性奴隷と長身巨乳リョナグロ背徳性癖倒錯ふたなりが純愛に堕ちるまでの話 作:PP→KP
しゅる、と衣擦れの音が草原に響く。
ザカリーが着込んでいたソフトレザーの鎧を脱ぎ、その下に着ていた下着も脱ぐ。
恥ずかしそうにしながら裸体を晒し、その上で私の服を少しずつ脱がしてくれる。
「──っ」
僅かに手が止まる。少しだけ生まれた魔力で最低限の傷(特にお腹周り)は塞いだものの、その痕が痛々しく残っていたからだろう。飾り布を剥がした後の布面積の少ない服にも穴が空いており、今にもちぎれちゃいそうだ。
「ザカリー……」
「……はい」
しおらしく名を呼んだことで、ザカリーが再び私の服を脱がし始める。
胸元のボタンを外したことで、自慢とコンプレックスが半々のおっぱいがぼろんとまろびでる。全裸で抱きつかれたときを思い出したのか、僅かに顔を赤くする。もっとそういう感情を向けて?甘くて美味しいから。
腰回りのスケスケのランジェリー様としたコルセットの紐を引いて、健康的と自負する腰(牙に貫かれた疵痕が痛々しくて、それを見たザカリーが顔をしかめた)が外気に晒される。もともと晒してるようなもんだけど、憎からぬ……ううん、好ましく思っている異性に脱がされて肌を晒すのはまた別だと思う。
そして──黒地の豪奢なフリルのついたマイクロスカートのボタンを外せば。ローライズの、鼠径部が丸見えの下履きが顕になる。性器を隠す以上の能力がないとすら言える女淫魔に流行りの見せるための豪奢な金飾りの着いたそれを、ザカリーはゆっくりと下におろして……。
ゴクリ、と唾を飲み込む音。ザカリーの申し訳ないという後ろめたい気持ちの中に、確かな興奮の感情が増えていくのが伝わってくる。
さっきまでだらんとしていたザカリーのおちんちんが、むくむくと大きくなっていく。お父様のそれと比較するようなものじゃないけど、それでも血管の浮き出たおちんちんは目で見るだけでも確かな力強さが感じられてドキドキする。
「わぁ……すごいね、男の子だ」
「や、止めてくださいよ……。それで、その……本当に良いんですね?」
少し腰が引けているザカリー。そろそろ覚悟を決めて欲しいとは思いつつ、そりゃ傷だらけの女性の捨て鉢とも取れるような「抱いて」なんて言葉を言われてハイそうですかと出来るわけがない。というかそういうヒトとそういうコトはしたくない。
でも抱いてもらわないと始まらないのだ。彼が私を助けてくれたっていう自覚を持ってもらって、ついでに私も素敵なヒトに
「もう……言ったでしょ。私を抱いて、私でいっぱい気持ちよくなって貰わないと魔力が戻らないんだって。……だから、お願い」
乙女心を理解して欲しい、そういう思いを影に込めて少し痛々しい演技をしながら言葉を紡ぐ。きっと彼からすれば本当にギリギリに見えるんだろう。実際はザカリーが私をいっぱい心配してくれた時点で多少マシになっているけれども、でもまあ全身が痛いのも死にそうだったのも事実だし、騙してるってほどじゃないからセーフだよね……?
「──っ、はい。俺、その、初めてで……あんまり、上手じゃないかも知れませんが、精一杯頑張ります!」
「あはは、なぁに、それ。……いいよ、いっぱい好きにして?」
覚悟を決めたように、私に体を寄せてくるザカリー。肌と肌が触れ合い、お互いの体温が伝わってくる。……すごくあったかい。というより、私の体温が下がってるのかな?
ザカリーもそんな私の身体に気付いたようで、責任感や覚悟、気合のような感情がビシビシ伝わってきた。
大真面目な顔で、キリッとした目で私を──私の大切なところをしっかりと見つめる。細く引き締まった腕で、力強い指で丁寧に自分のおちんちんを握って、角度を変える。
腰が寄せられる。身体が密着する。そして────ちゅく、と。湿った私の秘部に、彼の硬くなったおちんちんが押し当てられた。
「…………それじゃ、その……」
「ええ──優しく、ね?」
私は痛む身体を動かして、彼の首に腕を回して──そして、その凛々しい顔に、乾いた淡い唇に……ちゅ、と優しく口付ける。
まるで、それが銃爪だったとでも言うように。ずぶん、と、私の
「んぅ……っ♥硬、ぁい……っ♥おっきぃ……♥」
「くぅっ、手で、やるより、すごく……っ」
ああ、ついにやってしまった。年下の男の子を半分騙して、私は今セックスしているんだ……。
(まさかこんな形で初めてを経験するとは思ってなかったけど……。でも、気持ちいい……♥)
あったかい。お腹の中がポカポカする。剛直に貫かれて、まるで身体に芯が通ったような感触。そして粘膜の接触を介して伝わってくる、男の人の興奮と快楽の感情!
にゅぷ、と少し動く度に私の膣が彼に合わせて変わっていくのがわかる。少しでも気持ちよくなって欲しい、私で気持ちよくなって欲しい──そんな淫魔の本能のままに、私の女の子が、彼の男の子を貪るかのように最適化されていくんだ……!
「う、動きますね……!」
「うん……いっぱい動いて、私で気持ちよくなって……♥」
彼から溢れる快楽の感情で、私の魔力の回復が早まるのが手に取るようにわかる。本当はこれで体をしっかり治したほうが良いんだろうけど……。
(……でも、傷が見えている方が良いよね。ザカリーは私を治すためにって頑張ってくれるんだし、もっといっぱい気持ちよくならないとってやる気が出るよね……♥)
だから痛覚だけ誤魔化す。大丈夫、体の内部とか敏感な部分は先に治してたからえっちに支障は無い。
ずちゅ、とゆっくりと腰を動かすザカリー。まるで膣を愛撫されているかのような優しい抽挿は、その一回一回ごとに私のスポットを優しく刺激してくれる。
「あっ、あぁ♥すごい、優しくて、気持ちいい……♥」
「お、俺も……その、すごく、気持ちいいです……っ」
「本当?嬉しい……♥」
童貞だったらしいザカリーは私を気遣った優しいセックスでも相当に気持ち良さそうで、イくのを必死に堪えているかのようにふるふると震えている。彼の言葉と感情に齟齬はなく、真実私の身体で悦んでくれているんだと、その事実だけでどんどん火照ってしまう。
ずちゅ、ぱちゅ、と粘液の絡まるいやらしい音がお互いの身体に沁みていく。彼に合わせて変化した膣の最奥では、私の子宮の入り口が彼の亀頭と幾度となくキスをしている。
「あんっ、やぁんっ……♥奥、当たって……るぅ……っ♥」
「ぐ、すご、こんなの、俺……っ」
ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ、と肉が打ち付け合う音が草原に響く。遮るものが何も無い屋外で、まるで獣みたいに盛り合う。
彼のおちんちんが大きくなって私を激しく犯していくごとに、私の身体に彼の快楽が流れ込んでくる。淫魔の本能のままにより彼から快楽を絞り出せるようにと
「もっと、もっとぉ……♥」
「っ、はい、がんばり、ます……っ」
「うんっ♥頑張ろうねっ♥ふぁいとっ♥ふぁいとっ♥」
身体こそ大きいが年下の男の子だ。そんな彼が必死に腰を振って、私で気持ちよくなってくれているのが愛しくて、ついついあやすように応援してしまう。子供っぽい応援にむぅ、と不満げな顔を向けてくるのも可愛くて、ついついその顔におっぱいをむぎゅうと押し付けてしまった。
「むぐっ!?」
「ほら、おっぱいだよ♥ザカリー、私の裸で一番見てたもんね♥いいよ、いっぱい吸って♥ミルクは出ないけど、柔らかさは保証するから……♥あん、気持ちいい……♥」
むぎゅうと口をふさぐように乳首を吸わせて、そのまま柔らかくて大きなおっぱいに顔を埋没させる。彼の舌と唇が乳首を刺激してすごく快感だ。思わず彼の腰に脚を回して、ぎゅっと抱きしめてしまう。こうすると奥までザカリーのおちんちんが入ってきてくれて、まるで二人の身体が溶け合ったかのように錯覚してしまう。
おっぱいを吸わせたまま、ぐちゅ、ぐちゅと膣で彼のおちんちんを貪る私。もはや最初の「私の魔力を回復させるために私の身体で気持ちよくなって♥」という建前すら崩壊しかけている気がするがどうでもいい。
だって、ほら。
ひときわ大きくなった彼のおちんちんが、私の大切な子宮の入口に先っぽを押し当てているんだから……♥
「っぷはぁ!くぅ、俺、もう……すいません、抜きます……っ!?」
自分が
「だぁめ、
「い、いや……そんなことしたら……子どむぐぅ!?」
もしできたとしても、いざともなれば自分一人ででも育ててあげれば良い。ちゃんと稼いでるんだから……。
だから、私は彼の頭をおっぱいの谷間で挟み込んで抵抗できないようにして。鈴口と子宮口がみっちり口付けして、万が一にも外で
「大丈夫、今日は安全な日だから……ね?子宮にいっぱい頂戴……ザカリーの、こ、だ、ね♥」
彼の不安を和らげるように、心置きなく
「っ、くぅ、もう、すいません、
「うんっ♥良い、よ……っ♥あっ、あっ♥すごい、快楽、で、私も、イクぅ……っ♥」
私の最後の言葉がとどめになったんだろう。すいませんなんて言葉と裏腹に、腰を限界まで押し付けた彼のおちんちんがびくん、と私の
生まれて初めて経験した、自分にだけ向けられるその圧倒的な快楽の感情を直に浴びた私は。波のように押し寄せる肉体と精神の快楽に耐えるなんて出来るわけもなく、彼と一緒に絶頂を迎えたのだった。
「あ、はぁ……♥すっごぉい、セックスって、気持ちいい……♥」
いっぱい気持ちいいをくれた大切なヒトをおっぱいの間に抱え込んで、絶頂の余韻に浸っていた私はそうぼんやりとつぶやいた。
彼が私の身体を通じて得た快楽の感情は大変に膨大で、私の魔力も完全に……とはとても言えないけど、少なくとも回復魔法を十分に使えるだけの量は戻っている。
「はっ、はっ……はぁ、ふぅ。そ、その、中に出してすいません……」
「良いんだよ、ザカリーは悪くないよ。私がお願いしたんだもん、むしろいっぱい気持ちよくなってくれてありがとね♥」
「っ……その、はい、すごく気持ちよかったです……」
にへら、と笑えば顔を赤くしてそうボソボソとつぶやくザカリー。可愛いなあ……。
(……それにしても)
ふと、お腹の中にほんのり温かいものが注がれた感覚を思い出す。
小さい頃、お父様とお母様のセックスを見たときはもっともっといっぱい、それこそお母様のお腹が身体よりも大きくなっているんじゃないかってぐらいに膨らんでいた。お父様の射精は量も勢いも膨大で、最大でトン単位の精液を噴水のように吐き出してお母様の子宮に詰め込んでいたらしい。
最初にちゃんと見たセックスがそれだったからか、あるいは淫魔全体が射精の量も多ければ受け止める子宮や膣も柔軟だからか。私はああやってお腹が膨らむような大量の精液を子宮に詰め込まれて快楽を溢れさせたお母様の姿に憧れたものだけど……。
(なぁんだ、量なんてぜんぜん関係ないんだ)
ほんの少し、ではないんだろう。きっとこれが普通で、淫魔が種族的に特殊なんだと思う。まして魔力おばけでちんちんのデカいお父様は論外だ。
でも、お腹にあるのかどうかもよくわからないようなザカリーの射精を子宮に受けて。膨大な精液で妊婦みたいになるような、そういうのだから気持ちいいってわけじゃないんだって、今更だけどそう素直に思えるようになった。
(今日は本当に安全日だし、魔力が戻ったから後出しの避妊魔法も使えるから妊娠はしない。でも……)
好意を抱くヒトに抱かれて、好意を向けられて、気持ちよくなってもらえて、子供ができちゃうようなことをして。それがこんなにも素敵だとは思ってなかった……まあ、淫魔だからってのはあるだろうけど。
「あの、傷の具合はどうですか……?その、途中から夢中になってて、痛かったりしたら申し訳……」
「えっ?あ、あー、大丈夫大丈夫。ほら……」
そんな余韻に浸る私の様子が心配だったのか、呼吸を整えたザカリーが顔を背けながらおずおずと問いかけてくる。
もちろん、心配するようなことなんてこれっぽっちもない。魔力も戻ったし、セックスしてる最中に溢れてくる彼の快感の感情から得られた魔力で体内の主だった負傷はきっちり完治させている。今更だけど、自己回復が得意なお父様お母様(お父様は自分に限らないけど)の血を引いていてよかったと素直に思う。
だから、ほら、回復魔法で傷を癒やして……。
(……少しだけ傷を残しておけば、魔力足りなかったって言い訳してもう一回くらい出来ないかな?)
……イケるんじゃない?だってほら、ザカリーもそうだけどこの村の人達ってば淫魔のことを知らないわけだしさ。魔法使いだってほとんどいないのどかな田舎だし、うまいこと誤魔化せばさ、さっきみたいな気持ちいいこと、もう一回できるんじゃない?
「アビゲイル様……?」
「えっ!?あっ、うん、えっと、そうだなあ……今やってみるけどどうかなー、たりるかなー」
「…………あの?」
ヤバい棒読み過ぎたかな!?で、でもでも、いつの間にかとは言えこんなに好きになっちゃってるんだし、次いつ関係持てるかもわからないんだし……っ!
よ、よし、やるぞ……っ!
「あー、あと少しだったなー。ちょっとだけ傷のこっちゃってるなぁー。もう少しなんだけどなぁー」
「………………そう、ですか」
「そうだよ!だから、ね?あと少しだけお手伝いしてほしいかなあって……」
……後から思えば。いくら何でも当時の私は頭がパーになってた。
ハジメテを経験した高揚感、っていうのもあったんだろうけど。だけどそもそも村に泊まるようになってから3日が経過して、その間は私の立場を「貴族の巡視吏」としてしか知らないヒトとしか触れ合ってこなかった当時の私は本能的に飢えていたんだと思う。
それが一転。ヒトの少ない小さな田舎の村で、せいぜいが大蛇をやっつけたらしい、ぐらいの噂しか立っていない巡視吏としての立場しか持たなかった私に普段のような贅沢な栄養は与えられなかった。食事もしょうがないとは言え家でのそれに比べたら貧相だし……。
そんなわけで、有り体に言えば私は栄養に……特に感情から生まれる精神的な栄養に飢えていた。そんな中でかつての生活ですら味わったことのない私一人に向けた性的絶頂の暴力的な美味しさを浴びたことで、もっともっと、と雛鳥のごとく欲してしまっていたのだ。
だから、こんな明らかに嘘ついてますよ、もっとヤりたがってますよなんて性欲丸出しの言い訳を本気で通ると信じていた私は────。
ぐい、とザカリーの力強い腕で草原に押し倒された。
「──あれ?」
「…………ずっと、もう、なんなんですか……っ!俺だって男で、貴女みたいな美しい女性に近くに寄られて、裸で抱きつかれて……っ!ずっと、ずっと我慢してて……っ!」
「ザ、ザカリー?」
彼の身体に力が入り、プルプルとなにかを堪えているかのように震えている。
「なのに……っ!貴女は、貴女ってヒトは……っ!」
「ひゃんっ!?」
むぎゅっとおっぱいを鷲掴みにされて、乳首をきゅっと摘まれたことで変な声が出てしまう。彼から伝わってくるのは、怒りと、およそ今まで溜め込んでいたであろう先程より遥かに強い欲望──つまり、性欲だった。
私は今、ザカリーに押し倒されて、おっぱいを乱暴に掴まれて、そして────。
ずちゅ、と全然萎えていなかったザカリーのおちんちんが私に押し当てられる。さっきまでソレが
「あ────♥」
「俺、もう──貴女が、貴女が悪いんですよっ!こんな、俺、あんな気持ちいいことに誘って、我慢してたのに誘惑するから──っ!」
私に叩きつけるように叫んで、おっぱいを鷲掴みする手に力が入る。痛い──けど、それよりも、そんなことよりも──。
(そっか、そっかあ……♥ザカリーも我慢してたんだ、私と一緒で……セックス、もっとしたかったんだぁ……♥)
だったら、話は簡単だよね……♥
「私が悪いんだぁ?ふぅん……だったら、悪いコにおしおき、しなきゃだよね……♥」
「…………っ!ええ、やってやります、よっ!」
ザカリーがそう言うやいなや、ずぶんっ、とおちんちんが強く押し込まれる。
「っっっ♥一気に、奥に、当たってるぅ……♥」
じゅぶっ、じゅぷっ、とさっきまでの優しく、私を労るような丁寧な腰使いとは打って変わって乱暴な腰つきでおちんちんが私の
さっきまでの緩やかなセックスに合わせて降りてきた子宮口を押しつぶすかのように、彼の亀頭が何度も何度も奥まで貫いていく。
「あああっ♥奥ぅ、すごぉい♥そこ、もっとぉ♥」
「……っ、またそうやって誘って……っ!俺、俺は……っ貴女が初めてだったのに……っ」
あれ?ザカリーが何か意味深なことを言った気がする。ううん、どういうことだろう?奥を強くつつかれる感触が良すぎてよくわかんないよぉ……♥
「んぅっ、あぁんっ♥わ、たしも、貴方が初めてだからぁっ♥セックスがこんなにすごいなんて思わなかったのっ♥もっと、もっとしたかったのぉ♥」
「……えっ?」
えっ?
ザカリーの動きが落ち着く。おちんちんが私の
というか「えっ」て何?なんで止めるの?今いいとこだったのにぃ……。
「ザカリー、ねえ、誘惑する悪い子のおしおきなんでしょぉ?ほら、もっと激しくおしおきシて……♥」
「え、あ、え……?その、あの……あ、俺とするのが初めてだったってことですよね……?」
「えぇ……違うよ?ザカリー、さっき私の処女を捨てさせてくれたんだよ……♥ザカリーだって私を助けてくれるために童貞捨ててくれたんだもん、処女ぐらい捨てなきゃ……ね♥」
だから早く続き、って思ってるのに全然動かない。どころか顔面蒼白にしている。えぇえ……なんでぇ?
「あ、あの……俺、もしかしてとんでもないことを……っ!?」
「……じれったいなあ」
ぐ、っと体を起こして、逆にザカリーを草原に押し倒す。適性が低い強化魔法でもこれくらいは出来る。
そのまま抜けるギリギリまで腰を持ち上げて……一気にずぷん、と呑み込んだ。
「ちょっ……くぅっ!?」
「すご、硬い♥気持ちいい♥奥に当たってるぅ♥」
ばちゅんばちゅんと水音をリズミカルに響かせながら、彼に跨って腰を打ち付ける。おちんちんが奥に当たる感覚が癖になって、良い感じに角度をつけてグラインドをしてみたりして、どんどん快楽を追求してしまう。
本当はちゃんと彼に好きにさせてあげたかったのに、と思う。でもここまで来て止めるなんてのはもってのほかだ。この火照った身体は一回イくとこまでイかないと収まりがつかないよ。
「俺、待って、アビゲイル様……っ!」
「待てないよぉ……♥待ってたらザカリー、止めちゃうんだもん……♥」
子宮が彼の亀頭とキスをする感覚が気持ちいい。膣が彼を咥え込む感覚がたまらない。クリトリスが彼の毛にこすれる感覚が身体を痺れさせる。この感覚を知ってしまったら、お預けされるなんて私には出来ないよぉ。
──それに。
「──それに、ザカリーだって気持ちいいんだよね……♥」
「それはそうですけどぉ……いや、だからって……うぁっ!?」
だからも何も無い。気持ちいいんだから最後まで気持ちよくやってくれたら良かったのに。たくさんの快楽と、獣のような性欲と、そこに交じる暗い怒りの絶妙な配分が私をこれ以上無いぐらいに昂らせてくれたのに。
それをしてくれないんだったら……自分から気持ちよくなってくれないんだったら。もう建前も何も無視してでも、彼に気持ちよくなってもらわないといけないじゃないか。
だってこれは彼へのお礼で、彼自身に私を助けた自覚を持ってもらうための儀式で──今の私が、彼に与えられる一番素晴らしいと素直に思えるモノだ。
だから、受け取ってもらわないと。私の一番を、彼に捧げて──彼にそれを受け入れてもらって、何も気にせず思うままに気持ちよくなってもらわないと。そうしてもらえないと淫魔の王の娘の沽券に関わる!気がする!
はっ、はっ、と息を荒げ、騎乗位で上下ピストンの速度を上げていく。膣に力を入れ、ザカリーのおちんちんをいっぱいいっぱいしごいて、愛撫して、その先っぽを子宮の入口に押し当てる。
生き物のとして本能、それに基づく快楽。その全てを彼に感じて欲しい──そんな思いを込めて、私は彼に体を寄せた。
「ザカリー、ザカリー……!ねえ、感じてる?気持ちいい?お願い、気持ちよくなって?私で快楽を貪って?……私を助けてくれたんだから、私を受け取って……!」
「アビゲイル様……」
ぎゅうっと腰を、胸を、体全体を押し付けるように抱きしめる。
気持ちよくなって欲しい。快楽を感じて欲しい。私を助けてくれたことを理解して欲しい。
……たった3日なんて短い期間でしかないのに、こんな事を言っているなんておかしいんだって薄々理解している。戸惑っている彼を無理やり組み伏せている自分がおかしいんだって、正気に戻り始めている。
だけど、そんな理性は彼への想いで捻じ伏せる。彼を犯す快楽で押し流す。
貴方に助けられたことがどれほどの救いだったのか、どうしても、何をしてでも伝えたかったから。そのためなら──正気なんて後で考えれば良いんだ。
「きゃっ」
そんな私の様子を見たザカリーは、ぐいと私を押しのけてゆっくり優しく押し倒した。そして不器用な手つきで、丁寧に肩を抱き寄せた。
そしてそのまま、キリッとした表情で、私に顔を寄せてきて。
「……アビゲイル様」
「……うん」
「すいません。俺、恥ずかしい勘違いしてました。弄ばれてるんじゃないかって、そんな失礼なことを考えてました」
「…………」
……半分、いや7割方弄んでいた気もするけど。いや、根底には彼への色んな想いがあったのは事実だし口をつぐんでおく。
「その、今からでも……こんな俺でよければ、最後までヤらせてください。……貴女で、気持ちよくさせてください」
「……うん♥私の方こそ、お願い♥」
彼の真摯なお願いに、私もつい感極まったように目を潤ませて答えて。
そして、彼の純朴で、だけど私にとってはお父様よりかっこいい顔が近づいてきて、私はゆっくりと瞼を閉じる。
痛いくらいに身体が強く抱きしめられて、一番奥に熱が宿る。その感情のままに、私は彼と口づけを交わして。
そして、彼の思うままに──丁寧に、優しく、力強く犯された私は。またしても彼と同じタイミングで、お互いに絶頂の感情を解き放ったのだった。
──────
────
──
─
「本っ当に、ごめんなさい!!!」
「いや、その、頭上げてください!」
精神的にも性欲的にも満足して、ついでに肉体の痛みその他から開放された私は、それはもう即座にザカリーに全力で土下座した。
ワタワタとしたザカリーの声に恐る恐る顔を上げて、困ったような表情の彼と目線を合わせる。
「その、ごめんね。私その、初めてで、こんな気持ちいいって本当に知らなかったの……。本当は貴方に感謝の気持ちを伝えたくて、でも今の私に出来ることなんてこれぐらいだなって……、そしたらその、色々溜まってたりでつい……」
一応、身体を治したかったから魔力を回復したかったっていうのもあるけど……でもザカリーが来て私に感情を向けてくれた段階で死なないぐらいには治療できたことを考えると、やっぱり言い訳も良いところだと思う。少なくともお父様に知られたら怒られる。
だけどそんな私の言い訳を聞いて、ザカリーの眉間のシワが余計に深くなっていた。
「ええと、ですね。そもそも命がけで戦ってくれたのはアビゲイル様じゃないですか。その、途中で無理やりシてしまった身で言うのも間違ってるとは思うんですけど……あの大蛇を単身で、大怪我してまで討伐していただいたのに、そのうえ身体をこんな平民に捧げてもらわなくても良かったんですよ……?」
「そうは言うけど、皆を守るのは貴族として当然でしょ……?その上で助けてもらったんだから、だったら私からお返しをするべきだよね?」
お父様はいつもそう言ってるし、実際前線に出て他の兵士を助けたり、稀に出てくる相手方の
ザカリーたちは国や貴族の都合で振り回されて、家族を奴隷にされたりしてもそれでも頑張って生きている。そんな彼らに生活や立場を支えられて居るんだから、こういうときにこそ前に立つべきだ。
けどザカリーは難しい顔をしていた。あれ、この考え方が正しいものだと思ってたんだけどな……?
「え、ええと。その、アビゲイル様の考えは素晴らしいとは思います、はい」
「……そう?それなら良いけど」
なんか納得いってなさそうだけど、まあ肯定してもらえたなら良しとしよう。
よいしょ、とボロボロになった服を着直した。
「それじゃ、戻ろう?」
「お身体の方は大丈夫ですか?」
「勿論!ほらほら!」
乳首とか割れ目とかが見えないギリギリまで肌を見せつけて、傷がすっかり消え去ったことをアピールする。
ふふふ、顔を赤くして照れてるのがひと目で分かってとても楽しい。あー可愛いなあ。
「なぁに?もう全裸をいっぱい堪能して、2回も
「当たり前じゃないですかぁ!?」
顔を真赤にして叫ぶザカリー。その叫びで
私もここまで逃げるために乗ってきた
「ね、私も相乗りさせて?」
「えっ、でも鳥に乗れるようになったんじゃないんですか?」
「アレは魔法で良い感じに操作してただけよ。長時間は乗ってられないわ」
大嘘だけど。村ぐらいまでなら多分乗れるけど。でも良いのだ。こうやって一緒に乗って帰りたい気分なんだから。
「はぁ……まあ良いですけど」
「よろしい。それじゃ安全運転でお願いね?……あ、そうだ」
「?」
ふと、最初にザカリーと相乗りしたときに彼の名前を聞いたことを思い出した。
「私、アビゲイルっていうの」
だから、その思い出にさらに華を添えたくて。私は改めてそう名乗った。
「……?はい、ご存知ですよ?アビゲイル様」
「……むぅ」
何を急に、とでも言いたげなザカリーの顔。いやまあ、すでに名乗ってるのに名乗り直しても変に思われるのはしょうがないんだけど……。
だけど彼もこの1日で全然遠慮がなくなったように思う。思うからこそ、もう一歩遠慮をなくして欲しい乙女心を理解してちょうだい?
彼が名乗ってからこっち、私は彼をその名前のままに呼んでいるんだから。同じようなこの場面で、同じようにして欲しいのだ。
「だから、アビゲイル!人前では難しいだろうけど……私のことはアビゲイルって呼んで?」
「えっ、いやいやそれは……」
「呼・ん・で!!」
ぐっと顔を寄せて、絶対にそうしろと言わんばかりに彼の目を睨みつける。祖母に似た美少女顔でどこまで通用するかは不明だけど。
困惑した様子の彼はずいぶんと悩んでいたが、やがて観念したかのようにゆっくりと口を開いた。
「ええと、それじゃあ、よろしく……アビゲイル」
「ええ、よろしくねザカリー♪」
敬語までやめてくれる私の願望への理解力の高さを褒めるべく、私は彼に口づける。
再度真っ赤になった彼にクスクスと笑いかけて、そのまま体重を預けて相乗りの帰路を楽しんだ。
で、ザカリーの家に帰って。流石に家でもう一回なんて恥知らずな真似は出来なかったので水浴びして、念の為後から使える排卵・着床を阻害させる避妊魔法を使用して。割れ目からザカリーの精液が漏れないように丁寧にショーツを履いて。
そうして、彼の姉が使っていたというベッドにぽすりと横たわる。
(……明日、手紙が領都のアルフレッド族伯祖父様の元に届く。そしたら遠隔念話であっというまに王都に話が通って、きっと誰かが迎えに来る)
王都には転移ゲートがあるから、ここから一番近い市場のある街ぐらいまではあっという間に来れるだろう。街と村の距離は精々馬で1時間ってところだし、街で馬車を借りても明日中には王都への往復も出来るはずだ。
……郵便ギルドに頼んだ手紙は、王都どころか領都に届くのにすら4日も掛かるのに。こういうところでも自分が恵まれていることを実感する。
そしたら、ザカリーとはお別れだ。
(……いや、諦める気はないけどね。代官になるにせよならないにせよ、私はザカリーを諦めない。でも……)
でも、ザカリーを村から引き離したら。そうしたら、ザカリーの両親は貴族の都合で二度も子供を連れ去られることになる。
ザカリーの家は基本的に放牧メインの農家としての能力しかない。技能奴隷みたいに必要としているヒトが連れて行くならともかく、代官屋敷で、領都で、彼の両親が出来る仕事なんてほとんどない。
だから、というわけではないが。肝となるのは彼の姉、この部屋の本来の主だ。彼女を見つけて、もし連れ帰ることが出来たなら……その時は、ザカリーを連れて行っても許されるかも知れない。
もしそれで駄目だったら……その時はお金かけてでも代官屋敷にこっそり転移ゲートを設置して簡単に里帰りできるようにする。彼のもとに通い妻してやる。いいや、むしろ代官になるをの止めて彼の元に嫁ぐっていうのも……。
「うへ、うへへ……」
本来は彼のお嫁さんが受け継ぐべき刺繍も覚えてるしイケるんじゃない?なんて妄想をしながら、私は大変で、とっても充実した1日を終えた疲れのままにあっという間に夢の世界に旅立った。
「それじゃあ、お騒がせしました。お嬢様がポンなもので助けていただき本当に感謝します。……ほらお嬢様も」
「私はジェニュインが来る前にちゃんと挨拶したわよ!……でも、本当にありがとう。私がこうやって迎えに来た従者と軽口を叩けるのも皆のお陰よ」
ペコリ、と頭を下げる私の従者のジェニュイン。フローレンスの次女で、幼い頃から一緒に遊んでた従者だから遠慮がない。
村の皆はといえば、王都の淫魔の貴族というなんか色々緩い環境で育った従者の主人への雑な対応と、それを咎めることもない私に驚いているようだった。
「いやいや、寧ろアビゲイル様が領主様の御息女であらせられましたこと、気づけませんで大変申し訳有りませんでした……」
「ああいえ、それは良いんですよ。アビー……ゲイルお嬢様が名乗ってなかったみたいですし。そもそも今回は新人の巡視吏としての立場でしたので気にするだけ損ですよ」
村長がペコペコと頭を下げる。いやあ名前も伝わってないだろうししょうがないんじゃないかなぁ……?と私達は思ってるんだけど、彼らにとっては流石に無礼だと思えることではあるらしい。まあこの村がウチの領地に編入されたのもたかが20数年前の話だし、早々常識が変わることもないか。あとこの従者人前で愛称で呼びかけたのは流石に咎めたいんだけど??
そんな事を話しながら、この村でお世話になったヒトや話を聞いたヒトたちに感謝をしていき……そして最後。ザカリーとその家族の前に立った。
「それじゃあ、本当にありがとうございました。あなた達のお陰で、私はこの村でも不自由なく、楽しい生活を送ることが出来ました。……ありがとう、ザカリー」
「……はい、アビゲイル……様」
む、と思うけど人前だしなぁ。彼も少しだけためらったみたいだし今回はセーフにしておこう。
それよりも、と私は居住まいを正して本題に入ることにした。
「それで、その……お礼、というわけではないんですが。……あなた達の家族で、奴隷として王都に連れて行かれた方のお名前と特徴をお伺いしてもよろしいですか?もし先方が問題ないのであればこの村に連れて帰るか、そうでなくともある程度容易に行き来できるように便宜を取り計らいたいと思っているんです」
「え……その、よろしいんですか……?」
おずおずと不安げに、だけど確かな希望を持った声音で聞き返してくるザカリーのご両親にしっかりと頷く。
私が今の領主の長子であり、先代領主の初孫であることは迎えが来た段階で周知済みだ。だからこそ、そこらの貴族より遥かに大きな……それこそ、この地を領主一家の指示のもとで治めてた代官一家よりも大きい権力を持っていると認識していることだろう。だからこそ、それほどの力を持つ貴族が探してくれるのであれば、と思ったに違いない。
彼らが顔を見合わせ頷きあうと、ザカリーのお父様が一歩前に出た。
「それであれば……是非、お願いしたいです。20年以上も前に奴隷にされて、生きているのか死んでいるのかもわからなくて……。もし生きていて、王都で生活できているのであれば無理に帰ってこいとは言いません。ですけど、それでも……元気にしているのかだけでも知りたいんです……!」
「……必ず、情報を追って、草の根をかき分けてでも探し出してみせます。領主の娘、アビゲイル・ゼヌニムの名誉に懸けて」
彼らの切実な思いを受け止めて、私は己の立場を明確にする。親の力を使おうがなんだろうが絶対に探してみせると宣言する。
そんな私の顔を見たザカリーのお父様は、感極まったように涙を浮かべ、ゴシゴシと袖で拭いて──赤くなった目元でしっかりと私を見据え、少しずつ語り始める。
「──連れて行かれたのは23年前、当時10歳だったわたし達の娘です。頭が良くて、気が効いて、運動もできて、器量良しで。刺繍も、歌も何でも出来るすごい子で……家のことをたくさん手伝ってくれた優しい子でした」
「だからこそ、奴隷にされてしまいました。何でも出来たから、だから王都でも奴隷として売れるだろうって。子供だから村の仕事の影響は少ないだろうし、頭が良いからどこでも買い手がつくだろうってことで……っ!」
語っていくことで、当時のことを思い出したんだろう。語る声音に涙がまじり、ザカリーのお母様の堪えるような嗚咽が響く。
私は思わず拳をぎゅっと握りしめていた。これが、これが私達が築き上げてきた世界であり、責務なんだ。だからこそ、取り返せる限りは絶対に取り返さないと────。
「お願いします!奴隷にされた娘──
「はい────────えっ」
────えっ?
ちょっと?ゼノヴィアって名前はメチャクチャ聞いたことあるよ?頭が良くて何でも器用にこなせる美人な黒髪の人間族ってすっごい覚えがあるよ?
ええと、まって、待って?よし、落ち着こう。こういう時こそ冷静にならないといけない。落ち着けアビゲイル・ゼヌニム。まず私は22歳で、ザカリーのお姉さんのゼノヴィアさんが連れて行かれたのは23年前だ。その時連れて行かれた奴隷のゼノヴィアさんは10歳だから、もし同じ名前の私のお母様がそのゼノヴィアさんだったとしたら10歳で私を孕んでないとおかしいって計算になるよね?
(──お母様じゃん!?お父様が10歳のお母様を性奴隷として買ってからずっと犯してて、奴隷にして3ヶ月で私を孕ませてたじゃん!?)
ちらり、とジェニュインを見たら顔面蒼白なジェニュインと目線が合ってしまった。あっ、やっぱりそうなんだ……。
ってかどうしよう!?私の未来予想図にいきなり暗雲が立ち込めてきたんだけど!?ザカリーのご両親にお姉さん見つけてきた実績を報告することで晴れてお付き合い!結婚!って私のプランが一瞬で砂上の楼閣になったんだけど!?
『娘さん見つけましたよ!なんと私のお母様でした!領主になる前のお父様が性奴隷として買い付けて10歳の頃から20年以上犯し続けてきてました!私はお母様が10歳の頃に妊娠して11歳の頃に産んだ長女です!つまり貴方たちの孫です!ところで奴隷にされていたゼノヴィアさんを見つけたので私より年下の息子さんのザカリー君と結婚させてください!血縁上は叔父と姪の関係ですけど大丈夫ですよね!』
(無理だぁ────っ!)
ちょっと脳内でシミュレーションしただけでわかる。無理だよこんなの!どうすれば相手を納得させられるの!?
「あの…………?」
「あっ、はい!大丈夫、絶対見つけますよ!ええ絶対に!吉報を期待していてください!」
えっ、って言ってから急に黙った私を不思議に思ったであろうザカリーの両親に慌てて答える。
(うう、見つけるって言い切っちゃった……)
いや、見つけるも何も見つかってるんだけど。見つかってる相手が問題なんだよ、主に複雑な血縁関係が……っ!
とはいえ……私の力強い回答に手を取り合って涙を流しながら喜んでいるザカリーの両親を見てしまうと……やっぱり、ちゃんと報告してあげないといけないってことは思うわけで。
(……うう、サヨナラかも知れない私の初恋……)
顔だけ笑顔で頷きながら、心で滂沱の涙を流す私。昨晩に避妊魔法使わなきゃよかった……。
と、そんな私に近づく1人の人影が。
「アビゲイル様、ありがとうございます……何かありました?」
「ううん、なんでもないの。あなた達が悪いわけじゃないのよ……」
「……?」
うう……ザカリー優しい。私の態度が変なことにも気付いてくれて本当に好き……。
(……ザカリーが私の叔父さん、かぁ……)
確か今は16歳だそうだ。ここいらだと成人年齢だけど、王都だとまだ成人とは言わないぐらいの青年期。
お母様……自分達の娘が奴隷にされて、心に傷を負いながらも家の資産を再度増やして、それで高齢になった両親が待望した最後の子供。とてもじゃないが無理に王都に引き込めるようなヒトじゃない。
私の命の恩人で、初恋で、初めてのヒト。それがまさか叔父さんにだったなんて……って言っても、そんなことで諦めたくはないんだけども。ううん、クリスとケイトを悪く言えないなあ、こんな事を考えるようじゃ。でもしょうがない、恋心は止められないんだから。
(よし、最悪の場合は家族の縁を切るしかない……っ!)
お父様もお母様も大好きだし、バーティもクリスもケイトもダイアナもダリウスもアカシアちゃんも大好きだ。
でももし家族の縁があるからザカリーと付き合えない、なんてなったら耐えられない……っ!
「ねえザカリー……お姉さんが見つかったら、一緒にちゃんと話しようね?」
「えっ……あっ、はっはい!」
きっと私が言っている内容と彼の思っている内容は違うんだろう。ザカリーの顔赤いし。
でも、今後もそういった付き合いをするかもってところに満更でもない感情を抱いてくれていたことは嬉しかったので、頑張って前向きにお付き合いできるように努力しよう。そう思いながら、ジェニュインと一緒に馬車に乗り込んだ。
馬車の窓から村の皆に手を振る。走り出す車窓から見える皆は、優しく手を振り返してくれていた。
そんな彼らの姿を見えなくなるまでしっかりと見つめ続け、地平の向こうに消えた辺りではあ、とため息を吐いて座席に深く腰掛けた。
「お嬢様、あの村が本当に気に入ったんですね」
「そう!本当に穏やかでね、皆大変なのに一生懸命でね……」
村で起きたこと、思ったことをジェニュインに語っていく。
聞き上手なジェニュインは時々合いの手を入れながら楽しそうに話を聞いてくれた。
「それでね、ザカリーと……って、これは駄目だった」
「ああ、ヤッたんでしょ?駄目ですよお嬢様?専用の香水もない場所だからちゃんと中まで洗わないと獣人の鼻を誤魔化せませんって」
「!?」
そうなの!?ヤバい、全然知らなかった……っ!
「ってことは村でも気付かれてたかな……」
「まあ一部には気付かれてたでしょうね。それで、どうするんです?私は応援しますけど、応援ぐらいしか出来ませんからね?」
「分かってるよぉ……でも好きになったんだから頑張るしかないじゃない……」
諦めるなんて無理だ。少なくとも明確にザカリーに断られて失恋するまでは自分から諦めるなんてことは出来ない……うっその場面想像して心が……。
「なに勝手に変な妄想してダメージ受けてんですか。っていうか、あちらさんに恩を売って良い感じに持ち込もうって策だったと思うんですけどマジでどうするつもりなんです?当主様、奥方様への執着半端ないですし連れ帰るなんて無理では?」
「そこはまあ、里帰りぐらいなら認めてくれるだろうし。お父様もアレで良識があるからね。負い目を山程抱えてると思うから事情をちゃんと説明すれば大丈夫でしょ」
そう、それは問題ない。お父様はお母様周りの性奴隷だとか性欲だとかそこら辺を除けば良識も常識もしっかり持ち合わせている。自分でお母様を奴隷にしたことでその家族が悲しんでいる、帰ってこなくてもいいから一目会いたい……って話して通らないってことはまずないだろう。
だから問題はお父様がお母様を10歳の頃に性奴隷にしてメチャクチャに犯して、結果として10歳の時に私を孕ませてしまったって点だ。そこら辺もちゃんと良い感じにカバーストーリーを作らないといけないけど……まあ至難の業だろう。
「ホントお父様何考えてそんな事したの……いやそうしないと私が今ここにいないんだけどさぁ……」
「きっと今のお嬢様同様に何してでもそう言う関係になりたかったとかじゃないんですか?」
「まあそうなんだろうけど……でもどうしようかなあ……どうすればいけるかなあ……」
血縁関係のある私とザカリーがすでに肉体関係を持ってしまって、そう言う関係になりたいって主張する。ザカリーの両親からすれば私は性奴隷にされた娘が産まされた孫という立場になるわけで、そんな女がザカリーまで連れ去ろうとしているって方向になったら不味いだろう。そこら辺の調整もする必要がある。
「あーもう、考えることが山積みだあ……」
「まあがんばってくださいよお嬢様。ファイトー」
「もっと応援してよぉ」
「ファイトー☆」
うだうだと働かない頭で幼馴染と今後のことを雑談のように話し合う。
今すぐの解決は見られないかもだけど、取り敢えず家族会議をして、必死であちらをとりなして、そして交際を認めてもらう。そんな感じにまとめたところで、ふと気付いたことがあって口端から笑いが漏れた。
「……ふふっ」
「お嬢様?どしたんです急に」
「なんでもなーい」
家族で話して、相手の家族とも話して、そうしてお付き合いを始めるだなんて。まるで只の──ザカリーと同じ、庶民になったみたいで、それがどうにも面白くて。そんなことで、やっぱり前を向いて頑張ろうと思える私は楽観的なんだなって素直に思えた。
笑うことを堪えきれない姿を訝しむ幼馴染を適当にいなしながら、私はなんとかなるって自分を鼓舞しながら自分の家への帰路を進むのだった。
アビゲイル・ゼヌニム(22):淫魔。女。
出会って3日で初恋の年下の叔父相手に処女を捧げた女。運命の出会いを信じやすい恋愛脳だけどどっちかって言うと吊り橋効果だと思う。興奮するとハートマークがいっぱい出る。ちなみに最初に出会った時にやたら気にしてたのはアビゲイル自身がマザコンであり、母の兄弟であるザカリーの顔立ちや魂に薄っすらと母親の面影があったから。とはいえゼノヴィアは転生者なので通常の兄弟に比べて魂の近似性は小さかったこともあって自分から気付くことは出来なかったんだけど。
この後家に帰ったら両親相手に母方の実家への里帰りをするように主張。恋愛関係には鷹揚(と言うか過去のこともあって恋愛を否定したがらない)な母親ことゼノヴィアを主軸にイヴェットを説得する予定。そのあと叔父と姪の関係だっていう事を相手に証した上でお付き合いするためにこの世界の生物学上問題はないというエビデンスを集めるために東奔西走するようになったりする。
ザカリー(16):人間。男。
本編主人公のゼノヴィアの弟。出会って3日で救命のためとはいえ年上の姪を相手に童貞を捨てた男。美しく露出過多で極めて女性的な距離がクソ近い年上の女性であるアビゲイルをそれはもう大変に意識しており、それでも貴族相手だしと頑張って丁寧に対応してたらなんやかんやあって童貞を捨てることになった。2回戦のあたりで純情を弄ばれたと思ってそれでも我慢できず乱暴にしたら実は相手も初めてで気持ちよかっただけっていう事実を知って怯んでしまった。そしたらお預け食らったアビゲイルに逆に犯されて、最終的にはその真意を知って丁寧に本気で抱いた。
精神的にはもう完全に堕ちてると言うか「このヒト絶対俺のこと好きでしょ」って思い込んでしまっているが全く持って正しい状況認識。その上で貴族なんだしと丁寧に対応しつつふたりきりになるとちゃんとタメ口で呼び捨てという素の態度で対応するようになる。なんだかんだやさしい。
ジェニュイン(21):猫獣人。女。
イヴェットの従者フローレンスの次女でありアビゲイルの幼馴染で従者。フローレンスに比べて色々軽い性格で主人の扱いも軽い。ただしあくまで友人同士だから軽い態度であるだけで家と主人への忠誠心は重く、今回も率先して迎えに来てくれた。ただ迎えに来たら匂いでガッツリヤッた事が分かってしまって「こいつマジか……」って思った。その後でその彼氏らしき相手の家からの爆弾発言に「これやばくない?」ってなった。でもアビゲイルが諦めないっぽいから応援してる。
イヴェット・ゼヌニム(56):
ゼノヴィアを奴隷にしたことが巡り巡ってエライことになった。娘の恋路は邪魔したくないけど流石に駄目でしょ、とは思うものの負い目盛り沢山なので結局許さざるを得ない。寧ろどうやって相手の親に自分の所業を謝罪するかで頭を悩ます羽目になった。
ゼノヴィア・ゼヌニム(33):人間。女。
今回の主人公の母でヒロイン(?)の姉という複雑な立ち位置にいる本編主人公。ただクリスとケイトの時と同様恋愛には鷹揚というかかつての自分がヤバかった自覚があるから他人に口出ししようとはしない。でもちゃんとお互い同意の上でね?とは思っている。この作品では珍しくこいつが原因ではない。基本的に好きな人に尽くしたいという自分の欲望が優先であるため、20年以上前に離れ離れになった両親の事を気にしてはいたけどイヴェットの心的負担になると思って口に出したことはなかった。