性奴隷と長身巨乳リョナグロ背徳性癖倒錯ふたなりが純愛に堕ちるまでの話 作:PP→KP
時系列:100年以上後。
「……んで、こやつがどうやってか主の隠蔽を貫通してついてきておったからつい取っ捕まえてしもうてな。どうしたもんか悩んだからこうして……な?」
"僕の前に連れてきたってこと?ええー、いやまあ良いけどねえ"
拝啓、デカパイのお乳上お母上。俺は今荒縄でぐるぐるに縛られて岩肌がゴツゴツな洞窟の床の味を噛み締めています。
眼の前で呑気そうに話しているのは、せいぜい130cmあるかどうかっていう子供っぽい転生者。
路地裏に子ども一人で入っていったから心配になってついてきてたらいつの間にか変な洞窟に入ってしまってグルグルに縛られてこのザマだ。どうして……どうして……?
「どうしてもクソもなかろうよ。というかなぁにがいつの間にか、じゃ。わざわざ魔法か何か使ってまで隠蔽突破しおってからに……」
"純粋な魔法の腕ってより祝福込みの術式かな?いずれにせよ面白い使い方だねぇ"
その子供っぽい転生者の相手をしているのは、多分……脳みそ、かなあ。デカすぎてイマイチ全景がつかめないけどしわしわブヨブヨの肉塊って感じはいかにも脳みそだ。いやホンモノは見たことなくて人体模型とか解剖図とかのイメージだけで語ってるんだけどさ。
"それで、君は……その見た目的にイヴェットとゼノヴィアの子供だろう?どっちが母でどっちが父かはわからないけど。というか祝福持ち転生者なのに僕との面会を済ませてなかったなんて、あの2人もうボケたのかな"
「いやぁボケるのは早すぎるじゃろ。まだ100年かそこらであろうに」
どうやら父さんと母さんを知っているらしい。まあね、見た目似てるもんね。俺だってデカパイだし、何なら父さんには勝ってるし……父親にバストサイズで勝ち誇るっていうのも虚しい話だ。
それはともかく。
"んで、君ってばなんでこんなところに?ほっといても祝福持ち転生者ならいずれ招待するのに"
「…………」
"おーい?"
何度も呼びかけられる。いやその、答えたいんですよ?答えたいのはやまやまなんですけどね?
「だったら答えりゃよかろうよ」
"うんうん。なんだったらここで
それって今は頭で答えられないってことでは…………?
「
「あ、しまったそうじゃった。ついてきた理由はまとめて釈明させよう思て顎外しとったんだったわすまんすまん」
"ちょっと??"
悪い悪い、なんて鈴を転がすような声で軽い謝罪の言葉を響かせた少年の細く小さな指が俺の顔に充てがわれ、そのままがこ、と痛みの1つもなく顎が嵌められる。痛みがないのが逆に怖いんだよ……。
(おかしいなあ、今日は楽しい観光だったはずなのに……)
もう見るからにヤバそうな人らにとっ捕まってしまい、これからどうなってしまうんだろうと俺は思わず半泣きになってしまった。
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俺の人生は良く言えばクソ、悪く言えばゴミだった。つまりどうしようもないぐらいに嫌なことしかない人生だったのだ。
女の子が欲しかったから、なんて夢見がちな両親によって俺は小さな頃から女物の服を着せられ、女っぽい立ち居振る舞いを強要された。というか男っぽい振る舞い方を教えられないまま育った。父親の語り口からかろうじて一人称を「俺」に留めることが出来たぐらいだろう。
学校に通うときもずっと女物。小学校ではスカートを履かされてそれはもう手酷いいじめを受けたもんだった。中学や高校はかろうじて制服が許されたが、私服も寝巻きも下着に至るまで女物で揃えられた。朝の通学で駅の多目的トイレで服を変えるのが学校生活のルーチンワークになるほどだった。
これで似合わなければ親も早々に諦めたんだろうが、忌々しいことに俺の顔立ちは女顔で身体も華奢だったこともあり髪を伸ばせば普通に女装できてしまったのだ。下手に似合うもんだから親に命じられるままに全身脱毛やら何やらまでされ、ひたすらずっと着せ替え人形みたいな扱いで。
んで、就職活動しようって時に当然ながらそんな見目じゃあ上手くいくわけもない。子供の頃から女物だけ着せられ、立ち居振る舞いも女のそれを強要され続けた俺はその所作が染み付いていたらしく、頑張って男っぽく振る舞おうとしてもふとしたところから女らしい動きが出てしまっていた。
これでもし俺が性同一性障害とでも診断されてれば一周回って障害者枠とかで採用もあったかもだが、そんなわけもなく自分では男のつもりだったのだからなおさら違和感が酷く、その挙動を見て面接で落とされてばかりだったわけだ。
『……あのねえ、いつまで女の子のつもりでいるの?ちゃんとそれらしく振る舞わないといつまでも就職できないわよ?』
──就活が上手くいかない俺を前にして、クソアマがさも親でございって顔でそんな妄言垂れ流すもんだから。
俺は、そいつを刺して。
殺人未遂で逮捕されて。
もう何もかんも嫌になったから看守の隙をついて自殺したのが俺という人間の22年に渡る人生だったわけだ。
今にして思えばあの牢獄は俺をきっちり男の囚人として扱ってくれてたなあって思う。もう少しあの中で生きてれば良かったかな……なんて今でも思えてしまうぐらいろくでもない人生だったのだが、そんな俺に転機が訪れた。
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『んで、あんたそれで死んだわけ?ふーん、どんまい』
『そんな悲しい人生送ってきたあんたになんと!新しい人生をプレゼントしちゃいまーす!いやー神様やっさしー!』
『は?お前の何処が神なのかって?』
『……えっとねー、私はあんたのイメージする"神"をベースに構築された仮想人格的な感じだからさあ』
『つまりあんたのイメージする神はラノベで人間馬鹿にするような神ってわけ!』
『あ、あとクソみたいな現実の神なんてこんなもんだろ?みたいな諦観もあるかなー』
『言っとくけど私はあんたの世界の神じゃないのよ。次行く世界における神みたいなものなの。OK?』
『今の世界の神に文句言いたい?いるわけないじゃんそんなの!ぷぷー、マジで神様なんて信じてるのー?』
『何その顔……いや顔無いけど。ま、いいわ。そんじゃついでに祝福あげるわね』
『そう、祝福。あんたみたいなのにはチートとかそういう言い方のがいいかしら』
『えーと、それであんたにあげるのは……そうねぇ……』
『──あんたは"自分を貫けるようになる"といいわ』
『ええ。あんたが今まで苦労した人生より更にぶっ飛んだ環境で、それでも自分を貫くことが許されるようになれるわ』
『だからせいぜい、自分を貫きなさい。自分の望む、瑕疵のない真っ直ぐな自分をね』
『以上、神様でしたー!ばいばーい!』
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で、転生したわけ。
最初はあんな人生よりぶっ飛んだ環境なんて無いだろって思ったし、普通の親元で普通に育てばいいじゃんって思ってたんだけど……。
「んんっ、は、ぁ。ああ、ゼノヴィア、見て、私達の赤ちゃんだよ」
生まれて初めて目を開けて、最初に見たのは超が着くほどの美人だった。はあはあと肩で息をする角の生えた彼女は全身そこかしこがデカい女で、汗で濡れた顔に艷やかな黒髪が張り付いていてすごくその、色気がすごかった。まあ当時は赤ちゃんだったのでそこまで深く考えられなかったけども。
でもまあ、この時はそこまで変じゃなかったんだ。
「ああ、見えているよ。ふふ、お父さんだよ……見えてるかな?どうかな?」
なんて言いながら横から顔を出してきたのは、赤ちゃんを胸に抱いた俺を産んだ人?と遜色ない美人で同じような黒髪で──同じように、でんと圧迫感すら覚えるデカい乳をぶら下げた女。
え?今この人お父さんって言った??
「あれ、なんかぼんやり困惑してるな」
「急に顔を出してしまったから驚いちゃったのかな、ごめんな」
そう言って優しげに頭を撫でてから一歩下がった自称父親はやっぱりその全身で「女」を体現していて、何なら胸に赤ちゃんを抱いていたこともあってまさに「母親」としか言いようがない。でも産んだのは間違いなく今俺を抱いているこのデカい女で……。
なんて困ってる間に赤子の我が身より重そうな超デカおっぱいの先端のきれいなピンクの乳首を咥えさせられた。色々混乱の中で飢えのような感覚のままにいっぱい飲んだのだけど後から後から溢れてきて、飲み終えて口を離してゲップをした瞬間に全身に母乳シャワーを浴びせかけられた。そのデカいおっぱい躾けとけよ!
まあそんなかんじで俺は生まれたわけなんだが……我が家はマジでぶっ飛んだ一家だった。
まず両親。母さんは淫魔族で女ではなく両性、ふたなりってやつだった。優しく抱きかかえられながら入った風呂で人間のものとは思えない(人間じゃないが。ついでに俺も淫魔だったが)巨根をだらりとぶら下げている姿に色々と度肝を抜かされた。
んで父さんはというと人間の女だった。父さんも一緒に入浴する時に俺と同い年くらいの赤子を抱いていたが、話を聞くに俺と同時期に母さんに孕まされた子で、俺より1ヶ月先に産まれたらしい。じゃあどうやって母さん(ふたなり)は父さん(女)に孕まされたんだよ!?って思って後で聞いたら性器を魔法で作ってたそうだ。頭おかしい……。
この2人がまずめちゃくちゃ性欲に溺れてた。一緒に風呂に入ってる間俺と姉はそれぞれの父親から授乳されていた(まずこの時点で頭がおかしい)のだが、そんな俺達を揺らさないようにしながら母さんがビンビンにおっ勃てたチンポを父さんにぶち込んで何度も何度も
……うっ、思い出してたらお腹がぎゅっとして痛くなってきた。何度か擦って落ち着けよう……っ、っ、……ふぅ。本当に子供の教育に悪いってレベルじゃないぞあの人ら。いや淫魔的には英才教育なのかもしれないけど。
次に兄弟姉妹。めちゃくちゃ多い。上は100歳超、下は(同い年の姉を除いて)5つ年上ぐらい。俺は母さんの32子で、姉は父さんの35子らしい。やっぱあの両親盛りすぎだろ性欲おばけがよぉ。
なんでも淫魔族は感情を栄養に出来るらしく、特に快楽などのプラス感情が好物なんだそうだ。だからセックスで性欲と食欲を同時に満たせるからエロくなりやすいし服装もエロいのばかりなんだと。
でまあ、そんなわけだから兄弟姉妹も皆どっか頭おかしい。俺以外の転生者の兄姉(祝福持ちではない。祝福持ちは当時67人いた兄弟姉妹の中で俺だけだった)とも見解の一致を見た。まあそう言いつつも転生者組もどっか性癖のネジが飛んじゃってるんだが。
いやもうホントやべーんだ。年の離れた兄姉に初恋をして破れてやさぐれるぐらいならかわいいもんで、年下の叔父と結婚したり同年に産まれた腹違い種違いの兄弟姉妹で結婚したりとヤバい性癖の枚挙に暇がない。
そんで皆当然のように美人なんだが、顔立ちも体型も皆して父さん母さんに似通ってるもんだから兄はどっか色っぽいし姉は直接的に色っぽい。そんな連中が薄着でうろつくもんだからそりゃもう現代人敵感覚を持ってた俺にとっちゃ大変で……うっ、また腹が……っ、……ふぅ。とりあえず落ち着いた。
とまあ、だいぶイカレポンチな一家だったのだが……それでも、かつての家より億兆倍はマシだと声を大にして言える。
「うん?男っぽくしたい?良いんじゃないか……というかその、女の子っぽい顔立ちに産んでしまってごめんな。私達どっちも女だからなのかどうにもな……」
「そこら辺はやりたいようにすればいいさ。肉体が男で性自認も男のフェイが男っぽくなりたいなんて健全なお願いならいくらでも聞くとも」
はいもうこれで神の如きお家でしたわ。まあまあ女顔だった前の人生と比較するのも馬鹿らしいぐらいに美女にしか見えない見た目に産まれた俺なのだが、そんな俺が男らしくなりたいと言って素直に応援してくれたのだから。その程度で神ってハードル低くないか?って思うかもしれないが俺にとってはもうそれだけで人生ハッピーだったのだ。
でまあ兄弟姉妹も皆なんも気にしないし、何なら前世ではとても学べなかった服選びやら男としての振る舞い方やらをしっかり教えてもらった上で自分の好きなように振る舞えばいいと励まされた。特に兄の皆から。聞けば兄さん達、女顔の美人すぎて女にもてなくて苦労したらしい。まあね、こうやって顔つき合わせても自分を含めて皆女にしか見えないもん。そりゃ苦労するか。
そんなわけで人生ハッピーになれる!神様にも後押しされてるし今度こそ自分を貫いて見せる!と息巻いた俺は自分の好きな格好をしたり、憧れのベリショヘアーにしたり(耳元がすごいスッキリした)とやりたいことをやった。まさに神さまの言うとおり、かつてよりさらに異常な家庭でかつてより自由気ままに──いわば、自分のなりたいあり方を貫くことを自分自身で許せたと感じた14の時。
俺は祝福を受け入れ──
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「って感じなんスよ!!!サンキューゴッド!ファッキン昔の家族!俺は自由だ!ってわけ!」
「こやつあっという間に馴染んだのぅ。いや良いけども」
"神の祝福ありきとは言え我が強いなあ……いや良いけどね。転生者はかくあるべきだよ"
いやあ最初はビビったけどめっちゃ話し通じるじゃんこのヒト?達。ビビって損したわ。
デカい脳は転生者の元締め的なヒトで
合法ショタさんは
「しかし主の話を聞くに男らしく有りたかったんじゃろ?ええんかそんな見目で」
「んぇ?あー、まあそう思うっスよね」
──だが、違うのだ。
「良いっスか?俺は男です」
「おう」
「例え頭より重いでっけえおっぱいが2個ついてようがすっげえ細くくびれたすべっすべの腹があろうが丸くてデカくて揉み応えのあるプリンとしたでっケツがあろうが男です」
"うん"
「つまりこの身体は俺という男が好き勝手出来る理想の美女なんですよ!!」
「ごめん意味わからんわ」
ふ……チンポを持たぬものにはわからないか、この領域の話は。
"なんかすごい馬鹿にされているようで一周回って馬鹿をひけらかしてるよねこの子"
「思春期なんじゃろうなあ」
酷くない?
まあそれはともかく、このデカパイで竿も穴もついてる身体は間違いなく俺の身体だけど、同時に俺は性自認が男だ。これがもし祝福も何もなければ性同一性障害の患者さんみたいに精神と身体の差で苦しんだんだろう。
だが俺は違う。男としての俺を好きに貫けるという祝福が、この身体を「俺」であると同時に「俺の好きにいじれるエロい女体」として違和感なく認識し扱うことができるのである。
つまりどういうことかといえば、男だから誰かのチンポをいじったり掘られたりなんて死んでもゴメンだけど、自分のチンポをいじってオナったりする分には何も気にならないのだ。
そしてそれは当然新しく生えたデカパイと前門(意味浅)にも同じことが言える。男に触られたくはないし何なら女相手だろうがいじられるのはゴメンだが自分でいじる分には
ずきん、とした胃が圧迫されるような痛みが奔り思わず腹を抑えて擦った。…………やべ、自分のちょっとライン越えした痴女行為思い出したら興奮しちゃってた。落ち着け、落ち着け……っ、ふぅ。落ち着いた。
"ねえ今この子……というかもしかしてさっきから……"
「うむぅ……すっげえのう今どきのガキは」
あれなんか感嘆の感情が浮かんでる。今までの話でなにかあったっけ?
「まあ俺の人生そんな感じです。今日は来年から通う予定の高校の下見に来たんスよ。いやー受験勉強大変だった……」
"君の父親ってゼノヴィアだよね。彼女に教えてもらったの?"
「そっスね。まさか普段から暇さえあればセックスして母さんのザーメン分の体重のせいで健康診断で毎回肥満判定貰ってそうな父さんが東大卒で今やこの世界でも優秀な研究者だったなんて知らなかったっスよ」
いやマジで。あのヒトは慎みを覚えたらどうなんだろう。一応元地球人だよね?恥じらいとかないの??
"ゼノヴィアは愛が重いから"
「お主それで全部流そうとしとらんか?いやそう言うしか無いのは分かるが」
呆れ気味な2人の感情を察するにどうやら転生者界隈でも同じ扱いらしい。100年単位で脳内ピンク色って認識されている一家に産まれたのか俺……いやまあ既に俺の下に2世代分の弟妹が合わせて5人もデキてる時点で今更なんだが……。
と、そうだそうだ。
「今日こうして出会ったのもなにかの縁なんで、お二人もなんか話してくださいよ。俺の来歴なんて生前合わせて40年もないんですしつまんないでしょ?」
「厚かましいのぉ……でもその厚かましさは嫌いじゃないわな」
"そうだよねえ……皆どっか遠慮しがちなんだもの。
どうやら乗り気っぽいようでホッとする。だって絶対このヒトたち面白い情報とか持ってそうだもん主にこの変な世界のこととか。変な世界、というと語弊があるかもしれないが、まあつまり俺はこの世界のことが気になり始めているのである。
俺の縛られまくりの酷い前世の中で、それこそ趣味と呼べるのはネットで無料で楽しめるようなものだけだった。だもんで当然のようにネット小説とか漫画とかが好きで、だからこそ神様が転生モノの傲慢な神様っぽい感じだったんだろうし。
でもそんな神様に反してこの世界はそういう転生!チート!俺TUEEEE!とは少し趣がちがうというか……いや俺の立場は正しくそう言うチートオリ主的な立場だけども。でも似たようなヒトかつ更に上位の存在がいっぱいいるからむしろ俺の立場は踏み台カマセ系なのでは……みたいなね?
「誰がいち学生でしか無いお主を踏むんじゃい。増上慢過ぎて面白すぎじゃろ」
まあカマセにされるというか踏み台にされるならむしろ転生者最強を名乗るこっちのヒトだよなあ。なんて思ってたらほっそい真っ白な指でデコピンされた。頭が割れるように痛い!
"お、それなら僕はストーリーのラスボスかな?転生者共を束ねてこの世界を支配するのだー!みたいな"
まあ神には到底及ばないのにそんな事考えるだけ無駄だけどねー、なんて脳みそが笑う。どうやってんだろ?
"んー、そうだね。君がそう言う方面を気にするなら僕らもそっちを話していこうかな"
「本当は
"まあ偶には文字起こしするのも悪くはないでしょ"
そう告げる脳髄の思念に合わせ、思考の波、としか言いようのない感覚が空間を伝わってくる。
俺の脳裏に浮かぶそれはなんというか、プレゼンテーションというか、パワーでポイントなあれというか……。ともかく、そんな感じのスライドショーと共に眼の前の脳髄の声が直接反響するように響き渡った。
"まずこの世界だけど、君も出会ったあの神によって構築された仮想空間みたいなものなんだよ。君等の時代で言うならシミュレーター?"
ばばん、というSEといっしょに神の見る夢、なんてポップな日本語でスライドが広がった。えっ、そんなコズミック・ホラー的な奴だったの?
「どっちかって言うとSFじゃないかのう」
"まあ夢って言ったけど神は起きて常時監視してるからね。あくまで神が望みを叶えるための世界で、僕ら転生者に限らずこの世界で生まれる魂、ひいては生命は全て神が目的のために作り出しているんだ"
ちなみに神様自体は僕らの生前と同じ世界に生息しているよ。なんて言われてビビる。あんな超存在が近くにいたんだったら気づきそうなもんだけど……。
"人間が気付けるような法則じゃないからねえ。まあそれで神は何を目指してるのかって言うと……"
一呼吸の溜めが入り、俺はごくりとつばを飲み込んだ。いきなり核心的な話がきて、これは面白そうだと心がドキドキしてる。なんか
だが話をする
"期待しているところ悪いけど、ごくありふれた話だよ。……神はね、増えたいのさ。どれほどに超越的な存在でも僕らと似た価値観の生命で、その本能的命題は「滅びたくない、増えたい、繁栄したい」……それだけなんだよね"
「…………えっ?それだけ?」
てっきりより上位の存在になりたいだとか理想的な世界を創りたいだとかそういうダイナミックなボスキャラだと思ってたのに……!
"ある種悲報ではあるけど神は自分より高レベルの生命を知らないからね。上を目指すんじゃなくて同胞を求めてる方向に向いてるんだよ"
「はぁ……でもそれでなんでこんな世界を?」
"それはまあ、人間を自分と同じ種族に作り変えるためだね"
「はあ、なるほど…………なんて?」
え?人間を?同じ?神にするって?
"さっきも言ったけど神の思考は僕らに近しい……タイムスケールは別だけどね。そんな神からするとせいぜい地球の公転周期で100年生きられれば大往生でありながら精神性をその1/6~1/5の時間で完熟させられる人間ってのは便利な存在だったのさ……自分とは違う、だけど似た方向性の精神を持つ思考パターンの多様化モデルとしてね"
「じゃから神は人間を自分と同じ非実体型の精神生命というかそう言う感じのモノに変えて、様々なパターンの同胞を作ることで宇宙環境の変動に耐えて繁栄できるようにしたい……らしいぞ。そこのデカ脳が言うにはの」
「えぇ……?」
頭がこんがらがってきたんですけど?
ええとつまり、神様は増えたい。特に今後の宇宙がどんな状況になったとしても繁栄できるようにしたい。だから短い周期で多様な精神パターンを生み出す自分と近しい精神構造の生命体である人間を自分の繁栄のために同じ生き物に作り変えていると。
「……これ転生でもなんでもないじゃん!どっちかって言ったらキャトルミューティレーションの類じゃん!」
「まあなぁ……」
"一応手順としては死んでから蘇らせてるようなもんだし転生って表現も間違いではないけどね"
聞けば神様は地表の全人類を観測して、死亡する瞬間に脳内を走る電気信号を脳の外に誘導するバイパスを設けて、誘導された電気信号(思考・記憶)を思考そのものという人間の技術じゃ構築できない謎のデータ的な物に変換して、神と同じ精神生命的なボディの中にそのデータを植え込むことで自分と近しい生物にしているらしい。そうして出来た人類の思考回路が移植された精神生命をなんと表現すればいいか神様が人間の文化を調べた結果として"魂"と呼ぶようになったんだそう。
…………聞けば聞くほどに転生じゃなくて改造手術とかスワンプマンの類なんですけど……?スライドでポップな脳みそから記憶が吸い出されているような絵面を書かれてるのが一層怖い。
"スワンプマンの思考実験もそうだけど、そもそも人間の人格も思考も電気信号と神経細胞内の化学変化でしか無いってことを考えると何処までを「自分」とするのかっていうのは中々哲学的だよね"
「わしは今の自分が「自分」ならそれでええと思うがのう」
なんかむつかしいこと言ってる……やめてよ魂とか信じていたい年頃なのに!というかだとしたら俺とは……自分とは……人間とは……あっ俺今淫魔だから人間じゃないや。
"ただまあ、人間って当たり前だけど内臓や筋肉、骨や神経という物質的な肉体に思考や反射と言う名の電気信号を走らせて化学反応させて動く有機物だからね。そういう精神生命体的な器に急に入れられても動けないわけだ"
「だから今わしらがいる世界にかつての肉体と同じように動ける肉体モデルをガワにした魂を放り込んで、かつて人間だった頃と同じような動きをさせながら"魂"のみで稼働する精神生命としてのあり方を学ばせていくわけじゃなあ」
悲報:転生後の世界は魂人類が魂のみの生物になるまでのモラトリアムだったらしい。いや悲報でもないか、身体だとか魂だとかはどうあれ俺はこうして幸せだし。
"そのぐらいで良いと思うよ。ちなみに出来た魂は一旦まっさらになるけど、生前の精神の働きが歪んじゃってる人らについては記憶を残して自分から修復できるようにしたり、或いは神様が許容できる範囲まで補正するために祝福と言う名の神様自身のかけらを入れてるんだ。だから
「へぇー……」
まあ確かに俺の人生は酷すぎて心が歪みきってたけども。その結果すげー強くなってエロくなって自分を貫ける様になったのであればやっぱり神様々だ。
「あれ?でもそれだけだとふたなりになる意味なくない?あとお二人みたいにチンポもまんこもおっぱいもつかない無性になったり他の
「もうちょい品のある聞き方しようと思わんの?」
だって事実だし……。
"この世界のヒトは全部神様と同じ生き物になるまでの慣らし期間だって話はしたけど、実は無性の
「気になるから教えてください」
脳内スライドに「注意!此処から先は妄想です!」なんて出てきたけどこのヒト頭良さそうだからきっとその推測も近しいんじゃないかな?って思うとやっぱり聞いてみたい。こういう世界の裏側の真実ってドキドキするよね……。なんかこう、知っちゃいけない真理というか……。
"オッケー。まず通常の非転生者、転生者、
「ええまあそれはもうたっぷり理解してますよ。うちの両親避妊なしのガチ子作りに5年制限なかったら俺にはもっと大勢の兄弟姉妹がいたんだろうなってぐらいには」
朝はスッキリしたお腹なのに夕方になるとまるまると膨らんだ精液ボテ腹を抱えてにこやかに食事をする父親(メス)の姿を何度拝んできたことか。ちなみに父さんが妊娠してる時は毎晩のように盛ってるらしく逆に母さんが朝に腹をぽこりと膨らませてたりする。
……あんな、その、若々しい美女な両親2人が毎日のように仕事をしながら魔法使って人前で堂々と見えないように(矛盾)セックスして平然と
「……気になるんじゃろうけど許してやれ。主の両親も若い頃はそれはもう色々ぐっちゃぐちゃな関係で大変だったんじゃ」
えっこのヒト100年前のうちの両親の馴れ初めとかにも関わってたの……?
「関わってたというかわしがおらなんだら下手するとお前の父親が……いやまあええわ」
「何!?父さん何かあったの!?」
すっげえ気になるんだけど!?全然若い頃の話しないんだもんあの両親!
"話続けるよー。つまりそういった寿命持ちのヒト全般に対して神が求めてるのは転生前の人間に求めるものと同じで多様化なんだよ"
「父さんに何が……じゃなくて多様化ですか?それって人間を魂にしてれば解決するんじゃないんです?神様的には」
"まあね。ただ神は人間のタイムスケールの短さに着目したんだ。別に待っててもいいけど、せっかちな人間なら元の身体と同じような繁殖機能を付ければ勝手に魂同士で情報を混合させてランダマイズされた同胞を生み出せるだろうって考えさ。この世界に生まれるヒトはかつての世界で死んだ魂以外にもそうやって既存の魂を混ぜ合わせた完全新規の魂も居るってことだね"
「神様は人間の性欲を買ってるってことかぁ……」
「身も蓋もない言い方じゃのう……その通りなんじゃが」
なんてことだ。神様は人間がスケベだからエロいこと出来るならヤるだろうという信頼があってチンポとまんこを付けているらしい。否定できない。
"ちなみにこの世界には厳密な意味での遺伝子はなくて、繁殖した際に起こるのは神が設計したカタチでのランダムな特徴伝播だ。非転生者の血族ならかつての世界と対して変わらないけど、君みたいに両親ともに転生者であり魂が前世の精神の影響を強く受けている場合だと子もその影響を強く受けるんだ"
「成る程……だからうちの兄弟姉妹皆そこそこ背は伸びるし全員美女顔だし女は例外なくデカパイなのか……」
我が姉妹はバストがメーター超えしないほうが珍しいというぐらいにはデカパイ揃いである。俺は平均より少し上ぐらいだがいっちゃんデカいアビ姉なんかはもう……っ。まあ?今となっちゃ自分ので見慣れてるし?子供の頃に両親含め見飽きてるし?もう慣れるよね!
"……まあ、そういうことだね。仮に君の両親が非転生者だったらかつての君の特徴が強く出る姿になったかもね。普通に血族由来の見目になる可能性も十分あっただろうけど"
どこか呆れてそうな雰囲気だ。やっぱり我が家って色んな意味でピンク色の扱いなんじゃなかろうか。
"ああそうだ、ちなみに
「そこはもうルール的な何かとしか言えんのよな……。完成とは性別を超克しているものであるという人間自身が夢想する宗教や哲学を神が勉強して『じゃあ
「マジ……?神様ってヒトの事を元女なのに女の人を毎日犯して相手が妊娠したら自分がその女の人に孕ませられるみたいな性癖持ってる俺の母さんみたいなやつばかりって思ってそうだ……」
"イヴェットぐらい子作り意欲高い子はそうはいないけど性癖でいうなら両性の
「えぇ……?」
なんてことだ。いやバイセクシャルが悪いとは言わないけど俺は男に前門も肛門もとい後門も掘られたくはないし見た目こそデカパイ美女だけど他人のチンポなんて少しも触りたくないのに……。
"君はその神の力である祝福の効果で「男」としての自認を高めてるからこそだね。祝福の方向性が違えばイケメンに見惚れた可能性もあるんじゃないかな……(今も片鱗ぐらいはあるし)"
「怖いこと言わないでくれませんかね」
誰かに掘られて
「そ、それより結局無性の
"ああそうだったそうだった。無性の
話題転換を図った俺の言葉を聞いてようやく主題を変えてくれるようだ。ふぅ……。
"無性の
「…………えっ?はい?」
困惑してる俺をよそに出力に差はあるけどね、なんてのんびりした口調(?)で付け加えてくる
「でも肉体あるじゃないですか」
「あるけど繁殖能力はないし、人間だった頃のように食料に依存することを模倣する必要すら無いからのう……」
「ええ……じゃあなんで今もここに?神様が同類作りたかったって目的を達せられてるならこの世界に居るのはおかしくないですか?」
ここって神様の作ったシミュレーターなんだよね?あくまで神様は現実世界での同胞が欲しかったって考えてたけど違うんだろうか。
"うん、おかしいよ。本来は神同様にかつての世界へ戻って精神生命体として生きるのが適切だ。無性の
「欲望……睡眠欲以外に満たせそうな三大欲求が無さそうなのに……?あ、だから普通は精神生命体とやらとして元の世界に戻るんスね」
"そう言うこと。あと起き続けることでの能力の低下も起きないから睡眠欲もないよ"
じゃあいよいよもって何のために生きてるんです?俺は彼女が欲しいし結婚したいしいい感じに大人になってウチの両親……まではいかなくてもこう、いい感じに遊んだり仕事したりしていい感じに幸せ家族に囲まれて暮らしたいなって思ってるけどそれって極論は性欲とか本能とかそう言う話だろうし……。
「お主「いい感じ」ばかりで将来の展望がふわふわ過ぎんか?ちなみにわしは己を磨きたいって思って生きておるぞ」
「わぁリアル求道者。前世からそうだったんです?」
「え、うん」
「そっかぁ……」
なるほどね、とは思いつつも単に自分を極めたい!ってだけでそこまで行くんだろうかって疑問だ。俺はその、そういう自己研鑽だとかそういう感情を前世で抱けるほどじゃなかったけどさ。でもああいうのって漫画の中とかでしかなくないか?
「そりゃお前、わしが漫画よりすごかったからよ」
「すごかったからかぁ」
というかさっきからナチュラルに心読んでくるなこの合法ショタ。せめて合法ロリだったらなあ……いやでも胸も尻も薄いのはちょっと趣味に外れるなあ……。というか合法云々によらず身体が子供にそう言う事するのはなあ……。
「お、主の母親よりは倫理観があるの」
「えっ」
そりゃ俺は母さんほどいつでも妊娠上等な
"ちなみに僕は祝福の影響があると言う意味では君に近いよ。前世がちょっと研究に前のめりすぎて相対的に精神が歪んでる判定食らっててね、「あらゆる方向へ同じくらい気を配れるようにする」って祝福を貰ったんだ。そのせいか神と同じ領域に行くのと同じくらい今の世界を見ていたいし、新しい感覚を啓くのと同じくらい転生者達の営みから発見を見出したいって思っちゃってね"
「あー……まあそういうことならわかりますけども」
我が事ながら"祝福"の影響は強い。男を自認している俺が自分の体をみてエロすぎて幾らでも痴態を晒しておかずに出来るぐらいだ。他人に見せる気は色んな意味でないけど。神と同様の生態とやらを獲得できるぐらいにヒトを変えるだけの祝福の影響を受けてるとなればそりゃどうにもならないわ。
"そう言う意味では無性の
「前世で極まった求道者なり信仰者なりだった奴は自分の心のあり様を強く認識しておる。だからなのか基本死んだあと魂にされた時点で「自分はこうあるのだ」と認識してしまっての、転生する前から魂として動けるもんじゃから転生しないってのもおるでな」
"
「かもしれんのぅ……まあ武芸の頂はまだまだ遠いがな!」
ワハハ、とわらう合法ショタ。その言葉から伝わる感情に一変も嘘が混じってなくてマジでビビる。こんないかにもザ・求道者な人種ってマジでいるんだなあ……。
「むしろ主もそうなりうる素養はあったかもしれんぞ?祝福も己が道を往くに向いているから
「あー……いやー、無理無理」
一瞬だけ、確かにそうなるかもなんて思ったけどすぐに無理だって諦めた。
だってそうだろ?産まれてすぐからずっと両親の痴態を見てきて、すごく気持ちよさそうに仲良くヤッて子作りしてっていう頭淫魔な家庭で育ってきたのが俺だ。
その上で「男らしくなりたい」っていう俺の願いをまるっと受け入れて、皆でサポートしてくれた。転生者の先端技術が詰まってる聖都に生きたいって俺の希望を受けて勉強から何から手伝ってもらえた。今日だって名目上は高校の下見だけど、それだって家に居た暇な兄弟姉妹と両親と一緒の楽しい家族旅行でもあるんだ。
俺の新しい家族は、古い家族とは違う。皆自由奔放で、頭も股もちょっとこうかつての世界よりゆるいけど……それでも、そんな家族を作ってくれた父さんと母さんのことが好きで、憧れがないと言えば嘘になる。
だから……そういうエロだのなんだの、男らしいだの何だの、家族がどうだの……そういうのを失えるようになれるとは思わないし、思えなかった。
「──男があって、女があって。俺にはその両方がある。自分だけでもこんなエロくて気持ちい事を他のヒトとも共有できるかもしれない、って可能性を我慢するのは「俺」じゃないんだよなあ」
こんなデカパイデカケツクビレマシマシふたなり美女な男である「俺」を受け入れてくれる女の人を頑張って探して、今の家族に負けず劣らずな幸せな家族を作りたい。「俺」を貫くっていうのはつまりそういうことだと思うのだ。
「……そか。ならまあ、それでええじゃろ」
"うんうん。頑張れ頑張れ"
……俺の青臭い宣言を、遥か年嵩な先達は笑って受け入れてくれた。やだなんか恥ずい!
「ええっとぉ、それじゃ次!なんでも良いから面白い話してよ」
"恥ずかしいからって無茶振りしないでもらえるかなあ……"
「面白い話のぉ……」
「あ、それじゃさっき言いかけてた
「いやアレは面白い話ではない。況や実の子に言う話ではもっと無い!!」
「ばっさり!?何したんだよ父さん母さん!?」
なんだよあのエロしか頭に無さそうな2人が一体何したんだよぉ!?ぐああああ気になる!!
──────
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あれから気になって何度も聞き返したけど全然口を割ってくれず、そのうちにいろんな転生者のひどい話を聞かされたりしている間に外が暗くなってしまっていた、らしい。らしいっていうのは洞窟内だから全く気づかなかったって話なんだけど。
「そんじゃ、気ぃつけて帰れよー」
"一応イヴェットとゼノヴィアには話を通してたからあまり怒らないとは思うけど、それでも怒られることは覚悟しときなよー"
「うーっす」
はあ、と溜め息を吐きながら最初に入ってきた洞窟とは別の道、聖都の中心にある大宮殿兼大図書館直通のエレベータへと向かう。なんでも本来は年1で集めた
じゃあ俺が最初に入ってきた洞窟は?ってなるけど……あれは
ガシャン、と色々とむき出しの金属製エレベーターのドアが閉まり上昇を始める。今頃きっと父さんと母さんが大宮殿まで足を運んで俺が戻るのを待ってるんだろう。きっと急に行方不明になったことで怒られたり心配されたりするんだろうなあ……と思うと重い腹が更に重くなったような気分になってしまう。
だけどそれでも、絶対に心配してくれているんだろうという事実だけは理解できるから。憂鬱な気持ちながらも何処か嬉しい……そんな俺の気持ちが反映されているかのように、俺の口端は僅かに持ち上がっていたのだった。
「……行ったか」
"行ったみたいだね"
突然の来客により、ただ時間の過ぎるに任せ揺蕩うような老人たちの会合は騒然さに満たされた。しかしその騒然さが消えてしまった後の地底湖大空洞には、若芽のごとき瑞々しさを懐かしむかのような声音だけが残されていた。
方や万年、方や三千年。「神」が作り出した仮想世界であったとしても、彼らが経た時間は間違いなく遠大であり──それでありながら、ヒトの世界を楽しみに生きるが故にこの世界に残りつづけていた彼らにとって、凡そ最新の世代と呼べる同胞との予定外の邂逅は確かにその魂を若返らせたのだろう。
「…………」
しばしの無言。
彼の父、ゼノヴィア・ゼヌニムを犯し殺し続けた母イヴェット・ゼヌニムは、長女であるアビゲイル・ゼヌニムを生まれる前に犯し殺そうとした。
"…………"
そしてその無言に添うかのように、
永く生きている彼らにとって、それぞれが起こした行動が先々になって実を結ぶことはよくある話だ。だから今回のようなことも百年に4~5度くらいは遭遇することだろう。
そしてその度思うのだ。──ああ、あの時手を出して良かった、と。
神と同種の生命として魂のみの行動が可能なほどに磨き上げられた彼らは、しかしそうであるが故に純粋に善性であり、また純粋に善因善果を喜ぶだけの精神を持ち合わせていた。
「……しかし、のお」
"うん……"
が、まあそれはそれとして。彼らですらそうそう遭遇しないような事態はある。
「
"途中から数えるのは止めてたけど……まあ10回以上20回以下、ぐらい?"
「じゃよなあ……あやつ表面思考にすら浮かばないレベルで自然にやっとったぞ……?」
"すっごい自然にやってたもんね……最初何やってんのか気づかなかったよ
彼らはいつの間にか敬われたり、憧れられたり、頼られたりすることに慣れ切っていた。年月を経た先達であり、同胞を導いた神に近しい力を得た自覚もあったが故の慣れだが、それ故に彼らの前に立つ同胞たちはいつしか緊張したり、礼儀を正したり、親しげに振る舞うつもりでもやはり警戒していたり。
そんな対話に慣れきっていたがために今回のように何も判っていない若い同胞との無警戒な軽い会話を楽しんでいたのだが……だからこそ、全くと言っていいほど遭遇しない「
すぅ、と万感の思いが籠もっていそうなほどに深く、深く息を吸う。強靭無比たる
そしてそのまま、彼は、
「────幾ら何でも平時からチンポ折り曲げて自分の
およそ
"いやあ……びっくりだよねほんと。自分の痴態に興奮するとは言ってたけどさあ"
「自分で出した話題で興奮したと思ったら腹擦って精神沈静化させてなにしとんのかと思ってよう確認したらだぼついたパーカー越しでも分かるくらいにでけえちんぽのカタチに胎盛り上がっておるし……。そんで興奮して勃って胎引っ張られて苦しいからそこ撫でて自慰して
"恐らく自分を貫くという祝福もあって「
「なるほど自分を貫くってそういうことかって喧しいわ!」
"勝手に言って勝手に怒ってる……"
ぎゃいぎゃいと騒ぐ
ひとしきり騒いだところで、どちらともしれずため息を吐く。まあ
「……やっぱり、イヴェットとゼノヴィアはもうちょい大人しくならんかのぉ……」
"あのピンク色に満ちた思考回路はそれこそ今回みたいな性別に端する歪みをもつ転生者の受枠として優秀なのかもしれないけどねぇ……産む数多いし"
げに恐ろしきは祝福か、あるいは脳内ピンクな淫魔の家族か。驚くべきことに、最弱最新の
「"やっぱり、親子は親子だな……"」
血の繋がりだとか、魂のつながりだとか。そんなことよりやはりヒトは環境に大きく左右されるのだと言わんばかりのピンクに対するため息交じりの呟き。
この世界でもぶっちぎりの妊娠率を誇り淫魔殿だのと揶揄されるゼヌニムの親子を想起しながらの転生者達の呆れた思いが、蝶の羽ばたきのごとく巡り巡ってとある淫魔親子のくしゃみを誘発させられたのかどうか。それは神のみぞ知るというところだろう。
フェイ・ゼヌニム(15):
元は淫魔族の男。イヴェットとゼノヴィアの数ある子の1人で世にも珍しい
かつては両親の趣味で女らしく、どころか女性として育つことを強要されていた。服装、振る舞いはもとより永久脱毛やらまでされており、下手したら去勢されそうになってた。なのに性自認は男だったため死ぬほど苦労し、就活も行き詰まったところで両親から「恥ずかしいからそろそろ止めて」などと理不尽にはしごを外されて発狂、両親を刺殺しかけ逮捕、刑務所内で自殺した。
祝福は「自分を貫けるようになる」というもの。両親のせいで自分が抑圧され続け、その結果狂ったためにそうならないように自分の思想やあり方を押し通せるようにするもの。ついでに自分の進路を切り開くタイプの魔法への適性を得る。新しく産まれた家庭が今までの悩みをぶっ飛ばすぐらい性的におかしな下半身ユルユル両親のもとで愛されて育ち、歪みまくった性環境でありながら子供の性別や性関係については責任を取れる限り自由でいいとしていることで祝福を受け入れることができた。14歳くらいの見た目で固定されているので他の兄弟姉妹に比べて童顔気味。ただ体つきはヤバい。受験間近だったので
祝福の影響で性自認が「男」でありながら巨乳美女ボディを自分として認識できており、好きな痴態を晒せる女性の肉体も得られたことで自分自身に対し性的興奮を抱くようになった一種のオートセクシャル。ペニスが長いのはエロい自分を犯したいという本能的欲求に淫魔としての肉体が応えたためであり、勃起してもそこそこ柔らかい。自分の膣にチンポを挿れておくのも手でしこるのも同じような感覚であり、
元
本名はアルキメデス。かつてシラクサに居た有名な数学者であり物理学者。真偽不確かな逸話が多いにせよ非常に多くの活躍を見せた天才学者だったのだが、第二次ポエニ戦争の際に自身の研究に没頭していて呼びかけたローマ兵士を無視したことで殺害された。
神から与えられた祝福は「あらゆる方向へ同じくらい気を配れるようにする」というもの。ただし彼の場合は精神の歪みというよりは突出した探究心のために相対的に歪んでいたというものであり、本来は補正がなくとも十分神の基準を満たす魂だったのだが歪み度合いが閾値を超えていたというシステマチックな判断により祝福が与えられたという経緯がある。その祝福の影響か他の転生者や神に構築された今の世界についても興味関心が強く、ほかの無性の
戦闘は基本行わないが、戦闘時には他の転生者を歯牙にもかけない膨大な魔力量と思考速度、知識を生かした魔法による戦闘が主。やろうと思えば大陸を蒸発させることさえ可能であり、広域火力面では全転生者でも最強。
元は人間の男性。本名は張三豊。太極拳の伝説的開祖であり、道士であり仙人。生前は160年以上生きた。
極めて才知に優れ、書物や思想、武芸の動作などを一見しただけで記憶できるほど。60年の研鑽で自己・精神とは何なのかについて己の回答を見出した。そのせいか神が魂を構築した瞬間から動けるようになっており、死んだばかりの自分の体を動かして再度生き始めた。結局そっから100年以上生きたヤバいヤツ。余談だが当人が以前イヴェットに言っていた「神の矯正力を振りほどいて困らせた」というのはこのことだったりする。まあ神にとってたかが数百年数千年のズレは誤差なので大きく困っているわけではないのだが。
そんなわけで実は祝福を貰っていないので
太極拳・剣の達人の中の達人であり、3000年を超える研鑽の結果その端っこの端っこくらいの技術で
神:神。精神生命体。
神。宇宙生物。実体を持たない謎の生命で少なくとも億年単位で生きているらしい。物質的な化学反応のみで自身に似た思考を走らせる「人間」という世代交代が頻繁な存在を使って単一的な生命で分裂でしか繁殖できない自身という生き物の多様化を目論んでいる。
神として人間と対話する時は相手の持つ「神」のイメージを反映すると指示を聞いてくれやすいからそうしている。かつての信仰深い時代に比べると変な出力形式が増えたなって思っているとか。
この作品世界において「魂」を人間に齎した者。逆に言うとこの世界の人間は魂なんて持ってない。21gは蒸発した水分です。魂の重量じゃありません。魂というのも神が精神体を人間に与える際に人間にわかりやすい表現として「魂」と言っただけ。記憶を持つ転生者も本質的にはスワンプマンに近いのだが、そもそも魂なんて無い世界において電気信号のやり取りが人格を構築する以上は脳に走る電気信号を外部出力させて伝播させることで同一の人格を構築することは「転生」で良いのではないだろうか、という考えで神は「転生」と表現しているのである。