※この作品はR-18です。

キヴォトスに墜ちた悪魔   作:やーなん

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唐突なる対談

 

 

 

『とりあえず、事務員は帰らせた』

「“ありがとう……”」

 

 先生はとりあえずお茶を出して、客人を応接用のソファーに待たせていた。

 

「“どうにか機嫌を損ねずに帰ってもらえないかな”」

『うーむ……』

 

 これには男のアバターも渋い声を出した。

 

「安物ね。こんなものを出す気が知れないわ」

「“……”」

 

 なお、早速機嫌を損ねていた。

 

『先生、これだけは一応言っておくよ。

 基本的にメアリース様は誰かを罰する神ではない。

 そして、意外と話せばわかる。このクソ女ブチ犯したろうかって何度も思うかもしれないが、一時間もすれば慣れる。恐らく彼女に悪気は無いのだ』

「“……えぇ”」

 

 度々あの男から、自分の造物主について言及されるのを先生は聞いている。

 その性格についてはボロクソ言っているし、いつもこき下ろしている。

 そんな相手が、まさかここに来ているのである。

 

『一応、賓客が来てるから、あいつらには身を清めてから来いと連絡しておいた』

「“それまで、何とか機嫌を取っておくよ……”」

『無理だと思うぞ』

 

 そんな気の無い返事に見送られ、先生は客人の対面に座った。

 

「“彼女達は今、停学中の身の上で、私が保護をしています。

 今、身を清めてくるように連絡をいれました”」

「あら、良い心がけね。別に私は気にしないけど。むしろ、私を待たせる方が失礼だと思わないの? それくらい察しているものだと思ったのだけど。まあ、それがこの世界の礼儀なら仕方ないわね」

 

 先生は日頃生徒の対応などをして、自分は寛容な人間であると自負があった。

 それでも、これにはちょっとイラっとした。

 

「“アップルマンにはお世話になりました”」

「別に私はアレの親ではないわよ。

 でも面白い奴だったでしょう? ああいうのが偶に出るから面白いのよ」

 

 そこまで言ってから彼女は、ああ、と声を漏らした。

 

「そう言えば、アダムが迷惑を掛けたわね。

 本来ならその時に謝罪に来るべきだったわね」

「“は、はあ……”」

「あれはそろそろ耐用年数が近いから処分しようかと思ったけど、我が盟友がそれだけはと嘆願してね、二百年の謹慎処分にしておいたわ。貴方が生きている間にこの世界に来ることはないでしょう」

「“……そうですか”」

 

 先生は測りかねていた。

 善性と残酷さを兼ね備える、目の前の存在を。

 

「“なぜ、貴女がわざわざ直接キヴォトスに?”」

「他の人員だと手続きが面倒だから。私ならそれをすべてパスできる。それだけのことよ」

 

 本当にそれだけらしい。

 その地位と権力に反比例して、異常なほどフットワークが軽かった。

 

「知らないと思うけど、私とこの世界は古い契約があってね」

「“え? そうなんですか?”」

「当然じゃない。この世界に蔓延している銃火器や兵器類は、全て人類文明の産物よ。

 つまり、私の物。キヴォトスの体制が今に移行した数百年前、初代連邦生徒会長に私が使用許可を出したの。

 学習機材という名目で、タダでライセンス契約したの」

「“つまり、銃器類の生産許可を与えた、と言うことですか?”」

「そうね。面白い試みだと思ったから。

 でも、それは間違いだったみたいね。ターミナルからここに歩いてくるまででよくわかった。

 次の更新は二百年先だけど、その時に契約内容の変更を求めるつもりよ。銃器一丁生産に対してライセンス料を徴収つもりだわ」

「“必然的に銃器の値段が上昇し、連邦生徒会は規制する方向に舵取りすることになる……”」

「もしライセンス料を払えないなんて言われたら、ふふ、どうしようかしらね?

 丁度、謹慎明けになる彼に全てを任せようかしら」

「“……それが、貴女のやり方ですか?”」

 

 これは未来の話だ。

 先生が関わり合いになることもない。

 だが、無関係ではないのだ。

 

「勘違いしないでほしいわね。私は子供の学習の為に善意で許可を与えたのよ?

 私はかつて、人類に芥子を与えた。絶大な薬効と、中毒性を有する恩寵をね。

 でも結果はあなたも知っての通り。

 芥子の実は正しく運用すればその薬効を享受できる。だけど、逆に容易に悪用もできるのよ」

「“……モルヒネですね”」

 

 モルヒネは正しく使用すれば医療品だが、悪用すればただの麻薬にすぎない。

 この女神は銃もそれと変わらないと、言っているのだ。

 奇しくも、あの男と同じ意見だった。

 

「古来より、多くの錬金術師は芥子の実からその中毒性を排しようと努力した。

 しかしそれは、薬効と中毒性をより凝縮する結果に終わった。当然よね、そのように私が設計したのだから。

 つまり、堕落を選んだのは、私の所為じゃない」

「“生徒達が銃を悪用するのは、堕落だと?”」

「あなただって、それを眼にしてきたのでしょう?」

「“私は、それでも生徒たちの個性を尊重したいと思います”」

「盲目と妄信よ、それは。愚かしいわ」

「“そうかもしれません。ですが、私は貴女のように誰かを切り捨てるような生き方は出来ませんから”」

 

 おい、と男のアバターが冷や汗を搔きながら先生に訴える。お前、機嫌を取るんじゃなかったのか、と。

 

「……へえ」

 

 だが、女神メアリースは意外な反応を示した。

 その冷たい表情に、僅かに笑みを浮かべたのだ。

 

「惜しいわ。貴方が私の創った人間なら、いずれ完成する我が楽園の住人に迎え入れてもよかったのだけど」

「“遠慮しておきますよ。私はそんな人間じゃない”」

 

 この女神はあの黒服と同じタイプの人間で、つまり先生が嫌いなタイプの大人だった。

 でも先生は大人なので、大人の対応をした。

 

「“それに、あなたの好悪で選別した楽園に、価値は無いと思いますから”」

「聖書の神、ギリシャ神話のゼウス、北欧神話のオーディン。

 人間の想像する主神と呼ばれる存在はみな、人間を選別するのよ。

 人間にとって神とは、選別する者。だから私はそういう存在なのよ」

「“それは、悲しい生き様ですね”」

「私もそう思うわ」

 

『(気に入られてる……。いや、主上は先生を気に入るだろうとは分かっていたが。

 こんな気に入られ方をするとは……)』

 

 男の記憶を持つスワンプマンは、この女神が真の多様性を信奉する者であると知っている。

 自分の神官に、神だからと自分のイエスマンになるような人間を採用しないほどだ。

 自分と異なる視点、異なる意見を許す。その寛容さが彼女にはあった。

 

 測らずしも、先生はこの女神の機嫌を良くしていた。

 その時であった。

 

 

「あの、先生、シャワー浴びてきました」

「ねえお客さんって誰なの?」

 

 ユズとモモイを先頭に、ミドリも一緒に事務室に入ってきた。

 

「“彼女だよ、挨拶をしてね”」

 

 はーい、と子供たちは先生に促されるまま挨拶をした。

 

「我が名はメアリース。或いはメアリー・スー。文明の最果てを見渡す者。文明を司る女神たる存在。

 今日はあなた達に確認にしに来たわ」

「か、確認ですか?」

「ええ。私の管理外の存在が、私の催しに参加したいと言うんだもの。

 意思の確認や、私の定めるレギュレーションやコンプライアンスに違反しないか、確かめなければならない」

 

 自分の仕事を始めた彼女に、子供たちは顔を見合わせる。

 

「えっと、私達は参加しちゃダメってことですか?」

「ダメとは言っていないわ。こんなこと初めての事だから、マニュアルに無いのよ。だから私が対応しているの。それだけのことよ」

 

 だからと言って大会の主催者が直接確認しに来るなんて、誰も思わなかった。それが全てであった。

 

「それだけの為にですか?」

「当然でしょ。私の決めたルールなんだから。私が守らなくては示しがつかないでしょ。

 形式的な質問をするだけだから、答えなさい」

 

 質問を始める女神と、それに応じる子供たち。

 お役所仕事だなぁ、と思う先生だった。

 

 彼女は本当に形式的な質問だけしかしていなかった。

 使用するPCの型番やソフトとか、本人の意思で大会に参加するとか、何一つ特別な質問は無かったのである。

 それが、およそ二十項目ほどあった。

 

「……質問はこれで終わりよ。あなた達の大会の参加を認めるわ。

 作品の提出は期限までに連邦生徒会を通じてお願いするわ」

「は、はい……」

 

 本当にそれだけらしく、彼女はソファーから立ち上がった。

 用は済んだと、このまま帰ろうとしたところで。

 

「“ひとつだけ、聞かせてもらってもよろしいですか?”」

「何かしら?」

 

 先生が、彼女を引き留めた。

 

「“貴女なら、意志を持つ機械に人間の身体を与えられると聞きました。本当でしょうか?”」

「答えるまでもないわ」

 

 彼女は、自身を指差した。

 

「この身体も、私の作品よ。

 私が人間だった頃のスペックを完全に再現している。

 魚に泳げるかを聞くのと同じだわ」

「じゃ、じゃあ!! アリスが人間に成れたら、全部解決するんじゃ!!」

 

 モモイが喜色を浮かべ声を挙げる。

 

「生憎だけど。この世界の事は管轄外だわ。

 私は何もしてあげられない。この身体に、そんな権限は無い」

「どうして!!」

「私が決めたルールだから」

 

 彼女は淡々と答えた。

 

「この世界にない技術や道具を、与えることはしてはいけない。

 以前、私を称えるパーティの最中で、毒殺事件が起こったことがあるんだけど、その解毒はその世界に存在しなかった。だから私は見殺しにしたわ」

「“秩序を守る為ですか?”」

「いいえ、健全な文明の発展が阻害されるからよ。

 重要なのは、文化がどのように成長し、その結果が出力されるか。

 それだけなのよ」

「そんなの、ただの実験じゃん!!」

「実験よ。当たり前じゃない」

 

 ミドリの糾弾に、女神は何食わぬ顔で返した。

 

「私の管理する全ての世界は、私が少しずつ条件を変えて、どのような文明が発展するかの検証実験に過ぎない。私はその為に人類を創造する。

 全ては、理想の楽園の創造の為の、習作なのよ」

 

 絶句する面々。あまりにも価値観が違い過ぎた。

 

「だから成長性が見込めなくなったら滅ぼすし、また条件を変えて産み出す。

 トライ&エラーとスクラップ&ビルドが私のモットーなのよね」

「“……その過程で、膨大な死者が出るとしてもですか?”」

「私はちゃんと個別に来世について相談に乗っているわ。

 彼らの幸せに対して、私は手を抜いていないと自負してるもの」

 

 モモイがあまりにも現実離れした話に、ゲームの設定? と呟いた。

 

「“そこまでして、楽園は必要なのですか?”」

「だって、みんなが望んでるじゃない。

 死後には楽園があって、そこに導かれる。悪人は地獄に堕ちて、罪を償う。

 地獄はもう作った。楽園はまだだから、死者は生前の行いに応じて特典を与え、転生させている」

 

 先生は押し黙る。

 彼女に文句を言ったところで、何の意味も無いとようやく理解したからだ。

 

「人は、なぜ死を恐れると思うかしら?

 それは未知だからよ。だから見知らぬ他人を排斥し、忌避する。

 だから私は、人々から死の恐怖を拭い去った。死を既知にすることによって」

「“だから、アップルマンは己の命に無頓着だったんですか!!”」

「まさか。あれはあれがイカレてるだけよ。

 命は尊いモノだわ。誰もが知ってる。

 だけど同時に、生命は磨かれなければ原石のままなのよ。

 私は人類の庇護者だけど、試練を与える側でもある」

 

 それが、女神の性なのだ。

 先生は複雑そうにそれを聞いていた。

 

「言ったでしょう。私は選別する者。

 人と人で無いモノを選り分ける者。

 自らの意志を示し、尊厳を持たぬ者は人間ではないのよ。

 あなた達は、勘違いをしている」

「か、勘違い、ですか?」

 

 平然と残酷なことを騙る女神に、ユズが震えて問うた。

 

「私が機械に人間の身体を与えても、それは人間ではない。

 何が人間で、人間ではないのか、その基準は分かる?」

「“……いえ”」

「誰が人間で、誰が人間でないかは、それは────私が決めるのよ」

 

 先生も、子供たちも閉口する。

 あまりにも酷すぎる答えだったからだ。

 

「例えば、クジラは同じ哺乳類だから食べるのを辞めましょう。それと同じことよ。

 あなた達の使っているスマホと、肉体を与えたい機械との違いはなんなのかしら?

 全て、主観の問題なのよ」

 

 この女神は、どうしようもないほど人間そのものだった。

 

「“だから、肉体を得ても何も変わらない、と?”」

「ええ。機械から、元機械だった人間に成るだけの話よ。

 あなたの頼みは、余計なお世話なの」

 

 それは余りにも正論だった。

 

「その子は、仮に私が人間だと認めたところで、自信を得るのは一時的な物に過ぎないのではないの?

 あなたも教師なら弁えなさい。人間に必要なのは、精神の成長よ」

「“ええ、仰る通りです”」

 

 この結果になるのは理解していた。

 それでも、先生は尋ねずにはいられなかったのだ。

 

 アリスの何が問題なのか、それは今の彼女の身体が兵器だと言うことなのだ。

 それさえ何とかなれば、後の問題は時間が解決してくれると思っていた。

 

「そしてこの私のように、自己研鑽を怠らなければいずれ高みに至れるものよ」

「“は、ははは……そうですね”」

 

 先生は曖昧に返事をした。

 この話はこれで終わったのだ。

 

 

 

 

 

 

「つまり、出来ないってことでいいの?」

 

 このモモイ(バカ)がそんなことを口にしなければ。

 

 

 

「神様でも、アリスを人間にするのは出来ないってことでいいんだよね?」

 

「は? できるけど?

 私の決めたルールで、それはしてはいけないと言ってるんだけど」

 

「でも、できないんでしょ?

 それって言い訳じゃん!!

 キヴォトスでは出来ないって言い訳にしてやらないのは恥ずかしいことなんだよ!!」

 

 この場に居る全員が思った。

 このバカ、と。

 

「それにさっきから聞いてれば、みんなが望んだとか、それが人間だとか、ええーと、……メアさんはどうしたいの!?

 メアさんが言う人間って、困っている人を無視するヒトなの!?」

 

「……」

 

 空気が凍る。絶対零度の体感温度だった。モモイ以外全員青ざめていた。

 馬鹿はそんな空気が読めずに話しかけていた。

 

『誰か、あのバカを殺してくれ……』

「“ッ!!”」

 

 先生はおもむろにモモイに近づいて、その口を抑えて頭を押さえて下げさせた。

 

「“私の生徒が、失礼なことを!!”」

「……いえ」

 

 一緒に頭を下げる先生は、恐る恐る顔を上げる。

 女神は顎に手を当てて目を細めていた。

 

「アダムが、なにをこんなド辺境に見出したのか、少し理解できたわ。

 出来ないことを出来ないと言えないのは恥ずかしい、ね。

 ふっふふふ、ここ数千年で一番効いたわ、その言葉」

 

 先生は目を疑った。

 笑っていたのだ、その女は。

 

「良いでしょう。我が庇護を懇願する者に、慈悲を与えないわけもない。

 しかも、この私に人間に成りたいと言うのならね」

 

 彼女はソファーに座り直した。

 

「“う、嬉しそう……”」

「私から提示できるプランは二つあるわ」

「二つ、ですか?」

 

 ミドリが首を傾げる。

 彼女は人差し指を立てた。

 

「ひとつは、その機械の意志を来世に託す方法。

 私がランダムに夫婦を選び、その子供として生を与えることね。

 あなた達の気が長ければ、こちらの方が確実ね」

「時間が掛かり過ぎる……」

「も、もう一つは?」

 

 ユズが問う。

 女神は二つ目の指を立てる。

 

「それは、──お金で解決する手段ね」

「え、ええ!?」

「もっとなにか代償とか、そう言うのじゃないんですか!?」

「お金も立派な代償じゃない」

 

 余りにも俗っぽい解決方法に、子供たちも非難した。

 

「“具体的には、どのくらいかかるんですか?”」

「ええと、私が推奨している異種族帰属化プランだと……」

 

 先生の言葉に、女神は計算を始めた。

 

「保護者や親は居るのかしら?」

「“いえ、恐らく天涯孤独になるのかと”」

「じゃあ半額ね。年齢……いえ、稼働年数は?」

「まだ三か月程度かな?」

「じゃあ更に割引ね」

 

 彼女は最終的に、ソロバンを取り出して皆に数字を指示した。

 

「しめて、──896万7000円になるわね」

「た、高い……?」

「高いには高いけど……」

「多分、高すぎはでないよね……」

「“絶妙に払えそうな高さだね……”」

 

 むしろ人間一人の値段だとすれば、破格の値段だった。

 

「この金額を当人が支払えば、私の工房で人体を作成してあげる。

 出世払いも分割も可、しかも無利子で無期限よ」

「“それは、至れり尽くせりですね”」

「だってこれは社会支援プランよ、利益が目的じゃないもの。

 私が返せない額を貸して子供から搾り取るような、ケチなことするわけないじゃない」

「“……”」

 

 先生は、彼女と言う人物がよくわからなかった。

 傲慢で残虐で、傍若無人でありながら、しかし保障や支援は惜しまない。

 彼女の人間性が、理解できなかった。

 男のアバターが言う通り、話せばちゃんと聞いてくれるし。

 

「ところで、一つ聞くけど、この話は当人が望んでいるの?」

「え、えーと、まだ聞いてないけど」

「呆れた……。だから余計なお世話だって言ったのよ」

 

 おずおずと答えるモモイに、女神は溜息を吐いた。

 

「でも先生、ここの生徒はなかなか面白いわね」

「“皆、個性的で手を焼いてます”」

「用件が終わったら帰ろうと思ったけど、気が変わったわ。

 もう少し、この世界を見定めてから帰ることにするわ。

 その結果によっては、ライセンス料の件について考えを改めてもいい」

 

 それはよかったような、そうでもないような、先生は彼女がこのキヴォトスに居座ることに複雑な心境であった。

 

「とりあえず、当人の意志を確認してから、今の話は進めることにしましょう」

「よかった……」

「その機械は、あなた達の何なの?」

「友達だよ!!」

 

 安堵するミドリに対し、モモイが元気に応じた。

 

「私の主催するゲームフェスだけど、順位ごとに賞金が出るの。

 あなた達が好成績を残すのなら、さっきのお金を賞金でチャラにしても良いわ」

「え、本当ですか!!」

「総合上位100位以上に食い込めれば、ね」

 

 その女神の言葉に、モモイ達は沸き立った。

 

「出来なかったら、あなた達が稼いで私に払いなさい。

 友人の為にとは言え、何百万円も払うなんてするわけ無いと思うけど」

「“実は──”」

 

 先生は、廃校を回避する為に毎月何百万も五人で借金を返済してた子供たちのことを彼女に話した。

 

「……冗談でしょう?」

「“私は、彼女達ならやると確信してます”」

「…………」

 

 女神は、企画会議を始めた子供たちを見やった。

 

「見定めなければならないわね。彼女達も、この世界も。

 何事も、自分の目で確かめないとダメだもの」

「“……”」

 

 先生は、なるべく穏便に帰ってくれることを願う他なかった。

 

 

 

 

 

 





思ったより長くなってしまった。
後半はアリスの珍道中を書こうと思ったのに、対談だけで一話使ってしまった。

次回は、アリスたっぷりでお届けしようと思います!!
ではまた、次回!!
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