夏休みの思い出~田舎で いとこ とエッチするはなし~ 作:霧里
スマホを抱えて布団に入る。ここ最近はそれが日課になっていた。
誕生日とクリスマスを前借りしてまで手に入れたスマホは、一生に一度のワガママかって勢いで、お母さんを強請り倒してようやく買って貰えた宝物だった。
「おやすみ、和樹」
送ったメッセージはすぐに既読がついた。
この画面の向こうに和樹がいる。顔も見えない、声も聞こえないけれど。返事が返ってくる、ただそれだけの事に浮かれてしまう。
でも、やっぱり…。
舞い上がっていられたのは最初の数日くらいだった。
もしかしたら、スマホを買って貰える前のほうが、落ち着いていられたのかもしれない。
こんなに簡単に和樹と連絡が取れる。
声を聞こうと思えば電話ができて。顔を見たくなったら写真でも、ビデオでも、なんならお互いの顔を見ながら話しだってできた。
最近の携帯電話は凄いんだなって。まるでお婆ちゃんみたいな感想を抱いてしまったのだって仕方がないと思いたい。
けど、ふと気付いてしまったんだ。
毎日顔も合わせて、毎日お喋りだってして。
寂しくなんかさせないから。あの日約束した通り、慣れないなりに頑張ってはみた。
「おやすみ…」
返ってきたメッセージに既読をつける。何か返事を返そうとした指を意識的に留めた私は、その指を電源ボタンに掛けていた。
また、夜更かしさせるのも悪いし。
その時は休み前だから良かったものの。学校のある日だったら、きっともっと迷惑をかけていたに違いない。
スマホの明かりが落ちると、部屋の中は急に真っ暗になった。
それが、なんだか余計に寂しい。さっきまで和樹とメッセでやり取りしていた分だけ その気持は大きくなる。
こんなになるなら、スマホなんて買って貰わなければ良かったのかな?
だって、画面の向こうがあんなに遠い。
スマホは確かに私と和樹を繋げてはくれたけど、中途半端な繋がりが余計に寂しさを募らせる。ここに彼が居ない事実を、毎日、毎晩、思い知らされて、彼とのやり取りが楽しかった分だけ、彼からの連絡が来ない時間がもどかしかった。
学校の授業だって上の空。友達とのやり取りさえ、おざなりになり始めた事に気付いてようやく、私はこのスマホって機械の恐ろしさに気づく。
ダメだ。私、このままじゃ、ほんとにダメになっちゃう。
和樹以外の全部が煩わしかった。友達や、お母さんたちの事まで鬱陶しいなんて一瞬でも考えてしまった瞬間、急に怖くなってしまったんだ。
学校に持っていくのもやめて、昼間は鍵の付いた引き出しに押し込んだまま。
寝る前の少しの間。和樹とお喋りしたりするためだけにしておかないと、普段の生活が滅茶苦茶になりそうだった。
「あぁ、そうだよな。俺も、使い始めの時期は無駄に触ってたな」
寂しくさせないから。自分から言いだした事なのに、私のほうが寂しさに耐えられなくなっていた。和樹は笑って許してくれたけど、私の知らない所で彼は何をしてるんだろうって、考えるだけでも胸が痛む。
もう、土下座外交だ。
日中は我慢するから。宿題だってちゃんとやるから、だから。寝る前の一時間くらいは、長電話してても見逃して欲しいって。買って買ってと、だだを捏ねたこの口で、もう一度お母さんに頭を下げるのは なんとも気まずい。
その後、お母さんにからかわれるだけ からかわれて、ようやくと頷いてもらえた。ていうか、見逃されただけなのか。
多分、浴衣を探した時からもう気づかれていて、なんのかんのとスマホを買ってくれたのだって、きっと私を甘やかしてくれた結果なんだと思う。
「かずき…」
呟いた形に空いた胸の穴。それを少しでも埋めようと、スマホを胸に抱えこんだ。だけど、電源の入ってないスマホなんてのは、ただの四角い置物だった。普段は彼とを繋いでくれる魔法のような機械でも、それ自体が私の寂しさを埋めてくれる訳じゃない。
寂しい、寂しい、寂しいよ…。
今すぐスマホの電源を入れて、和樹に電話がしたくなる。
でも、それはダメだって自分で決めたんだから。お母さんをこれ以上困らせてスマホを取り上げられたら最悪だし、こんな時間にまで和樹に電話して嫌がられるのはもっと嫌。
かずき、かずき、かずき…。
胸の穴から入り込んだ隙間風が私を冷やす。たとえロウソクに火を灯したような温もりでも、少しでも温まりたくって彼との思い出を掘り返す。
でも当然、一年に一度会う程度の関係じゃあ、たくさんの思い出なんて作れるわけもない。それに、お互いを意識したのだって最近の事だ。
思い出は自然とこの間の事になるし、その少ない思い出を掻き集めると、どうしたって二人でエッチな事をした日に触れてしまう。
触りっこして、抱きしめ合って、セックスまでしてしまった。
和樹ので一杯気持ちよくして貰った、中にも一杯出されちゃった、あんな幸せ忘れられるわけがない。
最初は、だってそう…。
私で興奮しちゃった和樹が、寝てる隣で、一人で…。
思い出しただけで体が熱くなった。
あの息遣い。ふいに私を呼ぶ声は、あんまりにも必死だった。
なんだろうって、うたた寝からぼんやりと目を開いた私が見たものは、ズボンを下ろした和樹が、おちんちんを弄っている光景だった。
「はぁ…っ、はぁ…っ」て、荒い息を吐きながら。
「ゆい、ゆい」って、私の名前を呼んでいた。
オナニーって、聞いたことはあったけど。
見られてる。扇風機の風が私の肌を撫でる度、浮き上がった服の隙間に和樹の視線が入り込んでくるのに気づく。
恥ずかしくなって、肌を隠そうとして、だけど…手が止まってしまった。
私が起きてるのに気づかれたら、どんな顔をしたら良いか分からない。
いま起きたような振りをして、何をしてるのって? そんなの絶対、おちんちんを見てしまうに決まってた。
「かずきぃ…」
見様見真似。
いや、男の子のオナニーを見て、それが何の参考になるかは知らないけど。
例えばそう。あの日の夜に、和樹が私を触ってくれたみたいに、自分のおまんこに指を這わせたら、私も、気持ちよくなれるんじゃないかって。
なんか、覚える順番がメチャクチャだ。
恋人になるより前にエッチして、オナニー覚える前にセックスして。
ああ、でも…。
指が止まらなかった。
止めたくない。
ただ一撫で、パジャマの上からなぞる。
自分にある女の子の形に触れて、慰めるように指を這わせた。
「ぁ…っ」
たったそれだけ。意識しなければ気にもとめない程度の刺激でも、私の体は熱を持ち、意識を向けた分だけ胸の音が大きくなる。
ドキンっ…ドキンっ…。
跳ねて、跳ねて、浮ついて。快感に焦がれた吐息が口から溢れた。
一回、二回、数える度に刺激は強くなり、だんだんと歯止めが効かなくなってくる。
和樹の指の動きを思い出しながら、和樹にして貰っている振りをして。
寂しい、寂しい。寂しさに耐えられなくて、こんな一人で慰めるしか出来ない自分が情けない。
けど…。
指で触れる度、その熱を思い出す。
和樹が触れてくれたとこ。触れられて、気持ちよくなって、少しでもその熱を取り戻そうとした私は、体の奥でくすぶる性欲を煽り続けた。
もっと、もっと…。
淡く広がる快感が焦れったい。甘く痺れる程度じゃ物足りない。
お股がムズムズしてくる。性感を受け入れようと、敏感になった肌がくすぐったくなってくる。
でも、それだけ…。
絶頂には程遠い。どれだけ思っても、どんなに鮮明に思い出しても、結局それは、ただの思い出でしかなかった。
似てるだけでまるで違う。追体験は出来たとしても、その時以上の感動は得られる訳もないし。指を動かした分だけ、大切な思い出が自分の手垢で汚れていくみたいで悲しくなった。
それでも、指は止まらない、止めたくない。
まるで違うのに、良く似た刺激に没頭する。
続けていれば本物になるんじゃないかって、せめてあの時と同じくらいの快感に包まれたら、少しはこの寂しさも紛れるんじゃないかって。
期待と興奮に煽られた指先に熱がこもる。
パジャマの上から割れ目を撫でる。ムズムズした刺激にくすぐられた性感が、少しずつ、ほんの少しずつ、私の中で快感を育てていく。
「かずきぃ…かずきぃ…っ」
名前を呼んで胸が熱くなる。思い出して体が熱くなる。
この部屋で、この布団で、一杯気持ちよくさせられて。
ぎゅっと、シーツを握りしめた。
その時の熱も、匂いも、綺麗に洗濯された布団には何も残ってはいなかったけど、教え込まれた快感だけは、今も私の中にしまってあった。
鍵を開き、引き出しを開けて、心の奥から大事に大事に掬い上げる。
和樹に触れられた気持ちよかったことの全部。
割れ目を撫でられ、お腹の裏を引っ掻かれて。おまんこを吸われて、クリトリスを舐められて。おっぱいを、乳首に悪戯されて気持ちよくなるなんて知らなかった。
勃起したおちんちんに、おまんこの中を、お腹の奥を広げられる。何度も何度も掻き回されて、広がった雁首に膣のヒダを捲られた。
とん、とん…。
一番深い場所、行き止まりの部分。それ以上は挿らない所まで挿ってきたおちんちんの先端が私の中に沈み込む。
とん、とん…。
ノックされるみたいに、何回も、何回も、おまんこの奥からお腹を押し上げられる。
目が回るくらい気持ちが良かった。興奮に沸き立った肌の上を快感が撫でていく。それは、背筋を伝いビリビリと流れ、頭の中まで一杯になった時。
ふわっと、体が軽くなった気がした。
「んぁっ! はぁ、ぁ、はぁ、はぁ…ゃっ、ぁぁ…」
絶頂の瞬間を思い出して身を捩る。
堪らず背中を丸め、ぎゅっと太ももを閉じてしまう。
一瞬、無防備になった心の奥から快感が滲み出す。
一瞬、気の抜けてしまった体の奥から愛液が溢れてくる。
じわっと…。
それは、感覚で分かるほどに鮮明だった。興奮で敏感になった肌は、流れる一滴にまで気を向けてしまう。
撫でるばっかりだった割れ目の向こうから流れでる快感の証。
ピタリと閉じていた縦筋から滲み出したそれは、ゆっくりとパンツの薄い布地に染み込んでいく。
「んっ、私…もう濡れて」
まだほんの少し弄っただけのつもりだったのに。
欲求不満か。それはそうだろう。たださえ和樹がいなくて寂しいのに、今日の今日まで我慢を続ける毎日だった。
ただ、思い出しては悶々と。性欲を振り払う日々は、思っていた以上に私を拗らせてしまったのかもしれない。
ズボンを下ろし、パンツまで脱ぐと、丸出しになった下半身が少しだけ心許なく思う。こんなんでもまだ羞恥心は残っているんだなって、呆れるほど素直な自分ではあったけど、実際はもう快感の思うまま。
仮にもし、隣に和樹が寝ていたって、私は自分を慰めるのを止めてはいなかったはずだ。
自分で自分を慰める。あの日の和樹みたいに。
一つ、また一つと、パジャマのボタンに指をかけて胸元を開いていった。
いつもは何でも無い動作だったのに、興奮に焦れた指先が上手く動かない。
もたついて、手間取って、のろのろとしか動かない指先にイラ立ちのようなものも感じていた。
焦らされてるって、こんな気持だったんだろうか?
無防備に晒されていた私の肌を盗み見て、和樹もこんな風に苛ついてたりしたのかな?
最後の一つ。ボタンを外し終えた私は、ようやくと肌着に手をかけていた。
お腹の下から手を入れて、掴んだ肌着を一気に胸元まで捲り上げる。
酷い格好だ。
脱げたズボンは、つま先の辺りに引っかかったまま。ずれたパンツなんか膝の上で丸まってしまっている。開けた胸元、丸出しになったお腹。捲れ上がった肌着はおっぱいの膨らみを越え、興奮を覚えた乳首がほんのりと色づいてるだって見えてしまっている。
いっそ、全部脱いでしまった方がまだ見栄えがするんじゃないか。
こんな中途半端に脱げた格好なのに、そんな自分の姿にドキドキが強くなる。
きっと、今の私の格好を見ちゃったらって。興奮した和樹に絶対襲われちゃう。
想像しちゃったんだ。
押し倒されて、無理矢理に服を脱がされて。そのまま強引にエッチな事をされちゃう自分の姿を。
「…んっ」
ゴクリと、生唾を飲み込んだ。
すっごく馬鹿なことを考えてる。でも、そんなあり得ない想像が、余計に私をドキドキとさせていた。
想像が、妄想が止められない。
「だめっ…かず、き。お母さんたち…おきちゃっ…あっ♥」
そうやって、嫌がって見ながら、何処かで期待をしてしまう私がいた。
閉じた太ももの間に指を忍ばせる。丸出しになったおっぱいを手で包み込む。
撫でて、揉んで、くすぐって。逃げるように丸めた体が、少しずつ解けていった。
自作自演。
たしかにそれはそうなんだけど。
少し力を入れて、自分の足を開かせた。ちょっと強引に おっぱいの膨らみに指を食い込ませる。軽い痛みに肌が震え、だけど、そんな痛みが余計に私を興奮させていく。
ありえないって、それはそう。
多少乱暴になることはあったけど。こんな、怖いくらい強引襲われるなんて考えられなかった。
だけど、そっちの方が良いい。
思い出の中だけじゃ物足りない、それは余計に寂しくなるだけ。
ありえないくらいが丁度いい。妄想の中だけの、乱暴に私を求めてくる方が良い。
自棄っぱちだったんだろうか?
欲求不満の募った私が見せる都合の良い幻想。今すぐにでも、和樹の存在を私に刻み込んで欲しかった。
何度もイかされちゃって、たくさん中に出されちゃって。
和樹のモノにして欲しい。もっと愛して、私のこと忘れられなくなるくらい、好きにしていいから。もっと好きになって欲しいから。
くちゅり…。
おまんこの中へ沈み込む指先と一緒に、残っていた躊躇いが快感の中へ消えていく。
一番奥まで届くように根本まで押し込んだ中指は、でも、僅かに届かない。
和樹のよりも細い私の指、足りない刺激がもどかしい。手の平をおまんこに押し当てながら、必死に中指を伸ばし続ける。
「はぁっ、ぁっ、やっ、もと、もっと、おく、おくがいいのにぃぃ…ん、ぁっ」
もどかしくって腰が踊る。指先の一つの距離を埋めようと、腰が浮き上がってしまう。
くちゅり…くちゅり…。
おまんこの中で指が滑った分だけ水音が強くなり、焦らされている様なもどかしさと、単純な刺激に快感がどんどんと強くなってくる。
「んあっ…や、それ…そこ、は…」
滑った拍子に、指の腹がお腹の裏側に触れていた。
それを、私は、知ってる。
お腹の裏側を指で引っ掻かれた時の気持ちよさ。
下腹部がきゅっと熱くなり、ぞわぞわした快感に震えが走ったのを覚えている。
指の腹を お腹の裏に押し付けた瞬間に声が漏れた。ヒダの感触を感じながら、それを一つ、一つ、舐めるみたいに伸ばしていく。
くる、くる、来ちゃう。
クリトリスの裏側。そこを押し上げられたら絶対に気持ちが良い。
そのまま指でおまんこの天井を撫でながら、指先がざらっとした場所に触れた途端、きゅっと体が縮こまった。
「んっ! あっ…は、あ、ぁぁぁぁ…ゃぁぁぁっ…いい、これ、もっと、あ」
折り曲げた指の先で、ぐりぐり、ぐりぐりと、クリトリスを裏側から押し上げるたび、身を捩るほどの快感に襲われる。
息がつまり、呼吸が荒くなる。だんだんと意識が遠のいてきて、次第になんにも考えられなくなっていく。
気持ちいいのが体に満ちる。それは、一時とはいえ、寂しさを紛らわせるには十分過ぎた。快感が愛液を滲ませて、喉奥に溜め込んだ嬌声が、ぽつぽつと漏れ始めた瞬間。
ぱんっと…。
それはあっけなく弾けていた。
「ふぁっ! あ、あぁ、ぁぁぁ…はぁ、はぁっ、んっんんぅぅぅっ!!」
腰が跳ねる。肩が竦む。
こえ、こえ、だって、我慢しないと…。ほんとに、お母さんたち、おきちゃっ。慌てて口元を抑え込み、溢れ出る嬌声を無理やり喉奥に押し込んだ。
けど、絶頂の快感は、我慢をしようとした分だけ体の中で熱を上げていく。
当然だ。おトイレだって、我慢した分だけ辛くなるのに。出しちゃわないと楽にはならないのに。
震える体を、飛び出る声を無理やり抑え込んで、快感の波が過ぎ去るのを耐え続ける。
「はぁ…あ、はぁっ、はぁっ…ふぅ、ぃぅ…わたし、いっちゃ…また」
ぼうっとしていた。呆然としていた。手の平に溢れかえった愛液が、ダラダラと溢れていくのを何処か遠くに感じていた。
気持ちよかった。
そんなだから、余計に火がついてしまう。
「あ、だめ…かず、き…わた、いま…いって、ばっかで、やだぁっ」
それで、満足するわけがない。
和樹はだって、まだイってなくって。でも、今日の和樹は少し乱暴だから、私は無理やり犯されちゃうんだって。
丸まっていた体を布団の上に開いていく。
ズボンはとっくに脱げていた。丸まったパンツから片足だけを引き抜いて足を開く。
胸を乱暴に掴まえる。沈み込んだ指先に肌が引っ張られ、ぴりっと感じる痛みでさえ、淡い気持ちよさに変わっていった。
一本。おまんこの中にある中指と、それじゃ足りないから。さらにもう一本、人差し指も使っておまんこを広げていく。
「くっ、あっ…おち、ん、ひろがって、私の…なかぁぁっ」
息が詰まる。奥には届かなくたって、二本分の指は、おちんちんよりも大きくおまんこを広げてしまう。
最低、最悪だ、私…。
初めてのオナニーで、こんなになるまでやっちゃって。
ふとした瞬間、気付いてしまった自分の姿に悲しくなった。絶頂の後、快感の波が引いていく寂しさ。それでも収まらない欲望と、そんな情けなさで心の中がグチャグチャだった。
二本の指を奥へと伸ばす。
和樹のおちんちんが挿りこんでくる。その時の感覚を思い浮かべながら、ゆっくり、ゆっくりと、広がっていく おまんこの感触に身悶えた。
「あ、だめ…かず、きの、はいって…きて、あ、はぁはぁっ…ふぁっ、ん」
ダメじゃない。なにもダメじゃなかった。
和樹に乱暴に犯される。想像するだけで堪らない。
グチャグチャと、愛液が掻き回される音も。ジュポジュポと、おまんこの中で私の指が抽挿を繰り返す音も、その全部が私を興奮させていた。
「あ、はっ。はげし、かず…こえ、でちゃ、ま、もっとゆっくり、ね? あ、はっ、んはっ、わたし、にげないから、だから、ぁっ、あぁぁぁぁっ!!」
足りない刺激は体の全部を使って補った。指を押し込む瞬間腰を浮かせて、少しでも奥へと近づける。おっぱいを握る指に力を込めて、手の平に勃起した乳首を押し付け転がしていく。
気持ちいい、気持ちいいよぉ…っ。
「おっぱいだめ、つぶれ、ちくびが、あ、だめだめ、なんか…んくっ、あっ♥」
乳首の先から快感が溢れ、一瞬だけ頭が真っ白になった。
荒い呼吸を繰り返し、どうにか快感をやり過ごそうとしても、おまんこに押し込まれた2本の指が私を絶頂へと押し上げていく。
ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ…。
幻聴が聞こえてくる。和樹の腰が打ち付けられた時の様な音が何処から聞こえ始めるともう、快感を求めた体は勝手に動き出していた。
私の指なのに…。
おまんこの中で快感に溺れてしまっている。ヒダに包まれた指が、ざわざわと撫で付けられると、甘い痺れが伝ってくる。
気持ちがいい…。
私の指が、私のおまんこで気持ちよくなっちゃってる。
これがもし、おちんちんだったなら。和樹が私の中に擦り付けたくなるのも分かる、分かってしまう。だってそれは、絶対に気持ちがいいんだって、あの時の和樹の顔を思い出すと同時に、おまんこを覆う快感をも思い出して腰が跳ねてしまう。
「あぁぁっ、やだぁ、こんな、やだよぉ…かずきぃ、わたし、さびしいだけ、なのに…なのに…んくっ、あっ♥」
恥ずかしいのに、情けないのに、でも、そんなのが堪らなく気持ちいい。
じわっと、目尻に涙が溢れる。うわ言のように彼の名前を呼び続けるたびに、温かさと、寂しさが、胸の中で渦を巻く。
手を、手を、握っていて欲しいのに…。
反射的に閉じた指は、おっぱいの膨らみに柔らかく押し返された。
一人だ。思い返した事実に堪らなく寂しくなる。自分で自分を抱きしめてみても、寂しさは埋まるどころかより大きくなっていく。
それでも、私を責め立てる快感は容赦がなかった。
ガクガクと腰が震えだす。下腹部がきゅぅっと縮こまり、弾けそうな快感がお腹の奥を熱くする。
想像の中の和樹は、私の中に射精しようと目一杯に腰を動かしつづけていた。
求められるまま体を差し出した私の中に、おちんちんの根本までが沈み込んでくる。
「うん、うんっ! いいよっ、いいっ、だしてだしてっ。わたしもっ、かずきといっしょに、はぁはぁはぁっ、んあっ、やっ、いく、いって、いっしょに、いっしょが、に、あはっ、ふぁ、あっ、んっ、ぃ、ぅぅぅぅっ!!」
指をぴんっと伸ばし、おまんこの中に押し込んだ。空いた手で自分の体をぎゅぅっと抱きしめる。勘違いしたおまんこのヒダが、入り込んできた指先に ちゅぅっと吸い付き、精液を吸い上げようと波を打つ。
指先を吸われる感覚にゾクリとした。
何度も、何度も、吸い付かれる度、だって、こんな、こんな風にだって。自分が和樹のおちんちんい吸い付いていたんだって事を思い知らされる。
妄想だから。こんなの、ただの想像の中だけなんだから。
だったら良いじゃない?
想像の中だけでも、こんなに気持ちがいいんなら。こんどまた、和樹とエッチする時は、もっと気持ちがいいはずだから。
受け入れて、流されて。
次、和樹とエッチする時、もっと上手に出来るように。今から、たくさん、たくさん…。
「ん、はっ…はぁ、はぁ…あ、ぁぁぁぁっ…はぁ、ゃっ、ん、はっ♥」
ぴくっと、まるで おトイレの最後の方みたく体が震えた後、快感の波はゆっくりと遠のいていった。
声、たぶん一杯出ちゃってた…。
お母さんたちが起きてきたらどうしようって。それだけが心配で、ドキドキとしながら部屋の扉を見つめ続ける。
体が動かなかった。快感の波にさらわれたまま体に力が入らない。
早く片付けなきゃいけないのに、こんな所見つかっちゃったら、どんな言い訳をして良いかも分かんない。
ドキドキ、ドキドキ、ドキドキ…。
ぼんやりとした不安を抱えたまま、部屋の扉を眺め続けてしばらく経った頃。
「はぁ…んっ。なに、やってんだろ、わたし…」
愛液で濡れたお股が気持ち悪い。火照った肌も急に冷めてくる。
ようやく戻った理性が体の自由を奪い返した後も、ぼんやりと、額に手を当てたまま天井を眺め続けていた。
だるい、めんどくさいって…。
片付けなきゃいけないのは分かるんだけど、まるでそんな気にはならなかった。
変なの…。
和樹とエッチした時は、あんなに気持ちよくて、終わった後もあんなに幸せだったのに。
一人でした後の寂しさと言ったらなかった。
「ぁっ…ん…ぅぅ」
疲れた、眠い。
瞼が重くなる。気を抜けば眠ってしまいそうで、だけど、気を張るだけの気力も残ってはいなかった。
ただ最後。眠りに落ちるその前に、布団の上に転がっていたスマホが目に入る。
「おやすみ…かずき」
彼の名前を呼んで、スマホを抱きしめた。
そうしてそのまま、私は今度こそ夢の中へと落ちていく。
ー
「おはよ、お母さん」
「おはよう、唯」
朝の支度を終えて台所に顔をだすと、何時もの様に お母さんが朝食の準備をしていた。
何気ないいつもの朝。
でも、ちょっとだけ罪悪感もある。
和樹と抱えた内緒の秘密。それに、昨日は派手にオナニーをしてしまったせいで、どうにも素直に顔を合わせづらい。
バレてない、とは思いたい。
初めてのお母さんへの隠し事は、思った以上に胸に引っ掛かっていた。
「あ、そうだ唯」
「なに?」
何てことないお母さんからの問いかけに、何時もの様に返事を返す。
「シーツくらい、学校行く前に出しといてね」
「え?あ、うん…? でも、昨日換えたばっかだし?」
まあ、良いか。お母さんがそう言うならと、日頃から良い子にしていた私は、さしたる不満を挟まなかった。ちょっと面倒とはおもってもそれだけで、朝食の前に済ませて置こうと動いた足は、キッチンを出るその前で止まってしまった。
「あ…え? おかあ、さん?」
気付いちゃったんだ。
いつもとは違う、お母さんのお願い。それが、言わんとしている事に察しがついた途端、ドキンっと心臓が跳ね上がる。
汚したんなら自分で片付けて。
詰まる所。幾ら夏の終わりとはいえ、昨日今日で汚すような事をしていたのだろうと、遠回しに言われた事に気付いてしまう。
恐る恐る振り返った私の心中を知ってか知らずか、こっちを見ないままに、お母さんは言葉を続けてきた。
「それと、するなら下にタオルとか敷いてしなさいね。面倒でもパンツぐらいは換える事。できれば体もちゃんと拭いて、濡れたままで寝ないのよ? そんなんで風邪引いたって言われたら、お母さんだって困るんだから」
的確だ。昨日、私がした失敗の全部を解決してくれるアドバイスは、それ故に生々しい実感が伴っていた。
「まっ、まって、まってっ! ちがっ、わたし、べつに…なにもっ! ていうか、お母さん何の話ししてっ」
無駄な抵抗とはこの事なんだろう。
ニヤニヤとしていた。スマホを強請った時と同じだ。
少し困った顔を浮かべながらも、成長期の娘をからかう親の眼差しをしている。
「言っていいの?」
「だからなにってばっ!」
墓穴だ。警戒と、威嚇の意味を込めて口調を荒くした所で何の効果もない。
娘が凄んだくらいで、怯むような人でもないし。むしろ、反抗期的な娘の態度に軽く微笑むくらいの余裕を見せた後。
「したんでしょ? おな…」
お母さんは強かった。慌てた私は、その口を塞ぐように声を上げるしかない。
「ぅわーっ!? ばっかじゃないのっ! 分かってても言うかなぁっ!! お父さんだって居るんだよっ!!」
居間に指を差した私が見たものは、聞かない振りをしてテレビの音量を上げる父の背中だった。