かつて訓練生が使っていた本拠地。その司令本部の会議室でチョウマが無念の表情で呻いている。
「クローディアを手に入れた後に征服する世界はまだあるというのにここで終わるのか…!」
数々の世界の映像を映し出す。
「畜生、畜生! この俺の願いは潰えぬぞ! 全世界を手に入れるまでは! この俺は不滅なり!」
戯けた事を言った後、チョウマは珠に念じると、メロディーヌの巨大な光弾が当たる前に跡形もなく自爆した。こうしてガンダムシリーズだけでなく黒きオーラ様が執筆中の世界にまで迷惑をかけた最低な男自称帝王チョウマの人生は幕を閉じるのだった。
剣山(つるぎやま)の頂上。
「皆、ご苦労だった」
ジョームが姿を現した。
「チョウマが死んだということは私達は自由ね」
プルの言葉にジョームは頷くと、彼の姿がメロディーヌになった。
「そう。お前たちはチョウマの支配から解放され、このメロディーヌの支配下にこれからなるのよ!」
この言葉に驚く一同。
「さあ、あなた達。あなた達の支配者は誰かしら?」
ハマーン達は言いたくない言葉を言わされる。
「それはメロディーヌ様、あなたです」
「その通り。ではチョウマの爪痕を消すためにこの世界をガンダムシリーズの上層部の許可を得てサービス終了。私の手先として働いてもらうわ」
メロディーヌが指をパチンと鳴らすと、空間の歪みが発生し、中からミオリネ達が現れた。そして彼女たちもメロディーヌに対する忠誠を誓わされる。
「では、ガンダムシリーズの上層部に行きなさい、あなた達」
メロディーヌが念じると、空間の歪みが発生し、ミオリネ達が消えた。その様子をこっそり見ている男が携帯電話で連絡する。
ムロー専用ネェル・アーガマの艦橋内部
「何、チョウマ様がメロディーヌに殺された!?」
リュータの報告にムローは愕然とする。メロディーヌの動向を探っていた男はムローの部下だったのだ。
「チョウマ様ー!!」
リュータは泣いているムローを半眼で見つめる。何故なら彼の目から涙がこぼれていないし、嘘泣きであることがバレバレだからだ。そのムローの前にチョウマが持っていた珠が出現した。
3時間後
「何で私に跪かないのよ、この世界の連中は!?」
メロディーヌは苛立っていた。何故ならチョウマの死を信じないだけでなく拠点を自爆させるなどして彼女の邪魔をする輩が多いからだ。
「メロディーヌ様、上層部から『ガンダムネットワーク大戦』サービス終了が2024年3月28日13(午後1)時に決まりました」
「そう、それは良かったわ。私には向かうからこうなるのよ」
エマの報告にメロディーヌは落ち着きを取り戻す。が、そこへミオリネから思わぬ報告が入った。
「メロディーヌ様、大変です。ムローが我々のいる所に向かってきます!」
「そんなバカな! あいつは反チョウマ同盟との戦いで少なくとも1週間は動けないと計算していたのにどうして!?」
「分かりません。ですが、私たちのいる所に向かっているのだけは事実です」
「分かったわ。あなた達、ムローを迎え撃つわよ」
メロディーヌは舌打ちする。そしてムロー専用のネェル・アーガマが出現した。
「ムロー、ここがあなたの死に場所よ。あなたのだぁい好きなチョウマの後を追って死になさい!」
メロディーヌの命令でハマーン達がムローのネェル・アーガマに攻撃しようとする。しかし、何故か攻撃しない。
「あなた達、私の言う事が聞けないの!?」
「ハマーン様達は私とあなたの一騎打ちを所望しておるようですからなぁ…」
ムローが着艦したネェル・アーガマからゆっくりと降りてきたあと、言った。
「ふざけないで! ハマーン達は私の部下よ!」
「ハマーン様達は私の部下でないのは勿論のこと、お前の部下でもない!」
ムローが憤怒の形相で怒鳴った。
「この世界の主人公であるチョウマ様を謀殺し、滅ぼした最低でかつ性悪な女メロディーヌ、私はお前を許さない! お前を倒してチョウマ様の敵を討つ! これがこの世界が滅びる前に私が唯一できる事だ! いくぞ!」
ムローが向かってくる。
「空手でもしようというの。バカァ?」
メロディーヌは鼻で笑うとクローディアに変身し、叫ぶ!
「銀月の聖装衣・神罰執行形態……解放ッッ!!!!」
「ならばこっちも銀月の聖装衣・神罰執行形態……解放ッッ!!!!」
「ムダよ、ムロー。私の方が…え!?」
メロディーヌは驚いた。ムローの銀月に輝く籠手の殴打の威力がメロディーヌのそれよりも凌駕しているからだ。慌ててメロディーヌは回避する。
「メロディーヌ、覚悟!」
ムローが右手に剣を出現させ、メロディーヌに斬りかかろうとする。
「トランザム!」
メロディーヌはクローディアの姿から元に戻り、辛うじて躱す。
「トランザム!」
ムローも彼女のスピードに追いつくべく機動力を向上させる。ムローに押されていくメロディーヌ。
「ならば…異界門創造・暗影の再燃!」
メロディーヌの詠唱で開いた異界門から二人の魔王の幻影が喚ばれる。
「ムロー、これであなたの負けよ」
肩で息をしながら告げるメロディーヌに対してムローは余裕の笑みを崩さない。
「力量差がわかっておりませんなァ」
ムローは肩をすくめた後、メロディーヌに向かって人差し指を指した。すると、二人の魔王の幻影がメロディーヌに攻撃する!
「私のトークンの主導権を奪えるの!?」
二人の魔王の幻影の攻撃を躱しながら、メロディーヌは気づいた。
「隙あり!」
ムローは斬りかかろうとしたが、メロディーヌが二人の魔王の幻影を盾にしてテレポートで逃げたために倒しそこねた。
「勝った。でも逃がしたために無念だ!」
悔しがるムロー。
「ムロー、お前を何とか助けてあげよう」
ハマーンが話しかける。
「ハマーン様…しかし」
「お前ほどの才能の持ち主を失うのをガンダムシリーズの連中が喜ぶはずがない。私達が便宜を図ろうではないか」
「お気持ちはありがたいです。ですが、苦楽を共にした仲間を捨てて助かろうとは思いません! 自分が助かるくらいなら世界とともに滅びるべきです!」
ムローの熱弁にアムロが苦笑した後、言った。
「君の世界の人たちをガンダムシリーズの上層部がいる所に避難させ、それぞれの役目に応じた職に就けるのはどう?」
「助けてくれるのですか?」
「約束しよう」
「宜しくお願いします!」
ムローはアムロ達の前に深々とお辞儀した。
「まさか三日天下どころか三時間天下とは…」
某森林内にメロディーヌがよろめきながら歩いている。
「私は諦めない…。ガンダムシリーズを我が手中に…」
「いたぞ! 我が世界に異界召喚士を送り込んだメロディーヌだ!」
無数の兵士が現れ、メロディーヌを捕まえた。
シリル帝国城内にある裁判所。
「メロディーヌよ。お前はチョウマという架空の人物に変身し、異界召喚士を利用して我が国家の象徴とも言える姫君二人を辱めた罪で死刑にする!」
「私はやっていないわ!」
メロディーヌは抗議するも裁判長は聞き入れない。
「この映像を見ても白を切るか!」
メロディーヌがチョウマに変身し、異界召喚士に命令している映像を当人に見せる。
「だからしていないって! どうしてそんな事になるのよ!」
「お前が色々な人に変身するのを見たぞ! それでもしていないと言うのか!」
彼女の反論に怒った一般市民の一人がジョームやアルト、さらにクローディアに変身する映像を見せる。これにはメロディーヌも沈黙した。
「これで決まったな、メロディーヌ。お前は死刑だ!」
こうしてメロディーヌの人生は己の変身能力が仇になる形で幕を閉じるのだった。
二日後の『SDガンダムGジェネレーションシリーズ』の世界での某町内でエム達はチョウマの死亡とムローがガンダムシリーズのリーダーになった情報を耳にした。
「畜生! あのチョウマのクズが! 死に逃げしやがって!」
ネーナは怒りで顔が青くなった。自分の尊厳を踏みにじった男を自分の手で殺したかったのに他人に殺されたからだ。
「ムローがガンダムシリーズのリーダー…」
王留美は忌々しそうに呟くのでエムは何かしら嫌な予感を覚える。ムローと戦うことになるかもしれないことに。
その翌日。シリル帝国の処刑台付近。
「おおッ、メロディーヌ殿。短い付き合いだが今まで見た中で一番美しい表情をしとるのぉ」
絶望や無念に満ちた表情をしたメロディーヌの死体を見たムローが嬉しそうに言った。
「ムロー、この女が異界召喚士をこの世界に送った元凶だよね」
「その通りです、クローディア様。あなた様の手を煩わせる事になり誠に申し訳ございません」
「その後始末は会議室でしよう」
クローディアは深々とお辞儀するムローをなだめた後、彼を会議室まで案内する。こうしてシリル帝国とガンダムシリーズの交渉は互いに鑑賞しない形で無事に終わった。
ガンダムシリーズ上層部の会議室。
「ムローよ、良くやった。今後ともガンダムシリーズの発展のために頑張れ」
「はっ! このムロー、必ずやガンダムシリーズ発展のために身を粉にして働く所存です!」
「期待している」
ムローはお辞儀をして退出した後、こう思った。
(いつかこの俺ムローがガンダムシリーズだけでなくあらゆる世界を征服する! その前に障害となるエム・シーナリーを殺すか跪かせなければならない。チョウマのようにすぐに実行して周囲を敵に回すようなヘマをしてはならん。機が訪れるのを待つのだ! フフフ…フハハハハハハハハ!!)