―――ぎりぎりぎり……っ!
「ぐぅっ……」
「あぁん、ダメよ動いちゃ……動くと締め方が変になって余計に痛いわ。じっとしてて……ね!」
―――ぎりっ!
全裸にされた私の体に、サディちゃんは複雑なやり方で……しかし手馴れた様子で縄を巻きつけて行く。
指示通りに腕を上げたり下げたりするうちに、するすると私の体は縄で覆われていった。
そして最後に、仕上げとばかりに後ろに回り……足の裏で背中を蹴るようにぐっと押しながら、縄を引っ張ってきつく締め上げる。
それに伴って、その縄がつながっている全ての個所がぎりぎりと締め付けられていき……私の体に、2種類の痛みが走る。
関節が変に動きそうになる痛みと、縄が体に食い込んだり擦れたりする痛み。
ぎりっ、とひと際強く締め上げた後、サディちゃんは私を引っ張って歩かせ……わざわざ獄卒達に持って来させて用意してあった、大きな鏡の前に立たせる。
「ほら、できた……見て、あなたの姿。あぁん……なんて美しいのかしら」
鏡の前に立たされた私の姿を見て、サディちゃんは『ほぅ……』と息を漏らす。
一方で私は、顔をしかめそうになるのをこらえるのに必死だった。
そこに映っている私の体は、全裸の上に縄が幾重にも、複雑に巻きつけられた姿になっていた。
こういうのには詳しくないので、この縛り方に名前があるのかも、どういうものなのかもわからない。なので、説明するなら……そのまま言葉にするしかない。
腕は頭の上にバンザイで持ち上げられた後、後ろに折り曲げられて頭の後ろで縛られている。今の時点で少し関節が痛いし……当然ながら、わきの下まで丸見えで、どこも隠せない。
胸は、2つの乳房の付け根に縄がぐるっと回るように巻きつけられていて……そのまま後ろに引っ張られているので、乳房が片方ずつ、ぐっと前に強調されるような形になってる。
つけねのところがきつくて、少し……絞られてるみたいな気分……乳首も勃ってしまってる。
お腹のところには、何本もの縄をより合わせて束ねたものが巻き付けられてる。しめ縄をベルトにして巻いてるみたいな図だ。
腰から股間にかけては、まるで縄でビキニ水着を作ったみたいな形になってる。
腰のところに回したそれから伸びた縄が1本、股間の縦筋をギリギリ隠すような形で真下に伸びて、そのままお尻側に……Tバックみたいにグイッと食い込んでる。
しかもなんだか、オマンコとお尻の穴のあたりに、それぞれ丸っこくて硬い感触がある……結び目でも作ってあるのかな。
足にも縄が巻いてあって、しかしこれは、巻き方は複雑だけど、別に痛くもなんともない。……今は、だけど。
よくもまあこれだけ卑猥な構図を作れるもんだ、と言いたくなるくらいに、巧みな縄さばきで私の裸体を飾り上げたサディちゃん。
しばらくその姿を鏡に映して堪能した後、さらに移動。私を、今回使う拷問装置のところに連れて行った。
そして、腕、お腹、両足から伸びる縄を全て1つにまとめて、その装置に繋ぐと……カラカラカラ、と音を立てて装置が動き出す。
滑車が回り、縄が巻き取られ始め……突然、ぐん、と後ろに強烈に引っ張られる感触が私を襲った。
次の瞬間、がくんと足が膝から折りたたまれ、立っていられなくなって……『転ぶ!?』と思ってしまった。頭から地面に激突する、と。
しかし実際には、私の顔は、というか体は……地面に落ちるより前に、ビィン! と音を立てて縄に支えられたことで、落下せず、宙づりの状態で止まった。
ただし、その瞬間……繋がっている全身の縄が一気に引っ張られて、
「う……ああぁぁあ゛あぁあぁっ!?」
締め上げられる感覚と関節が極められる感覚。そして、凄まじい痛みが襲って来た。
覚悟してはいたけど、来るのが徐々にじゃなくていきなりだったし……そうでなくても予想以上に痛い……っ!
「あぁん……っ! 本当に美しいわ……このまま私の部屋に持って帰って、ん~~~インテリアにしちゃいたいくらいよっ! 色白のきれいな肌に、食い込む縄という極上のデコレーション……正にこれは芸術品だわ!」
緊縛の拷問は、こんな風に、頑丈な縄で縛られて、宙吊りにされる拷問だ。
もちろん普通に動けなくされるだけでなく……吊るされた時に痛く、苦しくなるように計算された姿勢と縛り方で吊られる。
縄が締まり、ぎりぎりと肌に食い込む。
縄に引っ張られ、関節が無理な駆動を強いられる。あらぬ方向に力がかかって悲鳴を上げる。
基本的にそれらは、体重が重いほど痛い。自分の体重がそのまま締め上げる力になるように縛られているからだ。
……私、そんなに重い方じゃないとは思うんだけど……身長がそこそこあるので、どうしてもある程度の体重はある。……十分痛い。
そして、痛いからと言って暴れると、余計に痛い。縄が食い込むし、こすれるし、関節にも負担がかかる。
肘、肩、膝、背中、お腹、腰、胸、股間、お尻……体中からみしみし、ぎりぎりと音が聞こえて、壊れる寸前まで追い込まれているんだっていうのがいやでもよくわかった。
気のせいじゃなければ、呼吸まで苦しい……横隔膜でも圧迫されてるのか?
この圧迫感、もしかして……あのベルトみたいになってたお腹の縄か! あれに押されて……。
よくもまあ、こんな……的確に人間を苦しめる縛り方ができるもんだ……確かにそうだな、ある意味これは芸術かもしれない。
その材料にされてる私としてはたまったもんじゃないが!
「う……ぐぅ……っ! はぁ、はぁ……」
吊るされるだけで何もしていないのに、十分な苦痛。
脂汗が垂れてきて、体を伝って……顎や膝、乳首といった、下側の末端部まで流れて、そこからぽたぽた落ちていく。
胸の付け根の縄がさらに食い込んで、ほんとにお乳を搾られてるみたいに……充血しそうな感じで締まるので、乳房がぱんぱんになって突き出す形にされている。
その先端から汗がぽたぽた落ちているのが……なんとも卑猥な光景に思えた。
さらに股間の縄は、ぎりぎりと音を立ててオマンコに食い込む。お尻にも食い込む。
さっき感じた通り、両方の穴のところに丁度来るように結び目が作ってあって……穴そのものをごりっとおさえられてるみたいな感覚がある。
オマケに足は、膝関節が痛いのに加えて……両足が左右に少し開くように占められているから……今言った股間の部分が、後ろからは丸見えになってることだろう。
当然今回も、サディちゃんや部下の獄卒達は周りにいるままなので……じろじろ視線があちこちに突き刺さる。
これだけでも十分、痛くて、苦しくて、恥ずかしくて、つらいのに……サディちゃんはひとしきり私の姿を堪能した後、『さて』と立ち上がってまた歩み寄ってきた。
そしておもむろに、私の腰のあたりに手を乗せて……ぐっと下に引っ張る。
――ぎりりっ!
「うぎぃっ!?」
当然、更に力が……重みがかかったことで、いっそう強く縄が締まり……思わず悲鳴が上がる。
それを聞いて上機嫌そうにするサディちゃんは、また新たな拷問道具を獄卒達に持って来させた。
それは、重りだった。布の袋に入っていて……手足とかに着ければ、ウエイトトレーニングができそうな感じの見た目をしている。
それをサディちゃんは、私の背中に1つずつ乗せて行く。
1つ、また1つ乗せられるたび……ぎり、ぎり、と縄の締め付けがきつくなっていき……私の苦痛もその分増していく。
やめて、と言いたいけれど、歯をくいしばって耐えているせいでそれもできず、ただただ関節と、縄が食い込む肌が悲鳴を上げているのを耐えるしか……
――ぎりぎり……ばちん!
「ひぐあぁっ!?」
何、今の……!? 何が起きたの!?
お尻とオマンコのあたりが、ばちんってすごい痛みが……
苦痛と、ほんのわずかな甘い快感が、2つの恥部にまとめて走って……絶叫してしまった。
少し考えてわかった。
今、サディちゃんは……私の股間の縄を引っ張って……放したんだ。
私の股間に、前から後ろに1本通っている縄。ちょうど、2つの穴のところに来るように結び目が作ってあって、より硬い感触があるそれ。
それを、後ろ側にぎりっと引っ張って……放す。
すると、反動で勢いよく戻って、縄が股間を強打する上に……2つの結び目が穴を直撃する。
縄はゴムみたいに伸びるわけじゃないけど、場所が場所だし……既にめいっぱい締め上げられていて、『遊び』がほとんどない縄を引っ張って放すわけなので、それだけでも威力は十分だ。
こんな風に……
―――ぎりっ、ばちん!
「ぐひぅぅっ!?」
柔らかくて弱いところに響く衝撃波、私を絶叫させるには十分だ。
痛い……お尻とオマンコがひりひりする……! 赤くはれちゃったらどうしよう……!
すると今度はサディちゃんは、私の目の前に回ってきて……獄卒に持たせている拷問具入りのバスケットの中から、また新しい道具を取り出した。
それは……ピンポン玉くらいの大きさの鉄球に、紐がついた……クラッカーボールみたいなもので……その紐のもう片方の端には、洗濯バサミみたいな金属のピンがついていた。
それが、2つ。
見た目からして嫌な予感しかしないそれを持って、サディちゃんは私に近づいてきて……
――ぱちん、ぱちん
「いぎぃぃいぃっ!?」
「いやん、よく似合ってるわぁ、スゥちゃん!」
そのピンを……私の乳首に挟む。
2つの乳房の先端から、紐で吊られた鉄球が1つずつ、ぷらぷらと揺れて……い、痛いぃっ!
「うふっ……本当はピアスにしてあげようかと思ったんだけど、体に穴をあけるのは流石に可哀そうだから、ん~~~ピンにしてあげたの。どう、優しいでしょ? 実はピンの方が食い込んで痛いって言われてるらしいけど……傷は残らないからそのくらい気にしないわよね?」
どっちも嫌だけど……どっちにしろこの痛みはきついっ……!
乳首が痛い……いや、乳首だけじゃない。
おっぱいが、おっぱい全体が下に引っ張られて、乳首も乳房も付け根の部分も痛い!
おもりが前後左右に……左右別々に動くから余計に痛い!
しかもサディちゃんがこのタイミングで、私の体をつかんでゆらゆら揺らすからもっと……痛い痛い痛いっ!
……これだけでも、もう十分地獄なのに……
「んふふ……すごく素敵よスゥちゃん。でも実はほら、もう1個余ってるのよね……どこに着けようかしら?」
そう言って、バスケットの中から……乳首につけられたのと同じおもりをもう1つ出して、私の体をじろじろと見ながら……なぜか下半身の方に回るサディちゃん。
……何でそっちに行くの? そっちにはどこにも、それをつけられそうな場所なんて……
…………! まさか……
「あら、ちょうどいいわ。ここに着けましょう」
「待って……待って! だめ、そこダメ! やめて、そんなのつけたら……お願いやめて、そこクリ……」
―――ぱちん
「ぅぎぃぃいぃひィ―――っ!?」
オマンコを開かれ、中にぽつんとあるクリトリスに……金属のピンの冷たい感触。
次いで、挟まれる激痛と、それをさらに鉄球の重みで引っ張られる激痛。
しかも、痛みと一緒に強烈な快感まで走ったせいで、びくんっ! と大きく体が震えて、それがまた痛みに代わる。
縄が締まる。擦れる。食い込む。乳首とクリトリスのピンが、引っ張られてひたすら痛い。
あぁ、しかも、今ので体全体が揺れてきて……痛い、痛いっ!
「うぎぃぃいっ! やめ、痛……痛いぃっ! お願いっ、やめで……はず、外してぇっ! ピンだけでいいから、千切れる、千切れちゃうっ!」
「ん~~~~! たまんないその
「3つとも……っ! 痛い、痛いのぉっ! 千切れちゃうよぉ!」
「だめよ3つともなんて、欲張りさんは……めっ!」
―――ぴんっ!
「あぐぅっ!? やめ、だめ……鉄球ピンってするのだめぇっ! 痛いからあぁっ! 下の……下の方の1個だけでいいから外して……!」
「ん~~~? 下の方、じゃどこのことかわかんないわぁ、ちゃんと具体的に、どこについてるピンか言ってみて」
「オマンコ……クリトリス! クリトリスですっ! クリトリスについてるピンだけでも外してください! 痛い……痛い……千切れるっっ!」
「う~~~ん、よく言えました。…………でも……だー・めっ♪」
「……っ……!?」
「だってこんなにも美しいんですもの……もっともっと眺めていたいわ。縄、鉄球、あなたの白い肌、汗、涙……全てが一体となって極上のアートを作り上げているのに、外しちゃうなんてん~~~もったいない! せめてここから先は何もしないでいてあげるから、そのまま我慢していなさい」
「そんな……!」
「ふふっ……ねえ、今何時? 今日の拷問終了まで……鑑賞時間はどのくらいあるかしら?」
「はい。今8時29分ですので、12時の昼休憩まで……3時間半くらいですね」
「……! ……は、ぁ……!?」
それから3時間半。私はひたすら耐えた。
なるべく動かないようにしたけど、どうしても体がびくびくっ、と時々痙攣するように震えて……そのたびに乳首とクリトリスに激痛が走った。
そのせいで体が動いて、また痛みが……という悪循環に陥った。
途中でトイレを我慢できなくなって、吊られたまま垂れ流しにした。
見られて、笑われた。
だらだらと垂れる汗や、その他の色々な液体が、縄でこすれた部分や、ピンがかんでいる部分にひりひりとしみた。
……けど、いっそ痛みと、見られる恥ずかしさだけなら、まだよかったかもしれない。
途中から、ごまかしようもないくらいに……その中に『快感』が混じってきたのだ。
ピンをつけられている、乳首とクリトリス。
そこが引っ張られるたびに、痛みと同時に『きゅんっ』とうずくような……
こんなことされて、そんな風に感じてしまうなんて……信じたくない。
つけられた以外は、触られてるわけでもないのに……こんなことで気持ちよくなるなんて……まるで、変態じゃない……!?
もしかしたら、度重なる苦痛に耐えかねて、私の脳が本能的に刺激の種類を書き換えた……つまりは、本当は『痛い』んだけど、『気持ちいい』と感じるようにしてるのかもしれない。
……それだったらいくらか、精神的にはマシだ。
……でも、そうだとして……もし、それがこの先も続くようなら……。
そんなことを考えてしまっていた私だけど、少なくとも今は、体が感じてしまっているのは『快感』に間違いないと……それは認めるしかなかった。
さっきから、乳首かビンビンに硬くなって……ピンを押し返すくらいに大きくなって、けどその結果余計に食い込んで……痛くて、気持ちよくて……
股間のあたりなんか、じんわり濡れて……そのピンから伝って糸へ、その先の重りへ……しっとりとした水滴が……
もちろん、目で見えたわけじゃない。体勢的に無理だ。
ただ、感覚だけでそうなってるとわかるくらい、今の私の体は敏感になってしまってるのだ。
……何より、それに気づいた瞬間の……サディちゃんの嬉しそうな顔と言ったら……。
「ん~~~~! 予想以上っ! スゥちゃんってば、期待以上にいやらしい体だったのね……私が調教してあげるまでもなく、痛いのに気持ちよくなれてしまうなんて……素晴らしいわっ! これからがますます楽しみね……!」
昼になる頃には、ただ吊るされて動くことも何もなかったのに……もう私は精も根も尽き果てたようになって……しばらく立てず、引きずられるようにして牢屋に戻された。