――それから15分後。
激しい戦闘を終えた私達は4人で互いに武器の弾薬を分け合ってから、跳ね橋の仕掛けを解いてその先の洞窟を進んでいく。
すると、そこを抜けた広場で最近まで使われていた形跡のある複数のテントを見つけた。
だけど、そのテントに描いてあったのは……。
「このマークは……トライセル?」
「おいおい、どういう事だ?一体どうしてB.S.A.A.のスポンサー企業のテントが、こんな所にあるんだよ?」
「分からん……だが、これでメーズィが言っていた仮説に信憑性が出てきたな」
そうクリスが眉間に皺を寄せていると、ギークとシェバは驚いた顔を私に向けてきた。
「メーズィ、それはどういう事なの?」
「まさか、トライセルが今回の騒ぎに関わってるって言いたいのか……?」
「確証は無いけどね。でも、ここのテントを調べれば……きっと手がかりの1つは掴めるハズ。それに、もしかしたらアーヴィングの逃げようとしている場所も……」
「それなら、調べる価値はあるな。全員、周囲への警戒を怠らずに散開しろ。何かあったら、すぐ大声で知らせるんだ」
「「「了解!(アイ・コピー!)」」」
「おい誰だ1人だけアイ・コピーって言ったのは……まぁいいか」
すいませんクリスさん、それ私です……つい前世だかで遊んでいたサバゲーのクセが出て、慣れた方の返事をしちゃいました……。
◇◇◇
数分くらい広場を調べていると、ある1つのテントの方でギークが怒りとも失望ともとれる表情で書類のような物を見つめていた。
「ギーク、そんな怖い顔をして……何かあったの?」
「ああ……メーズィさん、ちょっと2人を呼んできてくれ」
「うん、分かった!クリス!シェバ!こっちに来て!」
そう私が叫ぶと、クリスとシェバは必死に人差し指で「シーッ!静かに!」のジェスチャーをしながら駆け寄ってくる。そういえば敵地だって事を忘れてたよ……ごめんなさい。
「ギーク、何を見つけた?」
「クリスさん、これを……"プラーガ・タイプ3の実地試験について"とあります。この文章の内容だと、トライセルがプラーガをバラ撒いたのは間違いない……!」
「そんな……生物兵器市場に売りつけているなんて……これじゃあ、まるでアンブレラみたいじゃない!」
シェバが怒りで声を荒らげながら、その書類が綴じられたファイルをテントの壁に投げつける。
無理もないよ……だってシェバは8歳の時、アンブレラのせいで両親や弟を喪っているんだもの。そんなバイオテロに対して反感を持ってる人が、今まで清廉潔白だと思っていた製薬会社の素性を知ったら……こうなるのは当然だ。
「クソッ……クソッ、クソックソッ!」
それに、集落や同族の人達をプラーガで喪ったギークも……今にも怒りが爆発しそうな様子で、空になった飲料ボトルを地面に叩きつけていた。
「とりあえず、今は先に進もう……トライセルをブッ潰すのは、アーヴィングを捕まえた後にしよう」
「そうだな、メーズィの言う通りだ。それに俺も、ジルを見つけ出すまでは止まれない……!」
それから私とクリスは何とか2人を宥め、トライセルの悪意が残された広場を後にしていった。
このすぐ先に油田施設が見える……アーヴィングを捕まえれば、今回の騒動の真実も少しは見えてくるハズだ!
◇◇◇
油田施設に到着した私達は、そこで二手に分かれてアーヴィングへ辿り着く道を探す事となった。勿論ながら相棒のメンタル面を考慮して、クリスとシェバ、私とギーク……といった組み合わせでね。
「さて……施設の右側はクリス達に任せるとして、こっちは左側を調べていこっか!さっきアーヴィングが見えたのは間違いないし!」
「ああ、分かってる!捕まえたら奴に洗いざらい吐かせて、トライセルに俺の……ンディパヤ族の誇りを踏みにじった事を後悔させてやる!」
ありゃりゃ、すっかりギーク君は復讐一色に染まっちゃって……だけど、私だってトライセルの暴虐無尽を見過ごす訳にはいかない。
2005年に起こったバイオテロが切っ掛けでウィルファーマ社を合併吸収した時から、何となく嫌な予感はしていたけど……ようやく腹黒い本性を見せてきたって感じがするよ。
「……って、そんな事考えてたらはぐれちゃった!ねぇ〜ギーク!1人でドンドン進まないでってば〜!」
この油田施設、結構入り組んでるんだからさ〜!ちょっと距離が空いただけでも見失っちゃうくらいなのに……もう、私のバカ!
「お〜い!ギーク君、何処に行ったの〜?生きているなら返事を――へっ?」
すると、そう叫びながら彼を探していた私の目の前に麻袋を被った上半身裸の男が飛び降りてきた。
ヤバい!コイツはチェーンソーを……って、あれ?何でコイツ、チェーンソーを持っていないんだろう……?
「気を付けろ、メーズィ!今そっちに取り逃した奴が行った!持っていたチェーンソーは破壊したが、油断はするな!」
「クリス!今それどころじゃ――んむぐぅ!?」
だが、それを伝える前にチェーンソーマジニは素早く私の口を手で塞いで物陰へ引きずり込み、そのまま近場にあったチェーンで私を柱に両手を縛り付けてしまった。
「くっ、この野郎……ひっ!?」
すると、そいつは突然自分のズボンを降ろしてボロンッ♥と巨立するイチモツを私の目の前に飛び出させてくる。
嘘……コイツのチンポ、私にプラーガを植え付けた連中のより二回りも大きい……っ♥――いや、冷静になれ私!またプラーガのせいだ!こんな奴のチンポを見ただけで発情しかけるな!
「ギーク!早くこっちに来て!今、とんでもない変態に――んんぐぅっ!」
すぐさまギークに助けを呼ぼうとするが、それを許さないとばかりにマジニは私の口へ巨大なイチモツを一気に突っ込んできた。
あ……ヤバ、これ喉奥までいっちゃうやつ……ぅ♥
「ん"ご♥お"……ぉ♥ご♥ろ"っ♥っ♥」
そして、マジニは私が白目を剥いてヨダレや鼻水を垂らしているのも気に止めず、ゴリュ♥ゴリュリュ♥と腰を前後させるペースを早めていく。
え……?嘘、もう射精するなんて――
「ん"♥ごお"♥ぶぼぉ♥ろ"、げぇぇえ"え"っ♥♥」
どぼっ♥どぶりゅ♥どびゅるっ♥と喉奥で熱いゼリーのような精液が放たれ、私は口の端から泡混じりに溢れさせながら、それからくる絶頂の波にガクガクと膝を震わせる。
「あ"♥ぇ……♥嘘、まだやる気……!?」
しかし、ズロロッ♥と口から抜かれたマジニのイチモツは全く萎えておらず、今度は私の右脚を掴んで思いっきりI字の形に持ち上げてきた。
イラマチオですら意識が飛びかけたのに……こんなのでプラーガが寄生してる腟内をホジられたら、今度こそ――
そう思った瞬間、突如として奴の頭がザクロのように弾け飛ぶ。そして、その後ろから現れたギークが怒りの形相を浮かべたまま、倒れそうになる私の身体を優しく受け止めた。
「あ、ギーク……遅す、ぎ……っ♥」
「ごめん、メーズィさん……俺が先行しなけりゃ、こんな奴に……!」
「別に平気、だよ……でも、こういう時こそ冷静にいこう?」
「ああ……本当、ごめん……」
少し怒りが落ち着いた様子でギークは謝りながら、私の両手を縛っていたチェーンを解いて、マジニの精液で汚された口元も袖で拭ってくれた。
◇◇◇
『よし、ギーク!今度はそっちを動かしてくれ!』
「了解です!これで……開きました!」
それから再び合流した私とギークは、それからクリス達と互いに協力して離れた場所の仕掛けを起動し、奥へと続く扉への道を開く事に成功する。
『このまま私とクリスは奥へ向かうわ!メーズィとギークは扉の前に敵を近づけさせないで!』
「うん、分かった!シェバ、そっちも気をつけて!」
2人が扉の先に進んだのを見届けた後、私達は高台に登って周囲を見渡す。すると、施設周りの塀から次々とマジニ達がこっちに向かってくるのが見えた。
「どうやら、引き返す事は無理になったみたいだな……それなら上等だ!突き進めるだけ突き進んでやるだけだ!」
「というか、止めようとしてもギークは止まらないだろうけどね!第2ラウンドもフルコースで来るよ!」
そして、私はシェバから渡されたS75スナイパーライフルを中腰で構え、対岸のギークと共にマジニ達の第一陣を2分と掛からずに殲滅し終えた。
だけど……第一陣だけでも、かなりの数だ。
「もうライフルは弾切れ!ギーク、そっちは!?」
「同じく弾切れだ!ここからは、飛び降りて接近戦と洒落込むつもりだ!」
「なるほど!それは良い案だね!」
続く第二陣は施設内に飛び降りて待ち受け、私がUMP9で動きを封じながら、ギークがナイフやハンドガンで確実に奴らの急所を狙い打ちにしていく。
そんな中、クリス達の方から交戦する音混じりで通信が入ってきた。
『メーズィもギークも無事か!?こっちは捕まっていたジョッシュと合流したが、ドアがロックされた!』
「良かった、ジョッシュさん……やっぱり生きてたんだ!」
「でも、私達が向かわなくて大丈夫!?」
そう心配する言葉をかけると、今度はジョッシュの声が通信から聞こえてくる。
『それなら大丈夫だ!俺がシステムロックを解除し、3人で貨物エレベーターを使って上に抜ける!アーヴィングはクリス達に任せるから、お前達2人はキリが良い所で早めに油田から離脱しろ!合流はその後だ!』
「了解!全員、生きてまた会おうね!」
「無事に帰ったら、詫びのビールは奢らせてくださいよ!」
『フッ……楽しみにしておくさ』
ジョッシュの笑みを最後に通信が終わり、私とギークは互いに顔を見合わせて頷いた。
やっぱりというか……ジョッシュの今の口ぶりからして、どうやらアーヴィングは此処を爆破するつもりみたいだね。
それから施設の金網やらをよじ登ったりして、第三陣がやって来る前に波止場まで逃げ延びると、それと同時に油田のアチコチが激しく爆発しだす。
「メーズィさん、こっちだ!飛び乗れ!」
「よし、まだ運が残ってた!神様に感謝しないとだね!」
そして、ギークが回してくれたボートに私が飛び移った瞬間、その波止場も爆風に飲み込まれて消えていくのであった。
◇◇◇
さて、またしてもアーヴィングに逃げられちゃった訳だけど……ここまでする程の焦りようからすると、もう相手も追い詰められてきているハズだ!
そんな思いを胸にしながら、私とギークは先に離脱して水門の方へ向かったクリス達の後を追う。
……この湿原からボートで逃げられるとするなら、水門の先にある運河に抜けるしか方法は存在しない訳だからね。
「メーズィさん、あれを!」
だけど、やっぱりというかクリス達は奴が差し向けたマジニ達に足止めをされており、閉じられた水門の前でジョッシュを守りながら四苦八苦していた。
「すぐ助けに行くよ、ギーク!あれだけの数が相手じゃ、3人で何とかなる状況じゃない!」
「ああ、了解だ!」
そして私達は水門の所に接岸するなりボートから飛び降り、各々のハンドガンで遠距離から彼らを攻撃していたマジニ達の頭を撃ち抜く。
それを見たクリスは驚きの声を上げた。
「メーズィ!ギーク!」
「お待たせ!配達のピザは忘れちゃったけど、今それどころじゃないよね!」
「代金は連中にツケとけって?メーズィさん、アンタ面白い冗談も言えるんだな!」
元々は何処かの映画で見たノリだったんだけどね〜……それで熱々のペパロニピッツァだったら、もっと最高だったかな?
それは兎も角、それぞれ対岸に降り立った私とギークはクリス達の援護射撃も得てレバーを動かし、閉じられていた水門を開いた。
「これでOK!今の内に進んで!」
「すまない2人共、助かった!」
クリス達が水門を通り抜けたのを確認した後、そのまま私達は水門の上に登り、拾った弾丸を装填しながら待ち構えているマジニ達をスナイパーライフルで撃ち抜いていく。
これなら、もう彼らが遠距離からチマチマと運転手のジョッシュを狙われたりする心配も無くなるハズだ。
「よし、メーズィさん!俺達も進むぞ!」
「分かった!あまり乱暴な運転は止めてよ〜?」
何せ、さっきからボートのエンジンを吹かせまくってハンドル操作も大雑把になってきてますからな〜……酔い慣れしてる私ならまだしも、普通の人なら吐くレベルだよ、コレ?
◇◇◇
それから私達は先行するクリス達のボートを援護し続け、遂にアーヴィングの乗るクルーザー船へと追いつく。
「なっ――しまった!!」
しかし、ジョッシュの操舵も虚しく出会い頭にクリス達のボートがぶつかってしまったが為、奴らに気付かれてしまう。そして、突貫工事で取り付けられたガトリングで攻撃されてしまったのを見た私達は、すぐ各々の武器から最も火力が高い武器――そう、あのRPG-7を取り出した。
「3人共、伏せて!」
「吹っ飛べ!この寄生虫野郎が!!」
それによってガトリングの射手は上半身が木っ端微塵となり、いよいよクリスとシェバはクルーザー船へと乗り込んでいく。
だけど……何だろう、この胸騒ぎは?果たして、こんな所でボス戦なんてあったっけかな……?
そう思っていた矢先、白いスーツの胡散臭そうな男……アーヴィングが、乗り込んできたクリス達の前に堂々と姿を現してくる。
「さっさとくたばっていいものを!人の顔に泥を塗りやがって……アイツら、誰のお陰で計画を進められたと思ってんだ!金を集めたのは、俺様だぞ!」
「もう諦めろ、アーヴィング!大人しく投降するなら、あまり痛い目には合わせないぞ!」
そうギークが大声でアーヴィングに呼びかけるが、相手は全く耳に入れていないといった様子で何か独り言を続けている。
「どいつもこいつも……馬鹿にしやがって……!」
だが、アーヴィングが手に持っているカプセルを見た瞬間、私はこの後の展開を思い出して叫んだ。
「待て、アーヴィング!そんな事したら、もう――!?」
しかし、そう私が止めようとした矢先にアーヴィングは自らの首筋にカプセルを刺し、苦しみながら背中から私の胎内に潜む触手以上の物体を生やしながら宙へ浮かんでいく。
「俺はな……テメェらクズとは違うんだよ!」
すぐさまクリスが数発ハンドガンを撃つも、アーヴィングはそれを避けながら運河の中へと飛び込んでいった。
「そんな……まさか、自分でプラーガを!?」
そうシェバが叫んだ次の瞬間、彼らの乗るクルーザー船や私達やジョッシュのボートを揺らす程の振動が下から響いてくる。
「――皆、俺様をコケにした事を後悔しろ!」
そして、クルーザー船の周りからバオバブの幹くらいの触手が現れ、それと同時に巨大なワニのような頭部の中からプラーガと一体化したアーヴィングが姿を現した。
ロ ケ ラ ン の 伏 線 回 収 ☆
……まぁ、まだまだ出番はあるんですがね!