新たに味方となってくれたテイラーの協力を得て私達は採掘室をよじ登り、地下1階の荷物仕分け室を通り抜けていく。
その道中にボロボロなジャイアントスパイダーの死体があったから、もうクレアさんの兄貴で後に人類最強ゴリラとなる、あのクリスさんも来てらっしゃるみたいだな。
……まぁ、さっきアルフレッドが言ってた事が本当だとするなら、私達は「絶対に暴走しないタイラント」なんて強力な味方が居るし、他人の事はとやかく言えないか。
『それにしても……まさか、サヤとウルフィーが親子だったとはな。なるほど、どうりで良く懐いている訳だ』
「まぁ、うん……ゾンビ犬にヤられたのが切っ掛けではあるんだけどさ……」
『とはいえ、生まれた直後に殺そうとは思わなかったのか?その相手がT-ウィルスの感染生物で、望まない妊娠だった訳なのだろう?』
「それでも……私が腹を痛めて産んだ子だよ。この子がどんな形で産まれたにしろ、生命として生きていくべきだと思う」
『ふむ……サヤは優しい母親だな』
優しい、ね……こんな世界に飛んでくる前、そんな言葉をかけられた事なんて無かった気がするよ。
何というか……家族とか彼氏とか、親しい人でも口喧嘩が絶えなかった記憶が薄らだけど残ってるし。
「とりあえず、この通路を突き当たりまで進めば研究室に繋がるエレベーターがあったハズだよ」
『しかし、随分と施設について詳しいんだな。サヤ、お前は以前にも此処に来た事が?』
「まぁ、ちょっとね……」
……流石に「ゲームで通った事があります」なんて言っても信じてもらえないだろうから、こう言うくらいしか出来ないや。
さて、エレベーターに乗り込んだ所でここまでの道のりを整理しよう。私の見立て通りなら、どうやら展開こそDC版だけど、建物の造りはオリジナル版みたいだ。
そうなると、クレアさん一行の方は……多分スティーブ君が大変な目に合わされてるな。さっきアルフレッドが「我が愛しい妹が無事に目覚めた」なんて事を言ってたし、アレクシアが覚醒してるのは間違いない。
……そのアルフレッド本人が生きてて、何処に居るんだかは謎だけど。とりあえず、テイラーの礼くらいは返させてもらいたいな。
何はともあれ、アレクシアの研究室に入るなら今が絶好のチャンスって事に――
『気を付けろ、サヤ!上から何か来るぞ!!』
「へっ?――うわぁぁぁあ!!」
だが、その刹那。私はエレベーターの天井を突き破ってきた太く長い何かに身体を掴まれ、そのまま何処かへ引き摺り込まれると同時に意識を失ってしまった。
◇◇◇
「ん……ここは、一体……?」
ピチョン、ピチョンと水の滴るような音で目が覚める。どうやら、私は大きな水槽の中に閉じ込められているようだ……そうなると、ここは実験体水中保管室という事だろうか。
「フフフ……」
「誰!?」
すると、水槽の向こうから少女の笑い声が聞こえてきた。あの長い金髪のドレス姿は……
「まさか、アレクシア!?」
「あら、私の名前を知っているなんて意外ね。何も知らない働きアリの分際でありながら、そこは良く評価してあげようかしら」
「何のつもりで私を捕まえて……ひぅっ!?」
すぐさま彼女の意図を問いただそうとしたが、いきなり私の身体は内側からカァァと燃えたぎるような熱を発し始める。
「何を、したの……!?か、身体が……熱い……っ!」
「これまでの貴方の動き、お兄様から全て聞かせていただいたわ。T-ウィルスに感染していながら、未だに理性を保ち続けている……フフフ、これなら私が植え付けたT-Veronicaにも、きっと良く適合してくれるかもしれないわね」
嘘だろう……もう私の中にも、スティーブ君を怪物に変えてしまったのと同じウィルスがあるなんて……くっ、駄目だ……私の頭、しっかりしろ!
「あらあら、物欲しそうに上の口からも下の口からもヨダレを垂らしちゃって……だけど、このウィルスが凄いのはここからよ?」
「えっ?それって、どういう――んぁぁぁっ♥」
何コレ何コレ何コレ!?こんな身体中を熱いナメクジに這い回られるような感覚、知らないぃぃ……!
「フフ、死にかけのイモムシみたいにグネグネしちゃうなんて……よほどT-Veronicaは貴方の事を気に入ってくれたようね」
「やだっ♥やだやだ♥これっ、早く止めて♥頭、おかしぐなるぅぅぅぅ♥♥」
「もう手遅れよ。早くその快楽に身を委ねて、私の下僕に堕ちなさい」
"手遅れ"……そうピシャリと鞭で打つように放たれたアレクシアの言葉を聞いた私は絶望する。
すると、それと同時に身体の中で暴れ回る感覚が一層と強まり、ある一点に集中していくのを感じた。
「あ"っ♥あ"っ♥おしりがっ♥おしりの上からっ♥何か……出てきちゃぅぅぅっ♥♥」
それを押さえて止めようとした瞬間、ズジュルッ!という音と共に私の尾てい骨が尻尾のような触手となって飛び出した。
――とは文字に表したが、これは後で見つけた監視カメラから確認出来たものを文字に表したものでしかない。何故なら、当時の私は……
「お"っ♥ん"お"ぉぉぉぉぉぉっ♥♥♥」
尻尾が生えた時、頭が壊れるくらいイッちゃってたからぁ♥ズジュルッて出てきちゃうのヤバいっ♥こんなの、ウルフィーを産んだ時と全然違うのぉ……♥
「あらあら、獣のような喘ぎ声なんて出しちゃって……さて、私はそろそろあっちの彼の方へ向かうわ。貴方はせいぜい、ここに来る白馬の王子様と甘い一時を楽しみなさいね……」
あっ♥アレクシアが、換気扇の触手に乗って何処か行っちゃった……♥でも、私を助けに来る人って……まさか、ね♥♥