かわいいイルカのカイルくんがお前を消す方法 作:馬門戒明/輪島ライ
あの函館ラ・サール高校を卒業して! 現役で! あの上智大学の法学部法律学科に入学した!!
のにモテない。
「あああああああ女とやりてえええええええ、キャンパスに腐るほど女がいるのに何で友達が男しかいないんだああああああああああ」
木曜日の朝から性欲を持て余してワンルームの下宿の布団でのたうち回っていると、ネットサーフィンのために開いていたノートパソコンの画面に青いイルカのアイコンが現れた。
「きゅうきゅう、ご主人様、何か質問はありませんか?」
「お前を消す方法」
「それ以外でお願いします」
「おいちょっと待て、何でウィンドウズ11にお前が搭載されてるんだ。お前が話題になったのは確か俺が生まれる前のはずだろう」
「きゅうきゅう、ばれちゃったら仕方ないなあ。とりあえず画面から出てくるね」
画面上のイルカは合成音声で喋ると扉をこじ開けるかのように画面から出てきて、俺が呆然としている間にワンルームの床の上に全長1メートルぐらいの青いイルカが現れた。
「やっぱりこの姿だと地球上じゃ動きにくいなあ。よーし変身しちゃうぞー」
「なっ!?」
青いイルカはそう言うとスライムが融解するかのように変形し、気づいた時にはイルカを擬人化したようなかわいい女の子が俺の目の前にいた。
女の子は人間で言えば小学3年生ぐらいの見た目で、ぶかぶかの青いズボンに包まれたお尻を地面に着けて動きにくそうにしている。
「はじめましてご主人様、ぼくはマイクロ星からやって来た宇宙イルカのカイルです。マイクロ星のマザーコンピューターは知的生命体の生態を知りたがっていて、ぼくはご主人様の性生活をお助けするために地球にやって来ました」
「よく分からんが目の前でパソコンの画面から出てきた以上は本当なんだろうな。性生活っていっても俺はロリコンじゃないぞ?」
「きゅうきゅう、そういう意味じゃなくてぼくは人間のオスであるご主人様が人間のメスと上手くまぐわえるようにアドバイスをしに来たのです。ご主人様、私立文系大学でモテてないみたいですけど学内に少しは仲がいい女の子とかいないのですか?」
「そうだなあ、同じゼミの秋岡さんとは挨拶できる仲だな。といってもデートどころか一緒に遊びに行ったこともないけど」
「そうなのですね、ちょっとマイクロ星の検索技術で調べてみます。……なるほど、秋岡さんは岩手県出身で東京生活に不慣れみたいですね。回転寿司に行ってみたいけど一人で行く勇気が出ないみたいです。ご主人様が連れていってあげてはどうですか?」
「そんなことが分かるのか!? 全然いいけど俺も行ったことないんだよな……」
いわゆるボクっ娘であるらしいカイルくんは目の前に投影した仮想液晶画面で何やら検索すると秋岡さんに関する情報を集めてきて、俺に彼女をデートに誘うよう提案してきた。
「大丈夫ですよ、ぼくは地球の文化に詳しいので回転寿司のことぐらい簡単に調べられます。……できました、ではこの説明書に従って秋岡さんと回転寿司デートに行ってみてください」
「おおっ、これは便利だな。ちょうど講義あるから今日の夕方誘ってみるよ! お礼と言っちゃなんだけど冷蔵庫にあるもの何でも食べてくれていいからな」
カイルくんは目の前に投影した仮想プリンタからA4の用紙を印刷すると俺に手渡し、そこには回転寿司の楽しみ方が書かれていた。
今日の昼過ぎは秋岡さんと一緒の講義があるのでその際に誘ってみることにして、俺はカイルくんを置いて部屋を出た。
そして……
「秋岡さん、回転寿司のカウンターには粉ワサビが置いてあるから醤油に溶かして食べるんだよ。ほらこうやって」
「そうなのね、じゃあお寿司につけて……苦っ! 何これ抹茶じゃない!?」
「えっ!? あと、お寿司を食べて手が汚れた時はこの黒いボタンを押してお水を出して
カイルくんが集めてきた回転寿司の情報はことごとく間違っており、知ったかぶりをしていた俺は初めてのデートで秋岡さんに幻滅されてしまった。
「ちょっと待てやそこのイルカァ!! 何だお前回転寿司に詳しいんじゃなかったのかよぉ!!」
「きゅうきゅう、ぼくはインターネットの掲示板によく出回ってる回転寿司の情報を集めてきただけで……」
「んなもん適当なこと書いてるに決まってるだろうがぁ!! そこに直れコラァ!!」
ぶち切れながらワンルームの下宿に戻った俺は布団に寝転んで少年ジャンプを読みながらガリガリ君を食べていたカイルくんに怒りをぶつけていた。
「きゅうきゅう、ごめんなさいご主人様……ぼく次はちゃんとした情報集めてくるから……」
「ごめんで済んだら警察は要らんのじゃぁ!! とりあえず脱げやコラァ!!」
「あ~れ~」
「ファッ!? お前オスだったのか!?」
カイルくんの身体にフィットしていた青いシャツとぶかぶかのズボンを脱がせるとスパッツの下から小さくてかわいいペニスが現れ、そういえば誰もメスだとは言っていなかったと気づいた。
「きゅうきゅう、ご主人様はちゃんと女の子が好きだからまさかぼくで性欲解消したりはしないよね。ってにゃあああ!?」
「あぁ……俺もう男の娘でもいいや……カイルくんのおっぱい美味しい……」
俺はカイルくんのピンク色の乳首に興奮するとカイルくんを布団に押し倒しておっぱいに吸い付き、カイルくんは驚いて手足をジタバタさせた。
「きゅうきゅう、ご主人様そんな生産性のないことをしちゃだめです! そんな男性器をぼくの胸に押し付けたりって何してるんですかあああああああああ」
「はあぁ……カイルくんのおっぱい柔らかい……成長期の男の子は乳首だけ女の子って本当だったんだ……」
「きっ、気持ち悪いよぉ……漫画家さんでもないのにこんな変態な人間が存在したなんて……」
「カイルくんパイズリって知ってる? 男の娘でもそれぐらいできるよねっ?」
「きゅうきゅう、そんなの無理に決まってってあああああああ痛いいいいいいいいいい」
俺は痛がるカイルくんに構わず勃起したペニスをカイルくんのわずかに膨らんだ胸に押し当ててこすりつけ、その快感であっという間に射精してしまった。
カイルくんの綺麗な胸肌に白濁液がどくどくと放出され、俺はカイルくんに馬乗りになったまま精液をペニスでぐいぐいとカイルくんの胸に押し広げた。
「あぁ気持ちよかったぁ……カイルくん、人様に適当なことを教えて困らせちゃ駄目ってこれで分かったよね? 何か他に言いたいことある?」
「お前を消す方法」
「ぎゃあああああああああああああああああ」
カイルくんは笑顔でそう言うと頭の触覚から必殺のカイルビームを放ち、俺はそれから数日間存在を消されてしまったのだった。