いや、『年齢制限版』は基本的に全部IF展開ではあるんですが……書いといて言うのもなんですが、いつもの他の話以上に展開的にアレな感じになったので……
まあ、何でこんなの書いたのかと言われたら、『なんか思いついて書きたくなっちゃったから』としか言えないんですが……
こういうもんだと思って読んでいただくのをお勧めしますが、人によっては違和感を覚えるかもしれないので……その時はすいません。前もってお断りしておきます。
では、どうぞ。
七武海スゥの『息抜き』
「はい、おしまい……っと」
「く、くそぉ……せ、政府の狗がぁ……っ!」
そんなセリフを吐き捨てて、今回のターゲットだった海賊が倒れる。
全身私の番傘で滅多打ちにされて、ボロボロの状態で……倒れる前に意識は失っていた。
うーん……『前半の海』にいるにしては確かに強かったかもね。
覇気は使ってこなかったけど、それを補えるくらいの体の頑丈さがあって。武器も大砲もものともせずに攻めてきたから、普通の海兵とか海賊じゃ歯が立たなかったんだ。
まあそれでも、私にかかれば秒である。
最初は海軍と戦ってて、苦戦してるようだったんだけど……このへんは私達『金獅子海賊団』の縄張りも近いし、あんまり調子に乗って大きな顔されちゃ困るってことで……近くまで来たついでに、私が手を下した。『王下七武海』として。
ふと振り返ると……海兵達は、自分達が助かったことや、海賊を倒してくれたことに安堵しつつも……私という新たな海賊に対して別個に驚いて、緊張している様子。
まあ、七武海とはいえ、海賊には変わりないわけだしね……こういう視線、ないし扱いも、仕方ないと言えば仕方ない。
スモーカーさんみたいに、『海賊はどこまで行こうと海賊』と割り切って、一切信用してないような人も少なくないしな。
きちんと真面目に対応してくれるだけ御の字だ。こんな風に。
「お、お見事です“海賊文豪”殿! 危うい所を助けていただき、ありがとうございました!」
と、この船のまとめ役と思しき海兵さん……たたずまいからして中佐から大佐くらいかな、って人がお礼を言ってくる。
うんうん、海賊相手でもちゃんとお礼を言ってくれる人は好きだよ。
「どういたしまして。船や人員は無事だった?」
「はっ、おかげさまで……」
「そっか、よかった。じゃあ、私はこれで行くね」
「はい? そ、それはもちろん構いませんが……『シャンドープ海賊団』の、身柄や財宝などは拿捕されないので? 賞金首もおりますが……」
「それはもちろんもらうけど……あーほら、あれ見える?」
と、私が指さして示した先には、『金獅子海賊団』……の、傘下の海賊団の船が、こっちに向かってきている光景があった。
ちゃんと、『王下七武海』関係の船であることを示すために、自分達の旗に加えて『金獅子』の旗を掲げているので、よくわかる。
「そのへんの細かいことは部下に任せてるから、彼らと相談して色々やってくれるかな。大丈夫、ちゃんと話通じる奴らだからさ」
「し、承知しました……」
私がこうして『七武海』として海賊なんかを狩った後は、その後始末――財宝の略奪・回収や、目録の作成、賞金首の捕縛や海軍への引き渡し等――は、主に傘下の海賊団に任せている。手間がかかって人手が必要になるような雑務が多いからね。
縄張り近くであれば、電伝虫1つでこんな風に駆け付けてくれるので、私も助かってる。
彼らに任せておけば、そういったものの回収はもちろんのこと、場合によっては負傷者の手当て――基本、市民も海兵も問わず――とかもやってくれるし。
海兵の中には、海賊に助けられることをよく思わない者もいるけど、有用なのは確かなので……割り切って、利用するつもりで付き合ってる人も多いようだ。
それでいいと思ってる。立場とか主義主張ってもんは、どうしてもね……邪魔をする。
私は『それじゃ!』と海兵さんに改めてさよならの挨拶をすると、背中に紙の翼を生やして飛翔した。
さて……じゃ、早いとこ行こう。
予定外に時間食っちゃったな……さっさと行かないと、せっかくの『息抜き』に遅れちゃうよ。
☆☆☆
「船長、お嬢は先に飛んで行っちまったようです」
「だろうな……今日は大事な用事があるって聞いてたから、それに向かったんだろう。むしろその直前だってのに『七武海』の仕事をきっちりこなしていくってのが、真面目なお嬢らしいぜ」
スゥが撃破した海賊団からの略奪その他の『後始末』のために、船を進めて近づいていくのは……『金獅子海賊団』の傘下にいる、とある海賊団の船だった。
傘下に入ってまだ日は浅いが、着実にスゥの部下として仕事をこなしていき、信頼を積み重ねているところだった。
「用事、っすか。もうすぐ日暮れっすけど……何なんすかね? 飛んで行った方角、アジトの方向とも違うように見えましたが……」
「さあな。俺もよく知らねえが……探るのはやめとけ」
「え?」
「聞いたことがある。お嬢がプライベートで所有していて、時々訪れる島があるってな……。名前は『ゴッホカーニ島』。それ以外のことはほとんど何も知られていないが、唯一はっきりと周知されているのは……一部の部下を除いて、誰も近づくことを許されていない島……なんだそうだ」
「近づくことを……許されていない……」
「ああ。当然、その島に何があって……何のためにお嬢が時々そこを訪れるのかもわかっていないが……一説には、非常に危険な極秘の研究が進められているとか……あるいは、目を覆いたくなるような『実験』が行われている、とか言われてるな……」
「そ、そりゃあ怖いっすね……わかりました、部下達にもよく言っとくようにします」
自分達の主人であるスゥは、気さくで優しい人物だが……一方で、敵とみなした者には一切容赦をしない性格でもあることも知られている。
もし何か失敗して不興を買い、『頂上戦争』で赤犬を倒したあの武力が自分に、怒りと共に向けられるようなことになったら……と思うと、その部下達はぞっとした。
そんなスゥが言明する『入ってはいけない島』……気にはなるが、絶対に触れてはいけないものなのだろう。
「まあとはいえ、噂じゃ『空島』らしいから、普通に過ごしてりゃまず行こうと思っても行く機会なんかねえけどな」
「あ、なんだ……そうなんすね。よかった」
☆☆☆
空島『ゴッホカーニ島』。
『王下七武海』就任のお祝いに、パパからもらった空島の1つだ。
アジトとかからかなり離れた場所にあるため、あんまり訪れることはないものの……こうして時々訪れて、とある『息抜き』に使っている。
そしてその関係で……一部を除いて、私の部下達にも、近づくことを禁じている島でもある。
まあ、来ようと思って来れる場所でもないんだけどね。
そもそも空島だから行く手段がないのに加えて、周囲に目印も何もないから、来るには『
環境としては、少し涼しめの『春島』って感じ。気温の変化も少なく天気も荒れないため、一年を通して年中過ごしやすい島だ。
猛獣とかもいないし、もちろん人間だって住んでない。……普段は、だけど。
大きさは小さめで……徒歩でも1時間ちょっともあれば一周できてしまうくらいのサイズしかないが、小さなサイズの湖とか森林があって、割と自然豊かである。
そんな島の真ん中に、武骨なつくりの建物が1つ……建っている。
洒落っ気、飾り気の欠片もない、鉛色で……豆腐建築みたいに四角い、シンプルな建物だ。
頑丈そうではあるが、窓は小さくて少なくて……しかも鉄格子がはまっているという……。
そう、まるで……監獄のような建物である。
―――ごくり
これからここでやることを思い出して……私は、ちょっと緊張してしまう。つばを飲み込む音が、やたら大きく聞こえた気がした。
もう、何度もやってることなのにね……しかも、『息抜き』のために、自分から望んで……。
建物の玄関前に降り立ち……深呼吸して、気持ちを落ち着けてから……扉を開ける。
キィィー、と、微妙に金具の油が足りてないような、軋むような音と共に開いて……そのまま、薄暗いその中に入っていく。
中には……落ち着いた感じのスーツに身を包んだ1人の女性がそこに立っていた。
『ここ』を使う時に、その管理を任せている数少ない部下の1人である彼女は、入ってきた私にぺこりとお辞儀をして、
「お待ちしておりました、スゥお嬢様。ゴッホカーニ島の『遊び場』へようこそ。今回も我ら一同、精一杯『お相手』を務めさせていただきますので……よろしくお願いします」
「うん……今回も、よろしくね」
「はい。それでは……こちらへどうぞ」
案内に従って、私は奥へ進む。
―――ガチャリ
やけに大きな音を立てて、後ろの扉が……鍵をかけられて閉まった。
1つ奥の部屋に入ると、そこにはさらに数人が待っていた。
全員男性で、直立不動の姿勢で、無表情で壁際に並んで立っている。
その部屋の真ん中まで進むと……案内してくれた女性は、にこやかに笑ったまま、私に指示を出してくる。
すぐそこに置いてある、空のバスケットを指し示して、
「では、そちらにお召し物を全て脱いでお入れください」
さらりとそんなことを言う。
何人もの男性が見ている前で。
しかし私は、すこし緊張しつつも……素直にそれに従って、着ているものを脱いでいった。
『七武海』としての活動の際によく。普段着として着ている、動きやすいアウターもズボンも、しゅるりと脱いでバスケットに放り込む。
続いてそのままインナーに手をかけて、上、下の順番でぐいっと脱いでしまう。その時一緒に、靴も靴下も脱いで脇にどけた。
たちまち私の体は肌色だらけになり……上と下の下着だけになってしまう。
さすがにというか、一瞬ためらうけど……女職員が『さ、どうぞ続けて?』と手で促してくるのに従い、その2つにも手をかける。
背中に手を回してホックを外し……ブラジャーを取り去る。
ぼろん、と、押さえられて隠されていた乳房があらわになってこぼれ出た。
するっ……とパンツを足元に落とす。
暗い室内のひんやりとした空気が、むき出しの股間を前から後ろまでなでる。
すっかり生まれたままの姿になってしまった私。
壁際には、当然今もまだ男性職員達が並んで立っている。彼らの無遠慮な視線にさらされたまま、何も言わずそこに立っていた。
脱いだ服の入ったバスケットは、女性職員が合図をすると、男性の1人がどこかに持っていってしまった。
それと入れ代わりに入ってきた職員が、代わりに何かが入ったバスケットを持ってきて、私の目の前に差し出した。
中に入っていたのは……見覚えのある、白と黒の横縞の服。
インペルダウンでさんざんお世話になった……『囚人服』だ。
言われるままにそれに着替えて……最後に私は、バスケットの底にあったものを手に取る。
それを、案内役の女性にそのまま渡し……両腕を差し出す。
差し出された私の両腕に、女性はそれ―――海楼石の手錠を『ガチャリ』と嵌めた。
そういう設定……とか、そう見えるだけ、というわけではない。
正真正銘、本物の海楼石の手錠だ。これで私は……能力も覇気も封じられ、何もできなくなってしまった。
もしも、目の前にいる彼女達が、よからぬことを企んで私に何かしようとしても……それに抵抗することすらできなくなってしまったのだ。
……もしもどころか、まさにこれからそうなるんだけどね……。
囚人服に手錠……完全に自由を奪われ、無力な囚人の姿になってしまった私に、女性はにっこり微笑むと、『ではこちらへ』とさらに私を案内して、奥へ連れて行く。
その先にあったのは……小さくて薄暗い、独房。
鉄格子の向こうに、粗末な敷物と、丸見えで隠せる場所がないトイレだけが設置された……およそ人が人らしく暮らせるような場所ではない個室が用意されていた。
私はその中に入り……女性は、牢屋の扉をガチャリと閉め、鍵をかける。
そして、最初からずっと変わらない微笑みを浮かべたままで、こう言った。
「それではスゥ様、今回の『監獄ごっこ』も……どうぞ心行くまでお楽しみください。我ら一同、心を込めて、存分に拷問させてもらいいますので……覚悟、してくださいね♪」