いろいろ考えてではあるんですが、ちょっとはっちゃけ過ぎたかも……苦手な方いましたらすいません。
―――スパァン!
―――スパァン!
―――スパァン!
「……っ……ぎぅ……っ!!」
今日はまた私は……鞭打ちの拷問を受けている。
相変わらず、この拷問が一番痛くて……いつまで経っても慣れることができない。
こんなのに慣れたいとも、別に思いはしないけどさ。
サディちゃんの振るう鞭は、私の背中に赤々とした痕を残し……撃たれた瞬間の一瞬だけの特大の苦痛が去った後も、ヒリヒリ、ズキズキと痛み続ける。
涙も叫び声もこらえることができない私は、そのたびに……
―――スパァン!
「うぅあ、ぐぅ……ぁああ!」
「ん~~!! たまんないその
サディちゃん好みの悲鳴を上げ、
しかも、だ。
最初の頃と違って、私の背中の赤々とした傷跡と、そこに残る痛みは……背中だけでなく、お尻や太ももにまで続いている。
拷問され始めてからしばらく経った頃に……それまでは、上だけを脱いで背中を撃たれていたのが、下も脱がされるようになったのだ。そして、腰やお尻、太ももも打たれるようになった。
人体の構造上、背中はかなり皮膚が厚くて頑丈にできているらしいんだけど……お尻や太ももはそうではない。
必然、打たれれば背中よりも大きな痛みに襲われることに……
―――スパァン!
「ぃぎひぃっ!?」
今もこうして、お尻の肉をもっていかれそうなくらいの勢いで振りぬかれた鞭が、激痛を叩き込んでくる。
あまりの痛みに、体がびくんっ、とはねて、固定されて吊り上げられている手錠がガチャンと音を立てる。しかし、そこで走った手首の痛みなんて、お尻に残る痛みに比べれば全然だった。
強制的に意識がお尻に持っていかれ……痛い、熱い、という感触だけが鮮明にわかる。
皮膚が破れてるんじゃないか、切れちゃったんじゃないか……そんな風にすら思う、刃物の傷を思わせる激痛。背中と同じで……本当にそう思えてしまう。
お尻を撃たれた日は、寝るどころか座ることも難しい。
硬い床に、体重分の重さがかかって皮膚を押し付ける……なんてことをしたら、叫び声が我慢できないくらいに痛いだろうから。……少なくとも、今日1日は無理だ。
かといって背中も痛いから、あおむけに寝るのも無理。
……こういう日はいつも、横向きに寝て……手足を折りたたんで、うずくまって小さくなってるようにしている。
まるで、母親のお腹の中にいる胎児みたいなポーズで。これが一番……お尻と背中への負担が少ない。
今日もそうなるだろうな、と思いながら……ただただ耐える。終わりの時間が来るまで耐える。
こらえきれずに涙が流れ、苦しくて悲しくて息が乱れて嗚咽が漏れる。
けど、もうこれは仕方ないと諦めてる。打たれるのが背中だけの時でも我慢できなかったんだ……体の正常な防衛反応だから、もうこれは、気にしても意味がない。
笑いたい人は笑ってくれ、と心の中で開き直り、特にこらえもせず流れるままに流す。
やがて、背中とお尻、太もものほぼ全体が、まんべんなく痛くて熱くて……打ってない箇所がおおよそなくなったな、という頃。
ここからがまた大変だな……と思っていた私に、サディちゃんはこんな言葉をかけた。
「さあスゥちゃん……今日は、前の方もきちんと叩いてあげるわよ♪」
「……は……!?」
愕然として目を見開く私にかまわず……サディちゃんは、私の体の前側に回ってきた。
手には、鞭。
「……む、無理……無理だよ……そんな……!」
人間の体の前側は、背中やお尻よりも、もっと皮膚が薄くて弱い。
あんな強烈な鞭なんてくらったら、どれだけ痛いか……いや、それ以前に、体の前面には、首、乳房、お腹、股間……柔らかくて脆い『急所』と呼べる場所が多いんだ。
(裂けちゃうよ……壊れちゃうよ……! お願い、やめて……!)
怖くて怖くて……体が震える。涙が流れる。
気付けば口が勝手に動いて、許しを懇願していた。
―――ちょろちょろちょろ……
股間が暖かくなって湿っていった。
我慢するとかそういう選択肢すらなかった。……恥も何もあったもんじゃないが……気にしている余裕すら私にはない。
そんな私を見て、既に恍惚の表情になっているサディちゃんは、
「ああでも大丈夫、安心して。この鞭は使わないから」
「…………?」
「あなたの言う通り、前側は背中よりももろいから……下手に叩いちゃうと……痛いじゃすまないかもしれないからね。だから……コレを使うわ」
サディちゃんは、部下に今持っている鞭を預けると、代わりに……違う形の鞭を取り出した。
柄は1つだけど、そこから短い鞭が何本も出ている……という見た目をしてる。
勢い良くふるうと、パァン! と破裂音みたいなすごい音が響いた。
あまりに大きな……それこそ、さっきの鞭以上に強烈な快音を前にして、私は体の震えをこらえきれない。
だが、そんな私をサディちゃんはおかしそうに笑い、
「ん~~~! ふふふふふっ、大丈夫よそんなに怖がらなくても。この鞭は『バラ鞭』と言ってね……音こそすごいけど、普通の鞭よりも全然痛くないの。初心者向け、って言われているくらいでね……たくさん出ている鞭全体に威力が分散しちゃう仕組みのよ」
そんなこと言われても、信じられない……怖い……!
あんな音を響かせておいて、痛くないなんて、想像もできない。
しかし、サディちゃんは今度は止まってくれず……私の、無防備にさらされているお腹をすりすりといたわるようにさすった後……そこめがけて、勢いよくその『バラ鞭』を……
―――パァアァン!!
「……ぃ、っ……ぐ……!!」
やっぱり……痛い……!!
け、けど確かに……背中やお尻に食らってた鞭ほどじゃない……かも。
あれと違って、痛みがそんなに鋭くなくて……言ってみれば、『点』や『線』じゃなくて『面』で引っぱたかれたみたいな衝撃だった。ホントに衝撃が分散してるんだ。
ただし、言った通り体の前側はもともと皮膚が薄いから、その分痛みはある……
そう思ってお腹を見下ろすと……今『バラ鞭』が当たった部分が、広い範囲が赤々と腫れるようになっていた。
……当たり前か、分散するってことは、一度にたくさんの面積を叩かれてるってことだもんね……広い範囲が一気に赤くなるのは当然だ。
「わかってもらえたかしら? それじゃあ……続けましょ♪」
そう言って、サディちゃんは……私の体のうち、今までむち打ちとは無縁だった『前半分』を……嘗め回すようにじろじろと、上から下まで見ていく。
肩口、鎖骨のあたりから始まり……おっぱいをなで、乳首をコリコリとひっかき、
乳房の下をタプタプと弄び、たった今ぶたれたばかりのお腹をさする。
下腹部に移ってそのまま下へ……おしっこを漏らして湿っているオマンコをなでて、太ももへ……
……どこから始めようか、なんて品定めしているのが伝わってきてしまう。
……多分、裂けるとか壊れることはなさそうだ。そこは安心できる。
けど、それはそれとして、痛いのには変わりないんだから……
―――パァアァン!!
「うぎぅっ!?」
いきなり来たっ……!? 今度は、脇腹……
―――パァアァン!!
―――パァアァン!!
立て続けに、さらに2発。鎖骨から肩口にかけてと、さらにその下……お、おっぱいに直撃したっ!? い、痛すぎる……
ちらっと見て……傷はついてないけど、真っ赤だ。特に柔らかくて敏感な場所だから……
「あがっ……ひぎぃ……い、痛いっ……!!」
「んんん~~~! 前のリアクションも極上っ! 安心してスゥちゃん、顔だけは当てないで、傷つけないで上げるから! サディちゃんを信じて、身も心も委ねちゃって!」
……それってつまり、顔以外は全部叩くって言ってる……!?
―――パァアァン!!
―――パァアァン!!
―――パァアァン!!
太もも。
下腹部。
乳房のすぐ下。
「ひぎゃ、あぁがぁあっ!? うぅいあぁっ!?」
苦しんでいる表情がすぐ目の前で、直で見れるからか、サディちゃんのボルテージの上がり方が極端な気がする。
これ、いくら背中より痛くないからって……ペースが速い……!? 持つの、こんなんで、私……っ!?
☆☆☆
数分後か、数十分後か。
「うわぁ……ひっでえ有様だな。見ろよ、全身真っ赤だぜ」
「さすがに痛々しいな……叩かれてない所、マジで顔と、吊られてる腕以外どこにもないんじゃね?」
獄卒達のそんな会話が聞こえる中で……私は、本当に全身くまなく、ヒリヒリとした痛みや熱を感じるようにさせられていた。
乳房や股間、太ももの内側すらも、赤く染まっている。
にじみ出る汗すら、流れ落ちる涙すら痛い。どこに垂れても流れても、傷口に塩、の状態だ。
……これ、今日、どうやって寝ればいいんだろ……。
どんな寝方して、どの部分を下にしても、痛くて眠れないよ……間違いなく。
そんな、もういい加減に限界に来ている私に……サディちゃんはあろうことか、最後の追い打ちをかけてこようとしていた。
「すごく素敵な姿になっちゃったわね! でも……やっぱりバラ鞭ってなんだか物足りないわ……サディちゃん、不完全燃焼。やっぱりいつもの鞭で叩くのがいいかしら……おっぱいもお腹も」
「っ……!? っ……!」
信じがたい独り言(?)を耳にした私は、気力すら尽き果てて動かせなかった首を強引にどうにか動かして……目いっぱい横に振った。
それを見たサディちゃんは、『えぇ~?』とつまらなそうに言う。
冗談じゃない! そんなことされたら本当に壊れる! つぶれる! 抉れる! もげる!
バラ鞭でも痛くて仕方なかったのに、いつもの鞭なんて絶対に無理! ショック死しかねない!
「お、お願い、それだけは……死んじゃう、壊れちゃう……!」
「嫌なのぉ? でもサディちゃん、もうちょっとだけこれで叩きたいの。物足りなくてうずうずじちゃってるのよぉ……どうしたらいいと思う?」
いつの間にか手に持っていた、いつもの鞭を見せつけながら言ってくる。
「だ、だったら……せめて前じゃなくて、後ろ……お尻や背中で……」
「ん? なーに、聞こえない。もっと大きな声ではっきり言って?」
「お、お尻や背中を叩いてください! 前じゃなくて、後ろならいいから……我慢、するから……」
「あれぇ、我慢するなんて何様!? いやん、サディちゃん傷ついちゃった……気晴らしにオッパイに向けて思いっきりスイングしていい?」
「いやぁああっ! やめて、やめ……ごめんなさい! 生意気言ってごめんなさい! 叩いて……叩いてください! お腹じゃなくて、背中とお尻をどうか叩いてください! お願いします!」
「…………ん~……」
わざとらしく顎に手を当てて悩みながら、サディちゃんは私の後ろ側に回っていく。
そして、恐怖や焦りでがくがく震えている私の腰のあたりを掴むと……
―――ぐにっ! ずぶずぶ……ごりごり……ぐにゅぅうっ!
「う、ぎっ、いぃぃい……!?」
お尻の穴が突然、こじ開けられるような感触がして……何かが入ってきた。
そのまま、尻肉をかきわけて強引に……結構深くまでその『何か』がめり込んで……
震えるたびに、ぺちぺち何かがお尻にあたる感触が……あ、これ多分……サディちゃんが持ってた『バラ鞭』だ。あれをお尻に突っ込まれたんだ。
しかも、なぜか上に吊り上げていた腕まで、設備から外して解放した。
いきなりのことでびっくりして……力が入らず、私は床に倒れこんでしまった。やっぱり……どんな姿勢でいても、体中が痛くてひりひりする……。
その体中の痛みと、お尻の圧痛に耐えながら、『何のつもり?』と困惑する私に、
「サディちゃん、ワンちゃんや猫ちゃんが尻尾をふりふりして構ってほしそうにしてくるの、大好きなの。もしもそんな感じで、お・ね・だ・り・されたら……言うこと聞いちゃうかもしれないなあ……?」
「…………」
なるほど、尻尾ね。
尻尾振って、懇願しろってのね。ここで。大勢が見てる前で。
それをさせて……無様な私をみんなで笑うのをお望みか。
「……………………」
それを理解した瞬間……何かが私の中でふっきれた感覚がした。
(…………はっ、あははっ…………ふふふ……)
……いいよ、やってあげる。
サディちゃんだけじゃなく、男の獄卒達が見てようが何だろうが関係ない。それをお望みなら……そうやって私を笑いたいなら……本気で、思いっきり無様に媚びを売ってあげる……!
こうなったらもう、やけくそだ。せいぜい、笑え……!
私は意を決して……痛みをこらえて四つん這いになる。
そのまま、サディちゃんに向けてお尻を突き出して目いっぱい持ち上げる。
そのままの姿勢で……腰や下半身ごと、お尻を目いっぱい、上下左右にふりふりと振る。
お尻に突っ込まれて尻尾みたいになっているバラ鞭が、それと一緒にひゅんひゅん揺れる。ぺちぺち肌にあたって音がする。お尻の中でごりごり柄が動いて痛い。
全部無視して、考えないようにして……思いっきり大きな声で……!
「わんわんっ! お願いします、サディちゃん……私のお尻と背中、鞭で叩いてくださいわんっ! この、お猿さんみたいに真っ赤で大きくてだらしないお尻、鞭で思いっきり叩いておしおきしてくださいわんっ! もっと真っ赤にして、めちゃくちゃにしてください、わお―――んっ!!」
きょとんとするサディちゃん。
後ろにいた獄卒達も、同じ感じ。
私が一体今何をしたのか、何を言ったのか、すぐには理解できなかった様子だった。
しかし、数秒経ってそれを理解すると……
「あっははははあははっ! あは……あはは……何よそれぇ!? あはははっ、ひ――!? おかしい、ちょっと、そんな……何て無様……ん~~~あははははは!! あーっはっはっは!!」
腹を抱えて笑い出した。
獄卒達も、ぎゃはははははは! と声を上げて、涙を流して笑っている。
どうやら私の全力の『おねだり』は、無事にお気に召したみたいだ。
作家としての想像力をフルに使って考えた、極限までみっともないセリフと動きで、プライドも何も全部放り投げて、渾身の無様をさらした私は……最高の笑いものになった。
しかも、言い終わった後も……今もまだ私は、お尻と『尻尾』を振り続けて、『わんわんっ!』と言い続けているのだ。
―――恥ずかしい、なんてもんじゃない。
死にたいとすら思う。
もしこんな無様、知り合いに……特に、娘達にでも見られようもんなら……生きていけない。
殺されそうになったからやったんだとしても、こんな、尊厳も何もかも放り捨てた姿……見られて、知られて、表歩けるもんじゃないよ……。
それでも、やってやった。
ここまでするとは思ってなかったらしい、私の、想像を絶する醜態を前にして、大満足した様子のサディちゃんは……そのまま私に歩み寄ってくる。
そして、目の前でふりふりと揺れるお尻を優しく抱えて撫でてくる。いつくしむように。
「はぁ……はぁ……あなた最高よ、スゥちゃん。こんなに笑ったの久しぶりだわ……こんなワンちゃんなら飼ってみたいって思わず思っちゃった! 大丈夫よ……あなたのお尻、こんなにかわいいもの。真っ赤だけど、だらしなくなんかないわ」
「わんわんっ、ありがとうございますわんっ! もったいないお言葉ですわんっ!」
獄卒達がまた吹きだす。
『最高だわあの女囚……』『は、腹痛てえ……!』『あそこまでやるかよ……プライドも何もねえなもう』…………色んな言葉が聞こえる。
「あぁん、かわいい~~っ! いいわ、お望みどおりにしてあげる……よいしょっと」
―――ごり……ごりゅっ、ずぼっ!
「あぐっ!? ぎ……わ、わぅーん! 尻尾が取れちゃいましたわん……いいのですわん?」
「いいわよぉ、さすがに邪魔だから。それじゃあスゥちゃん……いえ、ワンちゃん。お尻を突き出しなさい。四つん這いになってこっちに向けるのよ」
「わんっ!」
「ん~~~、いい子ね! ああでも、力が入らないかもしれないから、固定したほうがいいわね。あなた達、器具を用意して」
「は、はい……!」
笑いをこらえながら……跳び箱みたいな拘束台をこっちに引きずって持ってくる獄卒達。
私の体を抱え上げ……私が舌を『べえっ』と出して、『はっはっはっはっ』って犬のような息遣いしてるのを間近で見て吹き出しながらも、私をそこにまたがらせて、手足を固定した。
またがる時にひりひりして痛んだけど、我慢。
これで私は、四つん這いで、サディちゃんの方にお尻を突き出した状態で動けなくなった。
「どうぞサディちゃん! スゥの真っ赤なプリケツですわんっ! お気に召しますかわん?」
また獄卒達が噴き出した。
腹を抱えて大笑いして、床に倒れこんでばんばんと叩いている者すらいた。
「ええ、とってもかわいいわ! じゃあいくわよ……ほぉら!」
―――スパァンっ!
「ぎっ……あ……」
いつもより気合が入っているサディちゃんの一撃が、お尻にクリーンヒットする。
お尻から腰を、お腹を突き抜けて、脳天まで衝撃が走った。さすがに言葉に詰まる。
「うぐ……」
「あらぁ……鳴き声が聞こえないわよ? ほら早く鳴きな……さいっ!」
―――スパァン
「あぐ……わ、わんっ! ありがとうございますわんっ!」
「うふぅん、どうかしら、ワンちゃん。お望みの鞭……よっ!」
―――スパァン!
―――スパァン!
「わ。わぁあ゛ぁん! 痛いわん! 痛いけど嬉しいわん! スゥは変態だから、叩いてもらってお尻がパンパンにはれ上がって、ズボンがはけなくなっても幸せだわーんっ!」
―――ぷしゃぁああっ!
言いながら私は、何度目かの鞭の一撃と一緒に……オマンコから潮を拭いた。
快感なんてない……と思う……のに、本気で体の反応がバカになったのかな……?
まあ、かえって大笑いされてるから、いいか。
「あははははは! あなた最高だわスゥちゃん! 人間やめてプライドも何もかも捨てて……悲鳴とは違うけどこんな無様な姿……初めてよあなたみたいな囚人は! ほら、もっと鳴きなさい!」
―――スパァン!
―――スパァン!
―――スパァン!
「う゛わぁんっ! わぎゃあんっ! あぐ、うが……わっ、わぉ―――んっ!! す……スゥは……っ……壊れるのが怖くて、許してほしくて、プライドも何もかも全部放り捨てて、人間やめて畜生になった……どうしようもない無様で変態な雌犬ですわぁ―――んっ!!」
☆☆☆
かつてないくらいに上機嫌で『拷問』を終えたサディちゃんに牢屋まで運ばれた私。
痛いのも何ももう気にせず、あおむけに寝て……じっと動かずにいた。
「……っ……ぅ……!」
今更になって、涙が後から後から流れ出てくる。
(あのくらいやった方が、その場はかえって恥ずかしくなかったな……まあ、わかってたことだけど、後から死ぬほど恥ずかしくなるけど……。今後はどうしようか。媚びるか、耐えるか……)
ほんの数分前まで自分が見せていた、醜態なんて言葉じゃ言い表しきれない、無様の極致とすら言っていい姿を思い出すと……今更ながら、ぽろぽろ涙が出る。
嗚咽は出てこない。でも、体が泣くことをやめてくれない感じだ。
あるいは……恐怖と絶望、葛藤や羞恥心……色々なものでごちゃごちゃになって、頭の中で何か大事なものが壊れちゃった……のかも?
(……死にたい、なんて思っちゃダメ。私は……生き残るためにああまでやったんだ)
心と体に痛みを感じながらも……私はそれを無視してうずくまった。
少しでも体力を回復させるため、目を閉じて眠る姿勢になる。
当然のように痛みで眠れないけど、じっとしていれば体力は回復していくはず。
それにもう少しで昼食だから、かえって都合いいや。食べたら、またこうしてじっとしてよう。
(……たぶん、サディちゃんは今後もまた、アレを見たがるだろうな……毎回かどうかはわかんないけど。その証拠に……全力で犬になった私に対して、『政府の提案を飲め』って言ってこなかった。最終的に心を折りさえすれば、その過程は問われてないから……目いっぱい楽しもうとしてるんだ)
その一線だけは譲らないつもりで……しかし、そのために、そして生きてここから出るために、その他の全てを捨てることすら覚悟して……私は目を閉じた。
……自分で言ったことなのに、覚悟したはずなのに……
あの遠吠えが、耳にしばらく残って……私の心をぐちゃぐちゃにし続けた。
―――わんわんっ、わお――んっ!