クリス達がマジニ達を撃破した後、ウェスカーの方では――
ウェスカーは傍に誰も置く事なく、たった1人……機関制御室にある監視カメラの映像から、エレベーターで甲板へと向かうクリス達4人の姿を見つける。
「やはり来たか……クリス」
そこから視線を外さないまま、ウェスカーは空になった"UROBOROS"と描かれた注射器を部屋の隅に放り投げた。
「"始まり"の祝いだ……ここまで来たお前達には死に場所を用意してやる」
――既に彼を支える者は、あの日に自分の全てを裏切ったスペンサー同様に切り捨てた。
始祖ウィルスによる新人類の創造を新たな夜明けなどと呼び、自らが新世界の神となるべく夢を叶える手駒として彼の人生を思い通りにしてきた――あの男の胸を貫いた時の事を思い出す。
――あんな誇大妄想を害悪として振り撒いてきた老人には、神の資格どころか神という名を口にする資格すらない。
だからこそウェスカーは彼の計画を引き継ぎ、正しい意味を持った"新世界の創造"を行おうとしていた。
――真に力がある者のみが生きていける理想郷、それを目指して……。
「資格……そう、資格だ。俺にはそれを選別し、見極める力……"ウロボロス"がある」
だが、そう生き方を決めた彼の目には僅かながらの迷いがあるようにも見えた。
「エクセラなどとは違う、あのメーズィという女のようにな……」
◇◇◇
貨物室から甲板上のコンテナ置き場へと登ってきた私達を出迎えたのは、マジニ化していない人間達の死体が積み重ねられた……正に"山"と呼べる異様なものだった。
「えっ……何、この死体の山は……?」
「一体、何があった……?」
そう私とクリスが驚きの声を上げると、そこへ1人の人物がフラフラとしながら死体の山の陰から現れた。
その人物を見た時、ギークが怒りを露わにしながらハンドガンを向けて叫ぶ。
「――エクセラ!!」
「待って、ギーク!何か様子が変よ!」
シェバがギークを止めるのを他所にするかのように、エクセラは苦しみながら明後日の方向へと叫び始める。
「どうして……!貴方の為に……ぅう、全てを捧げたのに……!」
すると、そんなエクセラの姿に困惑する私達へ甲板の全ての拡声器からウェスカーの声が響いてきた。
『――クリス、いるんだろう!?』
「ウェスカー!何処に居る!?」
『お前達の下らん足掻きはお終いだ。今夜、ウロボロスは全世界に放たれる……60億の悲鳴と共に、世界は新たに"始まる"のだ!』
「貴様の思い通りにはさせん!」
そう拡声器に向かってウェスカーへ叫ぶクリスの反対側では、いまだエクセラが苦しみながらもウェスカーへの想いを口にし続ける。
「ぃが……一緒に世界を変えるって、そう言ったのに……!うぐ……どうして、なの……!」
「何なんだ……どういう事だ?あのクソ女、ウェスカーの仲間じゃなかったってのか……?」
「ううん、ギーク……奴にとっては違う。利用出来る存在は価値が無くなるまで使い潰す……アイツからすれば、いつだってそうなんだよ」
私の言葉やエクセラの憐れな姿にギークが銃口を下ろしていく中、ウェスカーは勝ち誇ったように微笑が声に混じっていく。
『夜が明ければ、お前にも分かっただろう……選ばれた者による完全なる世界、新たな秩序の姿がな!』
「出て来い、ウェスカー!俺が今、ここで決着をつける!」
『残念だが、それも叶わん。貴様に二度と夜が明ける事はない』
そうクリスに言ってから、ウェスカーは苦しんでいるエクセラへと声を向ける。
「エクセラ、やはりお前には彼女のような資格がなかったようだな……今までご苦労だった、最後の仕事をくれてやる」
――そんな死刑宣告としか感じられない言葉を聞いた瞬間、エクセラは絶望の表情を浮かべながら膝をついた。
「アル、バート……ぉぉぉぉおお!!」
すると、その瞬間に天を仰いだエクセラの口から私の持つウロボロスのものと同じような触手が大量に解き放たれ、彼女の身体を一瞬で飲み込む。
「あ、あれは!?」
「皆、離れて!ここに居たらヤバいよ!」
『――お別れだ、クリス!!』
そして、私達がコンテナ置き場から近くの足場へ逃げ込んでいる間に、その触手達はすぐ近くにあった死体の山を取り込みながら巨大化していき、あっという間に500メートルを超える大きさへと成長する。
――その途中、ふと私は向こうの管制塔でウェスカーが部屋を後にしようとしている姿を目撃した。
そこで、私は後ろからクリスとシェバに向かって叫んだ。
「クリス、シェバ!2人はウェスカーを追って!このデカブツは私とギークの方で何とかするから!」
「なっ!?だが、あんな奴を放っては――」
「行ってくれ、クリスさん!あのクソ女が化けた怪物は、俺にとっちゃ仇同然の存在だ!だから、絶対に奴を倒してみせる!!」
だけど、それでもクリスは思い悩む顔を浮かべてくる。すると、シェバも私達に頷きながら彼の肩をポンと叩いた。
「クリス、ここは2人に任せましょう!ウェスカーを取り逃がせば、もう世界に明日はないわ!!」
「くっ……すまん!」
そのシェバの言葉でクリスは意を決して前を向き、真剣な眼差しで私とギークに敬礼をしながら、シェバと共にタンカー内の道へと進んでいく。
それを見送った私は触手を腕から大きく伸ばし、再びギークを抱えて船橋の屋上へと飛び上がった。
「さぁ……覚悟の準備はよろしいか!待ちに待ったデカブツ解体ショーの始まりだ!!」
「皆を殺した因縁も、化け物になったお前自身も……全部、俺達がここで終わらせてやるよ――エクセラぁ!!」
触手を伸ばしながら迫り来る巨大ウロボロス変異体"ウロボロス・アヘリ"を前にして、そう私達は想いを込めた咆哮をぶつけた。
すると、それに反応したウロボロス・アヘリはバオバブの幹くらいある触手の束を幾つも繰り出してくる。
「よっ!ほっ!はっ!」
「くっ……この!美しさの欠片も無くなるなんて、正しく因果応報だな!メーズィさんの方が外面内面共に綺麗だったって証拠だ!」
えっ、ちょちょいちょいちょいちょちょいのちょい!?ギーク君、そんな突然いきなり突発的にデレ成分100%出してくるの止めてもらえない!?
そんなの言われたら私、本気で君の事を好きに――あ、ヤッべ。
「ぎゃん!……あ〜もう、今ので躱すの失敗しちゃったじゃん!」
「はぁ!?アンタが勝手に空中で止まったのが悪いんだろ――うわっとぉ!!こっちにも振り下ろしてきたぁ!?」
「というかアレ、何かさっきより攻撃激しくなってない!?」
……まさかエクセラさんの意識残ってたりします?
ねぇ、ウェスカーに捨てられたからって本気で私達に八つ当たりとかしてませんよねぇ!?
でも、そのお陰で触手に隠れてたコイツの弱点も見えてきたよ!!
「ギーク、あのデカいトマトみたいなの狙える!?」
「あんな中を逃げて避けながらって!?……まぁ、やれるだけやってやるさ!!」
「おし!その意気や良し!それなら私は引き続き囮になってくるよ!!」
そう言って私は再びウロボロス・アヘリに向かっていきながら、腕から出した触手で貨物クレーンやコンテナの上を駆け巡る。
ひとまずUMP9でも弱点に攻撃はしてみたけれど、やっぱり一撃で大きなダメージを与えないと一瞬で回復されちゃうね……。
「ほっ!あらよっと!触手使った後のクールタイムを考慮しながらだと、意外と逃げるの難しいな〜!」
さて……グルッと周りから見ていった感じだと、とりあえず弱点は3つか4つくらいみたいだね。
これなら私が引き付けてる間に……って、あれ?
そういえば、さっき触手出してから何分くらい経ったっけ?何か頭痛がしてきたんだけど、これミスった?
「――う、ぐぅ!しまった!時間測り間違えて、力を使い過ぎちゃった……きゃあ!?」
その途端、一瞬だけ止まってしまった私の両足にウロボロス・アヘリの触手が絡みつき、そのまま私は押し寄せてきた触手達の波に飲み込まれてしまう。
うぅ……ウィルスに適合してるみたいだから、前みたいに全身が痛かったりはしないけど……何この、精液みたいな酷い匂いは……?
「はぅ♥……えっ?嘘、なんで私の身体……アチコチ熱くなってきて――ひゃん♥」
すると、ズブズブと黒い濁流に全身を揉まれる内に私の身体は何故か強く発情し始めていた。
呼吸をする度、胸も股間も気持ちいい所が熱くなってくる……♥まさか、さっきからしているウロボロスの匂いで発情しちゃってるの……?
「あっ♥やだ♥胸やオマンコに吸いつかないでぇ♥そんな所チュウチュウされたら……あ"ぅぅ♥♥」
そんな身動きが取れないまま発情していく私に向け、ウロボロスの触手達はお椀のような形に変形して私の弱点を責め始めてくる。
あ、ヤバ♥今度は腟内とお尻にも触手が入ってきて……ひぃ♥プラーガ触手掴まれてるぅ♥
「あ"♥お"♥それ引っ張っちゃ……ダメッ♥お願いだから♥う"っ♥オマンコと尻穴から私の触手出さないでぇ♥」
だが、私の懇願を無視するように触手達は一気にブリュズリュンッ♥♥と私の中から2つの寄生体を引きずり出した!
「い"っ♥――お"お"あ"あ"あ"あ"ぁ♥♥ん"い"い"い"い"ぃっ♥♥」
その暴力的で絶烈な2つの快感に汚声を上げた私だったが、触手達は更に母乳を噴き出している乳首へもグリグリュ♥と乳腺に潜り込んでいく。
だけど……この感覚、まさかぁ♥♥
「い"や"あ"あ"ぁ♥おっぱい♥お"♥おっぱいまでぇ♥い"ん"っ♥お"がざれ"でる"の"ぉぉぉお"お"♥♥」
乳腺を無理やりこじ開けられ、乳首からは触手を押し出すくらいの勢いでブシゥ♥ブシャッ♥ブシブシャァ♥♥と壊れた蛇口のように母乳が精製と同時に放出されていく。
ホントは私とギーク君の赤ちゃん専用ミルクなハズなのにぃ♥触手に巻き付かれたりグリグリ弄られてビュ〜♥ビュ〜♥って勝手に吸い出されちゃってるよぉ♥♥こんな性的家庭内暴力、絶対に許されないハズなのにぃ……私、ドンドン気持ち良くなっちゃうぅ♥♥でも、これならまだ耐えられ――
「お"う"っ♥♥」
すると、これ以上は何処にも犯す場所が無いと安心しかけた瞬間に触手達は……なんと私の臍から直に子宮内へと繋がってきた♥
あ、この感覚……出産よりヤバ――♥♥♥
「ひょお"お"お"お"お"お"♥♥お"お"お"お"お"っ♥♥わ"だじっ♥ウロボロスのあ"がぢゃんにされ"でる"ぅぅぅ♥♥♥」
あはぁ……♥中にドグッ♥ドグッ♥って臍からウィルスと私の体液が循環してるの感じちゃってるのぉ♥♥
「ん"♥あ"っ♥お"っ♥う"ぅ……♥」
そんな先程までとは全く違う、お母さんのお腹の中みたいに落ち着くような快感に微睡んでいこうとした時――激しい光と衝撃が私を取り囲んでいた触手達を焼き尽くし、その弾みで私は空中へと放り出されてギークの目の前に倒れ込んだ。
「生きてるか、メーズィさん!?」
「お"♥ひぃ……♥はぁ♥はぁ……♥い、今のは……?」
「かつてテラグリジアを焼き尽くした太陽光発電システムを参考に、トライセルが独自に作り出した衛生レーザー砲"シャンゴ"の砲撃だ!アンタが触手に飲み込まれたのが見えたんで、急いで管制塔からハッキングして乗っ取ってきた!」
そう大きく一息ついたギークは自分のジャケットを被せ、全裸に剥かれてウロボロスの粘液だらけになった私を担ぎ上げる。
「それにしても、アンタまた酷くやられたな!俺に逆レイプしてきた後よりもベタベタしてんじゃないのか!?」
「う、うっさい……♥そんな事より、アイツを――」
「それなら今のでトドメだ。あのクソ野郎、メーズィさんを飲み込んでから急に動きが大人しくなりやがった。だから……お陰で弱点が狙い放題だったぜ」
わ〜お、何という事でしょう……私がウロボロスに全身犯されて汚い喘ぎ声を全開にしてた間、ギーク君は1人でコイツを倒しちゃったって感じなのかしら……クリス達並みにヤベェな、この人。
そう思いながらウロボロス・アヘリの方を振り返ると、さっきまで私を取り込んでいた部分から赤く光りながらドロドロと溶け始めているのが見えた。
「なるほど……どうやら、私の身体にあったウロボロスも一仕事してくれてたみたいだね」
「適合した存在が認めないものには死を、か……最後まで、あのクソ女らしいザマだったな」
ウロボロス・アヘリが単なる黒いヘドロとなっていく様子を眺めていた私達だったが、タンカーから爆撃機が飛び立ったと同時に警報がビービーと鳴り響きだした。
「あー……これ、ひょっとしたらひょっとするやつ?」
『警告、機関部にて火災発生。乗員は速やかに脱出してください。警告、機関部にて……』
「と、とりあえず逃げるぞ!確か甲板上に救命ボートがあったハズだ!」
「OK、合点承知之助だい!こんな壊れかけの船、すぐにスタコラサッサしよう!」
◇◇◇
――それからの話。
ウロボロス・アヘリによって甲板と一緒に多くの救命ボートは壊されていたものの、何とか使える物を見つけてタンカーが爆発炎上するギリギリの所で私達は脱出する事が出来た。
そして、それから程なくしてクリス達もウェスカーを倒したという連絡が入ってきて、ようやく私とギークは「ようやく全てが終わったんだ」とホッとする。
――だけど、その2ヶ月後。
長く続いた検査で体内の寄生体やウィルスの危険が無くなったと判断された翌日に、どういう訳か突然ギークはB.S.A.A.本部に辞表を出して何処かへと姿を消してしまったのだ。
そんな事があってから私は仕事の傍らでギークを探し続け、それから更に1年半が経った頃……。
「ようやく見つけたよ、ギーク君。やっぱり、こっちに戻ってきてたんだ……」
私がギークを見つけたのは、かつて彼が住んでいたンディパヤ族の集落だった。
長らく手入れがされていなかったからか、その集落に立ち並んでいた家やヤグラも、彼のもの以外は腐食など傷んでいて崩壊しつつある。
「風の噂で聞いたよ……あれから世界の各地を放浪しては、B.S.A.A.が介入する直前までバイオテロの現場や紛争地域でB.O.W.と戦い続けてるって……」
「ああ、メーズィさんか……すまんが、俺の事はもう放っておいてくれ。あの日、B.S.A.A.の本部が一企業の言いなりになっていたのを知ってから……あんな所に居たいと思う理由も何も、俺の中には無くなってしまったんだ」
「ほーん……言いたい事はそれだけですか?」
「分かってはいるさ……こんなんじゃあ、死んでいった皆に顔向け出来ない事ぐらいは。だけど……もう今はこんな事以外、何もしたくないんだ……」
ボゥっと空を見上げながら修繕作業をしているギークに、そう言って私は着ていた416な服を脱いでンディパヤ族の民族衣装である腰蓑のみを身に付けた。
「は!?アンタいきなり何して――」
「私は!これでもギーク君の事を本気で心配してたんだよ!?それに、まだ"好き"って言えてない内に居なくなっちゃってさ……寂しかったんだよ?」
そのまま私はギュッと後ろから抱きつく。
すると、ギークも私がずっと探し続けていたのを理解したのか、それまで追い返そうとしていた雰囲気を消し、久しぶりの穏やかな表情で私の方に向き直ってくれた。
「メーズィさん……」
そして、彼が私の手を握ろうとした瞬間――私はギークの腕を素早く掴んで引っ張り、ゴロンと仰向けに倒して彼の腹の上へ乗っかった!
「え、ちょっ……メーズィさん!?」
「もう、ギーク君……その"さん"付けは要らないよ♥だって私が此処に来たのは……ギーク君のお嫁さんになる為でもあるんだからぁ♥」
私はギークを押し倒したまま、自分の中にあるウロボロスの触手を全身からズリュッ♥と解放して、まるで黒いウェディングドレスのように着飾ってみせた。
「なっ!?アンタ、ウィルスの危険は無くなったと言ってたんじゃ……」
「感染性とかの方はね♥だ・け・ど♥適合した私の中のウロボロス達は今もこうして元気なんだよ♥そ・れ・に、ギーク君に植え付けた方も……ほら♥」
私が舌なめずりしながら彼の股間をズボン越しに撫であげると、ピンッ♥ボロンッ♥と一瞬で持ち上がってエッチの準備が出来た事を知らせてくれる。
「う、くぅ……マ、マジでか」
それを見たギーク君は、もう諦めの表情で苦笑いしちゃってたよ♥相変わらず反応がカワイイなぁ♥
「は、はは……お手柔らかに願います……メーズィ」
「ふふ〜ん♥3年分も待たせたんだから、た〜っぷりとご奉仕してあげなくちゃだね〜♥♥くふふふっ♥♥」
さ〜て……私が愛する人を逃がさないというのを、これからギーク君には嫌と言っても分からせ続けてあげるから……♥だから、浮気なんてしたら絶対に許さないよ♥
だいぶ乱雑ですが第2章の方も終わりです。
今後はしばらく休みながらIF話的なものを投稿していくと思います〜。