「さて、行くよ……"ウルフィー"」
ビービーという潜水艦のアラート音で目を覚ました私は、公邸から拝借してきた女性用スーツに着替えてジャケットを羽織りながら、すっかり成犬の姿へと成長した我が子――ウルフィーと共に潜水艦の外に出る。
こうして私の遺伝子の証である銀の毛並みを見ていると、ドーベルマンというよりも狼のように見えて凛々しいね。そこから名前もとっているし。
どうやら推測通り、私達もクレアさん一行と同じく南極の研究所に到着したようだ。
……まぁ、そのまま輸送機で壁をブチ抜いた向こうとは違って、私の方は地下基地の専用停泊所まで無事に航行してくれた訳だが。
「うぅ、寒……やっぱり潜水艦に防寒着とか置いてないのおかしいよ……私の銃――というかG11なんて置いてあるクセして」
こんな悪いニュースばかりの中で、私にとって良いニュースといえばウルフィーとコレだけだ。原作の……というか今の私のモデル元のキャラの装備が手に入ったのは少し喜ばしい。
それでもリロードに時間が掛かって面倒臭い上、水気は厳禁なケースレス弾丸のアサルトライフルなのだが。こんなのを次世代アサルトライフルとして広く売り出そうと考えてたH&K、データ段階で踏みとどまろうとは思わなかったのかな?
「さ、とりあえずは探索だ。救急スプレーで進行が遅らせられたとはいっても、身体のウィルスを何とかしないと……」
まだまだ大丈夫だとはいえ、また私の身体は男を求めるようにジク、ジク……♥と熱くなり始めている。この世界のT-ウィルスが特殊なのかは分からないが、これまで見てきたゾンビ共の股間が勃起していたのを見ても性的に狂わせる何かがあるのは確実だ。
いくら気持ち良いからって、私はあんな奴らのような性欲の奴隷達にはなりたくない。
「さて、この先は……なるほど、所長室の奥に繋がってたのか。ホッ、いきなり卑猥なモンスター共の中に放り出されなくて良かった……」
そうなると、まず相手する事になるであろう敵は所長室の通路に居座る巨大な蛾か。さっきからずっと、ウルフィーもしきりに扉の先に向かってウゥゥと唸っているから間違いない。
なんでこんな寒い所の研究所に蛾が生息出来るのかは甚だ疑問だけれど、ここにはアリだのクモだのも居るんだから相当住みやすい環境なんだろう。
とにかく、所長室を探索し終えたら一気に通路へ飛び出て、相手が飛びかかってくるより早くアサルトライフルで蜂の巣にして、と……よし、頭の中でシミュレーションは組み立てた。
そして扉を開けた瞬間、バウ!バウ!とウルフィーは吠えながら一気に部屋の奥へと後退りしていき、それと同時に私は部屋の外へ飛び出した。
しかし、私の予想とは裏腹に巨大蛾は私の視線の先には居らず、そこでハッとした瞬間には既に背後からバサッバサッと大きな羽音がすぐ近くで聞こえていた。
「しまっ――わぶっ!!」
すぐさま振り返って撃とうとしたが、巨大蛾は私に体当たりをしながら6本の脚で掴み込み、そのまま一気に荷物仕分け室の前まで羽ばたいて壁に押さえ付けられてしまう。しかも、その強い衝撃によって私の手からはG11が滑り落ちてしまった。
「ぐっ……この、離せ!!」
ハンドガンを入れてある左ポケットに手を伸ばそうとするが、左腕はしっかりと押さえ込まれて動かす事すらままならない。私は辛うじて動く右手で巨大蛾の頭に向かって拳を何度も振り下ろすも、それでも相手には全く通用せずバサバサと茶褐色の羽を震わせて鱗粉を撒き散らした。
「この、この……あ、あれ……?力が、入らな……く……?」
その鱗粉を吸い込んでしまったせいか、私の身体は徐々に麻痺したかのように動けなくなっていってしまう。すると、そんな獲物の様子を確認した巨大蛾は丸めた布団のような腹をグニャと曲げ、その先端を私の局部に押し当ててきた。
クソ、やっぱりコイツも私と交尾をしようと……あぁ、ヤバい。身体は動かないのに、またジンジンと股が切なくなってきた……!
「んっ、ふぅ……っ♥くぅっ……♥」
所長室の方からは、ウルフィーがクゥーンと不安げな声を上げて私の方を見つめている。
駄目だ、ウルフィー……こんな姿、見ないで……ゾンビとかいっぱいいて、危ないから――
「ほぎょぉっ!?」
その瞬間、ショーツを一気に破き去る勢いで私の膣内に巨大蛾の生殖器が捻じ込まれた。あまりの勢いに私の身体は反応が遅れたらしく、相手が抜き挿しし始めた頃になってようやく嘔吐感が込み上げてくる。
「お、ごぉぇぇぇ……っ♥」
そのまま私は巨大蛾の羽にゲロをブチ撒けたが、相手は全く意にも介さずに羽をバサバサ羽ばたかせ続けて抽挿を続ける。
「お"っ……♥うっ♥がっ♥ぎっ♥ごっ……♥」
何度も腹の奥底まで突き上げてくる生殖器の動きに、私は鈍い快感を覚えながら獣が呻くような嬌声を上げている。
だが、巨大蛾の動きが止まってそろそろ射精しそうだと感じた瞬間――
「えっ……ぎうっ!?」
突如として巨大蛾の左眼部にウルフィーが噛み付き、それに驚いた相手が壁や天井にぶつかりながらウルフィーと共に私を振り払った。床に叩きつけられた私は一瞬だけ意識が飛びかけたものの、すぐ目の前に落ちていたG11を拾ってウルフィーを襲おうとする巨大蛾の腹部を狙って引き金を引いた。
「この……化け物がっ!!」
腹部を滅多撃ちにされた巨大蛾は悶絶するように私の方へ向き直って飛びかかってきた。毒が抜けて動けるようになった私は壁から壁へ駆け上がりながら、ヨロヨロ浮遊してきた相手に飛び回し蹴りを入れる。
そして、荷物仕分け室の扉に巨大蛾の頭が挟まれ、グシャッ!と勢い良く緑の血を飛び散らせた。
「はぁ、はぁ……危ない所だった……助かったよ、ウルフィー……ありがとう」
私はウルフィーをワシャワシャ撫でて褒めてあげてから、着崩れた衣服を直して再び研究所の探索に足を進めていった。