「……ゲーム……?」
「そ♪ 私とあなたの間で、個人的に……ちょっとしたお遊びをするの。もし私の言う通りにできたら……ん~~~あなたの望みをかなえてあげるわ」
「……それは、本当でしょうね?」
「もちろん。サディちゃん嘘はつかないわ。そのくらいのことは、私の権限で何とでもなるもの。……その代わり、あなたもちゃんと本気で『やる』のよ。もし私が満足できなければ……残念だけど……」
「……わかったわ。要求を呑みます……明日からでいいの?」
「ええ、いいわ。今日の夜のうちに移動して、そこで寝て……ん~~~明日の朝起きてから本格的にスタートにしましょう。期待してるわ、楽しませてちょうだいね―――」
「―――ワンちゃん♪」
☆☆☆
午前5時30分 起床
私の朝は、暗くて狭い、部屋とも呼べないような場所の中で目を覚ますところから始まった。
布団も何もない、床にそのまま……薄いござみたいなのを敷いただけなので、寝心地は最悪。
寝返りもほとんど打てないほど狭いこともあって、体があちこち痛い。
胎児のようなポーズで縮こまって眠っていた私は、そこでゆっくりと起き上がり……しかし、座るスペースすらほとんどないので、もぞもぞと動いて外に出る。
小さな空間の、四方を囲む壁の1つに大きな穴があるので、そこからどうにか外に出た。
出て、振り返ってみてそこにあるのは……犬小屋だ。
比喩でもなんでもない。ほんとに……大型犬用かな、ってくらいの大きさの犬小屋である。
そこそこ大きいから、小さな子供なら楽には入れるかもしれないが……大人には狭いとしか言えない空間だった。
テント泊とかになれてる人なら、もうちょっと平気なのかな? 広さとしては似たようなもんだし……いや、そんなこと考えてても仕方ない。
(さっさと準備しよう……遅れたら大変だ)
私は犬小屋の中にもう一度頭を突っ込んで中を覗き込み……隅っこの方に置いてあったものを手に取る。
それは、昨日サディちゃんが私に渡してきた……『バラ鞭』である。
……言い忘れたが、私は今、全裸だ。囚人服も身に着けず、全裸で犬小屋で寝ていた。
そして、今から服を着る予定もない。このまま、全裸で1日が始まる。
身に着けているのは……首元に巻かれている、頑丈な革製の首輪のみ。
内側に海楼石が仕込まれていて、私から力を奪う。
私は全裸のまま、その場に四つん這いになり……お尻の穴に手をやって、ほぐし始める。
最初は外側から揉むようにしてだが、少し入り口が柔らかくなったと感じたら、指を入れて内側から広げるようにしていく。2本、3本と数を増やして。
「う、っ……く……んんっ……」
声が出そうになるのをこらえつつ、適度にお尻がほぐれたら……手を止める。
そして代わりに、『バラ鞭』を手にもって、その柄の部分を、今ほぐしたばかりのお尻の穴にあてがい……勢いよく差し込んだ。
―――ずぶ……ずぶぶっ、ずにゅうっ……!!
「うっ、ぐ……!! い、痛いっ……!」
途中で止まってしまわないように一気に挿れるつもりだったけど、柄の部分の半分も入らずに止まってしまった。それでもどうにか、ぐりぐりと動かしてもう少し奥まで入れる。
ある程度奥まで入ったら、一度立ち上がって……バラ鞭が下になるように地面に座り込む。
―――ずぐっ……ずぼぼっ!
自分の体重を利用して、柄のほとんど全部がお尻に入るくらいにまで差し込むことができた。
すごい圧迫感でお尻がぎりぎり言って痛いけど、どうにか我慢する。
よし……これだけ深く差し込めば、簡単には抜けないよね……!
(……このくらいでくじけそうになってどうする……私……! まだまだこれからだぞ……!)
予想より準備に少し時間がかかった。
でも、今5時52分。きちんと間に合ったな。
☆☆☆
午前6時 サディちゃん起床
私は、合鍵を使ってサディちゃんが使っている部屋の中に入り……彼女が眠っているベッドの横までやってきた。
……いつもいつも私をひどい目に合わせてくれる女の寝顔は、見ていても憎たらしいもので、蹴飛ばすか首を絞めたくなるけど……ぐっと我慢する。
私は、そのベッドの横にしゃがみこみ……両ひざの間の床に両手を下ろしてつける。
丁度、犬の『おすわり』のポーズになった。そのまま、何もせずじっと待つ。
時計の針が6時を指したところで目覚まし時計が鳴り、サディちゃんが『んん……!』と起き上がる。寝起きはいいみたい。
起き上がりながら布団をどかすと、パジャマも何も来ていなかった。裸で寝るタイプの人なのか……どうでもいいことを知った。
そのままきょろきょろと周りとみて、ベッドの横に『おすわり』をしている私を見つけ……目が合った瞬間、
「わんわんっ! おはようございます。サディちゃん! 朝の挨拶に来ましたわん!」
「! あらあら~、いい子ねスゥちゃん。ちゃんと起きてここに来れたのね! ん~~偉いわっ!」
媚びへつらった響きまみれの私の声に、朝一番で機嫌がよさそうなサディちゃんはそう返した。
ここから、私の1日は……人間としての尊厳を全部捨てた、ワンちゃんとしての屈辱の1日は始まる。
なるべく何も考えないようにしながら、私は表情だけは満面の笑みにして、愛嬌を振りまいて甲高い声を出す。せいぜいこんな私を、笑って楽しんでくれるように。
「わんわんっ! サディちゃん、おはむごっ!?」
改めて『おはようございます』と言う前に、私の顔面にいきなりサディちゃんの足の裏がゴッ、と押し付けられ、黙らされた。
蹴られるような感じじゃない。そこまでいたくない。ただ、足の裏を顔に乗せられただけだ。
けど、口のあたりをかかとでぐりぐりされ、上手くしゃべれなくされている。
「だめよ、そんなんじゃ。朝の挨拶は、ちゃんとワンちゃんにふさわしいポーズでしなきゃ」
そう言いながら、サディちゃんは足を少し上にずらし、私の頭の上にのせて……そのまま踏みつけるように、頭を下まで引きずり下ろした。
ごつん、と私の額と床がぶつかって音を立てる。
痛くはないけど……なるほど。そういうことね。
逆らわず私は、そのまま頭を床につけ……両手もついて、土下座する。
「おはようございます、サディちゃん! 今日もスゥみたいな、おバカで下品でだらしない犬を、どうかよろしくお願いしますわん! サディちゃんに楽しんでもらえるように、精一杯頑張らせていただきますわん!」
土下座したままの私がそう言うと、サディちゃんは立ち上がってベッドを降りて……私の背中にまたがるように座った。
サディちゃんの丸出しのオマンコの感触が背中に直に伝わる。
そしてサディちゃんは、私が今お尻に突き刺してきたバラ鞭を……私がいつもサディちゃんに『ワンちゃん』をして見せる時に使う『尻尾』を、ぎゅっと握ってぐりぐり動かす。
「……っ……!」
お尻の奥がぐりぐり、ごりごりされる圧迫感で声が出そうになるけど、なんとか耐える。
「うん、ちゃんと奥まで入ってるみたいね、一人でつけられて偉いわ!」
そう言って、もう少し深く入るようにぐりりっ!! と押し込んでから、サディちゃんは私の背中からどいて、着替えに行った。
☆☆☆
午前7時 朝食
朝のシャワーや着替えなんかの身支度を済ませたサディちゃん。
ちょうどそのくらいの時間で、出来立ての朝食が部屋に届く。ホテルのルームサービスみたいに持ってきてくれるサービスがあるらしい。幹部以上の職員限定で。
「ん~~今日も美味しそう。さ、いただきましょう、スゥちゃん」
「はい、いただきますわんっ!」
サディちゃんがテーブルの上に並んだ、洋食中心のメニューを食べている横で……私は犬らしく四つん這いのまま、犬用の餌皿に盛りつけられたご飯を、手も使わず犬食いする。
調理係の話だと、余りものや残飯、賞味期限切れの食材を全部適当に入れて混ぜて焼いただけの……料理とも呼べないものが私のご飯だ。
調味料なんて使われてないので、美味しくない。変な臭いもするし。
けど、一応食べられるものでできてはいるので……そこまで忌避感はない。色々我慢して、考えないようにして、さっさと食べる。
時々、隣の皿に入っている水を、こっちも手を使わず、ぴちゃぴちゃ啜るように飲む。
犬食いだと、深いお皿の中身をきれいに食べるのが難しい。上手く食らいつけない部分は、ぺろぺろ舌でなめとるようにしてどうにか食べた。
全部食べようと頑張ってたら……いつの間にかお皿がピカピカになってたよ。
……ふぅ、美味しくなかった。ごちそうさまでした。
「あら、食べ終わったのねスゥちゃん、きれいに食べられて偉いわね~!」
「はい、とっても美味しかったですわんっ! こんなに素晴らしいご飯、ありがとうございますわんっ!」
「うふふ、それはよかったわ。じゃあ、きれいに食べたご褒美よ。はい」
―――べちゃっ!
サディちゃんは、自分の朝食セットについてきていた、デザートのアイスクリームを、私の目の前に落とした。
お皿に落ちずに、床に落ちた。
「私最近ダイエットしてるの。代わりに食べていいわよ」
……さすがに一瞬だけ躊躇った後……私は『わんわんっ! 嬉しいわんっ!』と鳴きながら、また四つん這いで……床に飛び散ったアイスを残らず食べて、なめて、啜り取った。
嬉しさを表現するたびに、お尻をふりふり、尻尾をふりふりするのも忘れない。
☆☆☆
午前7時30分 サディちゃん出勤
「それじゃあ行ってくるわね、スゥちゃん。いい子で待ってるのよ?」
「はいっ、サディちゃん。いってらっしゃいわんっ!」
全裸にお座りの姿勢で、サディちゃんを送り出すと……ここから先は、しばらく自由時間だ。
……といっても、やることなんてないんだけど。
(……私、何してんだろ……)
1人になると……『ワンちゃん』でいる必要がなくなったからか、急激に頭が冷静になっていって……恥ずかしさ、情けなさがこみあげてくる。
……どちらも最早度が過ぎてるせいか……涙も出ない。一周まわって、どう表現していいかわからない感じになってて、体が沈黙を貫いている。
ただ、ぶるぶる、わなわな震えはするので……きちんと正常に屈辱だとは感じている。
……それでも……我慢しなきゃ。
どんなにみっともなくても、屈辱的でも……私は今は、サディちゃんの犬であり続けないと。
だって、私は……
(……ブルーメとビューティを、助けなきゃいけないんだから……!)
一昨日の話だ。
過酷な拷問のせいで体が弱ってしまってたのか、私と牢屋で同室の2人……ブルーメとビューティが病気になってしまった。
しかし、囚人が病気になったからと言って、インペルダウンでは治療なんてしてくれない。
お構いなしに拷問を行い、死んだらそこまで……というのがこの監獄だ。
幸いと言っていいのか、2人が発症したのはそんなにひどい病気とかではなく……単なる風邪みたいだったから、しばらく休めば治るだろう。
けど……弱ってるのは確かだ。この状態で拷問なんかうけたら、最悪……
どうしても2人を見捨てられなかった私は、ダメ元でサディちゃんに頼んでみた。
すると……ある条件と引き換えに、しばらくの間、2人への拷問を猶予してもいい、と言われたのである。風邪が治るまでの間、だけど。
その条件とは……その猶予する間、私がサディちゃんのペットの『ワンちゃん』になること。
あの無様な様子を、サディちゃんのペットとして四六時中見せつけながら、私を大いに笑わせて楽しませてくれたら……望みを聞くと言われた。
私は覚悟を決めて、うなずいた。それが昨日のこと。
そして私は今日から、ほんの数日間ではあるが……人間をやめることになったのだ。
(ブルーメとビューティーが治るまでの辛抱だ……笑われるくらいどうってことない。むしろ、開き直って目いっぱい笑わせて、満足させてやればいい……!)
中途半端に恥ずかしがったり、尊厳を保とうとするから余計に恥ずかしくなる。
なので私は『ワンちゃん』になる時は、いっそホントに人間を捨てたつもりで、全力で媚びを売って無様をさらして。笑ってもらうことを楽しむくらいの気分でやってる。
そうすると……なんだか、逆に楽なのだ。
羞恥心がホントに一時的にマヒしてるみたいで、無様をさらせばさらすほど、それをサディちゃんが笑えば笑うほど面白い……くらいにむしろ感じる。どんどん勢いをつけて恥をかきに行ける。
……その分後からこうして、何もない時間に思い返すと……より気分が落ち込むけど。
今の私は、この『ワンちゃん』以外には拷問も何もないから……そういう時間が無駄に多いんだよな……体力的にはすごく楽だけど、気分的にはそうでもない、かも。
休んでいても気が休まらないというか、何か別なことを考えてないと……最悪な思い出がいつまでもリフレインして、ゆっくり心が腐っていきそうだ……。
今の私にとって、退屈は敵なのかも。
これなら……早くサディちゃんが帰ってきてくれた方が……いやいやいや、何言ってんだ私。それはそれで地獄だってば。
……やめよう。どんどん気分が悪くなってく。
……部屋の掃除でもしようかな。何も物を壊したり、位置を変えたりとかしなければ、サディちゃんも別に何も文句は言わないでしょ。
とにかく、今は何か手を動かしてたい気分。
☆☆☆
「うふふふふ……思った通り。何もされず、放置されてる時の方がつらそうね……スゥちゃん♪」
感情の読み取れない、沈んだ表情と死んだような目で掃除をするスゥ。
その様子を、家のあちこちにつけた監視用電伝虫で、サディちゃんは仕事場から見ていた。
横からドミノもそれを覗き込んで、スゥが全裸で、しかも肛門に深々とバラ鞭の『尻尾』を突っ込んだ姿で、床の吹き掃除をするスゥの姿を見ていた。
四つん這いで動くたびに鞭がゆらゆら揺れて、ぺしぺしとお尻の肉を叩くのを見て笑っていた。
「私が家に帰ると、すっごくキラキラした目ですり寄ってきてくれるわよ。こっちの予想を超えていくくらい面白いことしてくれるの」
「すごいですねそれは……私も見てみたいわ。今度、部屋に遊びに行ってもいいですか?」
「もちろん! あ、餌やりもできるから、何か適当に持ってきて? ドッグフードでも生卵でも、ホントに何でもいいから」
人が食べるものではなかろうと、個体ですらなく液体だろうと、床にぶちまければ喜んでそれを貪り食うだろう、と確信して言うサディちゃん。ちょうど今朝のアイスクリームのように。
それを聞いてドミノはまた吹き出してしまう。どこまでプライドを捨てているのだろう、と。
「あはははっ……すいません、おかしくて……! でも、大したものですね彼女も……仲良くなった囚人を助けるために、ここまでやるなんて。屈辱に耐えるにも尊厳を捨てるにも、普通限度ってあるでしょうにね……拷問でも普通に泣き叫んでいたはずなのに、意外と心は強いのかしら?」
ドミノがそう呟くと、それを隣で聞いていたサディちゃんは『うふふっ』と短く意味ありげに笑った。
その笑いは、映像の中のスゥではなく、ドミノに向けられたもののように見えた。
「……? サディちゃん、何か?」
「ん~~~? んふふふ……何でも? ただ、やっぱりドミノも勘違いしてるな、と思って」
「勘違い……ですか?」
「ええ。あの『ワンちゃん』は、スゥちゃんが、生き残るためや仲間のために、我慢して恥をかきに……っていうだけの、ただの開き直りじゃないわ。あれはあれで立派な『悲鳴』で……同時に、彼女なりの『逃避』の形よ」
「悲鳴で……逃避?」
「ええ……自分の心を、そして尊厳を守るためのね」
「心はともかく、尊厳は全力で捨てているように見えますが……」
「そうよね。でも、彼女はそう感じていないの。もっと言えば、そう感じないようにしている……ってところかしら。ドミノ、『二重人格』って聞いたことある?」
「ええ……まあ。いろいろな本や創作物で出てきますよね。1人の人間の中に、本来の人格と全く別な人格があること。『解離性人格障害』が正式名称の、精神疾患の一種ですよね」
「そう。おとぎ話なんかだと、もっとファンタジーな理由で『もう1人の自分』が生まれたりするんだけどね……現実にはそうじゃなくて、強烈なストレスから逃れるために、人間の脳が作り出す『逃げ道』だと言われているわ。つらくて苦しくてどうしようもない経験を、その別人格が表に出て引き受けることで、その苦痛やストレスから本来の人格を守るの。そして……あの『ワンちゃん』も……スゥちゃんにとってのそれなのよ」
「!? 別な人格ができている……と?」
「いいえ、そこまではいってないと思うわ。ただ、スゥちゃんは……『ワンちゃん』の時の自分を普段の自分と切り離して考えてるのよ。普段の自分は、痛いものは痛いから嫌だし、恥ずかしいものは恥ずかしいから嫌だ。だから、泣き叫ぶし涙も流す。怖くて震えるし、歯を食いしばって耐えなきゃいけない。けど、『ワンちゃん』の時は別。全力で恥もかくし、尊厳も捨てられる。別人だと思っていないし記憶も共有しているけど、『認識』によってこの2つは乖離しているの」
「……言ってみれば、ただの自分への言い訳。『それはそれ、これはこれ』の究極形ですか」
「ええ、自分で自分を騙して、心の傷をできる限り小さくしてるのよ。そして面白いのは……彼女が無意識にコレをやってるみたいだってこと。自分で自分の心を2つに引き裂いていることに気づいていないの。自覚もないしね。だからこんな風に、ふとした拍子にその2つの『区分』が揺らいで……そのせいで何もしてないときに苦しくなる。守るべき本来の人格の方に、『ワンちゃん』の時の痛みが漏れ出してきちゃう」
「逃避のための『乖離』としては不十分、ないし不完全なわけですね。このままいくと、漏れ出して染み入ってきた苦痛で本来の人格は苦しむことになる……ああでも、乖離してると思っていないから、冷静になって思い出しただけだと思ってしまい、彼女自身は何も不思議には思わない。不快な思いがこみ上げて来ても、そういうものだと受け入れる……」
「そう……不完全だからこそ、苦痛は完全には取り除けない。そしてそれから逃れるには……また『ワンちゃん』になるしかない。『ワンちゃん』でいる間は、恥も屈辱も『開き直ってるから平気』……と、思っていられるものね」
「そうしてまた恥をかいて、しかし戻った時に苦しんで、また『ワンちゃん』……まるで麻薬ですね。どんどんドツボにはまっていく……しかも、自分で勝手に」
「ええ……このまま続けたら果たしてどうなるのかしらね。サディちゃん、実はそれをちょっと楽しみにしてるのよ。これが極限まで行った時に……何が起こるのかって」
「……?」
「このまま追い詰めて、無自覚な乖離程度じゃ耐え切れないところまで、彼女の精神が追い詰められたら……完全に人格が2つに分離してしまうのか、それとも―――」
「―――逆に全部、取り返しのつかないくらいにぐちゃぐちゃに混ざって……『スゥちゃん』も、『ワンちゃん』になっちゃうかも……ってね♪」