男勝りロリコンドマゾ女退魔師 赤坂燈火 作:お金ナイダー1号
それはいつも見る明晰夢。
否、十年前、実際にあった悪夢。
妖魔化してしまった父を殺したあと。
父を妖魔化した張本人である中級淫魔、淫夢のアルメリアと相対したときの記憶。
「わかったわ。燈火ちゃんの勇気に免じて、私に攻撃できたら、妹ちゃんも燈火ちゃんも助けてあげることにするわ♡」
なぜかはわからない。
気まぐれなのか、または別の理由があったのか。
ともかくアルメリアは、二人とも捕らえられただろうに、確かにそう言った。
こういうとき、妖魔は嘘をつかない。
真実に近いことを言って、相手を騙すようなこともしない。
攻撃すれば助けると言ったのなら、攻撃すれば助ける。
ほかに何の条件もなく、ただ蹴りを入れようとするだとか、とにかく一般的に攻撃とされることをすれば、助ける。
これはある意味で、神との契約よりも信頼のおける、妖魔の習性だ。
それは燈火も母から教えられて知っていた。
だから燈火はアルメリアに対して攻撃すればよかった。
燈火自身も、それは十二分にわかっていた。
しかしもう一つ。
淫魔には習性というか、能力がある。
その能力は淫気と呼ばれ、周囲にいる者の淫欲を増幅させるというもの。
増幅させるのであるから、元から持っていない者、たとえば幼かった当時の妹などは効いていなかっただろう。
しかし残念ながら燈火にとっては効果覿面だった。
それも燈火の淫欲を駆り立てるには最適の存在が、そこにいたのだ。
だからアルメリアが“こと”を始めると、燈火はそれに釘付けになってしまった。
「……っ! ……っ♡♡♡」
「やめてっ! やめてぇっ!! 助けてっ! お姉ちゃん! お姉ちゃんっ!!」
アルメリアは自分の尾で、燈火の最愛の妹を拘束すると、彼女を犯し始めたのだ。
当時、すでに燈火には自覚があった。
自分が妹に対して向ける感情が一般的でないこと。
その感情が、性的欲求と深く結びついていたこと。
そして、その感情が日に日に強くなり、もはや堪えがたいほどになっていたこと。
その抑圧されていた感情が、淫魔の放つ淫気と混じり合っていた。
そうして出来上がった、グチョグチョと濡れた醜い物。
目の前の刺激的な光景が、それに火を付けてしまった。
燈火の体は、その熱に耐えることが出来なかった。
気付くと燈火は、履いていたズボンと下着をズリ下ろし、陰部を露出させて、その中心を指で激しく犯していた。
攻撃すれば助かる。
そんなことは頭から吹き飛んでいた。
最愛の妹から服が剥ぎ取られていく。
下着と柔肌が顕わになる。
アルメリアの黒い尾が巻きついていく。
未発達な膨らみを強調するように胸に巻きつく。
染み一つない、白い陶器のような足の肉を締め上げる。
まだ性感に目覚めていないであろう股の割れ目をしつこく擦り上げる。
そんな最愛の妹が犯される光景を“ネタ”にした自慰に、ひたすら夢中になっていた。
「お姉ちゃん!! お姉ちゃんっ! どうしたの!? 助けてっ! お姉ちゃんっ!!」
最愛の妹の助けを求める悲痛な声。
それはたしかに聞こえていた。
助けないと。
そう何度も思った。
しかし淫欲に飲み込まれた体は動いてくれなかった。
それどころか燈火の体は真逆の反応をした。
最愛の妹の悲鳴を聞くたび。
痛みに涙を流すたび。
なにか良くない悦びが脳を犯した。
「あッ♡ あぁッ♡ ご、ごめん♡ まゆ、ごめんっ♡ あぁっ♡ お姉ちゃんっ、なんだかっ♡ なんだかおかしいのっ♡」
そんな言い訳をしながら。
アルメリアに攻撃するでもなく。
その尾を払いのけるでもなく。
ただひたすら自分の性器に指を出し入れし続けた。
それだけ巨大な淫欲に、燈火は飲み込まれていた。
「ねえ、燈火ちゃん♡ ここ、舐めてみたいんじゃない?」
燈火が絶頂に登り詰めようかというとき、アルメリアは言った。
と同時に尾が、妹の陰部を広げさせるように動いた。
“ここ”がどこを指すのか、それでわかった。
そこは性感によってというよりは防衛反応によってであろうが、まるで欲情を表すかのようにヌラヌラと光っていた。
「今なら舐めても良いのよ♡」
アルメリアが重ねて言った。
「わかってるでしょう? もうこんなチャンスは絶対に来ない。 一生で一度、正真正銘のラストチャンス♡」
灯りに誘われる虫のようだったろう。
燈火はフラフラと移動して、最愛の妹の“そこ”の前に跪いた。
「お姉ちゃん……、どうしたの……? お姉ちゃん……」
一瞬、妹と目があった。
その目は困惑と疑念に濡れていた。
いつもカッコいい自慢の姉。
どんなときも自分を助けてくれた最愛の姉
ついさっきも助けてくれた姉。
だから今回も助けてくれると信じていた。
なのに、姉は妖魔に何か言われると、急に履いていたズボンを脱ぎ、むかし自分に
「汚いから、あんまり触っちゃダメだぞ」
と教えてくれた場所に、夢中になって指を突き入れることしかしなくなった。
困惑して、疑念を浮かべて当然だろう。
姉として、そんな物はすぐに払拭してやらないといけなかった。
だが、燈火にとって、目の前にあるものはあまりにも魅力的だった。
「お姉ちゃん……っ」
「まゆ♡ ごめん♡ ほんとうにごめん♡」
一瞬ためらうことさえできなかった。
燈火は妹の疑念の視線から逃げるように目を伏せると、その宝石のように光っている部分にむしゃぶりついた。
そして、間もなく。
燈火はそれまでの人生で、否、それからの人生でも最高で、最低の絶頂を迎えた。
『……』
『…………』
『……………………えー? じい?のこと? よけーわかんないよー♡』
『ねえ、意地悪しないで? おねえさんは知ってるんだよね? だったらしてみせてよー♡』
『恥ずかしいの? でも、おねえさんは今からしようと思ってたんだよね?」
『いっつも「恥ずかしいことはしちゃダメだ」ってうるさいのに。 自分は裸んぼになって恥ずかしいことしようとしてたんだ?』
『恥ずかしくないでしょ? いつもはカッコいいおねえさんが自分の部屋では毎日恥ずかしいことしてるなんて、そんなわけないもんね?』
『ほら、まずはおっぱいの先っぽをカリカ』
「……痛ってぇ」
目を覚ました燈火が最初にしたのは、イヤホンを自分の耳から取り外すことだった。
次にしたのは状況確認。
体のいたるところが痛む。
これはおそらく、椅子に座って、机に突っ伏すような姿勢で気を失っていたせいだ。
尻から太ももにかけて、不快な痒みがある。
これは気を失う前にしていた…………行為の処理をしなかったせいだ。
同じ部分が、動く度にぐちゅっと音をさせる。
周囲を見回す。
時間は深夜0時。
帰ってきてから大分時間が経っている。
「クソっ……!」
燈火は苛立たしげに吐き捨てながら立ちあがる。
兎にも角にも“行為”の処理をしなければならない。
(クソ……、クソッ、クソッ! クソッ!!!)
何度も胸の内で吐き捨てながら、燈火はティッシュペーパーに手を伸ばした。
自己嫌悪が毒のように燈火の体に回っていた。
序章終了です。