで彼女が躊躇った理由は、未だに分からない。妊娠していながらこれからやることを思って憂鬱になったとか?……もしそうなら止めて欲しかったな。

 

 

「おねえさん、どこに……ねえ、なんでそんなのもってるの?」

 

 ぬいだふくをどこかにもっていったおねえさんは、かわりにほうちょうをもっていた。

 

「……やだ、だめだよ、やめてよ!おねえさん、ぼくなにもやってないよぉ!」

 

「ああ、君は何もやっていない。君は何も悪くない」

 

……何もやっていないと言うなら、なぜ僕は殺されたのか。何も悪くないと言うなら、なぜ僕を殺したのか。なぜ僕は……夢を、人生を終わらせられてしまったのか。

 

「許さなくて良い、存分に恨んでくれて良い」

 

「いやだぁ、たすけてよお!やだやだ、やめて!やめてよ!」

 

 ゆるすから、うらまないから、だから──やめて、たすけて。

 

……そう懇願した僕の腹にぞぶり、と鉄刃が突き立って。痛くて、泣いて、叫んで、謝って────身体が冷たくなる感覚の中、ただ無表情に僕の腹を捌いて、内蔵を引きずり出すその女の美しい顔だけが、いつまでも記憶に焼き付いていた。

 

 

 

──────

 

────

 

──

 

─

 

 

 

「────っっはあ!!くそ、ひどい夢を見た!」

 

「坊っちゃんどうしたんです?そろそろ前線ですよ?」

「坊っちゃんやめろ!僕はもう53だぞ!」

「まだ未成年でしょ。坊っちゃんでいいじゃないですか」

「はぁー!?お前自分が先に成人してるからってさあ!」

 

 ガタゴトと揺られる竜車の中。居眠りしていた僕は前世の夢を見て飛び起きた。30歳年上の世話人兼先生兼幼馴染のファンウェイに心配ついでに子供扱いされてつい意地を張ってしまった。こんなんだからガキだの坊っちゃんだの呼び方が変わらないんだろうか。でもムカつく。

 

 僕は転生者だ。昔の名前は三重野龍太。今の名前は──。

 

「リィロン、そろそろ行っていいぞ。──お前じゃなきゃ、あの忌々しい淫魔は止まらんだろう」

「!わかったよ、父さ──団長。よし、今度こそぶっ殺してやるあの女(アマ)ぁ!」

 

 幌を開けて顔を見せた傭兵団長でもある父の言葉に、夢見が悪く気分が最底辺だった僕の心のボルテージが一気に最高潮に達する。いや、ある意味夢を見たせいで余計にボルテージが上がったのかもしれない。

 

 その開いたままの幌をくぐり、父の脇をすり抜けた僕は──背中の翼を本来の大きさに戻し、一気に空へと舞い上がった。

 ──何も邪魔するもののない無窮の蒼空へ、自由な空へ。

 

 

 翼で風をまとい、圧縮する。口から漏れ出る炎で圧縮した空気を膨張させ、圧力を極限まで高めて解き放つ。

 人間だった頃なら巻き込まれたらひとたまりもないような空気の奔流は、だけど僕の軽くて頑丈ですぐ生える鱗で覆われた戦闘形態に移行した身体を傷つけることなんて出来やしない。軽くて丈夫な身体に任せ、音を超えて空気を裂いて、只ひたすらに突き進む。

 

 竜車に乗ってたらまだ30分は掛かってただろうが、今の僕なら1分もかからない。あっという間に前線が見えてきて──そこに、あの忌々しい、黒髪を短く切りそろえた、大人の女が──。

 

「────っ、今度こそ勝つ、今度こそ──乗り越えてみせるんだ──っ!」

 

 僕自身の鱗を何枚も使って、僕自身の炎を束ねて溶かして継ぎ合わせた竜鱗の槍を正面に構え。半ば墜落するような勢いで、僕は戦場へと突っ込んだ。

 

 

 

「ちっ、上手く凌がれたか……」

 

 手応えなし。砂煙が晴れた戦場には隕石が降った後のようなクレーターが出来ていて、敵兵がバタバタと倒れている。でもコイツラは本命じゃないし、あの女は着弾の衝撃波程度で倒れるような相手じゃない。あの女が倒れていないなら──こんなの、何の意味もない。

 

「……全く、いつも唐突だな。今度はどこから飛んできたんだ」

 

 中性的な口調のハスキーボイス。

 回復魔法の光があたりを包み、倒れていた敵兵たちがよろよろと起き上がった。僕の姿を認めた連中は目配せして後ろへと引いていく。そしてそれは自軍も同じ。昇格者(ハイランダー)同士の戦いの傍にいては、敵味方問わず巻き込まれても文句を言えないというのは戦場の常識だ。

 

 

「久しぶりイヴェット!こんにちは死ね!」

「何だリィロン、それはあれか?新しい挨拶か?」

「こないだ知り合いに教えてもらったんだよ!」

 

 

 言うが早いが槍を振るい風の刃を放つ。纏う風を巨大な鎌鼬と変える風魔法で大岩すらぶった斬る僕の十八番(オハコ)だが……あの女は自分の体表を全力で強化して受け止めてみせた。

 でもまあそれは想定内。こいつとの戦いだとだいたい挨拶みたいなものだ。あの魔法は体表を強化する代わりに動作が鈍る欠点があるのは知っているし、風と炎の竜である僕の強みの火力や速度なら撹乱できる──筈、なんだけど。

 

 気流を操り、一気に相手の背後に回る。槍が纏う風に熱息(ブレス)を混ぜ込んだ灼熱の一撃を叩き込んでやる。

 

「────っ!」

 

 接敵して、顔が近くなる。僕よりも多分40cmぐらい背が高いそいつは、でっかい胸ときれいな顔と、ストレートの黒髪で──。

 

 あのときとは違うのに。ここは暗い廃墟じゃない、僕の炎が揺らめく灼光の戦場で、全身強化したあいつ以外はマトモに立ち入ることすら出来ないはずなのに。──前の世界の人間なんて、立ち入る余地なんて無いのに。

 でも、あの女の振る舞いが余りにも似ていて──。

 

「ガッ!?」

「相変わらず寄ると鈍いな。何でわざわざ近寄ってくるんだ?」

 

 あの女の拳が腹に突き刺さり呼吸が止まる。腹に、あの女の、お姉さんの手が、刃が──。

 

「っ違う!舐めんな!ぶっ殺してやる!」

 

 咄嗟に全周に竜巻と炎を放ち、一気に戦場を焼き払う。味方が下がっているギリギリまでぶっ放したからもしかしたら火傷したやつが居るかもだけど──。

 

「相変わらず馬鹿げた火力だ。でも、収束してないならどうにでも凌げるさ」

 

 でも肝心のあの女はピンピンしてやがる。ちょっと焦げてるみたいだけど回復魔法ですぐ直せるから実質無傷だ。

 僕だって別に、あんな女の細腕に殴られたって大したダメージじゃない。いくら強化しようが竜の僕と淫魔のあいつじゃ埋まらない差があるのだ。

 

「いいや、まだまだ勝負はこれからだ!今度こそぶっ殺してやるって決めてるんだからな!」

「4ヶ月前にも同じことを言ってなかったか?」

「うっせー!バーカ!」

 

 なんで前戦った時のこと覚えてるんだムカつく!だいたいこいつ何処が淫魔なんだよ!魅了とか一切使わないで前線で戦い続ける淫魔なんてこいつぐらいじゃないか!

 そんな腹立ちとイラつきを込めて、今度はあいつを包み込むように竜巻を作り出す。さっき周りを焼き払ったやつより空気の密度を高めたから、そう簡単には出てこれない筈。

 

「これならどうだぁ!」

 

 そこに先程より熱量をあげた熱息(ブレス)をぶっ放し、一気に灼熱の火柱へと変えてやった。周りの地面がガラス化するような熱量で、同族の竜人だろうが焼け落ちるような大火力。

 最近漸く熱息(ブレス)と風鎧(メイル)の密度を同時に高められるようになって考えた新技、これならきっと──。

 

 炎と風が消え、そこには真っ黒に焦げた人型。ピクリとも動かないそれは完全に炭化しており、生命の息吹をマトモに感じられない。

 

 勝った。あの女を、お姉さんを、ぼくを切り刻んだ殺人鬼を、この手で乗り越えて──。

 

 なんて思ってたら、あいつの足元に魔法陣が光りやがった。

 

「──ふぅっ、危なかった。惜しかったが、空気の密度が上がってるから熱が伝わるまでが今までより長いようだな。時間差蘇生の術式を組めるだけの時間があるんじゃ私を殺せないぞ?」

 

 まっ黒焦げなあの女が、服ごとまとめてキレーな姿で復活した。というか。

 

「はァ────ッ!?卑怯だろ時間差蘇生とか聞いたこと無い!」

「死ぬタイミングが分からないと使わないからな。蘇生魔法は魔力も食うし時間を置くほど成功率が下がる。わざわざ遅く蘇生させる魔法なんて普通の戦いで使うわけがないだろう」

 

 ぐぬぬ。僕の文句を軽く受け流しやがる。

 もういい、新技が不発になったから後はいつも通り接近戦で殴り合ってやる。そうだ、腹切られて殺されたんだから焼き殺すよりぶった斬って殺す方が良い勝ちだ!勝利に良いも悪いも無いけど!

 

「ええい、まだまだ僕には余裕あるし!ここからが本番だ!」

「似たようなことをさっきも聞いたぞ。私は負けた記憶がないが本番は何時からだ?」

「ぶっ殺す!」

 

 こいつムカつく!という思いのすべてを込めて、炎と風を纏わせた槍を片手に翼を広げ、あの忌々しい女に突っ込んだ。

 

 

 

──────

 

────

 

──

 

─

 

 

 

「で、負けたんです?」

「負けてないが!?僕が参加してない方の戦場が負けたせいで全体的な敗北になったからしょうがなく停戦しただけだが!?」

 

 今回の戦場が停戦して2日後。戦いの趨勢を知りたがったファンウェイがようやく戦傷も癒えた僕に向かって負けたなんて心無い一言を言いやがった。とても許せることじゃなかったので僕は力強く訂正を求めた。

 流石に僕1人だけが勝っても旨味がないんじゃあ戦う気はない。僕たちは狂戦士でも殺人鬼でもなく傭兵なんだから金にならない戦いは避けろって父さんが良く言ってるし。

 今回は結局、途中で停戦の水入りが入ったから勝負つかずだった。というかあの女はタフ過ぎると思う。腕切り落としてもすぐに再生するし心臓ぶち抜いても頭が残ってると部分蘇生魔法なる謎魔法を使って心臓すら再生してくるのだ。逆に僕はといえば腕掴まれてへし折られたりもしたし指突っ込まれて片目を抉られたりもした。あいつやっぱり淫魔じゃなくて蛮族(バーバリアン)とかだろ。

 まあ、そういう僕だって今回の傷程度なら致命傷には程遠い。竜人族という肉体に優れた種族の昇格者(ハイランダー)、魔人族の軛を超えた真の竜たる成嵐竜(グレーター・ストーム・ドラゴン)な僕なら1日2日すれば全回復する。した。

 

 どうすれば勝てたかな、と一人反省会だ。まあ結局のところ、あの綺麗な顔面ぶち抜いて脳みそグシャグシャにして思考能力を即座に奪って即死させないと殺しきれないんじゃね、とは思うんだけど……。

 

 あの美貌も、切れ長の目も、長いまつげも。大人びた雰囲気も、艷やかな黒髪も。序に僕より大分高い背も、僕の頭よりでかいおっぱいも。

 全部が全部、僕の脳理に焼き付いて離れないあの殺人鬼を連想してしまう。晒した裸体に、子供の頭ぐらいの巨乳に、赤ちゃんのいる膨れた腹に。盛大に僕の返り血を浴びながら、平気な顔でぐちゃぐちゃに僕を切り刻み続けた、あの悍ましい女のことを。

 

 あの顔を見続けることが出来ない。怖い、恐ろしい。乗り越えたいのに乗り越えられない、まさにトラウマというやつなんだろう。

 

(僕の祝福、もうちょい融通きかせてくれたらなあ……。神様、もうちょっと良い感じに調整してくれればいいのに)

 

 僕の夢は、かっこいい父親みたいになること「だった」。その後の夢は、親同士の確執も家の柵も超えて自由に飛べるパイロットになること「だった」。

 

 夢ができては破れて。生命すら奪われて。どうして生まれてきたんだろう。アニメでいうような「生きる意味」なんてなかったじゃないか。そう思いながら寒くて暗いところに落ちそうになった僕は、優しくて温かい女神様に出会った。

 

 

 ─

 

 ──

 

 ────

 

 ──────

 

 

『私は神です。残念ですが龍太くん。君は死んでしまいました』

『死因は失血死。名前は言えませんが誘拐犯に内蔵切除されたことが原因ですね』

『ですが大丈夫、君には次の人生が待ってます!』

『え?生きてどうするのか、ですか?よくぞ聞いてくれました!』

 

『良いですか?知性は、欲や願い、夢を目指して生きる存在です』

『私達は元より、貴方達人間もまたそういう生き物なのです』

 

『だからどうか、夢を見て、願いを叶えて』

 

 

『君は──"夢を追い続けて、最後まで諦めないで"!』

 

 

 ──────

 

 ────

 

 ──

 

 ─

 

 

 そんな優しい女神様の祝福のおかげで、ちょっと寡黙で怖いけどかっこよくて頼れる父さんのもと、空を飛び風を掴む風系の竜人族として生まれてこれた。

 家業こそ拠点を持たない旅の傭兵団なんてあまり世間的な評価に恵まれない職業ではあったけど、それは逆に僕にとっては有り難いことでもあった。良くも悪くも一般的な人間関係から切り離されていた事もあって、自由にのびのび育つことが出来たのだから。

 んで、神様の祝福もあって夢を諦める必要なんて無いんだってなった僕は飛ぶ練習を繰り返して、遂に空を自由に飛べるようになって──そうして、僕は竜(ドラゴン)に昇格(アセンション)したのだ。

 

 そんな凄い祝福だけど、残念ながらトラウマ克服の役には立たなかった。まあ夢は夢でも悪夢でしかないからしょうがないんだけど。悪夢を追って戦うって言うとちょっとかっこいい気がする。

 正直イヴェットを殺そうとすることだって、あの女に似ててムカつくからってだけの代替行為でしかない。なんなら被害者仲間だって最近判明したし。だから手が鈍るのかなあって思うけどやっぱりトラウマのせいだなって自己分析する。

 ……あいつの嫁さんが、ぼくのトラウマの根本原因であることもつい最近知って。本気で殺しに行こうかなって思わなくもないけど……でも正直、わざわざ殺しに行こうともならないわけで。だって面倒が勝るし、お金にならないし。

 

(……それに、また赤ちゃん孕んでるかも知れないし)

 

 あの女の妊婦姿を見たら、多分ビビり散らすか、あるいはその膨らんだ腹ごと惨殺するだろうなと思う。でもどっちにしてもあまり傭兵らしくない行為だしあまり好きじゃない。妊婦を追いかけて殺すなんて蛮族も良いところだ。……いやまあ、実際に会ってみないとわからないけど。

 それに、あいつの嫁が誘拐殺人鬼だったことを知ってから過去のスレとか見返してみて気づいたけど、なんだかんだ少なくとも10年は無理矢理閉じ込められて犯されて苦しめられていたみたいだし。それだけである程度溜飲は下がるってもんだろう。

 

(いややっぱ何時か殺すかなー。僕だってまだなのに自分は20年前には結婚して3人産んで3人産ませて幸せいっぱいってふざけてんだろ。一発殺(ヤ)らせろ)

 

 うん。やっぱムカつく。何時かイヴェットもボコボコにして嫁さんも一回ぐらい生きたまま腹かっさばいて自分の腸で首吊りさせてやる。どうせイヴェットが生きてれば蘇生できるだろうし惨殺したって文句はないだろ。

 

 ……とまあ、ここまで考えてアレだけど実のところ積極的に殺(ヤ)る気はない。トラウマの克服にはなるけど、克服しなくても現状そこまで困ってないんだし。それにお金にならないし(2回目)。

 何より、そんなどーでもいいことなんぞほっておいて僕は自由に生きたいのだ。やりたいことをやって、父さんや母さん、仲の良い傭兵団の皆と一緒に生きてこの世界を飛び続ける。自由という夢をひたすらに追い続けると決めたのだ。

 

 

 ──だから、さしあたっては、だ。

 

「坊っちゃん?おーい、どうしたんですか?」

 

 ファンウェイに呼び掛けられる。話してる途中で不貞腐れたようにだんまりしてしまったらそりゃ不安にもなるってもんだろう。

 

 ファンウェイはちっちゃい頃から世話になってて、先生って呼ぶように空を飛んだり戦ったりのやり方を教えてくれたヒトなのだ。ちょっとちゃらんぽらんだけど。何でもちっちゃい頃に父さんに拾われたらしく、一通り教え込んだら才能があったのかすっかり一端の傭兵になったということらしい。

 僕たち竜人族は60で成人、400ぐらいまではその姿のまんまで、そこから老化して500ぐらいで老衰して死ぬ種族。昇格者の僕は現状の姿から老化しなくなっているってのはさておいて、そんな種族だから30歳差ってのはそこまで大きな差じゃあない。僕のことをガキだの坊っちゃんだの言ってくるファンウェイもつい20年ほど前に成人したばっかりで、年齢も僕と程近い。だからこそ僕にモノを教える時に親しく教えられるだろうから適任だとお父さんが頼んだのだ。本当ならしっかりした大人が教えたほうが良いかもしれないけど、そもそも傭兵団でマトモな流派とかがあるわけでもないし、無理矢理教えるより近い年上の友人と楽しく戦い方を身に着けられればそれでいいとのことだ。

 

「まあ今じゃ全方位で僕のが強いけどね」

「もしかして今俺のことこき下ろしました?」

「うん。ごめんね。んでそうだね、結局負けてはないんだけど……消化不良なんだよなあ」

 

 欲求不満な僕の意思が反映されているかのように、鱗が生えた長い尾がびたんびたんと腰掛けていた簡易ベッドを叩く。

 決着がつかなかった。今まで負けたときは死ぬ前に尻尾巻いて逃げてたんだけど、そう言うときはなんだかんだ(トラウマはともかく)力を出し切った感があるのだ。でも水入りで引き分けになるとこう、消化不良というか。もっとやれたのに、今度こそ勝てたのに……なんて考えが残ってしまう。これは良くない。こういう思いを残しておくと次の戦いで不利になる。こういうモヤモヤを残しておくと体が火照って寝付けなくなる。

 ちらり、とファンウェイを見ると目があった。

 

「……坊っちゃん、俺自分のテントに戻りますね」

「え?駄目」

 

 色々溜まってた僕と目が合っただけで逃げようとした不届きな男(ファンウェイ)の腕を捕まえて引き倒す。消化不良……いや、もはや消火不良なのだ。戦いで昂り燃え上がった心(ほのお)は、まだ全然落ち着いていない。

 

 そもそもこういう解消方法を教えたのはファンウェイなのだ。前世のことで悩んでた時に「なんかモヤモヤしてても一発抜けばスッキリしますよ!」なんて言って。抜くって何?って聞いた僕にオナニーのやり方を教えて。それで自分でしごいて初めて射精して、何なのかを知って恥ずかしがっていた30歳になったばっかりの僕に春画を見せたりして大人のえっちなことを教えてくれやがったのだ。まだまだ子供の僕にそんなことを教えたもんだから父さんにぶん殴られていたけど。

 それだけならまだしも、僕の事情をファンウェイは勘案してくれなかったのだから性質が悪かった。僕は前の人生でも今の人生でも男に生まれ育ったけど、はっきり言って女のヒトが怖い。特に大人の女は論外で、今の人生でセーフなのは母さんと女神様ぐらい。あとは団の姐さん方がギリギリなんとか会話ができるってところだろうか。女性らしさを主張する大きな胸に美しい顔。かつての世界だと女でなければ有り得ない、赤ちゃんで膨らんだ胎を抱える妊婦姿。それらを併せ持った殺人鬼に生きたまま腹を掻っ捌かれて惨殺された記憶がずっと足を引っ張っているのだ。

 だから一発抜け、なんて言われても困るばかりだった。恐怖が先立つ女の裸に興奮なんて出来るわけもなく、ずっともやもやして。スッキリするためには運動で昇華しないとで、ファンウェイ始め傭兵団の皆と模擬戦したり、遮二無二空を飛び回ったりしていた。

 

 でもそれも全部、僕が竜に成って自由を好きに追えるようになった日に終わったのだ。抜くのに女が居なくても良くなったから。男が相手でも全然昂って、スッキリ出来るように成ったから。──僕の女を、誰かの男で慰めれば、僕の男も昂って抜けてスッキリ爽やかだ。

 

「だから逃げんな!ヘタレ!一発抜けばスッキリするんだろ!」

「坊っちゃんが肉食系過ぎるんだよ!畜生誰だこの肉食ドラゴンにエロいこと教えたの!」

「お前じゃん!良いから暴れんな!」

 

 テントの外を通る皆から、またか、なんて声が聞こえるが気にしない。

 

 暴れるファンウェイを無理やり床に押し倒し、翼腕を使って両手を抑え込む。一般的な竜人族のファンウェイの翼は単に飛ぶくらいにしか使えないが、竜である僕の翼は違う。ある程度は伸縮自在で太く頑強で力強くて鋭い鉤爪を持つ器用な指が5本も生えていて、事実上の巨大なもう一対の腕のようなものだ。

 だからこうやって仰向けに抑え込んで馬乗りになっても、ファンウェイじゃあ僕を振りほどくなんて出来やしない。体重差なんて純粋なパワーの前には無意味なのだ。

 どうにかもがく脚も、僕の尻の少し上から伸びている長く強靭な尾を使って縛り上げてやった。こっちもただの竜人族とは段違いに大きく立派なもう一本の脚のようなもので、いやいやな相手だろうがお構いなしなのだ。……いや、ファンウェイ以外にはやらないけどね?ちゃんと他の男相手なら段取り踏んで雰囲気作るけどね?

 

 でもファンウェイは別だ。こいつが僕に大人の世界を教えたんだから、こいつを使って僕が大人な楽しみを満喫することに文句を言わせるつもりなんて微塵もない。

 

「ほら、諦めなよ。僕のほうが強いんだから」

「うぐぐ……昇格する前から負けてたけど昇格されてからは勝てる気がしない……!」

 

 悔しそうなファンウェイ。いい大人が悔しそうに顔を歪めているとちょっとだけ興奮する。でも喜んでくれたほうが興奮できるから慰めることにしよう。

 

「あはは、まあまあ。ほら、アソコのサイズならまだ負けてないじゃん?立派で気持ちいいんだから誇っていいんだよ?」

「あっ、やめて坊っちゃん脱がさないで!」

 

 知らなーい。相手の四肢は僕の尻尾と翼で固定してるから僕の四肢は逆にフリーなのだ。だから服を脱がせるのだってお茶の子さいさいである。

 しゅるしゅると脱がせたズボンとパンツの下からぼろんと出てきたモノは、僕のより大きい。多分20cm以上あるんだろうか。竜人族は身体もアソコも大柄なモノが多く、皆で風呂に入れたときなんかはだいたい同じぐらいの大きさだった。

 僕は、といえばまだまだ子供。身長なんかも平均して2m位ある男衆と比べると146cmで全然だしなんなら50歳台の同族女子の平均とくらべてもちんちくりんだ。そりゃまあ35で不老になったんだからしょうがないけど……でも35歳くらいの同族男女と比べてもちんちくりんだったんだよなあ……。

 おっぱいはまあ並よりはあるけど……あの忌々しい女に比べると貧相もいいところ。ちんちんも今は……勃起させて17~8cmぐらい?かな?だらんとしたファンウェイのちんちんの横に並べて長さを測ってみるが、亀頭一個分よりは差がないしそんなもんだと思う。勃つ前から大きいんだから皆ずるいと思うんだ。

 

 ……こうやって並べると、興奮してきた。戦いの興奮がえっちへの興奮に変わってきた感じがする。ちゅく、と股が濡れてきたので股間を回すような仕組みの長布の下着を脱いだ。洗濯する時に濡れてると生温い目で見られるのでちょっとだけ恥ずかしい。今更だけどさ。

 

「ほら、ほらぁ。ファンウェイもヤりたくなってきたでしょ?」

 

 濡れた割れ目をファンウェイに擦り付ける。女の子の部分が気持ちよくなるとちんちんも気持ちよくなってきて、たらりと透明な液が溢れてきた。

 我慢できなくなった僕はファンウェイの興奮を待つこと無くちんちんに跨って、騎乗位素股の姿勢で股を擦り付ける。すごく気持ちよくて蜜が溢れ、その上に屹立しているちんちんから垂れる我慢汁と混じり合って彼を濡らしていく。

 

「うっ……くぅ……お、俺は……」

 

 相変わらず抵抗だけは一丁前だ。もう何百とヤッてるんだから楽しめばいいのに。僕の割れ目にちゅくちゅくとされてぴちゃぴちゃと舐められて、僕に負けず劣らずバキバキに固くなってるし。……まあ良いや、どうせ手足固定してるファンウェイに口以上の抵抗なんて出来ないからね。抵抗したまんまのファンウェイもまた味があって乙なんだ。

 僕は自分の小さい手でガッチリ固くなったファンウェイのちんちんをきゅっと握って、そのまま躊躇なく下の口でパクリと咥えてあげた。

 

「んっ、はぁ……おっき……。ほーら、どんどん僕の膣内(なか)に挿入(はい)っていくけど、まだ抵抗する?」

 

 ずぶぶぶ、とファンウェイをゆっくり呑み込んでいき、遂にはその全部を僕の中にしまい込んだ。そのまま奥までぎっちりと咥えてしまえば、僕の割れ目が彼の根本に吸盤のように密着する。ファンウェイは成人済みなだけあって僕と違って毛が生えてるもんだから、僕の素肌とちんちんの根本をさわさわと撫でつけてきてとてもくすぐったい。

 

「んぅ、あぁん……ねえ、意地張らないでさ、諦めて一緒に楽しもうよ、ね?」

 

 みっちり詰まったお腹の一番奥で彼の先っぽとキスしながら、お互いを刺激し合うように腰をグラインドさせる。どんどん僕の中で彼が大きくなってきて、興奮していないなんて到底言えない状況まできて。そこまで行ってようやく、ファンウェイははあ、とため息を吐いた。

 

「わかった、わかったよ坊っちゃん。ええ、ええ。精々楽しませてもらいますよ。だからそうやって腰動かさないで?すごい気持ちいいけど坊っちゃんの坊っちゃんがぺちぺち腹にあたってすごい微妙な気分になるから」

 

 僕の性欲に呆れたような、そんな言葉。でも見ればわかる、こいつだって気持ちいいのだ。僕が処女を喪った18年前からもう数え切れないぐらいヤってるんだからそれぐらいはわかる。

 でもそんな事は言わない。だってここまでお膳立てしたのだから……きっとここから、すごく気持ちよくなるのだ。

 

「ねえ坊っちゃん聞いてる?俺の話聞いてる?」

「うるさいな、わかったよ。その分ちゃんとすごく気持ちよくしてよ?」

「へいへい」

 

 言質を取ったので翼腕を縮め尻尾を解く。そうするとファンウェイが僕を突き刺したまま立ち上がり、ベッドまで駅弁姿勢で連れて行ってくれる。歩く度にポルチオがつんつんされてすごい気持ちいい。

 そしてベッドに横たえた僕の小柄な身体を、そのたくましい大柄な肉体でぎゅうっと抱きしめてきた。さっきの姿勢より更に奥までちんちんが押し込まれて、僕の性感帯をぐいぐい押してきたから思わず脚がピンと伸びてしまった。

 

「んあぁっ!そこ、そこぉ、もっとぉ!」

「言われなくても、やってやりますってっ!」

 

 パンッ!パンッ!と僕の小さく柔らかい体に彼の大きなしっかりした体が叩きつけられる。狭い僕の膣内(なか)を彼の太く立派なちんちんがハイペースで抽挿され、ピストンの度に僕の控えめな胸がぷるんと揺れる。

 竜人族相手の大きい体に抱え込まれるような正常位だと、小柄な僕のおっぱいがどうしてもフリーになっていけない。温めてもらうように抱きついて、控えめな胸を押し付けたい……のだけど、それをすると僕のちんちんが彼のお腹でぐちゅぐちゅって擦れちゃってすぐにイッちゃう。あと多分ファンウェイが萎えちゃう。他の仲間や適当に街に寄った時の男娼なんかは僕のちんちんを優しく扱いたりしてくれるのに……ファンウェイは性癖がノーマルすぎると思う。

 しょうがないので僕は翼腕を少し伸ばして自分の両胸や乳首を弄りつつ、空いた両手で包み込むようにして自分のちんちんをしごいていく。その間にも彼から離れないように尻尾を腰に緩く巻き付けてるから、温かい彼の太いちんちんが僕の中を満たし続けていてとってもイイ。

 彼の腰の動きが早くなっていく。ばちゅんばちゅんと淫猥な音が大きくなっていき、僕も気持ちよくなって腰を動かしていく。その間にも自分のちんちんをより強くしごき、亀頭を弄り、鈴口に指を入れて快楽に耽る。鱗で覆われた翼腕の硬い感触が柔らかいおっぱいをふにょんふにょんと揉みしだき、鋭い爪でツンツンと乳首をつつけば少し痛い、けれどその鋭い刺激もすぐに快感に変わっていく。

 ありとあらゆるところから快感が奔るのだが、それでも何か足りないな、とぼんやりと思って。そうだ、ファンウェイをもっと良くしてあげなきゃって思った。僕は自分の全部を弄れているのに、彼は僕の胎(なか)しか味わえていないのだ。それは不公平だろう。……それに、少しだけ気になることもあった僕は、僕を包み込むたくましい体の胸板に顔を寄せて、僕とは違う立派に鍛え上げられた大胸筋の先にある乳首をぺろ、となめて優しく吸ってみた。ずっとえっちし続けてるからわかる。こいつの乳首は普通に触ってもなにもないけど、こうやって口で弄ってやれば気持ちよくなってくれるのだ。

 

「くぅっ!?あっ、坊っちゃん、急にそんな────くぅ、すいません、抜いて──」

 

 あ、やっぱり外に射精(だ)そうとしてたんだ。そりゃ、責任取りたくないから外にっていうのはわかるけど……。…………。

 僕は彼の言葉を聞いて、緩く体に巻きつけていた尻尾を強く巻いて互いの身体を一気に引き寄せ──彼の先っぽの鈴口を、僕の奥の奥、子宮口にぎゅううっと押し当てた。

 

「!?坊っちゃん、離して、マズ────っ」

「何がマズいの?いいよ、ほら、膣内(なか)にちょうだい……?無責任に、生で、さぁ……!」

 

 だって膣内射精(なかだし)のほうが絶対に気持ちいい。僕の胎内(なか)にみっちり詰まったちんちんがびくんびくんと震えて、温かい精液が胎に詰め込まれる感覚はクセになる。大好きなファンウェイに愛されている感覚は、大好きなファンウェイが孕ませようとしている本能は何よりも気持ちいい。

 あの快楽もいっぱい味わってきたのに、今更外に出すなんておあずけは認められない。そんなことをしたらここまで昂った心がまた消化不良で終わっちゃう。そう何度も消化不良を繰り返したら……僕は良くてもファンウェイが良くない。大事な世話人兼先生で、何より好きな友達を腹上死させる訳にはいかないのだから、そう、これは苦渋の決断なんだ。

 そんな思いを込めて、僕はぎゅうっと更に奥まで詰め込んでくれるようにと体を押し付けて──あっ。

 

 ずぼん、とみっちり詰まってたファンウェイのちんちんが奥に入ってしまった。一瞬だけ呆けた僕は、しかし最奥に感じるその感覚で──脊髄の奥まで突き刺さるようなそんな快感で、一気に脳がスパークした。快楽で一気に全身が痙攣するように蠕動し、子宮(なか)に入った亀頭を、膣内(なか)を満たしている陰茎を一気に刺激してしまう。

 

 

「っ駄目だ、射精(で)る────!」

 

「あっあっあっ、良、いよっ、子宮(なか)に射精(だ)してっ、僕の、赤ちゃんを、作る部屋、ファンウェイのちんちんで、ファンウェイの精子で一杯にしてぇ!僕のお胎(なか)に、ファンウェイの赤ちゃん、ちょうだい────!」

 

 

 そんな下品な、自分自身を興奮させるような嬌声を上げると同時に。僕の子宮のなかに挿入(はい)った亀頭からどびゅううっと精液が吹き出して子宮の内側に叩きつけられる。僕の小さな子宮はあっという間にファンウェイの遺伝子でいっぱいになって、入り切らない分が2人の結合部からぶしゃっと溢れ出してしまった。

 僕の身体はそんな快楽に到底耐えきれず、自分のちんちんからも負けず劣らずたくさんの精液を吐き出して。ファンウェイにぶっかける訳にはいかないからと最後の理性を総動員して、翼腕と両手でいっぱいの精液を受け止めた僕は、自分の精液で白くベトベトに染め上げられた快感の中で絶頂の余韻に浸り続けた。

 

 

 

──────

 

────

 

──

 

─

 

 

 

「っはあ、あー気持ちよかった。ねえ、ファンウェイはどう?よかった?」

「ええ、気持ちよさと自己嫌悪でぐっちゃんぐっちゃんですわ」

「そっか、気持ちよかったなら良いや」

「坊っちゃんって基本自分に都合のいいとこしか聞かないよね」

 

 僕はすっごい気持ちよかったけど、ファンウェイも気持ちよかったようで満足だ。ちんちんがずぽんと抜けた後のぽっかり空いたおまんこからは白濁した精液がどぽどぽ溢れてくるけど、それ以上の量のファンウェイの精液が子宮(なか)に残っているのが感覚でわかる。きっとここで排卵したら妊娠するんだろうな。

 

「ほらファンウェイ、触ってみてよ。ファンウェイの精子がいっぱい詰まっててちょっと妊娠したみたいに膨らんでるよ。あはは、お腹たぷんたぷんしてる。ね、試しに何個か排卵してさ、赤ちゃん作ってみようか?」

 

 にやにや笑いながらそんな事を言ってみた。ぽこっと小さく張り出すほどにタップタプな子宮だ、いっぱい排卵したら4つ子とか5つ子とか、頑張れば10つ子とかデキちゃうかもしれない。一度に最大で何個ぐらい排卵できるのかは知らないけど。

 

 ……実は竜人族、というよりその昇格者(ハイランダー)である竜の特徴なのだが、卵巣から卵子を排出する、いわゆる排卵を自由に行うことが出来るのだ。だからこうやっていっぱい膣内(なか)……胎内射精(なかだし)されても妊娠するかどうかは射精(だ)された側が自由に選べるのである。

 

 この不思議な生態を最初に知ったのは、僕が昇格して竜になって少ししてからのこと。女の子としての能力を得たのに生理が来なかったことで、母さんが不思議に思ったのだ。その時は僕は生理なんて初めて聞いたからどういうものかを聞いて、赤ちゃんを作るための身体の機能なのだと知って。じゃあこの女の子な部分は外見だけなのかなと気になって。だから聖都で開かれる昇格者の集まりにお呼ばれした折に、主催者である叡智の主(ロード・ブレイン)に聞いてみたのだ。

 

 

『僕、生理が全然来ないんだけど……』

 

"脳みそに生理の話題振らないで?いやそれは置いておいて、竜人族の昇格者(ハイランダー)は特殊なんだよ"

 

 

 何がどう特殊なのかを詳しく聞いてみると、何でも竜人族の昇格者(ハイランダー)は竜人族や他のヒト以外に、なんと野生のドラゴン相手ともセックスできて、更に子供まで作れるらしいのだ。最初に聞いたときは度肝を抜かれた。

 野生のドラゴンは、まあ野生とは言うけど頭がいい知恵ある強者で、転生者でもちゃんと修行して鍛えてないと普通に返り討ちにあったりする。なんなら昇格者(ハイランダー)であっても油断できないような相手なのだが、縄張りや宝物に手を出さなければそこまで危険ではない。ドラゴンには手を出すな、というお父さんからの警句でしか知らなかったから、まさかそんな相手と致せるとは思わなかった。

 

"ドラゴン相手だと卵生、ヒト相手だと胎生になるのが竜人族の昇格者(ハイランダー)だ。これは元々知恵ある野生生物の極北としてドラゴンを作った後、竜人族の昇格(アセンション)先を後先考えずに設定丸コピしてドラゴンにしちゃった神が生物的な辻褄を合わせるためにそうなったんだが"

 

 生理は着床させるために分厚くなった子宮内膜が不要になり、剥がれ落ちる現象だという。だけどドラゴン相手の卵生用の卵子を排卵した場合、そもそも卵子が着床せず子宮の中でタマゴが形成されるのだそう。その排卵前にお腹に溜め込んだドラゴンの精子で受精させたなら有精卵、そうでなければ無精卵が作られ、やがて産卵する。この無精卵の産卵が卵生の卵子における「生理」であるらしい。ちなみに精液を胎内で保管する貯精器官もあって、保存(プリザベイション)に近い生態的魔法が展開されているので1年近く精液を生存させられるのでやろうと思えばいつでも妊娠できるらしい。僕の貯精器官には常にファンウェイの精液が500mlぐらい保管されてたりする。他の男の精液は保管してないのでそのまま子宮で受け入れて愉しむだけだ。

 ともかく、つまり子宮内膜が厚くなるのは「ヒト相手の卵子」を排卵するときだけで、「ドラゴン相手の卵子」の排卵時には生理が起きないということなんだとか。

 

"でもどっちの相手をいつするか、ってのは本能的には判断できないからね。ヒト相手だけなら周期的に同じ排卵を繰り返せば良いんだけど"

 

 ドラゴンの相手をする時にヒト用の卵子だと困る。ヒトの相手をする時にドラゴン用の卵子だと困る。だから特例として相手に応じて自由に排卵出来るようにしているのだそうだ。そしてヒト用卵子を排卵する時に限り、一気に子宮内膜が厚くなるらしい。

 

『僕が思うに、ドラゴンの姿だとドラゴンの卵子が出るってことにすればよかったんじゃないの?』

"脳みそが知る限り最古の竜人族の昇格者(ハイランダー)がさ、叩きのめした雌のドラゴンをヒトの姿でレイプしたり雄のドラゴンを逆レイプするのを愉しむあんぽんたんだったのが悪いと思うんだよな。そんな性格のやつが昇格(アセンション)しそうだったから神様が気を利かせてしまったんだよねえ"

 

 祝福を受けた転生者は大なり小なり歪んでいるらしいけど歪み過ぎじゃない?そりゃ確かにドラゴンに犯されるってどんな感じなのか気にはなるけれども……あれ、これヒトの事言えないな?

 まあいいや。そんなわけで竜人の昇格者(ハイランダー)である竜の僕は、卵子の産み分けができて、その副次効果として妊娠するかどうかが自由だということだ。

 

 ……これは余談になるけれど。子宮内に受精させてくれる精子がない時に敢えてヒト用卵子を排卵しようとしない限り、僕には生理が来ない。生理が来ないことを不安に思っていた母さんや姐さん方を安心させたかった僕は、その事をちゃんと丁寧に説明したのだ。その結果皆からはそれはそれはひっどい顔で睨まれた。生理を自在に操作できるどころかそもそも来ないように出来るのが羨ましかったらしい。大人の女性へのトラウマが増した気がする一幕だった。

 

 

 閑話休題。

 そんなわけで排卵自在竜の僕は、ファンウェイの事がそれこそいっぱい赤ちゃん作っても良いぐらいには好きで。だからからかい半分、本気半分で妊娠の提案をしてみたのだが。

 

「すいません俺まだ団長に殺されたくないんです止めてくださいお願いします」

「そんなに」

 

 毎度のことながらノータイムで断られた。父さんにボコボコにされることを想像したのか、瞳孔が見開かれて焦点が合わないぐらいに目線がぶれぶれしている。

 ちえー、と思いつつ。でも赤ちゃん出来るとこうやってえっちな時間を過ごせなくなるしな、とも思う。どっちであっても何か縛られちゃうのは、まあしょうがないんだけど。どっちにせよせめて自分で──自分たちだけで決めたいところだ。

 

 

 僕は夢を追っても良い、そう神様にお墨付きを貰えている。僕の夢は何かといえば、要らない柵なんて簡単に越えて自由に空を飛ぶこと。

 

 ──そして、仲の良い友達と一緒に、その自由な世界を往くこと。

 

 そのために、さしあたっては。

 

 

「あーあ、早く大人になりたいなー」

 

 

 前の人生、たったの7年。今の人生、まだまだ50年。

 あと10年くらい待って、大人になって。そうしたら、お父さんの反対なんて押し切って、大切な友達と共に飛びたいなあ、なんて。

 

 

 まだ温かさを感じるお腹を撫でながら、僕は鳥が舞う空をぼんやりと見上げ続けていた。




三重野 龍太(享年7)→リィロン(53):成嵐竜(グレーター・ストーム・ドラゴン)。男→男→ふたなり。146cm 79/52/77のDカップ ペニス長18cm(勃起時)
 元竜人族の男性。傭兵。団長の息子で次期団長予定。紫銀のセミロングストレートヘアの白皙の美少年兼美少女。殺人鬼の犠牲者。
 生前は日本人の男性で、ごく普通の一般家庭で生まれ育ったごく普通の子供だった。だが自分が産まれる前に父親が詐欺で収監されており、その刑務所内で起きた事件がきっかけで刑事であり殺人鬼でもあった「千堂 萬廣」に誘拐・監禁された。誰も助けに来ない中で必死に死にたくないと懇願するも聞き入れてもらえず、生きたまま指を切断された挙げ句に麻酔もなしに腹を切り裂かれて内臓を細切れに切除されたことで苦痛と恐怖と絶望の中で死亡した。
 祝福は「夢を追うことを諦めない」こと。憧れてた父親が犯罪者で、その父を持つ自分と友達になってくれた相手と抱いた夢が叶わぬままに惨殺されたことで夢や憧れを失いかけたためにそれを補正するための祝福であり、夢や目標を叶えるために躊躇わず行動できるようになる。
 かつての人生の影響で大人の女がトラウマであること、マトモな性教育もないまま死んで前世今世ともに第二次性徴を本格的に迎えることが無かったこと、生前が7歳という若さで死んだために傭兵基準の道徳観念しか無いこと、傭兵団の先輩であるファンウェイにエロ方面の知識だけは無駄に教えてもらったことなどが一緒くたになった結果、元男児の癖に男好きで男漁りと男遊びを繰り返すビッチと化した。下半身が緩いネームドキャラクター第1位。ゾンネと違い快楽と遊びのためだけに股を開くのを躊躇しないエロ生物。ただし本命はファンウェイ唯1人であり、今回のように遠慮しないのもファンウェイ相手だけ。他の男と遊ぶときはちゃんとムード作ったりお金払ったりしてるけどファンウェイ相手だとワガママに絞りに来る。フィジカル面が最強格なので心が満足しない限り延々とヤり続けるので相手次第だと腹上死が普通にありえる。
 実は戦闘力自体は昇格者(ハイランダー)全体でもかなり上のバトル系天才少年少女なのだが、昇格者(ハイランダー)が基本両性で見た目も良いため大体トラウマで勝てない。イヴェットに毎回負けてるのはそのためで、見た目がJCぐらいのゾンネとかならむしろ優勢に立ち回れたりする。

ファンウェイ(83):竜人族。男。202cm ペニス長21cm(勃起時)。
 リィロンの幼馴染であり同じ傭兵団の先輩。リィロンの事は弟分だと思っており、小さな頃からよく慕ってきたのでちゃんと面倒を見たり動きを教えたりした。教え始めて数年で上回られたけど祝福持ち転生者であることは知られていたのでそんなこともあるよな、ぐらいの認識。そのぐらいこの世界における「祝福」「昇格(アセンション)」「昇格者(ハイランダー)」は強力な存在だと認識されているのである。
 ただまあそんな幼馴染の弟分が30に差し掛かったあたりで何か深い悩みを抱いていたようだったので(トラウマのことは知らなかったこともあり)面白半分にエロ本とか貸したりしてエロ知識を身に着けさせて発散させてやろうとしたら、そこから5年後の35になったリィロンが空を自在に飛べるようになるとともに昇格(アセンション)し、その日の夜に逆レされた。当時のリィロンは戦闘機のパイロットのように自由自在に空を飛ぶ夢が叶ったことの高揚感と今まで溜まってた発散できなかった性欲が両性になったことで女性的な方面での性欲に転嫁できるようになり勢いのままに襲った。その日はファンウェイが一晩中絞られて死にかけたが、当時のリィロンは自分の生態をよく知らなかったので排卵等もしてなかったためにどうにか事なきを得た。団長にはぶん殴られたあと謝られたんだけど。以降は事あるごとにリィロンに襲われたり誘われたりしている。
 リィロンのことは嫌いじゃないけれど弟分として可愛がっていた部分が強かったこと、最初の逆レで普通に死にかけたこと、事あるごとに妊娠を仄めかすわ中出しを強要するわそのくせ他の男とも遊んでいるわ(ファンウェイも娼館に行くこともあるため人の事は言えないが)でなんとも言い難い。とは言え幼い見た目ではあるが美少女度合いは最高峰であり、かつノーマルな性癖でもギリギリ女に見れなくもないぐらいには「美しい」と判断できること、小さいながらもしっかりくびれてるし出るとこは出てるから結婚を拒否するってほどではない。但し息子が娘にもなったことで子煩悩になった団長が滅茶苦茶怖いのでちゃんと成人年齢までは責任取れないから抑えてねって必死に言い聞かせている。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。