ズドン!ズドン!と2階から銃声が聞こえてきた私はユウがゾンビに襲われたと感じ、ラウンジで拾ったレミントンM870ショットガンを手に急いで2階へ上った。
すると回廊へ出るなり、私の目の前で振り返ろうとしたゾンビの側頭部が弾け飛ぶ。
「きゃっ!?」
「おっと……もう上がってきたのか、ベリー。悪い悪い、ちょっと調べ物してたら囲まれちゃってさ〜」
そう言って現れたのは、狩猟用のライフルを肩に担いでケラケラと笑うユウだった。
そんな彼の様子に私は半分イライラしながら、両手が塞がって使い余したハンドガンを大きくなった胸の谷間にしまった。
何度か撃って、銃の扱いにも慣れてきたとはいえ……ユウのスポーツバッグにも様々な物が入ってパンパンになってきた以上、こうでもしないと武器を多く持ち歩けないのだ。そのせいで、刃物だから持ち歩くしかない即席の槍も、さっきショットガンと入れ替わりに捨ててしまったのは勿体なく感じている。
「全くもう……それで、その調べ物っていうのは?ひょっとして、ここのセキュリティ関係だったり?」
「あはは……まぁ、ほぼ正解。204号室の仕掛けに隠してある配電室の鍵が無いと、確実に消防隊の救助が見込める正面ロビーには行けなさそうだ」
「うわぁ、それは面倒臭いね……で、その仕掛けについては何か分かったの?」
「つまるところ、客室に飾ってある絵画だよ。さっき1つ動かしたんだけど、その下に仕掛けを作動させる為のスイッチが仕込んであった」
「わ〜、見た目に似合わず頭良いんだね〜……」
そんな誇らしげに胸を張るユウに私は返す言葉も出ない。何せ、こちとらハーブや武器に弾薬くらいしか調べていなかったというのに……。
それに、さっきから少し走るだけでブルンッ♥バルンッ♥と上下に胸が跳ねるから割とキツい。せめて、Eカップに合うサイズのブラがあれば良いんだけど……。
「じゃあ、後は残った絵画のスイッチを押すだけって事だね。それなら、なるべく早くその絵画がある場所へ行こう!」
「ああ、もちろん!」
そう言ったユウが前方に向き直る直前、ふと彼の表情が一瞬曇ったように見えた。さっき分断された後、私が居ない所で何かあったのだろうか……?
◇◇◇
それから私達は残る絵画のスイッチも入れ、204号室の置物からレリーフの意匠が施された金の鍵を手に入れる。
「よぉーし!何か天井這う変なのとかもいたけど、何とか鍵をゲットしたぞ〜!」
その道中で全身の皮を剥いだような化け物"リッカー"とも遭遇したが、ユウの狩猟用ライフルのお陰で苦戦せず撃退出来たのはラッキーだ。
私の胸めがけて舌を伸ばそうとしてきた辺り、アイツらも警戒対象に入れるべきだろう……まぁ、いくら音に敏感だろうと一撃で仕留めてしまえば大した脅威ではない……多分。
「まさか、あんな奴ともやりあう羽目になるなんてな……これもウィルスの作用で変異した結果か?」
「ん?ユウ、どうしたの?」
「あっ、いや別に……ちょっとした独り言さ」
ウィルスによる変異、か……さっき私の胸が急激な成長をした件もあるし、いくらユウでも今回の事態が異常なのは薄々勘づいているみたいだ。
「さ〜て、1階の配電室へ行くだけ――って、ユウ!?いきなり何処に行くつもりなの!?」
「ん?その鍵じゃ1階の回廊に繋がる扉は開けられないから、2階で床が吹っ飛んでる所が無いか探すつもりだったんだけど……ほら、金の鍵があるなら銀の鍵もあるハズだろ?」
「そりゃあ、そうだけどさ……本当、ユウはこのホテルに詳しいんだね〜」
とはいっても、そう簡単にユウが言うような丁度いい穴なんて開いているのだろうか……?
――そんな私の予想は変な所で当たってしまい、2階や3階の回廊は同じような箇所が吹き飛んでいて、それ以上の先は調べようがなかった。
何か収穫があったとすれば、306号室で手に入れた赤い宝石くらいだろうか……やってる事、もはや火事場泥棒だけど。
そして再び私とユウは中庭に戻り、地図が描かれた看板の前で首を傾げていた。
「さーて、参ったな……ここまで爆発で吹っ飛んじまってるとは予想外だったわ……どうしよ」
「あっ……ちょっと待って!そういえば、3階のリネン室で拾った警備員の手帳……あれに警備室のパスコードが書いてあったよ!」
ようやく私は「何か重要な事を忘れてたな〜」となっていた理由を思い出し、それをユウに伝えて2階の方を指差す。
「マジでか!ナイスだぜ、ベリー!」
あれだけ探索したのに、どうして今の今まで忘れてしまっていたんだか……それにしても、ユウがあまり深く詮索するような性格じゃなくて良かったよ。
……面倒なタイプの奴だと、それを「何で忘れてたんだ」といつまでもしつこく聞いてくるだろうからね。
◇◇◇
それから警備室を経由して探索出来なかった方へ来れた私達は、用具室で装備を整えながらオーナー個室へと足を踏み入れる。
……どうやら、この部屋の床も一部が吹っ飛んでポッカリと大穴が空いてしまっているようだ。
「間取り的に、ここからなら配電室の方に降りられるだろうけど……こんな高さじゃ、上手く降りれても足を怪我しちゃいそうだよ」
しかし、部屋の隅で倉庫のように段ボールや木箱が積まれているのを見て、またしてもユウは何かを思いついた表情になる。
「ベリー、そのデカい木箱を先に落としたら上手い感じの足場になるんじゃないか?」
「おぉ〜なるほど……それは確かに!早速やってみよう!」
そうして私はユウと共に木箱を床の穴に落とし、それを足場にした事で安全に1階へ降り立つ事が出来た。
「あら、よっと……何か胸がデカくなった分、電車の時より重くなったんじゃないか?」
「ちょっと!洒落にならない事言わないでよ!ただでさえ走るだけで揺れて痛くなるのに――ひゃぁんっ!?」
すると、そう言い終わらない内にユウは私を抱えたまま右胸をムニュゥ♥と鷲掴みにしてきた。
だが、一瞬ビンタをしようと思った彼の顔は先程までとは違い、一切ふざけていない真面目な様子になっていた。
「なるほど……腫れてるとかの感じじゃなく、マジで成長してるような状態みたいだな」
「ユウ、君は一体……本当に学生なの?」
「ああ、そう言ったじゃんか。医学系を専攻してるだけの、ただのしがない学生さ」
「むぅ〜……」
怪しい……今までそんな素振りは見せた事がなかっただけに、余計ユウが怪しく見える。
それに、この落ち着きよう……ひょっとしたら彼は、このゾンビ騒動が起きる事を予期していたんじゃないか?
配電室へ向かったユウにそんな事を感じつつ、私は101号室で回廊を繋ぐ為に必要な鍵を探す。
ユウの話だと確か、金のレリーフの鍵があるなら銀もあるだろうとは言っていたけれど……。
「――っと、それっぽい金庫があったね。でも……これ、どうやって開けよう?」
だが、金庫の暗証番号が謎だ……警備室で見つけた盗難防止マニュアルによれば、宿泊客に合わせてランダムな暗証番号にセットしているらしいけど……。
「おーっす、ベリーの方は苦戦してたみたいですなー」
そこへ配電室で電力の復旧作業を終えたユウが、スレッジハンマーを片手に101号室へ入ってきた。
すると金庫の前で唸る私の隣に来るなり、いきなり彼は大きくハンマーを振り上げた。
「ちょちょちょっ!金庫カチ割る気!?」
「だって、どうせ暗証番号が分かんないなら……いよっ!どっせーい!!」
そうして彼は一息に振り下ろした一撃で金庫を歪ませ、そこに出来た扉との隙間からグリグリとバールで無理やりにこじ開けてしまった。
「ほれ、これで銀の鍵もゲットだぜ!……って、何で疲れた顔してんだ?」
「いや、別に……真面目に開けようと思ってた私が馬鹿みたく感じただけ……あはは、はぁ」
そりゃあ、短い時間で驚かされまくってたら嫌でも疲れます……全くユウったら、さっき金の鍵を手に入れた時の秀才ぶりは何処へやらだよ……。
◇◇◇
「うわぁ〜……ユウの言う通り、本当に開いたよ。それにしても、赤い宝石を石像の目にハメないと開かないようにするなんて……ここのオーナーって変人だね」
「だろ?実は結構前に、警察署で勤めてた友人から勤労パーティ的なのに誘われた時も、まるで最初からやる予定だったみたいに仕掛けだらけだったからさ。それ以降なんとな〜く、こういうのは予想出来るようになってさ〜」
「はぁ、それに気付ける方も凄いよ……」
言われてみれば、確かにラクーンの街には隠し扉だの秘密の抜け穴だの……そんな仕掛けのある建物が結構多いような気がする。
それも大体、ジョージ・トレヴァーだかって人が手がけた古い建物だったような……。
それはさておき……ようやくアップル・インの正面ロビーに辿り着いた私達は消防隊が安全に入れるよう、そこで待ち構えていたリッカー共をショットガンやライフルでズドンズドンと一掃していく。
「ぐっ!いつつ……ハンドガンには慣れてきたけど、やっぱりショットガンともなると反動がキツいや」
「まぁ、慣れない内は接近してきた相手に腰だめで迎撃する方が良いだろうな。だけど、割と早く銃の使い方を覚えるベリーも大したモンだぜ?」
「ユウにそう褒められると少し照れるね……」
その私の赤面ぶりにニヤニヤしながら、ユウは私が吹っ飛ばしたリッカーの頭をハンマーでグシャリと潰していた。
いやはや……化け物と戦った直後なのに、慣れてくると普通に会話が出来てしまう自分が怖いわ。
あらかた片付け終え、いよいよ消防隊が到着した事を示すようにサイレンがホテルの玄関口の方から響いてくる。しかも、このバラバラという音……どうやらヘリまでも道路に降り立っているらしい。
「よし、急いで外に――うわっ、何だ!天井のダクトから死体が!?」
するとその死体は突然動き出し、目前にいたユウを狙って口から鞭のように長い舌を振るってきた!
「ユウ、危な――うぁっ!!」
あっ、人ってこんな簡単に飛ぶものなんだ……。
途端にユウを押し退けて庇った瞬間、私の身体は普通じゃありえない程に吹っ飛んでしまっていた。
そして強く頭を壁にぶつけてしまった私は、ボゥッと薄れていく意識の中、血相を変えて駆け寄ってくるユウの姿を見て目の前が真っ暗になっていく。
◇◇◇
「ベリー!クソッ……そんな!!」
庇ってくれたベリーを舌で打ち飛ばしたリッカーの亜種"サスペンデッド"を睨みながら、ユウは気を失った彼女を机の陰に隠してショットガンを手に立ち上がった。
あれがウィルスの更なる変異で生まれたのか等といった疑問を全て頭から排除した今の彼は、ただ目の前で舌を伸ばしている化け物を始末する事で一杯になっていた。
「このクソビッチが、殺してやる……!」
そう怒りを口にしつつ、ユウは持ち得た知識で相手の弱点を探っていく。
リッカーなら一撃で仕留められる頭を撃つ……髪や頭皮を吹っ飛ばしただけで、大したダメージにはなっていないようだ。
ダクトにしがみついている両足を撃った……一度は落ちてきたものの、すぐに傷が再生して逃げてしまった。
だとすると、外傷には強いタイプなのだろうか……いや、それなら腹の傷口から出ている臓器は何だ?
「なるほど、そこが弱点か!」
腹の臓器を撃つと、サスペンデッドは大きく仰け反って苦しむような動きを見せ始めた。
ユウは弾切れしたショットガンからライフルに切り替え、再び相手の足を狙い撃って地面に叩き落とす。
そして、蹴るように足でひっくり返して腹を露出させ……何度も、何度も、ライフルの弾倉が空になるまで撃ってはボルトをコッキングさせ続けた。
「次のでトドメだ――ぐぅっ!?」
だが、ユウが弾丸のクリップをライフルに挿入した瞬間――サスペンデッドは仰向けのまま舌を素早く伸ばし、ズボンの裾からユウのペニスにシュルリ♥と巻き付かせてきた。
「こ、の……なんて所を……うぁぁぁっ」
すぐさまライフルの銃口を向けようとしたユウだったが、シュルシュルッ♥ニュルッ♥ニュルルッ♥と高速でペニスを上下に扱いてくる舌の動きが狙いを定めるのを阻む。
ニュルニュル……♥グジュル♥シュルルッ♥ヌチュヌチュヌチュッ……♥♥
「う、ぁぁぁ……止め、ろ……もう、扱くな……ぁっ」
根元から竿、そして亀頭から尿道口まで舐め回された快感でユウはライフルを取り落とし、いよいよズボン越しに舌を押さえようとする程に余裕が無くなってしまった。
しかし、サスペンデッドは仰向けのまま僅かに笑ったような表情を浮かべ、根元から尿道口の先まで舌をソフトクリームのように巻き付ける。
それをジュルルルルルッ♥♥♥と日本のコマを回すように一気に引き抜いた瞬間――
「あ"っ!お"、ぉぉぉぁぁぁああっ!!」
ドピュッ♥ブピッ♥ドピュルルルルルッ♥♥
ユウの絶叫と共にペニスからはズボンの股を濡らす程の精液が発射され、サスペンデッドは勝ち誇ったかのように次々と射精されるそれをクリームのように舐め取っていく。
「ぁ、ぁぁぁ……っ」
そして、ピュク♥ピュク……♥と勢いを失って射精が収まったと同時にユウはバタンと後ろに倒れてしまったのであった。
◇◇◇
机の陰でハッと目が覚めた私は、玄関口の方でサスペンデッドにペニスを弄られているユウの姿が目に入った。
見れば既に彼のズボンは奴の舌で器用に脱がされ、シュルシュル♥と蛇が獲物を捕まえるように何度もペニスの根元から先端までを舐め回されている。
「ぁぁ、ぅ……っ」
だが、それによってトプ……トプ……♥とペニスから僅かな精液を漏らしているユウを見た瞬間……ふと私の中で、彼に対して異様なまでに強い怒りと独占欲が湧き上がってきたのである。
ユウったら……私が気を失ってる間、あんな顔してリッカーもどきに舐め回されていたなんて……許せない!まだ私、彼にフェラすらしていないのに!
◇◇◇
――T-ウィルスによって様々な生物が感染、変異していくラクーンシティには、更に強い変異をもたらすウィルスも漏出していた。
それはT-ウィルスの変異株"L-ウィルス"であり、性欲や生殖能力に強い変異を引き起こす作用を持っている……現に、それに感染したサスペンデッドの手によって、単なるT抗体を持つだけであるユウは情けないオスとして精液を絞られている訳なのだが。
しかし、ベリーは脂肪の塊である胸から感染してゆっくりと全身に馴染んだ故か……それに適合して、身体どころか精神面においても更なる変異も起こしていたのである。
それは自分が欲するオスに対して本能的に強い執着心と独占欲を抱く、世間的に例えるならば「加虐嗜好(サディスティック)」な精神的変異であった……。
◇◇◇
「そのオスを……ユウを、離せぇぇぇぇえ!!!」
気付けば私はユウが落としていたライフルを手に持ち、天井へ引き返そうとするサスペンデッドもといクソ舌女に向かって引き金を引いていた。
「殺す……殺す……!!」
1発、2発……と撃つ度にストックが右肩を直撃して痛みが走るが、それでもユウを取り返そうと……奴を絶対に殺そうと強い意思を持って、弾倉が空になる直前まで撃ち込む。
そして最後の1発によってサスペンデッドが撃たれた衝撃で再び床に落ちたと同時に私はユウの手からハンマーを拾い上げ、それを両手の力で目いっぱいに振り上げた。
「――死ね」
グジュリ、と果物を叩き潰したような感触が手に伝わる。
頭部が熟れたザクロのように潰れたサスペンデッドはピクリとも動かなくなったのを確認した私は、そのまま倒れているユウを机の陰まで引っ張った。
「う、ぅ……ベ、ベリー……?」
そして……そこで丁度良く目を覚ました彼に、私はニコリと優しくも獲物を逃がさない眼差しを向けた。
さて、どう美味しく頂こうかな……♥