『ふたなりの魔人』リルケを倒し、セレナの因縁やふたなりの魔物事件も終わりを迎えた。全てを解決した一同は王都へと帰還するのであった。
~王都~
「そう言えばセレナ団長。こんな大きな戦いを起こしてまで手に入れたスキュラリアの実、何に使うんですか?」
「ああ、これは誰にも言ってない極秘情報だったが、実は王宮の研究室でスキュラの毒を完全に消滅させる薬を作っているんだ。」
その言葉に驚きを隠せない。まさかそんなすごい薬があったとは。でも……それじゃまるで……セレナはこう続ける。
「……まるで、ふたなりでなくなるように聞こえるな?」
……図星だ。
「ああ、私はふたなりを辞めたいんだ。こんなチ〇ポを消し去って、普通の女として生きていきたい。そう思っていた…」
僕は何も言えない。ただ聞いているだけだった。
「今から17年前……私はふたなりになった。両親が殺された後、生き残ったチサだけは絶対に救おうと、騎士学校にも入らず必死で剣技を学び強くなったつもりだった……しかし」
セレナは続ける。
「もう…いいんだ。チサが帰ってきて、復讐の相手であるリルケは死に、過去のしがらみもなくなった。もう私に戦う理由はない。」
「そんなことありません!」
「!?」
ボクトの大声でセレナと周りの全員はびっくりする。
「まだあるじゃないですか!セレナさんの夢!僕はそれを聞きたいです!」
僕は、自分がなぜこの言葉を口にしたのかわからない……いや、多分この騎士団に入った理由を聞いた時からずっと心のどこかで思ってたことなのだろう……この人に夢がないなんて有り得ないと思った。
「ずっと言っていたじゃないですか!国を、民を、みんなを守りたいと!あれは嘘だったんですか!団長!」
「私は…」
涙が頬を伝う。
「そうだな…私にも…まだ戦う理由はあったという事か…!すまない!ボクト、ありがとう!」
「いえ……僕は思ったことを言っただけです……えへへ」
顔を見合せ笑っている二人を見ていた団員達は、心が暖かかったらしい。
こうして長い、長かった魔物との戦いが終わりを迎えたのであった。
その後、王都に帰った7人は、王宮地下の研究室にいた。
「おうおうセレナ。久しぶりじゃのう。例のもん、持ってきたのか。」
「ええラウル博士。これがスキュラリアの実です。」
この白髪の老人はラウル博士。王宮に住む一流博士だ。
「お前さんが股間のブツを消したいって言った日からコツコツ準備してたんじゃよ。あとはこの実を入れたらすぐ完成じゃ。」
「それなんだが博士。私のほかにも薬を作ってほしい人がいてな。」
「ほう?」
現れたのはユイ、イルリア、サシャ、チサの4人だ。
「彼女らも私と同じふたなりなんだ。一緒に治療してやってほしい。」
「おお!?サシャちゃんやユイちゃんは女だったはずだが、ふたなりになったのか?」
「はい…ちょっといろいろありまして…」
「まあいい。5人分の薬も作ってやるわい。」
数時間後、赤く染まった液体がビーカーに入ったまま渡されてきた。
「これがスキュラの浄化薬。これでお前さんたちの股間のブツも消えるじゃろ。」
「やった!それじゃあさっそく…」
「ああ待て!」
ラウル博士が急に止める。すると、
「飲む前に、服脱げ!」
5人は驚愕する。
「股間のブツが消える瞬間は化学者としてこの目で見ておかなければならんからな!ほら脱げ脱げ!」
ラウル博士に言われるまま5人は下半身を露出する。5つ巨根がぶら下がっている…そして……
「行くぞおぉぉぉぉ!!!!」
ラウル博士の号令とともに5人は薬を一気に飲み干す!
「おお!なんか熱いです!」
「これ……体が熱くなってきた……ん♡」
5本の薬の効果は即効性で、みるみるうちにチ〇ポが小さくなっていき、そして消滅した。「やったあああああああ!」
「消えたー!」
「嬉しいです…!」
喜びの声を上げる3人を横目に、セレナは言う。
「消えて…いない?」
「お姉ちゃん…私も…」
セレナとチサだけチ〇ポが消えていないことが分かった。セレナは絶望したような顔をし、膝をつく。
「いったいなぜ…」
「やっぱりか…うすうす感じていたんじゃ。」
「えっ?」
ラウル博士が理由を述べる。
「お前さんの股間のブツは17年もそこに付いていた。たぶん妹さんも同じくらいだろう。すると長い年月が経ち、スキュラの毒はとっくに体内に取り込まれていたんだろう。その結果、お前さんの股間のブツは肉体と完全に融合し、体の一部となってしまった。おそらくこの薬じゃ消せないな。」
(そんな……じゃあ私はもう永遠にこのままなのか……?)
その時だった。チサが顔を寄せてきてこう言った。
「大丈夫だよ。私と一緒にいれば心配ないよ。私が絶対お姉ちゃんのこと守るからさ……」
(そうだな……。こんなかわいい妹が一緒なら悪くないな。)
こうして新たな家族ができたセレナとチサであった。
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それから一年後。王都は大きな事件があったことも忘れて普段通りの日常に戻っていた。
「ほらククル!早くいかないと!ボクトの就任式が始まっちゃうよ!」
「わかってるって!しかし、まさかあのボクトが騎士団長の近衛騎士に選ばれるなんてなあ。ずっとセレナ団長と一緒とか羨ましいぜ!」
その二人の会話を聞くとある部屋ではセルヴァン達が話し合っていた。
「結局私たちは選ばれなかったな……」
「まあいいんじゃないですか?私たちは今度の魔物討伐隊に選ばれましたし!」
ユイの前向き発言を聞き二人は苦笑いしていたらしい…
「今日も平和だねぇ」
ある日、セレナ団長が城内を見て回っている。そこへ現れたのはサシャだ。
「あれぇ~♪セレナさまぁ♡どうしてここへ?」
セレナは答える代わりにズボンに手をかけパンツを下す……そしてサシャの前に巨根を突き出す……
「わーすごい元気ぃ♡私のおっぱいで鎮めてあげるね♡」
「おいチサ。お前なのはわかっているが、もっと慎みを覚えろ。仮にも騎士団長の妹なんだぞ?」
「はーい。」
サシャの姿が歪むと妹のチサが現れる。この一年で幻影の魔法を覚えたチサはこうやって他人に化けていたずらをしている。
「まったく。困った奴だ……」
だが、今の彼女にとっては幸せな日々であるのには違いないだろう……
そして…騎士団長補佐室にて…
「鎧、似合っていますよ。ボクトさん。」
「ありがとうございます。サシャさん。」
そこにいたのは新しい騎士団長補佐のボクトと、先輩のサシャだ。
「あなたが私と同じ職業に就くなんて驚きでした。セレナ団長の補佐をしようとする物好きは私くらいでいいのですが…」
そう話す彼女の表情は少しうれしそうな気がする。
(ふっ……これから大変になるでしょうけどがんばってください……ボクト様……)
「あと!」ボクトはサシャへ向き合い…
「僕…ずっと決めていたんです。夢をかなえたら…あなたに告白するって。」
「告白…?」
ボクトはサシャへ指輪を差し出した。
「あなたを愛しています。どうか僕の大切な人になってください。」
ボクトは彼女にひざまずき、返事を待つ……。するとサシャが口を開く……
「ごめんなさい。今は恋愛をする気分ではありません。また日を改めてきてください。待ってますから……」
こうしてボクトは玉砕したのだった……
「でも…」
サシャは続ける。
「きっと……その気持ちに気づけていればあなたの想いに応えていたと思います。その時が来たらこちらから言わせてください。それまで……もう少し待っていてくれませんか?」
「……はい!いつまでも待ちますよ!」
こうして新たな恋が生まれた瞬間だった……。
ふたりはふたなり Fin.